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公衆浴場に関する質問主意書
衆議院 第72回 第30号
質問本文
衆議院議長 前尾繁三郎 殿
公衆浴場に関する質問主意書
公衆浴場(通称銭湯)が経営難でどんどん減つている。公衆浴場は昔から庶民の心の洗たく場といわれてきたが、最近は入浴料金の値上がり、自家ふろの普及等により入浴客が激減し、昭和四十五年に一浴場一日当たり平均三百人以上あつた利用客が最近は二百人以下となり、浴場経営は重大な危機に立たされている。その上、燃料の値上がり、人件費の高騰等による入浴料金の値上げが検討されている最近の状況では更に利用客が減る傾向にあり、悪循環となつている。
このような原因で公衆浴場数も昭和三十九年の二万二千百九十八軒をピークに年々廃業による減少が目立ち、昭和四十四年に三百軒、同四十五年に五百十四軒、同四十六年に六百六十二軒、同四十七年に九百二十九軒と減少している。これは一日平均約三軒近くが廃業していることになる。四十八年もその傾向が続いている現況から見て公衆浴場利用の多い低所得階層者の公衆衛生上に及ぼす影響は無視できない。よつて、次の事項について質問する。
一 自家ふろをもたない低所得利用者の公衆衛生上の観点から、浴場の適正配置を考慮しつつ、一軒当たり入浴利用者が減つていく中でも浴場の営業が成り立つために政府は次の事項を実施すべきであると思うが、どうか。
(1) 設備改善資金のために環境衛生金融公庫の利子を更に引き下げること。
(2) 固定資産税の減免等税制上の優遇措置を講ずること。
(3) 地方公共団体では、公衆浴場助成の一環として入浴料金の一部を補助する等、一定入浴者が確保できない浴場への助成を行つているが、政府としても地方公共団体が助成を行うときの助成額と同額の補助を当該地方公共団体を経て補助するか、又は地方交付税の算定に当たりこれら浴場施設と入浴利用者数を算定の対象とすること。
二 浴場経営の多角化を図つて積極的に経営を安定向上せしめるために、次の二点を実施すべきだと思うが、どうか。
(1) 老人福祉施設の不足を補う上からも、これら既存の公衆浴場を活用し、入浴料の無料化をすすめ、それを政府が補助すること。
(2) それらのための浴場の附属設備の増改築、娯楽施設の設置等について、公庫の貸付け限度額を引き上げ、かつ、助成措置を講ずること。
三 現在、公衆浴場については公衆浴場法で、入浴料金は物価統制令で律せられており、更に運営上の具体策は各地方自治体の条例で規定されている。公衆浴場衛生のあり方を規制し、物価統制令である種の制約が必要であるという側面はわかるとしても、統制のあり方について国の助成策とからめて内容を再検討すべきだと思うが、どうか。
右質問する。
政府答弁書
一について
(1) 環境衛生金融公庫融資の基準利率は年八・九%であるが、公衆浴場設備に対しては、当該営業のおかれている状況等を考慮し、給水湯設備、浴槽、洗場、貯油槽、ロッカー、鏡等公衆浴場に不可欠な設備について、他の場合よりも低い年七・五%の利率で融資するよう配慮しているところであり、またその他換気設備、暖房設備等についても年八・五%としている。
(2) 公衆浴場に係る固定資産税については、当該営業のおかれている状況等にかんがみ、土地の税負担が特に著しく増加している場合においては、納税者の担税力の実情を考慮し、営業の用に供されている土地に係る固定資産税を軽減することが適当である旨地方公共団体を指導しているところである。
また、公衆浴場の建物については、他の用途の建物に比べて、その耐用年数を短縮することにより、従来から他の建物よりも有利に取り扱われている。
(3) 公衆浴場の入浴料金については、適正な費用及び利潤をまかない得るものであることが必要であり、この趣旨から、昨年十一月に当該料金の算定方法の合理化を図り、都道府県知事に指示したところである。
なお、公衆浴場の経営の安定と近代化を図るための方策等については、今年度において、学識経験者からなる検討委員会を設け、慎重に検討することとしている。
二について
(1) 浴場経営の多角化については、従来から環境衛生金融公庫の経営多様化設備資金の融資、環境衛生関係営業経営相談員の指導等によりその推進を図つているが、今年度においては融資条件を改善するとともに、より専門的な経営指導を行うため環境衛生関係営業経営指導員制度を設けることとしている。更に、公衆浴場経営の多角化方策については、前記の検討委員会で検討することとしたい。
(2) 環境衛生金融公庫の貸付限度額は、原則として、一、五〇〇万円であるが、浴場業の場合は特に三、〇〇〇万円としており、更に、今年度においては、その内枠として従来一、〇〇〇万円以内とされていた経営多様化設備資金の貸付限度を撤廃する等の助成措置を講じているところである。
三について
公衆浴場の入浴料金については、入浴が国民生活に不可欠であること等から、物価統制令により統制しているところであり、その運用に当たつては、料金算定方法の合理化を図る等当該料金の適正化に努めている。
今後の公衆浴場入浴料金の統制のあり方については、国民の生活様式の変化等も考慮し、物価統制令以外の公約関与の方法等も含めて、前記検討委員会において慎重に検討することとしている。
右答弁する。
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