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古紙の回収、再利用等に関する質問

参議院 第118回 第1号

提出者
参議院
提出日
1990年5月10日
内閣転送 1990年5月16日
答弁書受領日
1990年6月12日
提出から33日
答弁の項目数
6
質問 1,430字/答弁 1,748字

質問本文

古紙の回収、再利用等に関する質問主意書

昨年度の東京二十三区から出たごみの総量は初めて五百万トンを超え、五百十六万トンになったということである。このまま行けば、千九百九十五年までの使用を予定していた東京湾の中央防波堤外側のごみ最終処分場は、九十二年度には満杯になってしまうということである。

こうした事態を生み出した原因は、東京への一極集中と、それに伴う廃棄物の急増、好況に支えられた消費拡大と、使い捨てパック、包装紙などの増加、OA機器使用による紙の使用量の増加などによるものである。

今、日本国内では、使用済みの紙が再生に回されることなくごみとして処理される量が急増している。OA機器で使った紙がごみとして処理されたり、一般家庭で以前には回収業者などに再利用用として買いとられていた新聞、雑誌などが、回収業者が価格暴落で廃業に追い込まれて回収に来なくなり、部屋に積まれ、その後、ごみとして処分場に回されたりしている。日本の輸入木材は主に紙と建設用である。日本の木材輸入量は世界の木材輸出量の約二割を占め、特にアジアの熱帯雨林から切り出される木材の六割以上は日本向けである。

このような日本企業による熱帯雨林の乱伐は、地球全体の環境悪化につながるものとして国際問題になっている。古紙一トンは、直径十四センチ、高さ八メートルの樹木二十本に相当するということである。

今政府が、熱帯雨林など森林保護、地球環境保護のため古紙等の回収と再利用に本腰を入れて取り組むことは緊急で、極めて重要な課題である。こうした状況下での古紙の回収、再利用等に関連して、以下質問する。

一 円高と「内需拡大」政策は、木材、パルプの輸入価格低落と輸入量の増大をもたらし、国産材の生産や国内の古紙回収を流通価格や需要の面からも採算のとれないものにして資源のリサイクル・システムを破壊している。古紙の値段について、資源回収業者が直納問屋に売る値段を千九百八十四年と現在を比較すると、一キログラム当たり古新聞が二十円から七~八円に、古雑誌が十八円から四~五円に、ダンボールが二十七円から十~十一円に暴落し、資源回収業者は採算がとれなくなり、廃業に追い込まれている。政府は、官公庁、地方自治体、企業の事務用紙等や、一般家庭の古紙等資源のリサイクル・システムを早急に確立すべきではないか。

二 熱帯雨林の保護、資源の有効活用と再利用、自治体のごみ処理費軽減のために、資源回収業者等の社会的役割を正当に評価し、古紙などの価格維持制度を創設すべきではないか。

三 障害者の福祉施設などは、古紙回収費で施設維持費用を補填しており、古紙の一定の価格維持は切実な要求になっている。このような施設等が回収した古紙の価格維持のために、政府は一定の援助をすべきではないか。

四 政府は、企業が森林を開発する際は、税金の減免措置を採っている。当然、資源回収業者に対しても税金の減免措置をとるべきではないか。

五 紙、板紙の回収率は、財団法人古紙再生促進センターの資料によると、千九百八十三年の五十・五%から千九百八十八年の四十七・九%と落ちている。政府は、回収率を大幅に引き上げるため、国、自治体、企業の古紙再生のための措置を義務化すべきではないか。

六 政府は、自治体、企業の再生紙利用率を向上させる計画を立案すべきではないか。また、古紙再生と再生紙利用を呼びかける広報活動を強化すべきではないか。

右質問する。

参議院の原文・経過

政府答弁書

一について

政府としては、従来から、古紙の回収及び利用の促進を図ることが省資源、省エネルギー等の観点から重要な政策課題であると認識し、その啓蒙・普及に努めてきたところであり、我が国の製紙原料に占める古紙の割合は、世界的にも最高の水準である約二分の一に達している。

また、近年では、地球環境問題の一環としての森林資源の保護及び都市におけるごみ処理問題の解決の観点からも、古紙の回収及び利用の一層の促進を図ることが必要となっており、平成二年三月二十九日の省エネルギー・省資源対策推進会議及び地球環境保全に関する関係閣僚会議幹事会において、政府全体で再生紙の使用及び古紙の分別回収の実施に取り組むとともに、地方公共団体、民間企業等に対してその普及に努めることを申し合わせた。さらに、平成二年度においては、財団法人古紙再生促進センターへの助成を通じ、現在回収の進んでいないオフィスから排出される古紙の回収システムを確立するためのモデル事業を実施することとしている。地方公共団体等が従来から実施してきた家庭等から排出される古紙回収についても、引き続き推進するよう指導することとしている。

政府としては、古紙の回収及び利用の促進について、今後とも一層の努力をしてまいる所存である。

二について

古紙回収の促進を図るためには、古紙利用の拡大を通じて古紙に対する需要を高めていくことが基本であり、仮に古紙に対する実需を踏まえずに古紙の価格維持制度を創設しても、結果的には回収した古紙が資源として有効に利用されないことになる。

かかる観点から、政府としては、省エネルギー・省資源対策推進会議及び地球環境保全に関する関係閣僚会議幹事会において、自ら再生紙の使用に取り組むとともに、地方公共団体、民間企業等に対してその普及に努めることを申し合わせるなど、古紙利用の増大に努めているところである。

なお、我が国の製紙原料の供給源に占める熱帯雨林の割合は、一パーセント以下である。

三について

古紙回収の促進を図るためには、古紙利用の拡大を通じて古紙に対する需要を高めていくことが基本であり、仮に古紙に対する実需を踏まえずに古紙の価格維持制度を創設しても、結果的には回収した古紙が資源として有効に利用されないことになる。

かかる観点から、政府としては、省エネルギー・省資源対策推進会議及び地球環境保全に関する関係閣僚会議幹事会において、自ら再生紙の使用に取り組むとともに、地方公共団体、民間企業等に対してその普及に努めることを申し合わせるなど、古紙利用の増大に努めているところである。

四について

政府としては、現在、古紙回収業者に対して、古紙こん包装置に係る税額控除又は特別償却、事業所税の軽減等の税制上の優遇措置を講じているところである。

五について

我が国における古紙の回収率及び利用率の高さは、既に世界的にも最高の水準に達している。

また、政府としては、省エネルギー・省資源対策推進会議及び地球環境保全に関する関係閣僚会議幹事会において、自ら再生紙の使用及び古紙の分別回収の実施に取り組むとともに、地方公共団体、民間企業等に対してその普及に努めることを申し合わせたところであり、地方公共団体、民間企業等も古紙の回収及び利用に取り組んでいるところである。

政府としては、かかる取組により、古紙の回収が拡大していくことを期待している。

六について

再生紙利用の拡大については、政府としては、省エネルギー・省資源対策推進会議及び地球環境保全に関する関係閣僚会議幹事会における申合せを踏まえ、現在、地方公共団体、民間企業等に対してその普及を行っており、地方公共団体、民間企業等においても、再生紙の利用を計画し、これに取り組むものが増加している。政府としては、かかる取組により、再生紙の利用が拡大していくことを期待している。

なお、古紙の回収及び利用の促進のための広報活動については、従来から、財団法人古紙再生促進センターの実施する啓蒙・普及活動に対する支援等を行ってきたところであり、今後とも、引き続き同センターへの助成の充実を図るとともに、政府広報等を通じて広く国民に古紙の回収及び利用の促進を呼び掛けていく所存である。

参議院の原文

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