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電力会社のプルトニウム利用に関する質問主意書

衆議院 第127回 第2号

提出者
衆議院
提出日
1993年8月25日
内閣転送 1993年8月27日
答弁書受領日
1993年10月1日
提出から37日
答弁の項目数
14
質問 1,942字/答弁 2,008字

質問本文

電力会社は使用済核燃料の再処理委託を行っているが、再処理によって抽出されたプルトニウムの計画について疑問があるので、次のとおり質問する。

一 海外への使用済核燃料の輸送量について

1 再処理の済んだ分も含めてフランスに輸送済の電力会社の使用済核燃料は一九九三年三月三十一日までの累積で何トンか。

2 再処理の済んだ分も含めて英国に輸送済の電力会社の使用済核燃料は一九九三年三月三十一日までの累積で何トンか。

二 プルトニウム売却について

電力会社は再処理によって得られたプルトニウムを動力炉・核燃料開発事業団(以下、「動燃」という。)に売却している。

1 電力会社自身の需要がないから動燃に売却しているということでよいか。

2 電力会社から動燃への核分裂性プルトニウム一キログラム当たりの売却単価は、一九八四年のプルトニウム輸送では五百二十九万円、今年一月のプルトニウム輸送では百二万円、国内の東海再処理工場からのものは一九八八年が百三十万円、一九九一年が百二十万円とばらつきがある。

�@ 東海再処理工場で抽出された電力会社の核分裂性プルトニウムについて、一九九一年十二月三十一日まで、九二年十二月三十一日まで、九三年三月三十一日までに動燃に売却した累積量はそれぞれ何キログラムで、売却総額はそれぞれいくらか。

�A 英国の再処理工場で抽出された電力会社の核分裂性プルトニウムについて、一九九一年十二月三十一日まで、九二年十二月三十一日まで、九三年三月三十一日までに動燃に売却した累積量はそれぞれ何キログラムで、売却総額はそれぞれいくらか。

�B フランスの再処理工場で抽出された電力会社の核分裂性プルトニウムについて、一九九一年十二月三十一日まで、九二年十二月三十一日まで、九三年三月三十一日までに動燃に売却した累積量はそれぞれ何キログラムで、売却総額はそれぞれいくらか。

3 一九九一年十二月三十一日現在、九二年十二月三十一日現在、九三年三月三十一日現在の東海再処理工場、英国の再処理工場、フランスの再処理工場の各施設から抽出された電力会社の核分裂性プルトニウムで、売却せずに電力会社の所有となっていた量は各日付ごと、各再処理工場ごとにそれぞれ何キログラムか。

三 MOX燃料利用について

電力会社の軽水炉でのMOX燃料利用は、一九九〇年代央に八〇万キロワット級の沸騰水型一基、加圧水型一基の合計二基において四分の一炉心をMOX燃料とする利用計画を始めとし、一九九〇年代末には一〇〇万キロワット級の三分の一炉心をMOX燃料とする計画が四基、二〇〇〇年過ぎには八基増えて十二基の規模へ拡大の計画になっている。

1 電力会社は英国、フランスにある一九九三年三月三十一日現在の核分裂性プルトニウムを「日本に輸送してからMOX加工する」のと「海外でMOX加工する」のどちらの計画か。

2 電力会社の英国、フランスにある一九九三年三月三十一日現在の核分裂性プルトニウム何キログラムを使ったMOX燃料を何年から使用するなどの具体的計画はどうなっているか。

3 一九九〇年代央の八〇万キロワット級でのMOX利用計画に沿って、現時点でMOX燃料の製造の契約を締結し、発注した電力会社があるか。あれば、発注した電力会社はどこで、どこの国のどの加工会社(固有の名称)に、何キログラムの核分裂性プルトニウムを使い、何トンMOXの注文か。

4 電気事業会計規則上の加工中核燃料明細表にはMOX燃料の記載欄がなく、雑口に記載するにしても数量はウラン総量によることとされており、プルトニウム量の記載欄がない。電力会社がMOX燃料加工を発注した場合、MOX燃料の会計整理はどうするのか。

5 MOX燃料は、通常のウラン燃料に比べて高いと言われている。

�@ MOX燃料利用を既に行っている諸外国の実績ではどの程度高いのか。

�A 通商産業省の試算ではどの程度高いのか。

四 電力会社は再処理のための再処理引当金を積み立てているが、次の金額、量を明らかにしていただきたい。

1 目的使用額は一九九三年三月三十一日までの累積でいくらか。

2 1に対応する再処理量は何トンか。

3 1の目的使用額のうちガラス固化費用の分はいくらか。

4 3に対応するガラス固化となったもとの使用済核燃料は何トンか。

5 再処理引当金の残高は一九九三年三月三十一日現在でいくらか。

6 5に対応する再処理量は何トンか。

五 使用済核燃料の処分について「再処理方式」と再処理を行わず直接処分する「ワンススルー方式」のコスト比較を通商産業省自身が試算したことがあるか。あれば、どのような条件のもとにどのような結果を得たか。

