ことばで探す › 衆議院 第98回
学校法人東日本学園大学の鵜運営に関する質問主意書
衆議院 第98回 第9号承知していない ×1
質問本文
衆議院議長 福田 一 殿
学校法人東日本学園大学の運営に関する質問主意書
北海道石狩郡当別町に本部を置く学校法人東日本学園大学は昭和四十九年二月十八日学校法人の設立が認可され、薬学部が設置され、その後歯学部、大学院薬学研究科が設置されて現在に至つているが、学校法人設立に当たつて必要な資金として個人及び法人から寄附を受けて発足している。ところが、法人に寄附された資金が、寄附をした個人及び法人に対して貸付金あるいは負債の肩代りという形で返されていることが文部省の調査によつて判明した。
これら一連の事態は教育機関の運営に関して行われたものであり、在学生・父兄等関係者はもとより、社会に対して影響する所は極めて大である。この件について以下、政府に質問する。
一 学校法人東日本学園大学に対する寄附金の内、指定寄附金として免税された金額について
1 寄附者の名
2 寄附をした年月日
3 寄附した金額
4 寄附金の経路誰(団体)から、どこ(団体)を経て、どこ(団体)に寄附されたのか。
二 学校法人東日本学園大学が新日本観光興業株式会社の負債の肩代り弁済をしたことについて
1 肩代り弁済をした年月日
2 肩代り弁済をした金額
3 その後回収された金額及び回収の年月日
4 その金額に対する利子の支払い状況
5 肩代りの内容の調査結果
三 学校法人東日本学園大学が佐々木真太郎氏に貸付を行つたことについて
1 貸付をした年月日
2 貸付をした金額
3 その後回収された金額及び回収の年月日
4 その金額に対する利子の支払い状況
四 昭和五十四年十二月二十七日付文部省管理局長名で発せられた通知の中で、「留意事項についてとられた改善措置の状況を、1については昭和五十五年一月十九日までに、その他については、昭和五十五年三月三十一日までに文書で報告願います。」と指示しているが、それに対する学校法人東日本学園大学の回答書の全文を示されたい。
五 文部省は前項の通知の中で、「かかる適正を欠く学校法人の運営を行つたことに対し、理事長及びその他の役員の責任を明らかにすること」と言つているが、これは役員に対しどのような引責の仕方を期待したものであるのか。
六 同通知に関連した土地の低廉譲渡について、昭和五十七年八月十日の決算委員会において文部省の福田説明員は、理事者が損金の内一千万円を補てんしたと答えているが、それはいつ、どのような形で行われたか。負担は誰がいくらしたのか。
七 昭和五十五年二月八日付で、学校法人より土地を買収した会社から学校法人宛に承諾書を差し入れ、「当該土地の早期売却に鋭意努力を重ねており、売却成立時には六億円程度を譲渡益より貴法人に還元することを了承します。」と約しているが、一方、同日付で学校法人より同会社に対し、「今般、文部省の留意事項に基づき、貴法人より提出いただいた承諾書は、まつたく事実に反するもので、架空の内容であることを確認し、後日、問題提起された場合でも、この確認書に基づき処理し、貴法人に対し負担をかけないことを確約いたします。」と前項の承諾書の趣旨に全く反する約束をしている。これは文部省を欺く行為ではないか。文部省の見解を示されたい。
八 同大学の運営、学生の父兄からの寄附金収納、入学試験の方法等についてとかくの噂がある。文部省は入学試験の内容について、採点、入学者決定の経過、寄附金の額等について調査をしたか。調査したとすればその詳細を示されたい。
九 文部省は、入学者の選抜に当たつてその公正が害されないように厳重な指導・監督を行うべきであると思うが、それを実施しているのか。実施していればその詳細を説明されたい。
十 学校法人東日本学園大学には現在国庫補助金が交付されていないと聞く。補助金の交付申請がなされないのは何故か。大学当局は、補助金の交付を受けると監督官庁の監査が厳重になり、学園側は煩わしいと言つていると聞くが、このようなことが平然と行われている事実を文部省はどう考えるか。
交付基準から計算すれば、当然相当額の補助金が交付されるはずである。交付されていないとすれば、それは正常な姿ではなく、それだけ父兄に過大な負担がかかつていることになる。入学者への寄附金の強制、裏口入学の奨励、裏口寄附金の増大、学生の質の低下等、悪循環を繰り返すことになる。(現に七千万円納めた者もいると聞く。)文部省の見解を求める。
