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戦争史料が散逸しないための戦争博物館設立等に関する質問主意書
衆議院 第219回 第85号お答えすることは困難 ×3趣旨が明らかではない ×1
質問本文
日本国民が保有する一連の昭和の戦争の貴重な史料(戦地からの手紙や遺書含む)や物品等が所有者の高齢化等にともなって廃棄・散逸している。このような民間が保有する史料や物品等を預かるべき国の施設の受け入れ体制が脆弱である。
そのため、このような史料や物品等が中国や韓国などの収集に熱心な研究所や大学等に流出している。実際に貴重な史料等を収集していた大学教授が退官の際、預かる場所がなく、廃棄するには忍びなく、史料収集に熱心な韓国の大学に移管していたとの事例も聞いている。
二〇二五年八月七日に石破首相宛に、危機感を持つ戦争資料収集等に携わる十の団体と研究者・有識者二十四人により、「民間が収集する戦争関連資料の総合的な受け入れ・保全・活用施設の設立を求める要望書」が提出された。この要望書の中には「多くが保管場所の確保に苦慮しており、一部は史料収集に積極的な韓国や中国の研究機関などに移管されている」との危機感が表明されている。今、国の受け入れ体制を整えなければどんどん中国や韓国等に史料や物品等が移管・散逸しかねない。
二〇二五年十一月七日の衆議院予算委員会で委員である長妻昭より前記の問題意識に基づいて高市早苗首相に「ほかの国では戦争博物館というものがちゃんとある。日本も是非、国立の、政府が造る、今細かいのが幾つか、三つ(昭和館、しょうけい館、平和祈念展示資料館)ぐらいありますけれども、それを統合しても結構ですので、こういう民間の貴重な資料をちゃんと集める、そういうものを、戦後八十年の節目、前向きに検討するという御答弁をいただきたいと思うんですが、いかがですか」と質問した。
すると高市首相から「しっかりと、まずは調べさせます。実際に収納スペースがあるのかないのか、実際にお断りをしているのかどうか。貴重な資料でございますので、これをちゃんと保管できるような環境をつくるために、まず調べさせてください」との答弁があった。
そこでお尋ねする。
一 高市首相答弁に「まずは調べさせます」とあるが、すでに調査は着手しているのか。また、調査の結果は出ているのか。出ていればお教え願いたい。
二 「まずは調べさせます」ということだが、具体的に何をどのように調査をしていつまでに調査するのか、お示し願いたい。加えて、調査項目を具体的に列挙願いたい。
三 調査項目の例示として、高市首相は「実際に収納スペースがあるのかないのか」と答弁しているが、実際に収納スペースにどの程度余裕があるのか。また、そもそも民間の戦争史料や物品等を幅広く預かるルールになっているのか。お尋ねする。
四 調査項目の例示として、高市首相は「実際にお断りをしているのかどうか」と答弁しているが、実際に戦争史料や物品等の受け入れを断った事例は、過去十年間でそれぞれ何件ほどあったのか、施設ごとにお示し願いたい。
五 高市首相は「これ(戦争史料や物品等)をちゃんと保管できるような環境をつくるために、まず調べさせてください」とあるが、調査の上、速やかに保管できる環境、戦争博物館のような民間の戦争史料・物品を預かり保管する十分な規模の施設、例えば戦争博物館のようなものをつくっていただきたいと考えるが、いかがか。前向きに検討していただきたいと考えるが、内閣の姿勢をお聞かせ願いたい。
右質問する。
政府答弁書
一及び二について
お尋ねの調査(以下「本件調査」という。)については「着手」しており、具体的な「調査項目」としては、厚生労働省においては、「資料受入状況等に関する調査の実施について(協力依頼)」(令和七年十一月十九日付け厚生労働省社会・援護局援護企画課事務連絡)により、昭和館及びしょうけい館に対して、「昭和館等における資料受入状況等に関する調査票」として、例えば、「収蔵庫」の「収蔵場所」、「収蔵庫の平方メートル数」、「現状使用可能な平方メートル数」、「現状の実物資料の受入方針について」、「過去五年間」に「寄贈を受けた件数」、「過去五年間」に「寄贈をお断りした物の具体的な例及び理由」等と示しており、また、総務省においては、令和七年十一月十九日に電子メールにより、平和祈念展示資料館に対して、同内容の調査票を送付し、これらの項目を示しているとおりであり、いずれも同年中の回答を求めているところである。
三について
「実際に収納スペースにどの程度余裕があるのか」とのお尋ねについては、一及び二についてで述べたとおり、本件調査の中で確認しているところであり、現時点でお答えすることは困難である。また、御指摘の「幅広く預かるルール」の意味するところが必ずしも明らかではないが、平和祈念展示資料館、昭和館及びしょうけい館(以下「三館」と総称する。)における「民間の戦争史料や物品等」の受入れについては、これらと、三館それぞれの設立目的及び展示内容との関連性並びに三館に既に所蔵されている資料との重複の有無、御指摘の「収納スペース」の状況等を勘案し、対応がなされているものと考えている。
四について
「実際に戦争史料や物品等の受け入れを断った事例は、過去十年間でそれぞれ何件ほどあったのか」とのお尋ねについては、三館いずれにおいても、当該事例の記録を作成していないことから、網羅的にお答えすることは困難であると考えているが、一及び二についてでお答えしたとおり、本件調査において、「過去五年間」に「寄贈をお断りした物の具体的な例及び理由」を把握することとしており、適宜聞き取り等による補足を行う予定である。
五について
御指摘の「民間の戦争史料・物品を預かり保管する十分な規模の施設」の在り方については、本件調査を踏まえ、検討することとしており、お尋ねの点も含め、現時点でお答えすることは困難である。