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六ヶ所村再処理工場及び原子力政策に関する質問主意書
参議院 第177回 第136号お答えすることは困難 ×2承知していない ×1
質問本文
我が国のエネルギー政策は、エネルギー政策基本法に基づき、エネルギーの需給に関する施策の長期的、総合的かつ計画的な推進を図るためエネルギー基本計画を策定し、「安定供給の確保」、「環境への適合」、「効率性の確保」の三つの観点から進められている。多様なエネルギーの中でも原子力発電は、エネルギー安定供給と地球温暖化対策に貢献するものとして重要な位置を占めてきた。
二〇一一年三月十一日、マグニチュード九・〇の東北地方太平洋沖地震が発生した。この地震波を関知し、女川、東海、福島第一、第二の各原子力発電所では原子炉に制御棒が挿入され、核分裂反応は停止した。しかし地震によって引き起こされた津波は、三陸沿岸から関東地方沿岸にかけて、十五メートル以上の高さとなって各地を襲った。福島第一原子力発電所では、全交流電源を喪失したことにより、原子炉、使用済燃料プールの冷却に失敗し、一号機、二号機、三号機、四号機での核燃料の溶融、一号機、三号機、四号機での水素爆発が発生した。これらの事故に伴い、大量の放射性物質が大気中、海洋に放出される事態に至っている。この事故によって原子力安全への国民の信頼は大きく揺らいでいる。
政府が閣議決定したエネルギー基本計画に基づき推進されている核燃料サイクルの要とされる再処理事業は、日本原燃株式会社(以下「原燃」という。)という民間会社の実施する事業ではあるが、経済産業大臣が事業を許可し、その研究開発費は税によって賄われている。そして再処理工場の建設、運転費用は国民の負担となっており、電気料金と同時に徴収されている。国の事業許可の根拠を明らかにするためにも、これまでの状況を顧みることが必要である。よって、以下のとおり質問するので、政府としての見解又は政府として把握しているところを示されたい。
一 構想当初の一九七九年頃に六千九百億円を見込んでいた六ヶ所再処理工場の建設費用は、一九八九年の事業許可申請時に七千六百億円、一九九六年四月には一兆八千八百億円、一九九九年四月には二兆千四百億円と膨らんだ。同工場は二〇一一年二月までに二兆千九百三十億円と二十二年の歳月を費やしたが、未だ完成していない。
1 一九九三年に着工して一九九七年の竣工を目指していた再処理工場は十七回の延期を経て、二〇一〇年九月十日に更に最大二年延期することが判明した。延期する理由は何か。また、二年は何を根拠としているのか。
2 当初計画から約三倍に膨れた建設費はどのような理由によるものか。また、当初の目標から五倍に伸びた建設期間はどのような理由によるものか。
二 二〇〇四年一月二十三日の資源エネルギー庁総合資源エネルギー調査会電気事業分科会において、六ヶ所再処理工場を実際に動かすと十八兆八千億円のコストが発生することが明らかになった。しかもこれは使用済核燃料の半分しか処理しないことが前提であり、全て再処理すれば四十三兆円と同年十月二十二日に原子力委員会が公表している。再処理工場の建設費が三倍になったことを考慮すると再処理費用も三倍の百二十兆円が掛かる可能性も否定できない。
1 現在、再処理費用として電気料金に上乗せされている金額は東京電力では一キロワットアワー当たり二十銭とのことだが、他の電気事業者ではいくらになるのか。また、再処理工場のコストが増えた場合は更に電気料金に上乗せされている額が増え、利用者負担が増えるのか。
2 再処理費用を電気料金に上乗せして徴収することは「原子力発電における使用済燃料の再処理等のための積立金の積立て及び管理に関する法律」に定められており、二〇〇五年から八十年間積み立て、三百六十四年間管理することとなっている。今から三百六十年前の日本は江戸時代、三代将軍家光の天下太平の時代であった。しかし、その後、幕末の激動から明治維新、日清・日露・第一次・第二次世界大戦、世界恐慌にオイルショックと今日までに大きな節目を幾度となく迎えてきた。通貨単位も替わり、数百パーセントのインフレ率をも経験している。このような超長期の積立に誰が責任を負うのか。
3 2で述べた法律の制定時(二〇〇五年)には電気事業者は再処理事業者である原燃に二〇三五年から二三六九年まで再処理等費用を支払うことになっていたが、二〇〇八年度以降、電気事業者は二〇八四年までに再処理等事業に要する費用を全て原燃に支払い終え、原燃から低レベル放射性廃棄物(TRU廃棄物)処分費用を原子力発電環境整備機構(NUMO)に支払う制度に改められている。これはどのような理由によるものか。
4 東海再処理工場、六ヶ所再処理工場における使用済核燃料再処理に係る研究開発費等の費用の詳細について、工場別に年度ごとに示されたい。
5 政府は今年度予算に使用済燃料再処理事業高度化補助金二十二・八億円、電源立地地域対策交付金千百十・二億円を計上している。使用済核燃料再処理、東海・六ヶ所再処理工場、プルトニウム利用に関する補助金等に係る予算額、決算額を過去に遡り示されたい。また、それらの補助金等はどの事業者に、いくら支払われたのか。
