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郵政事務の能率化に関する質問主意書
衆議院 第7回 第88号
質問本文
衆議院議長 ※(注)原喜重※(注) 殿
郵便事務の能率化に関する質問主意書
郵便事務の能率化と国民大衆の便益増進のために、次の質問をする。
一 郵便貯金は、創設以来すでに七十余年の久しきにわたつているにもかかわらず、今なお郵便貯金の通帳の記載方は、預入記入欄と拂出記入欄のみあつて差引残高欄がない。これに差引残高欄を設けたならば、郵便貯金の国民的性格にかんがみ、事務の能率化と国民大衆の受ける便益はすこぶる大きいと思う。政府の所見如何。
二 先般来郵便の宛名記載方について、單に受取人の住所のみならず、その住所を所管する配達局名の記載を要請しているのは、集配事務の内部的技術的知識を一般国民大衆に転嫁せんとするもので、ひとり逓信従業員の專門的知識及び熟練した技りようの保持者たるの誇りを傷つけるのみならず、国民大衆に無用の煩雑さを強いている嫌いがあるから、急速にこれを廃止する意思はないかどうか。
右質問する。
政府答弁書
一 郵便貯金通帳に現在高欄を設けることは、主意書の通り、
一 預金者側にとつては、一見して貯金の現在高を知ることができて非常に便利であり、
二 郵便局側にとつても、貯金の拂もどしを取り扱う場合において、そのつど現在高を算出する煩を省くことができる。
という利点があつて、従来もしばしばその実施方について考究されて来たのであるが、
反面、
一 郵便貯金は、一册の通帳で全国総ての郵便局で預入をすることができ、従つて、その原簿は、郵便局に置かないで、地方貯金局に置かれていること。
二 郵便局における郵便貯金の即時拂は、必ずしも常に通帳の貯金現在高の全部について取り扱われるのではなく、他の郵便局で取り扱つた預入金額の拂もどしには、一定の制限があること。
三 貯金利子は、地方貯金局で計算されて毎年元金に加えられるものであるため、通帳の貯金現在高は、必ずしも原簿の貯金現在高に一致しないこと。
四 郵便局における預入のつど通帳に貯金現在高を記載することをあらたに始めるためには、相当の手数が増加し、定員を増さなければならないこと。
五 通帳に貯金現在高を記載することによつて、計算相違等の場合に郵便局に原簿がないため、かえつて拂もどし上の事故を誘発するおそれがあること。
等の難点が考慮され、加うるに、終戰後においては、預金者の住所も安定せず、その利用する郵便局も一定していなかつたこと、郵便局員の素質が比較的に低下していたこと、紙の需給が乏しかつたこと等の理由で、まだ実施の運びに至らなかつたものである。
しかしながら、郵便貯金の使命は、国民の経済生活の安定のための簡易確実な貯蓄手段を提供することにあるのであつて、これがためには、国民に対するサービスの改善ということに重点をおくべきことは、当然である。従つて終戰以来、先ず戰時中に混乱した事業の内部事務を整備すること及び郵便局従事員の素質の向上を図ることに努めてきたが、現在その成果は次第に挙がりつつあるので、今後は、事業のサービスの改善に積極的な推進を期することができるものと考えている。
質問の主意は、預金者の住所が漸次安定し、利用郵便局も一定してきた今日においては、有意義であり、且つ、実現が可能と考えられるので、前述の難点については、これを克服するように更に一層の研究を行い、趣旨に副いたいと考えている。
二 現在、市区町村の行政区画と郵便局の集配区画との一致していないものが、全国において、郵便局数の約七〇パーセントに達している。そのため、郵便物の区分処理を複雑化し、誤区分、遅達等の原因ともなつている。
このような欠陷を是正するには、従事員の技能向上によらねばならないことは勿論であるが、これをもつてしても、なお完璧を期し得られないものがあるので、名あてに配達局名を記載することにより、更に一層の正確且つ迅速な処理を図るようにしている次第であつて、これを廃止しようとする考えはない。
郵便事業の円滑な運行を図るためには、その性質上からして、名あての記載方などについては、利用者の積極的な協力にまたねばならない点が多いのであつて、配達局名記載の措置をとつたことも右のような趣旨から、一般の協力をお願しているので、内部事情を一般利用者に転嫁しようとする意図によつたわけではない。
なお、配達局名の記載が励行されるようにするためには、先ずもつて、差出人がその住所に必ず局名を記載することによつて、お互に配達局名を知り合うようにすることが肝要と認められるので、各郵便局をして、区内居住者に対し、正しい局名記載方について、周知、且つ勧奬に努めさせている次第である。
以上の趣旨を了承せられ、配達局名の記載に積極的な協力を願つてやまない。
右答弁する。
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