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谷村株式会社新興製作所の雇用問題と労使紛争に関する質問主意書

衆議院 第93回 第16号

提出者
衆議院
提出日
1980年11月28日
内閣転送 1980年11月29日
答弁書受領日
1980年12月23日
提出から25日
答弁の項目数
4
質問 902字/答弁 1,225字

質問本文

衆議院議長 福田 一 殿

谷村株式会社新興製作所の雇用問題と労使紛争に関する質問主意書

谷村株式会社新興製作所(所在地、岩手県花巻市城内四番三号、以下「会社」という。)と、その従業員で組織する労働組合である新興製作所労働組合(所在地、岩手県花巻市城内四番三号、以下「組合」という。)との間の雇用問題を中心とした労使紛争について質問する。

一 会社は、故参議院議員谷村貞治氏の創設した通信機製造を行う同族会社であつたが、最近突然大幅増資を行い、経営者が交替し、新しい大株主の手に経営が移つたと聞いている。その過程で株の取得や金融などについて週刊誌が書き立てるなど兎角の噂があり、経営者側の内部に問題があると思料されるが、その経過につき明らかにされたい。

二 会社は、最近従業員約千七百名(組合員千四百六十七名)のうち五百名という大量解雇を発表し、その結果、会社と組合との間に紛争が起こつていると聞いているが、その解雇理由、組合側の態度並びに紛争の経過と現状を説明されたい。

三 会社と組合の紛争のなかで、組合側から岩手県地方労働委員会に不当労働行為の救済申立て、盛岡地方裁判所に仮処分申請が行われていると聞いているが、その申立て、申請の内容、経過、進行状況並びに現状について明らかにされたい。

また、岩手県地方労働委員会、盛岡地方裁判所が、勧告などを行つていると聞いているが、その内容を明らかにされたい。

四 岩手県では、中小企業の倒産の増加、冷害の影響などによつて雇用問題が深刻となつており、さらに県内有数の企業である会社が五百名もの大量解雇を行えば、地元の経済に与える影響は極めて重大であると思われるが、岩手県並びに花巻市は今回の会社の解雇にいかなる対策をとつているかを明らかにされたい。

五 岩手県内有数の民間企業といわれている会社の労使紛争は、単に岩手県内だけの問題ではなく社会的に重要な問題である。政府、労働省、通産省並びに会社と密接な関係をもつ電々公社などは、この紛争解決と労働者の雇用確保のためにいかなる行政指導を行い、どのように紛争解決に当たられるのか見解を明らかにされたい。

右質問する。

衆議院の原文・経過

政府答弁書

一について

谷村株式会社新興製作所(以下「会社」という。)においては、昭和三十二年の会社設立時以来谷村貞治氏が代表取締役であつたが、昭和四十三年、同氏の死亡に伴い同氏の配偶者である谷村昌子氏が代表取締役に就任した。その後、昭和五十二年に至り、同氏の養子である谷村恒治氏が代表取締役に就任した。

会社は、昭和五十四年二月、資本金を六億円から二十四億円に増額する十八億円の第三者割当て増資を実施した。

本年三月の取締役会において、谷村恒治氏は代表取締役を辞任し、勝芳孝氏が代表取締役に就任した。その後、取締役について大幅な交代が行われ現在に至つている。

政府としては、以上のとおりであると聞いている。

二について

会社は、本年十月二十九日、新興製作所労働組合(以下「組合」という。)に対して、業績の悪化を理由に、正社員五百人の勧奨退職の実施及び労働条件の変更について申入れを行つたが、組合は、その白紙撤回を要求して意見が対立した。以後、会社と組合との間で勧奨退職の実施及びこれと密接に関連をもつ会社再建問題を中心として団体交渉が行われたが、合意に達せず、組合は、十一月十日から十八日までの間ストライキを実施した。ストライキ期間中も含め継続的に団体交渉が行われ、十一月二十八日、会社と組合は、�@会社は十月二十九日に申し入れた勧奨退職は行わない、�A会社は具体的な再建計画を提起し、組合は同再建計画についての協議に応じる、�B会社は協議が整うまで人員整理を含む一切の合理化を行わない、等を内容とする協定を締結し、現在、同協定に基づき労使間で会社再建についての協議が進められている。

政府としては、以上のとおりであると聞いている。

三について

組合は、本年十一月十一日、岩手県地方労働委員会に対して、勧奨退職等の問題に関する不当労働行為救済申立てを行つた。同地方労働委員会は、同月十五日、労使双方から事情聴取を行つたが、その際労使双方に対し一層の話合いを進めるよう要望した。

また、組合は、同月十七日、盛岡地方裁判所に対して、解雇の実施差止めに関する仮処分申請を行い、同地方裁判所は、同月十九日、労使双方から事情聴取を行つた。

その後、組合は、同月二十八日の協定締結により、右の申立て及び仮処分申請は必要がなくなつたとして、同申立てを十二月五日、同仮処分申請を同月六日それぞれ取り下げた。

政府としては、以上のとおりであると聞いている。

四及び五について

岩手県及び花巻市は、従業員の雇用の安定のためにはこの問題の早期かつ円満な解決が必要であるとの観点から、関係者からの事情聴取並びに会社及び組合に対する指導、助言を行つてきているところであるが、政府としては、現在、労使間において自主的な協議が進められているところであるので、その動向を見守るとともに、今後とも適切な指導、助言が行われるよう、岩手県等関係機関と連絡を密にして対処してまいりたい。

右答弁する。

衆議院の原文

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