右質問する。

衆議院の原文・経過

政府答弁書

一について

電気事業者(電気事業法(昭和三十九年法律第百七十号)第二条に規定するものをいう。以下同じ。)が搬出した使用済核燃料は、平成五年三月三十一日までにフランスに対し約二千三百八十トン、英国に対し約三千四百五十トンであると承知している。

二の1について

電気事業者は、再処理により回収されるプルトニウムを、現在は動力炉・核燃料開発事業団(以下「動燃」という。)がその高速増殖炉及び新型転換炉で利用することに充てるため譲渡しているが、今後は電気事業者自身も、軽水炉、高速増殖炉等で利用していくこととしていると承知している。

二の2の�@について

東海再処理工場で回収された核分裂性プルトニウムのうち電気事業者が動燃に売却したものの累積量及び売却総額は、平成三年十二月三十一日までのものについては約千三百五十キログラムで約六十五億一千万円であり、平成四年十二月三十一日までのものについては約千三百七十キログラムで約六十五億四千万円であり、また、平成五年三月三十一日までのものについては約千五百七十キログラムで約六十七億五千万円であると承知している。

二の2の�Aについて

英国の再処理工場で回収された核分裂性プルトニウムのうち電気事業者が動燃に売却したものの累積量及び売却総額は、平成三年十二月三十一日までのものについては約六百二十キログラムで約三十七億二千万円であり、その後の売却実績はないと承知している。

二の2の�Bについて

フランスの再処理工場で回収された核分裂性プルトニウムのうち電気事業者が動燃に売却したものの累積量及び売却総額は、平成三年十二月三十一日までのものについては約百九十キログラムで約九億四千万円であり、また、平成四年十二月三十一日までのものについては約千二百五十キログラムで約二十億七千万円であり、その後の売却実績はないと承知している。

二の3について

平成三年十二月三十一日現在、電気事業者が所有していた原料プルトニウム(二酸化プルトニウムと二酸化ウランとの混合粉末又は二酸化プルトニウム粉末をいう。以下同じ。)のうち核分裂性プルトニウムの量は、英国の再処理工場に約八百四十キログラム、フランスの再処理工場に約千九百八十キログラムであると承知している。なお、東海再処理工場には該当するものはないと承知している。

平成四年十二月三十一日現在、電気事業者が所有していた原料プルトニウムのうち核分裂性プルトニウムの量は、東海再処理工場に約二百四十キログラム、英国の再処理工場に約九百キログラム、フランスの再処理工場に約二千キログラムであると承知している。

平成五年三月三十一日現在、電気事業者が所有していた原料プルトニウムのうち核分裂性プルトニウムの量は、東海再処理工場に約百六十キログラム、英国の再処理工場に約九百キログラム、フランスの再処理工場に約二千キログラムであると承知している。

三の1について

平成五年三月三十一日現在、英国及びフランスにある核分裂性プルトニウムのうち電気事業者が今後MOX燃料として使用する予定であるものについては、国外の加工施設においてMOX燃料に加工してから日本に輸送する計画であると承知している。

三の2について

現在、MOX燃料については、電気事業者において千九百九十年代半ば以降軽水炉で計画的に利用していくこととして検討が進められており、具体的な利用時期等については今後決定される予定であると承知している。

三の3について

現時点でMOX燃料の製造の契約を締結した電気事業者はないと承知している。

三の4について

電気事業会計規則(昭和四十年通商産業省令第五十七号)では、MOX燃料の会計整理は、成型加工中は加工中核燃料、半製品として貯蔵中は半製品核燃料、完成後は完成核燃料、装荷中は装荷核燃料、原子炉から取り出した後は使用済核燃料として、それぞれ資産勘定に整理されることとなる。

三の5について

諸外国のMOX燃料がウラン燃料に比べどの程度高いかについては、個別企業の商取引に係るものであり公表されていない。また、通商産業省が御指摘のような試算を行ったことはない。

四の1から4までについて

平成四年三月三十一日までの電気事業者の使用済核燃料再処理引当金の目的使用額の累積は約千九百四十六億円であり、それに対応する再処理量は約千四百八十トンであると承知している。また、目的使用額の累積のうち残滓処理に係る額は約一億円であり、残滓処理が行われた使用済核燃料数量は、約十トンであると承知している。

四の5及び6について

平成四年三月三十一日現在の電気事業者の使用済核燃料再処理引当金の残高は、約一兆二千九百八十三億円であり、これに対応する再処理量は約一万七百三十トンであると承知している。

五について

通商産業省自身が御指摘のような試算を行ったことはない。

衆議院の原文

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