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引揚寮補修に関する再質問主意書
衆議院 第22回 第11号
質問本文
衆議院議長 ※(注)谷秀次 殿
引揚寮補修に関する再質問主意書
一 昭和二十五、六両年度にわたり補助された寮補修費については、当時引揚者を応急的に収容した老朽施設転用の寮はきわめて不備で、畳、窓ガラス、天井、炊事場等の附帯施設がなく、住居として不完全であつたので、これら附帯施設の整備にその大半を費したので、建造物本来の維持保全に必要なる補修は不可能なるまま今日に至つたのである。
したがつて、政府の見解のごとき五千三百余万円の補修費をもつて引揚寮の補修が完備されたとはいいがたいのである。じ後、設置主体の責任において家賃収入等により維持補修を行うべしとの方針がとられたが、東京都のごとき大規模の引揚施設を運営するものに対しては、実情に即さないうらみがあると考えられる。
補助金打切り以降は家賃収入と都費とをもつてするも限られたる都財政のもと、万全なる維持管理は期しがたく、現に倒壊にひんする寮、不測の不祥事をも内蔵しつつある施設が多い。
政府は、つとにかかる現況をは握しているというが、国家財政のつごううんぬんによつて一片の考慮すら与えられない現況は、まことに承服致しかねるのであつて、もはやこのままには放置しえないと断ずる。
よつて、さきに行われた疎開住宅と建物の維持補修に必要なる国庫補助を継続的引揚対策事業として現政府の責任において樹立されたいが、改めて考慮できないか。
二 故国に引揚後東京都の引揚寮に定着している者のうち、いわゆる他府県の関係者は約七十パーセントに達している。
これらは当然原籍の他府県へ引揚ぐべきものと、あるいは、いつたん郷里に落着きたるも就職その他の事情によつてふたたび東京都に転入しきたつた者たちである。かかる東京都の特殊事情は北海道のごとき道出身者の大半を収容したる寮とみずからその趣を異にしている。しかるに、政府は、設置主体において維持管理を行うべき基本方針を堅持しつつありながらも北海道の引揚施設補修については昭和三十年度にさらに予算措置を講ぜられたる由をそく聞するが、東京都に対してはこの基本方針のゆえをもつて、なんらの考慮も与えられざるは真に遺憾であり、片手落の譏を免かれない。引揚対策の国家的見地からするも北海道以上に全国的にわたる引揚者を収容しつつある東京都に対しては、むしろ北海道以上の措置をとられるべきであると思うがいかん。
右質問する。
政府答弁書
一 東京都における引揚者集団収容施設の処理については、前回の答弁書のとおり施設の腐朽破損度等により疎開、補修を行うという全国的な方針にのつとり、昭和二十五年度から昭和二十七年度の間において必要な国庫補助金を交付したものであり、特にこの補助金は、当時東京都の要望をほとんど満たしたものであるが、なお、都財政の都合もありより多額の国庫補助金を交付し疎開、補修事業を完全に実施し得なかつた事情等もあつたことは、まことに遺憾である。
しかしながら、施設の現状は、このまま放置し難い状態にあると認められるので、本年度において更に補修費の国庫補助等について努力したのであるが遺憾ながら実現できなかつたものである。
今後これらの施設については、でき得る限り速やかに第二種公営住宅等に入居せしめるなどの方法により疎開せしめる一方、補修費の国庫補助についても、国家財政の許す範囲内において更に努力する所存である。
二 東京都に定着する引揚者の特殊事情は、よく承知しているところであるが、北海道については、その特殊事情を十分考慮すべきものと考えている。即ち北海道における引揚者集団収容施設の入居者は、北海道出身者はきわめて少なく千島、樺太よりの引揚無縁故者あるいは、入植その他新しい生活基盤を求めて渡道した引揚者が、その大部分を占めているのである。そしてこれらの施設は終戦直前急造されたバラツク的兵舎が大部分であり、しかもこれらの施設は、財政力もきわめて貧弱な市町村に偏在しているのである。加うるに北海道が寒冷多雪地域であるため、施設の腐朽度も内地に比して一段とはげしく、早急に整備補修を必要とする現状となつている。
以上のような諸種の条件を勘案して、本年度においては国家財政の事情もあり特に北海道についてのみ、補修を実施することになつた次第である。
右答弁する。
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