ことばで探す › 衆議院 第80回
国鉄阪和線の輸送力改善等に関する質問主意書
衆議院 第80回 第21号検討してまいりたい ×1
質問本文
衆議院議長 保利 茂 殿
国鉄阪和線の輸送力改善等に関する質問主意書
国鉄阪和線は、いうまでもなく大阪府南部地域(泉州地方と略称されている)を縦貫する国鉄唯一の貨客輸送路線であり、特に近年同地域における各種開発及び住宅団地の建設進展と相まつて旅客輸送の需要が急増する傾向にある。さらに同地方は全国有数の繊維、玉ねぎ等の産地であり地域産業の振興発展の上からも、また南海電鉄の貨物輸送の廃止に伴い、貨物の阪和線への移行の関係からも阪和線の果している役割はますます重視されているところである。
以上の観点から、国鉄阪和線の輸送力改善並びに関連施設整備等に関し、先に昭和五十一年二月二十四日、衆議院予算委員会第五分科会において質問し、国鉄当局より新車導入、車両の増結、快速の増発及び道床の改良等に努める旨の答弁があり、その後逐次実行されてきたところであるが、この度日根野車両基地建設に際して関係の自治体並びに住民、さらに国鉄職員の間に、同基地建設計画の概要と機能、基地建設工事に伴う諸般の影響、貨客の輸送力の変化、輸送の安全性、利便性等について多くの意見と懸念が出されており、これに対する当局の対処の如何は緊急を要すると考える。
従つて、この際関連事項も含めて次の事項について質問する。
一 日根野車両基地建設計画における附帯設備に関して
1 汚物処理設備について、その処理能力、処理方法、放流時のBOD(生物化学的酸素要求量)基準、放流河川として予定されている安松川及びその河口に与える汚染度の影響の見通し、臭気の発生の度合いとその影響の範囲を明らかにされたい。
2 危険品倉庫について、その収容品目並びに危険防止対策をどうするか。
3 排出水処理設備から機械油等の未処理液が基地外に流出する恐れはないか。
4 同基地が完成した場合、予想される車両騒音は周辺地域で何ホーンになるか。基地の境界線から百メートル、三百メートル、五百メートルの各地点で昼間、夜間、深夜の時間帯ごとに予想数値を明らかにされたい。
二 同基地建設工事に関して
1 土砂採取について、基地建設工事用の土砂の採取地である和歌山県岩出町風吹地区は、大阪府泉南市に隣接しており、その地盤は砂岩、頁岩の互層であり、土砂採取によつて水質汚濁の危険性が高く、特に泉南市内簡易水道使用地区への影響が懸念されている。
(1) 採取現場での土砂崩れ、水質汚濁等を防止するためどのような措置がとられているか。
(2) 今後、土砂採取によつて腐土、腐石が増加し、現場にたい積するが、誰がどのような方法で処理するのか。
2 土砂の搬出に関連して、ダンプカーが通過する泉南市の東地区(金熊寺、六尾堀河、童子、楠畑、葛畑の六地区)の各区長は、本年三月十五日、搬出に反対の意向を表明しているが、その理由は、府道泉佐野―岩出線は道路幅が極めて狭く歩道もないため交通事故の危険度が高いこと、ダンプカーの通過で排ガス、騒音、振動等の公害が起ること等である。
これらの公害や危険に対する防止対策を明らかにされたい。
三 輸送設備、関連設備の整備改善について
1 現在、鳳、和泉府中、東岸和田、東貝塚、長滝、和泉砂川の各駅が貨物取扱駅となつているが、南海電鉄の貨物取扱廃止に伴つて、阪和線の貨物駅の存否は関係住民が大きな関心を抱いているところである。
(1) これら各駅の貨物取扱いは将来とも存続させるのか、統廃合するのか。
(2) もし統廃合するとすれば、その予定時期、計画の内容を明らかにされたい。
2 電車の速度が時速八十五キロメートルから百十キロメートルに加速される予定と聞いているが、スピードアップに伴つて沿線住民から無警報、無しや断機の踏切や狭あいな踏切の危険性が指摘されている。
(1) この際、これら危険踏切を総点検し、必要な箇所に警報機、しや断機を設置し、あるいは拡幅すべきであると思うがどうか。
(2) 特に、もず駅南一番踏切の拡幅と歩行帯の設置、東貝塚駅南一番踏切の拡幅、同南二番踏切の警報機設置、和泉橋本駅北二番踏切のしや断機設置、同北一番踏切の拡幅、新家駅北一番踏切の拡幅・警報機設置、同南一番踏切の拡幅は周辺地域住民からそれぞれ要望が出されているが、その計画を明らかにされたい。
(3) また転てつ機の取替の必要も増大すると思われるが、取替予定箇所、その数量並びに予定時期を示されたい。
