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青山一丁目特定街区指定処分並びに青山ビルディング建築につき締結された協定の履行等に関する質問主意書

衆議院 第91回 第7号

提出者
衆議院
提出日
1980年3月12日
内閣転送 1980年3月15日
答弁書受領日
1980年4月22日
提出から41日
答弁の項目数
6
質問 1,701字/答弁 1,023字

質問本文

衆議院議長 ※(注)尾弘吉 殿

青山一丁目特定街区指定処分並びに新青山ビルディング建築につき締結された協定の履行等に関する質問主意書

東京都は昭和四十九年八月三日告示第八二〇号をもつて、港区南青山一丁目一番地につき容積率を八九二パーセントとする東京都南青山一丁目特定街区の指定をなし、さらに東京都建築主事は、昭和五十一年六月十六日付第二二七号をもつて、三菱地所株式会社外が同所に建築する通称新青山ビルディングにつき建築確認通知をなした。

ところで、右建築確認に対しては右ビル建築に反対する付近住民から審査請求がなされ、これにより東京都建築審査会は、昭和五十二年四月十三日右建築確認通知を取消す旨の裁決をなした。

右裁決は、確認にかかる建築物が前記特定街区による容積率の指定八九二パーセントを超えるものであることを理由として前記確認が違法であると判断したものである。

ところが東京都は、昭和五十二年六月三日前記特定街区の変更の決定をなした。

右変更は、A敷地につき容積率を一、〇一九パーセントとする一方で同B敷地の容積率を〇パーセントとするものであるが、これは法令上疑問がある。従つて、次の事項に関し政府の見解を求める。

一 都市計画法第八十八条は法の実施のため必要な事項は政令で定めると規定するところ、特定街区指定の具体的基準とすべき政令が存しないまま指定処分をなすことは、法に違背し、行政庁の恣意的処分を招来せしめるものではないか。

二 昭和三十九年四月三日発都第七号「特定街区計画標準」は、南青山一丁目の該当する第七種容積地区(容積率七〇〇パーセント)にあつては基準容積率に一・三を乗じた容積率を指定するものとしているが、東京都の右変更におけるA敷地についての容積率一、〇一九パーセントの指定は右「標準」に違背するものではないか。

三 仮に東京都が右「標準」に準拠して容積率の割増し率を算定する場合、本件におけるようにその間に廃止することの不可能な公道の存するA敷地、B敷地を合算した面積を基準として算定することが可能であるかどうか。その理由を質問すると同時に、同様の処置をとつた前例があるとすれば明示されたい。ないとしたら今後の特定街区指定処分において本件を先例とする趣旨かどうか。

四 右変更は、前記裁決をもつて三菱地所株式会社外の建築する「新青山ビルディング」に関する建築確認が取消されたため、取消の理由となつた都市計画自体を変更して建築確認を事後的に適合化せんとしてなされたものと見られるが、かかる手続を経過してまで建築確認をなして同ビルの建築を許可した実質的理由は何か。

五 三菱地所株式会社は、「新青山ビルディング」の建築に当たつて同ビル建築に反対する付近住民より結成された「青山をビル公害から守る会」との問で、昭和五十三年四月八日付合意書・協定書をもつて協定をなし、同ビル付近の環境整備事業等を行うことを約したにもかかわらず、今日まで、右協定による三菱地所株式会社の環境整備事業等の大部分は全く履行されることなく経過しているが、協定は「守る会」がビル建築に対する収束せしめる代償として三菱地所株式会社が種々の環境整備事業を履行することを約した双務的契約であつて、前記文言にも見られるように企業の社会的責任に基づくものであると同時に、当事者等に法的拘束力を生ぜしめるものと考えられるが、三菱地所株式会社の義務中、同会社はごく一部の事項のみを履行して他の事項は全く履行していないがその理由は何か。

その理由はいかなる理由で法的に履行を拒絶する根拠となるか。

六 東京都は、右協定に立ち合つて合意書末尾に都市計画局長名にて署名しており、また、東京都都市計画審議会昭和五十二年五月二十三日付付帯意見にて「風害・大気汚染などのビル公害について住民と話し合うよう都は事業者を指導する」としており、東京都においては右環境整備事業等の速やかな実現にむけて当事者の指導をなすべき行政責任を有するものと考えるが、指導等をしたことがあるかどうか。仮に指導をしなかつたとすれば、その理由は何か。

右質問する。

衆議院の原文・経過

政府答弁書

一について

特定街区に関する都市計画の決定に関し必要な基準については、都市計画法第十三条第一項及び第二項において定められており、これにのつとつて通達等により指導してきているところでもあり、その具体的基準とすべき政令が存しないとしても、当該都市計画の決定が法に違背し、恣意的になるものとは考えていない。

二について

昭和五十二年六月三日東都告第四百六十五号中において、容積率をA敷地十分の一〇一・九、B敷地十分の〇、街区全体で十分の八九・二と定めており、本件街区の容積率は、昭和三十九年四月三日建設都発第七号「特定街区計画標準」により算定した街区内の容積率の限度十分の九一・〇以内であるので、右「特定街区計画標準」に違背するものではない。

三について

本件のように、A・B両敷地の間に廃止することの不可能な公道が存する場合であつても、市街地の整備改善に資する場合には、両敷地について一つの特定街区に関する都市計画を決定することができるものである。この場合においては、公道をはさむ両敷地の面積を合算した面積を容積率の割増率を算定する場合の基準として取り扱うこととしている。

公道によつて分割される敷地について、一つの特定街区に関する都市計画を決定した前例としては、平井一丁目特定街区(東京都江戸川区平井一丁目地内、昭和四十四年四月十五日建設省告示第千四百五十四号)がある。

四について

東京都は昭和四十九年八月三日青山一丁目特定街区の都市計画決定を行つたが、容積率の表示について当該都市計画決定の趣旨と異なる解釈が生じたため、都市計画決定の変更の手続によつて昭和五十二年六月三日容積率の表示内容を補足したと承知している。

五について

御指摘の合意書及び協定書(以下「合意書等」という。)により三菱地所株式会社が実施することとされた事項のうち、新青山ビル敷地内の植樹、新青山ビル高層部の各コーナーの面取り、新青山ビル西側通路の設置及び特定街区内B敷地公園の整備については、既に実施済であり、その他の事項については、関係者間でその実施について協議中であると聞いている。

六について

東京都は、都市計画地方審議会の付帯意見に基づき、関係者の話合いに参加するとともに、三菱地所株式会社に対し地元住民と十分話し合うよう指導し、昭和五十三年四月合意書等の調印に達し、また、合意書等の調印後もその内容の実現に向けて協議を進めてきていると承知している。

右答弁する。

衆議院の原文

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