十一 東日本学園大学は、内規と称して会頭制をしき、佐々木真太郎氏が会頭として現職の理事長を意のままに動かし、また、同氏の実子である糸山英太郎氏の部下といわれる某二名が理事として大学に籍を置き、財務及び人事を担当し、現職理事長に指示していると聞くが、このような経営実態に対する文部省の見解を伺いたい。
十二 東日本学園大学歯学部附属病院の外来患者は、昭和五十七年七月の調査では多い時で一日八十名位、少ない時は一日二、三名位に過ぎず、とても歯科医師養成ができる状態ではない。文部省はこれをどう考えるか。
十三 東日本学園大学は昭和五十七年三月博士課程の認可を受けているが、大学運営について問題が起こり、文部省の指摘を受け、理事長等の責任が問われていて、問題が未解決のまま薬学部博士課程が認可されたのは何故か。その理由を明らかにされたい。
十四 昭和五十五年七月五日付、新日本観光興業株式会社と学校法人東日本学園大学との間で交わされた協定書の内、第二条七号に「乙(学校法人東日本学園大学)が設立認可申請並に爾後の手続等に当り文部省並に関係筋に提出した諸書類は手続き便法の都合上、乙より甲(新日本観光興業株式会社社主佐々木真太郎)に無理に依頼して架空に作成したもので、それ等に対する甲の責任と義務とは全く皆無のものである。」と記されているが、ここにも示されているように、東日本学園大学の設立は当初の計画から認可申請、設立までの経過において虚偽と欺瞞に満ちたものであり、認可の条件を具備しておらず、事前に真相が判明すれば当然認可申請は却下されるべきものであつたと考えられる。文部省の見解を伺いたい。
十五 以上一連の経過をみるに、学校法人東日本学園大学設立に当たつて同法人に寄附した個人、法人の代表者は、寄附金を営利事業における投資と同一視し、学校法人を営利化しようとした意図が明らかである。文部省はこの事態をどう考えるか。
十六 質問書七項、十四項等で指摘したように、同学校法人の理事者は、法人運営の裏面において種々の画策をなし、虚構をもつて当局を欺き、あるいは事実を曲げて己の利益を図らんとしたものと考えられる。公正であるべき教育機関がかくのごとく汚濁に満ちている状態は断じて許すことができない。文部省は厳しくその非違を糾弾し、責任者の引責と理事者の一新を図るべきである。この問題は学問の自由、独立とは全く異質のものであり、また、私学の故をもつて放置しておくことは許されない。
文部省は、同学校法人が学生、父兄を始め社会から信頼される教育の府として再建されるよう直ちに有効な方途を講ずべきであると考えるが、その所信をお伺いしたい。
右質問する。
政府答弁書
一について
1から3まで 寄附の時期、寄附者名及び寄附金額については、次のとおりである。
昭和四十九年度(昭和四十九年十月十九日から同年十二月九日まで)
(株)新日本観光興業
十四億九千二百九十九万二十六円
昭和五十年度(昭和五十年五月二十七日から昭和五十一年三月八日まで)
(株)新日本観光興業
十四億円
(株)新日本振興
一億六千万円
(株)新日本不動産
四千万円
(株)新日本産業
二億八千万円
(株)新日本開発
一億二千万円
4 これらの寄附金は、寄附者から日本私学振興財団に寄附され、同財団から学校法人東日本学園大学に配付されたものである。
二について
1 昭和五十三年六月三十日、同年十月三十一日、同年十二月三十一日、昭和五十四年六月三十日及び同年十二月三十一日である。
2 二十八億二千九百九十六万八千六百三円
3 昭和五十五年三月三十一日、昭和五十六年三月二十四日、昭和五十七年五月三十一日、同年六月二十一日及び同年七月九日に全額回収された。
4 利子の支払はされていない。
5 新日本観光興業株式会社の日本債券信用銀行に対する負債を肩代わり弁済していた。
三について
1 昭和五十三年十月三十日及び昭和五十四年四月二十日である。
2 二十六億円
3 昭和五十七年五月三十一日に全額回収された。
4 利子の支払はされていない。
四について
回答は、当該学校法人を指導する必要上個別に求めたものであるので、その提示は差し控えたい。
なお、回答の概要は、次のとおりである。
留意事項記の1(学校法人の運営関係)について
(1) 負債の肩代わり弁済については、利息を付して回収する。
(2) 無利息で資金の貸与を行つている件については、利息を付することとする。