3 輸送力の増大、車両の増結、列車の増発に伴い、駅舎の拡充・改善等が必要となると思われる。
(1) それについて今後の計画を駅ごとに明らかにされたい。
(2) 特に、天王寺駅の阪和線ホームの延長、もず駅下りホームの上屋の延長(改札口の間に屋根を設置)、北信太駅の駅ホームと上屋の延長、熊取駅ホームの上屋の延長は乗降客の増加により地域自治会等から要望されているところでもあり、その計画を明らかにされたい。
(3) 関連して、津久野駅の西側に改札口の設置、鳳駅の西改札口の拡幅、富木駅・和泉府中駅・東岸和田駅の西側にそれぞれ改札口の設置を望む声が強いが、その計画はあるかどうか。
4 乗降客の増加に伴い、沿線各駅に自転車通勤者が激増し、その対策が緊急に求められている。
(1) どのように対処する方針なのか。
(2) 特に、堺市駅、もず駅、津久野駅、鳳駅、富木駅、東岸和田駅、和泉橋本駅、熊取駅に関して駅前自転車置場の設置若しくは拡充について住民の要望が強い。国鉄用地の利用を含めて設置の協力についての計画を各駅ごとに示されたい。
5 上野芝駅、日根野駅が橋上化した場合、障害者児のための乗降設備としてどのような計画がなされているか。なお日根野駅については橋上化の見通しも明らかにされたい。
6 津久野駅ホーム南端の下を通るガードの拡幅、和泉府中駅の公衆便所の外部利用、和泉府中駅南二番踏切の間の線路下の水路の泥上げについて住民の要望が強いが、その実施計画を明らかにされたい。
四 輸送力増強に伴う国鉄職員の労働条件等について
輸送力増強に関連して労働条件の悪化が懸念されているが、
1 日根野基地の検修要員は車両三両につき、最低二名の基準が維持されるかどうか。
2 同基地完成後も電車乗務員及び線路補修要員は現行の基準が維持されるかどうか。
3 踏切詰所に空調設備を設置することを求める声があるが、踏切要員の健康維持のため必要詰所に設置する予定があるかどうか。
4 踏切詰所勤務を一人から二人勤務にする計画があるかどうか。
5 職員の健康管理のため、国鉄鳳診療所を復活する予定があるかどうか。
五 最後に、新大阪駅と北信太駅を結ぶ外環状線新設の計画について、調査実施状況を明らかにされたい。
右質問する。
政府答弁書
一について
1 国鉄において、計画中の汚物処理設備は、活性汚泥法により、一日当たり約七十五立方メートルの処理能力を有し、また、放流時のBOD濃度は、大阪府条例で定められた排出基準三十ppmに対し十ppmを目標としていると聞いている。
河川等周辺公共用水域に与える影響については、関係法令に基づき事前評価を進めていくこととし、また、臭気に関しても、汚物処理設備を建物内に設備すること等により、周辺の住民に影響を及ぼさないよう配慮して計画していると聞いている。
2 危険品倉庫については、臨時修繕用として酸素ボンベ及びアセチレンガスボンベ数本を収容することを考えており、その設置に当たつては、消防法令及び高圧ガス取締法令に適合させることにより危険の防止を図ると聞いている。
3 排出水処理設備の設置に当たつては、設備の処理能力等に十分な配慮を行い、未処理液が基地外に流出するおそれがないよう措置すると聞いている。
4 車両基地が完成した場合、国鉄は車両の出入庫を四時五十五分から零時十五分までの間に予定しているが、この間における車両の出入庫に伴う車両走行音は、基地の境界において五十三ホンから六十五ホン程度、基地の境界線から百メートル離れた地点において四十四ホンから五十八ホン程度と予想される。
なお、基地の境界線から三百メートル以上離れた地域に車両走行音が及ぶことはないと聞いている。
二について
1 岩石の採取については、採石法に基づく規制がなされ、採石業者は岩石の採取に伴う災害の防止等のため採取計画の認可を受け、その採取計画に従つて岩石の採取を行わなければならないこととされている。御質問の岩石採取場における岩石の採取に係る採取計画においては、土地の崩壊の防止、沈でん池の設置等災害の防止のための措置を講ずることとされており、この採取計画に従つて採取が行われるよう監督がなされているところである。
なお、廃土及び廃石については、採石業者が、採取計画に従つて必要な措置を講ずることとなる。
2 土砂の搬出については、土砂運搬車の休日における運行の休止及び登校時間帯における運行の回避、関係交通法規の遵守、交通整理員及び踏切監視員の必要箇所への配置、散水車による防塵等の対策を講ずるほか、関係者による協議会を設置し、危険等の防止の徹底を図ることになつていると聞いている。
