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核燃料物質の移動・貯蔵・取扱いに関する質問
参議院 第123回 第21号承知していない ×1
質問本文
核燃料物質の移動・貯蔵・取扱いに関する質問主意書
一 現在プルトニウムの価格や再処理コストはきわめて不明瞭のままである。日本のプルトニウムリサイクルに当たって、これが経済的に成り立つものであるか否かもこれでは判断できない。そこで、一九八八年四月二二日、衆議院外務委員会における辻一彦議員、村山富市議員の質問に対する答弁に関連して伺う。
1 当時、動燃再処理工場で使用済燃料一トンを処理する費用は一億八千万円と答弁している。その後、現在まで費用の変遷はあるのか。あるとすれば、トン当りの費用を年あるいは年度ごとに示して欲しい。
2 電力会社が動燃に払うトン当たりの再処理費用は、一億八千万円から変化しているのか。違うとすれば、電力会社は使用済燃料トン当たりいくらの再処理費を動燃に支払っているのか。
3 イギリス、フランスに委託している再処理費は、トン当たりそれぞれいくらか。
4 当時、電力会社のプルトニウムを、動燃はキログラム当たり一三〇万円で買い取っていたが、その後、現在まで買取価格に変更はあるのか。あるとすれば、キログラム当たりの買取価格を年あるいは年度ごとに示して欲しい。
5 一九八四年フランスから返還されたプルトニウム一八九キログラムは、動燃が関西電力から十億円で買い取ったとのことだが、今年秋に返還される予定のプルトニウム一トンを動燃はいくらで買い取るのか。
6 そのプルトニウム一トンを動燃に販売した電力会社はどこか。電力会社名と会社ごとの販売量を示して欲しい。
7 一九八四年フランスから返還されたプルトニウムを輸送するとき、動燃は晴新丸を五億円で雇ったが、今年秋に予定しているプルトニウム輸送船について、以下のことを伺う。
(1) この船の所有者は誰か。また、イギリスから買い取った際の価格はいくらか。
(2) この船はイギリスで改造され、さらに三菱造船で改造されている。それぞれについて、改造依頼したのは誰か。また改造費はいくらか。
(3) この船の船籍港はどこか。
(4) この船の船名は何というのか。総トン数はいくらか。
8 今年五月二六日衆議院科学技術委員会で、谷川科学技術庁長官は「米国との間でまだ輸送計画について合意に達していない」と答弁しているが、現在もまだ合意に達していないのか。
二 今年秋から予定されているプルトニウム輸送は、わが国をプルトニウムの大量保有国にする。核不拡散の面からわが国のプルトニウム大量保有を危ぶむ声が各国から上がっている。これらの声に応えるには、わが国における保障措置が有効であることを実証しなければならない。ところが原子力白書に毎年発表される「核燃料物質移動量」では、わが国のプルトニウム収支が合わないので、これについて伺う。
1 一九八四年(一二月三一日現在)における、製錬転換施設の天然ウラン収支は、搬入が一〇八トン、搬出が四八トン、在庫二九一トンで収支が二二九トン合わない。なぜか。
2 再処理施設におけるプルトニウムの収支が、一九九〇年で前年末在庫一二三四キログラム、搬入四二〇キログラム、搬出五一四キログラムで、在庫一一四〇キログラムでなければならないのに、在庫一一一八キログラムとされ、二二キログラム合わないのはなぜか。
3 同じく再処理施設におけるプルトニウム収支は、一九八四年から一九九〇年までの累計で七一キログラムも不足するが、これはなぜか。
4 MOX燃料施設におけるプルトニウム収支が、一九八八年では、前年末在庫八〇四キログラム、搬入三九一キログラム、搬出二九五キログラムで、在庫九〇〇キログラムでなければならないのに、在庫八七三キログラムとされ、二七キログラム合わないのはなぜか。
5 同じくMOX燃料施設におけるプルトニウム収支は、一九八四年から一九九〇年までの累計で四五キログラムも不足するが、これはなぜか。
6 この核燃料移動量は何を表したものなのか。
7 核燃料移動量は、計量管理報告に基づいて作成されたものではないのか。