(3) 運用財産である土地を著しく低廉と思われる価格で売却した件については、譲渡を受けた株式会社から将来相当額を学校法人に支払うこととしていたが、事実上不可能となつた。
理事一同は、その責任を痛感し、取りあえず、理事長と四名の理事が一千万円の損害補てんをしたが、今後とも、理事長の責任において可能な範囲内での補てんがなされるよう努力する。
留意事項記の2(入学定員関係)について
漸次、定員に近づけるよう努力する。
留意事項記の3(寄附金の募集関係)について
現在寄付金募集の予定はないが、募集する場合には、十分留意する。
留意事項の4(公正な入学者選抜関係)について
留意事項を遵守している。
五について
私学の自主性を尊重する趣旨から、私学として良識ある対応を自主的に行うことを期待したものである。
六について
昭和五十七年五月二十九日及び同月三十一日に学校法人会計に次のとおり入金されている。
(氏名)
(入金額)
渡辺 享理事長
四百万円
石井孝之理事
二百万円
小林秀男理事
二百万円
前田和幸理事
百万円
今崎孝俊理事
百万円
七について
このような確約書が作成されたことは、極めて遺憾なことと考える。
八について
入学試験の内容について、採点、入学者決定の経過、寄附金の額については調査を行つていない。
九について
大学入学者の選抜は、大学教育を受けるにふさわしい能力・適性等を備えた者を公正かつ妥当な方法で選抜するよう実施されるべきものであり、文部省では入学者選抜の基本的事項を毎年「大学入学者選抜実施要項」としてまとめ、各大学に通知しているところである。なお、当該要項の趣旨を更に徹底するため、毎年、全国四ブロックにおいて大学関係者等を集め説明会を行つている。
また、別途、入学者選抜の公正確保等に関する指導通知を出しているが、最近では昭和五十六年五月に、入学者選抜の公正確保、入学に関する寄附金、学校債の収受等の禁止等に関する通知を行つている。
十について
学校法人東日本学園大学は、日本私学振興財団に対して私立大学等経常費補助金の交付申請をしていないが、その理由は承知していない。
十一について
学校法人東日本学園大学の運営は、理事会を中心に行われているものと承知している。
十二について
東日本学園大学の所在地石狩郡当別町は札幌市郊外にあり、立地上患者の確保が難しい面もあるが、同大学の担当者の説明によれば、大学としては、患者の確保のために努力を重ねてきており、毎年患者の数は増加してきているということである。
一日平均外来患者数は、昭和五十六年度においては百四人であつたものが、昭和五十七年四月から昭和五十八年二月までの間においては、百四十九人に増加しているということである。
外来患者数の基準は、入学定員の二倍以上すなわち、同大学の場合は、二百四十人以上であるので、今後とも、外来患者数の増加について、指導してまいりたい。
十三について
大学院博士課程の設置は認可事項ではないが、設置する場合は、文部大臣に協議することとなつている。文部大臣に協議があつた場合には、大学設置審議会に意見伺いをし、教育研究上の面から、博士課程設置の水準にあるか否かについて審査しているが、東日本学園大学については、主として次のような理由によつてその設置を承認したものである。
(1) 教員組織や施設・設備等が、大学院設置基準その他の定めに合致し、博士課程を設置するだけの水準にあると認められたこと。
(2) 博士課程を設置することは、教育研究体制を充実することになり、当該大学の質的向上に資するだけでなく、地域の医療の向上にもつながることとなること。
十四から十六までについて
学校法人東日本学園大学の設立認可については、申請書類に基づき、私立大学審議会における所定の手続を経、また、寄附金についても、寄附申込書、預貯金等証明書及び役員会の決議録等により確認する等慎重な審査を行つたものであるが、その後適正を欠く事態があつたことは遺憾である。
これまでも、不適正な事態の是正と運営の適正化について厳正な指導を行つてきたところであるが、今後とも、引き続き必要な指導を行つてまいりたい。
右答弁する。
似た質問主意書
件名と質問本文の冒頭の意味が近いものを、前もって計算しておいた表から近い順に8件並べました(multilingual-e5-large)。同じ言葉を使っていなくても出ます。論点が少しずれていることもあります。