三について
1 貨物駅の集約については、従来から国鉄において、貨物の取扱量、統合駅までの距離、道路事情その他地理的・経済的条件を総合的に判断して計画し、実施してきている。阪和線の貨物取扱駅についても、現在国鉄において、貨物の取扱いを廃止するかどうか、廃止する場合はその時期をいつにするか等について検討中である。
2(1) 踏切道の事故防止対策については、個々の踏切道を調査し、関係各府県の踏切道改善促進協議会において協議の上、関係機関の協力を得て、踏切警報機及び踏切遮断機の設置、踏切道の拡幅及び整理統廃合、交通規制等必要な措置を実施しているところである。
(2) 百舌鳥駅南一番踏切道、東貝塚駅南一番踏切道、和泉橋本駅北一番踏切道、新家駅北一番踏切道及び新家駅南一番踏切道の拡幅については、国鉄と道路管理者とが協議して検討するよう指導してまいりたい。
東貝塚駅南二番踏切道の踏切警報機の設置については、現在のところその計画はないと聞いている。
また、和泉橋本駅北二番踏切道の踏切遮断機の設置及び新家駅北一番踏切道の踏切警報機の設置については、計画中であると聞いている。
(3) 輸送力増強に伴う阪和線の分岐器の交換等については、計画されている七十二組のうち、三十七組が既に完了しており、残りの三十五組についても、二、三年中に完了する意向であると聞いている。
3(1) 現在、国鉄においては、阪和線の混雑の緩和を図るため、車両の増結等輸送力の増強を検討中であり、これに伴うホームの延長等についても同時に検討を行つているが、駅舎の改築については、当面計画していないと聞いている。
なお、美章園駅―杉本町駅間の各駅については、現在地元と協議中の高架化工事に併せて駅舎の改築を行う予定であると聞いている。
(2) 百舌鳥駅の下り線ホームの上屋の延長については、現在計画中であり、また、北信太駅については、現在計画中のホームの拡幅に関連して上屋の延長も検討する意向であると聞いている。
なお、天王寺駅の阪和線のホームの延長及び熊取駅のホームの上屋の延長については、今後、阪和線の需要動向等を勘案し、混雑緩和対策等の一環として検討する意向であると聞いている。
(3) 津久野駅、富木駅、和泉府中駅及び東岸和田駅に新たな改札口を設置する計画並びに鳳駅の西改札口を拡充する計画はないと聞いている。
4(1) 駅周辺における自転車置場の設置については、地方公共団体から要望があれば、国鉄の業務に支障をきたさない範囲で、国鉄用地の有償提供を行うよう国鉄を指導しているところである。
(2) 堺市駅、津久野駅及び鳳駅については、現在、大阪府、堺市、警察、国鉄及び私鉄から成る堺市内駅前広場自転車等駐車場対策協議会において、自転車置場の設置について協議を進めていると聞いている。
百舌鳥駅、富木駅、東岸和田駅及び和泉橋本駅については、駅構内が狭あいであり、国鉄用地を自転車置場に利用することは不可能であると聞いている。
熊取駅については、同駅周近の再開発事業計画の一環として自転車置場の設置について検討がなされていると聞いている。
5 上野芝駅については、橋上化に併せて、身体障害者の安全の確保のため、誘導ブロック、安全手すり等の設備の設置を計画していると聞いている。
なお、日根野駅については、橋上化の計画はないと聞いている。
6 津久野駅のホームの南端の下を通るガードの拡幅については、現在その計画はないと聞いている。
和泉府中駅の旅客用便所の外部利用については、実施する計画はないと聞いている。
和泉府中駅南二番踏切道付近の線路を横断する排水溝の泥上げについては、これに接続する和泉市の排水溝の泥上げと併せて施行する予定であると聞いている。
四について
御質問のうち、国鉄職員の労働条件については、国鉄の労使間の交渉を待つべき事項であると考える。
鳳診療所の復活については、国鉄においては、その考えはないと聞いている。
五について
現在、国鉄において、新大阪駅―長吉付近につき、道路及び河川との交差、連続立体交差化等に関し、調査を行うとともに、沿線の各市と協議を進めているところである。
なお、長吉付近から阪和線への接続については、ルートの選定を含め今後検討していくこととしている。
右答弁する。
似た質問主意書
件名と質問本文の冒頭の意味が近いものを、前もって計算しておいた表から近い順に8件並べました(multilingual-e5-large)。同じ言葉を使っていなくても出ます。論点が少しずれていることもあります。