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地方自治体議会の決議執行停止に関する質問主意書
衆議院 第9回 第72号
質問本文
衆議院議長 ※(注)原喜重※(注) 殿
地方自治体議会の決議執行停止に関する質問主意書
一 地方自治体議会が成規の手続によりなした議決は、憲法に規定せる国会の議決と同じく尊重されねばならぬと考えるが、政府の所見如何。
二 若し、地方自治体議会の議決が憲法上に規定されていないとか、その他の理由によつて自治体議会の正当なる議決の執行を停止し、又は撤回せしめることのできる法的根拠があれば明らかにされたい。
三 大阪府茨木市議会が、去る九月三十日地方自治法に基き、当該議会の議事規則による成規の手続を経て、一議員除名の議決を行つたので、大阪府選挙管理委員会は法規に基き、その補欠選挙を告示して選挙運動中、被除名議員は、市議会議員除名議決取消の行政訴訟を提起し、行政処分執行停止命令の申請を行つた。ところが、大阪地裁は、この訴訟を受理し、且つ行政処分執行停止の仮執行を許可したので、市議会の議決の執行は停止され、補欠選挙は中止のやむなきに、いたつた。この市議会の議決執行を停止し、選挙告示と運動を中止せしめた法的根拠を明らかにされたい。
四 該市議会が調査せるところによると、前項の法的根拠は、行政事件訴訟特例法に基いたものと解釈しているが左様解釈して差支えないか。
五 若し、同法の規定によるとすれば、同法は行政執行上に生じた問題、事件を処理する法規であつて、これを立法機関たる自治体議会の議決事項に適用することは不当ではないか。
六 立法機関たる自治体議会の議決に違法又は不当なりと認むるところある場合の抗告の途は、別途法的に規定すべきであると考えるが政府の見解如何。
七 若し、政府が大阪府茨木市議会の議員除名の執行停止を命ずる裁判所の法的根拠が、行政事件訴訟特例法に基くものと解釈した場合、去る十月六日茨木市議会の議決によつてなされた内閣総理大臣宛の陳情書をいかに処理されるか。
八 裁判所が行政事件訴訟特例法に基いて茨木市議会の議員除名の議決執行を停止したことに対する市議会側の抗告の途は行政事件訴訟特例法の第十條の但書による法文の適用を至当と考えるが如何。
九 以上各項は、立法機関たる議会の議決の効力に関する重要な事項であるから詳細に答弁されたい。
右質問する。
政府答弁書
一 地方公共団体の議会の議決は、法の定めるところによつて効力を有し、その限りにおいてこれを尊重すべきことはいうまでもない。
二 特に地方公共団体の議会の議決だけを対象として、その執行を停止し、又はこれを撤回せしめることを直接明定した法の規定はないが、行政事件訴訟において、地方公共団体の議会の議決の効力が争われることである。
三 具体的な訴訟事件に関して裁判所がした処分の当否につき、当該訴訟事件の係属中に、政府が判断を下すことは差し控えたいが、大阪地方裁判所が茨木市議会の議決の執行を停止すべきことを命じたのは、行政事件訴訟特例法第十條第二項本文の規定によつてしたものと考えられる。
また、大阪府選挙管理委員会が行つた補欠選挙の告示の改訂は、右の執行停止命令があつたことによつて、当該補欠選挙において選挙すべき議員の数が変更するに至つたことに伴うやむを得ない措置と考える。
四 地方公共団体の議会の違法な議決に関しては、当該地方公共団体の長が特定の措置をすることができる旨の地方自治法第百七十六條の規定もあるが、なお研究することにしたい。
五 諸般の事情を慎重に検討して適切に処理したい。
六 行政事件訴訟特例法によれば、処分の執行停止を命ずる裁判所の決定に対しては、不服を申し立てることができないのであつて(第十條第五項)、同法第十條第二項但書の規定は、右の決定に対する抗告の道をひらいたものではないと考える。
右答弁する。
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