8 核燃料移動量が核物質管理のための表だとすれば、不明核物質が数十キログラムあることは、国際問題ではないか。核燃料移動量が核物質管理のための表でないとすれば、なぜ、核物質管理のための表は発表されないのか。
右質問する。
政府答弁書
一の1について
動力炉・核燃料開発事業団(以下「動燃」という。)東海再処理工場における使用済燃料の再処理料金は、平成二年度に二億四千八百万円となっている。
一の2について
電気事業者が動燃に支払うトン当たりの再処理料金は、一の1についてに述べたとおりである。
一の3について
我が国の電気事業者が英国核燃料会社(BNFL)及びフランス核燃料会社(COGEMA)に委託している使用済燃料再処理役務の費用については、私企業の営業活動の内容に触れるものであり、商取引に影響を及ぼすおそれがあるため、政府からのお答えは差し控えさせていただきたい。
一の4について
動燃が平成三年に購入したプルトニウムのキログラム当たりの価格は、約百二十万円である。
一の5について
平成四年秋ごろに返還される予定のプルトニウムの売買代金は確定していない。
一の6について
平成四年秋ごろに返還される予定のプルトニウムを動燃に売り渡す予定の電気事業者は、東京電力株式会社、中部電力株式会社、関西電力株式会社、中国電力株式会社、四国電力株式会社、九州電力株式会社及び日本原子力発電株式会社であり、売り渡されるプルトニウムの重量は確定していない。
一の7の(1)について
平成四年秋ごろに実施する予定のプルトニウム返還輸送に使用する輸送船の所有者は、我が国の民間会社である。
同船舶の取得に伴う対価については承知していない。
一の7の(2)について
今回のプルトニウム返還輸送には、日本から欧州へ使用済燃料を安全に運搬した多くの実績を有する使用済燃料専用運搬船を改造して使用することとしている。その改造は、動燃が依頼しており、そのための経費として約十四億円を計上している。
一の7の(3)について
今回のプルトニウム返還輸送に使用する輸送船の船籍港は、東京都である。
一の7の(4)について
今回のプルトニウム返還輸送に使用する輸送船の船名については、輸送船を特定することになるので、核物質防護の観点からこれを公表することは適当でない。
同輸送船の総トン数は、約五千トンである。
一の8について
原子力の平和的利用に関する協力のための日本国政府とアメリカ合衆国政府との間の協定(昭和六十三年条約第五号)第十一条に基づく両国政府の間の実施取極附属書五Bにいうところの輸送計画については、現在、作成中である。
二の1について
千九百八十三年十二月三十一日現在における在庫量が、二百二十九トンであることによる。
二の2から5までについて
「核燃料物質移動量」は主要な原子力施設間における核燃料物質の移動量等を表したものであることから、当該施設とこれ以外の施設との間の核燃料物質の移動量は記載していないこと、原子炉施設における使用済燃料の払出量は実測困難なため計算値で報告されていることから、実際の払出量との間で差が生じること等による。
二の6について
主要な原子力施設間における核燃料物質の移動量及び当該施設における核燃料物質の在庫量を表したものである。
二の7について
核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律(昭和三十二年法律第百六十六号)第六十七条第一項並びに国際規制物資の使用に関する規則(昭和三十六年総理府令第五十号)第七条第一項、第二項、第四項、第八項、第十項及び第十二項の規定に基づく報告に基づいて作成した。
二の8について
核兵器の不拡散に関する条約第三条1及び4の規定の実施に関する日本国政府と国際原子力機関との間の協定(昭和五十二年条約第十三号)第六十三条の規定に基づき、日本国政府は在庫変動報告及び物質収支報告を国際原子力機関(IAEA)に提出している。また、国際原子力機関は、保障措置実施の結果、有意量の核物質が核兵器その他の核爆発装置の製造のため又は不明な目的のために転用された事実はなかったと、国際原子力機関年報において記述している。
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