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五万円札の発行に関する質問主意書

衆議院 第94回 第34号

提出者
衆議院
提出日
1981年4月25日
内閣転送 1981年5月2日
答弁書受領日
1981年5月8日
提出から13日
答弁の項目数
3
質問 1,250字/答弁 584字

質問本文

衆議院議長 福田 一 殿

五万円札の発行に関する質問主意書

行政改革の一環として五万円札を発行すべきであると思うが、政府見解について次のとおり質問する。

銀行や現金を多額に扱つて取引きするところではそれを渇望している。目下政府提案の五百円硬貨発行の法案が審議されているが、発行の理由は、自動販売機が激増し百円硬貨が増加したこと、五百円硬貨販売機で売る品物が増えてきたこと等の理由による。しかし、補助貨幣の中に占める百円硬貨の割合は次表のごとく六三・六%である。

現金通貨の流通高等(その一)

しかるに、一万円紙幣は次表のごとく八三・七%であつて、百円硬貨と比較してはるかに高率である。

現金通貨の流通高等(その二)

従つて、五百円硬貨もさることながら、一万円紙幣より高額な紙幣を発行することの方が急務ではないか。そのうえ、前掲現金通貨の流通高等のその一、その二で分るように、五十一年一月末には百円硬貨の構成比は六三・三%であり、五十六年三月末はわずかに〇・三%増えたにすぎない。ところが、一万円札の構成比の方は七九・六%から八三・七%に激増している。これをみても、一万円札以上の紙幣発行の方が急務である。

主要各国の最高紙幣の構成比をみれば、次表のごとく日本の一万円札が極めて高いことが分る。日本に次ぐスイスでさえ四二・二%と日本の半分であり、イギリス、西ドイツは一三〜一四%である。日本のように、中心貨幣が八割を超すことは異常である。

主要国の銀行券券種別発行高構成比

さて、アメリカの最高紙幣は百ドル(約二万円)、イギリス五十ポンド(約二万四千円)、フランス五百フラン(約二万一千円)、イタリア十万リラ(約二万円)の他は西ドイツ千マルク(約九万六千円)、スイス千フラン(約十万六千円)、オランダ千ギルダー(約八万九千円)、スウェーデン一万クローネ(四十五万二千円)、カナダ千ドル(十七万三千円)等々で、二万円から四十五万二千円まで幅が広い。以上各国の状況を考慮して五万円札が適当と思う。

本年四月十八日の日経によれば、「一万円札のシェアが、昨年末に比して〇.三%下がつたので時に五万円札の発行が、見送られよう。」と報ぜられている。原因は不況による企業の沈滞というが、こういう時こそ発行の好機といえる。ましてや、行革による補助金カットで不況ムードのつのる現在こそ発行に踏み切る絶好機ではないだろうか。一万円札のシェアが八五%〜九〇%と上つていく時はインフレ時で、その時発行してはインフレに油を注ぐことになろう。給料等銀行振込みも進みつつあるし、給料支払にわざわざ五万円札を使わなくてもよいし、買物の婦人らも五万円札でということもなかろう。従つて次のとおり質問する。

一 民間の事務合理化も政府の行う重要な行革であるから、速やかに五万円札を発行すべきであると思うが、どうか。

二 また、発行準備はすく取りかかるべきだと思うが、どうか。

三 一、二ともできないとすれば、そのネックは何か。

右質問する。

衆議院の原文・経過

政府答弁書

一について

政府としては、現在のところ、五万円札を発行する考えはない。

二について

政府としては、五万円札の発行準備に取り掛かるべきかどうかについては、なお今後の経済取引の動向、一万円札の流通状況等を見守り、慎重に対処してまいりたい。

三について

政府の考え方は、次のとおりである。

1 五万円札の発行が、銀行その他多額の現金を扱つているところでは事務の合理化に資することとなるのは御指摘のとおりであるが、五万円札等の高額紙幣を発行するかどうかは、基本的には、国民の現金種類に対する需要の動向及び高額紙幣の発行による心理的影響等をも含めた総合的見地から慎重に検討すべきである。

2 補助貨幣発行残高に占める百円貨幣の金額構成比よりも、日本銀行券発行残高に占める一万円札の金額構成比の方が高いことも御指摘のとおりであるが、日本銀行券と補助貨幣では、おのずとその役割が異なつており、その比率を同列には論ずることはできない。

このところ、日本銀行券発行残高に占める一万円札の金額構成比は、八十三パーセント程度で比較的落ち着いた推移をしており、過去において高額紙幣を発行した際の同様の比率(八十七パーセントから八十八パーセント)を相当下回つている。

3 以上から、現在、五万円札がないために、国民生活全般にわたつて特に支障があるというような状況にはないと考える。

右答弁する。

衆議院の原文

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