6 5の補助金等によって核燃料サイクル開発の具体的な成果があれば示されたい。
7 一九九九年の資源エネルギー庁の試算によると原子力発電所の一キロワットアワー当たりの発電単価は五・九円であり最もコストのかからない発電方式とのことである。一方、原子力発電所を設置する際に電力会社が経済産業省に提出する「原子炉設置許可申請書」には『「原子力」十三・九円(初年度)』とある。しかし、このいずれにも再処理工場や高速増殖炉の研究・建設、電源立地地域対策交付金等の費用は含まれていない。原子力発電に係る全ての費用を含めると発電単価は一体いくらになるのか。
三 これまでに再処理工場において、使用済燃料貯蔵プールからの水漏れ、補強用の金具の不正切断、施設内での複数回にわたるボヤ、パッキンの間違えによる配管からの化学薬品の噴出、化学薬品の状態を見る温度計の設置位置間違い等のトラブル、事故が発生している。
1 再処理工場におけるトラブル、事故の詳細を示されたい。
2 国民の電気料金から建設費、再処理費用、税金から研究開発費を賄っている状況で、事業者はこれらトラブル、事故にどのような形で責任を負っているのか。
四 使用済核燃料の再処理を行うと高レベル放射性廃液が発生する。放射性物質の拡散を防ぐために、科学的に安定しているガラスと混ぜ合わせて固定化し、ガラス固化体として安定させ保存することが不可欠であるが、方式に欠陥があり、未だ技術を確立できていない。
1 これまでにガラス固化体製造過程においてどのようなトラブル、事故が発生したのか。また、技術的な問題点を示されたい。
2 ガラス固化体製造技術について開発の主体となった核燃料サイクル開発機構(旧動力炉・核燃料開発事業団。以下「動燃」という。)は、他のどのような企業、組織と協力をしてきたのか。
3 東海再処理工場、六ヶ所再処理工場のガラス固化体製造施設における研究開発費等、支出の明細について、工場別に年度ごとに示されたい。
4 日本原子力研究開発機構の前身である動燃が開発して、六ヶ所再処理工場に技術移転されたガラス溶融炉について、原燃の元代表取締役である豊田正敏氏が原子力委員会に提出した意見書の中で、「十分な実証が確認されないまま実施主体(の原燃)に引き継がれ、著しい損害を被ったことは遺憾だ」、「当初はラ・アーグ工場のUP‐3の設計を採用するつもりでいたが、動燃側からの強い要請により、動燃で開発中の国産技術を採用することに変更した」として技術移転のあり方を批判したとの報道がなされている(「東奥日報」二〇〇九年四月二十六日)。豊田元社長の意見書に対する政府の見解を示されたい。
5 実績のあるフランスの技術を採用せず、日本独自の技術にこだわったのはどのような理由からか。また、独自技術を採用したためのコストの増大はどの程度と見積もられるか。
五 そもそも使用済核燃料再処理は、原子力発電所から出るほとんどが「燃えないウラン」であるウラン238が主体の使用済核燃料から、ウランから生成されたプルトニウムや、僅かに混じっている「燃えるウラン」であるウラン235を抽出することを目的としている。それにより、ただ廃棄処分するよりも多くのエネルギーが産出され、結果としてウラン、プルトニウムの比率を下げることで廃棄処分される放射能を減少させることになる。
しかし、核燃料サイクルのもう一つの主軸であるプルトニウムを燃料とする高速増殖炉の開発については、二〇一一年三月十日に提出した「高速増殖炉もんじゅに関する質問主意書」(質問第一一五号)で記述したように見直されるべき時期にある。
1 六ヶ所再処理工場の竣工延期によって、各原子力発電所からの使用済核燃料の輸送についても計画の変更が必要と考えられる。六ヶ所再処理工場の二〇一〇、二〇一一、二〇一二年度の使用済核燃料の受け入れ、貯蔵計画及び各原子力発電所貯蔵プール等の貯蔵量はそれぞれどのようになるのか。
2 六ヶ所再処理工場が円滑に稼働しなければ各原子力発電所での使用済核燃料の貯蔵に支障をきたすおそれがある。そのような事態について政府、各事業者はどのような対応を考えているのか。
3 かつて原子力発電所の立地県である福島県の佐藤栄佐久元知事は、使用済核燃料の搬出先問題をもって核燃料サイクルを正当化することは「問題のすり替え」と批判している。この意見に対する政府の見解を示されたい。
4 最終的に処分する高レベル放射性廃棄物は低減されるが、低レベル放射性廃棄物を含めた廃棄物の体積は大幅に増加する。また、後述するが再処理の過程で原子力発電所とは桁違いの放射性物質を放出することとなる。このことについて政府の見解を示されたい。
5 使用済核燃料の再処理により、元の燃料の約二割五分から四割に相当する新燃料を再利用できウラン資源の利用効率が向上するということだが、軽水炉サイクル、いわゆるプルサーマルでは燃料の利用効率は約一・一倍に過ぎず、燃料の利用効率が約六十倍の高速増殖炉サイクルでは実証炉実現の目標を二〇五〇年としている現状では資源節約効果はほとんど望めないのではないか。
6 二〇〇九年度末時点で、日本はプルトニウムを四十五トン以上保有している。六ヶ所再処理工場が稼働すれば年間八百トンの使用済核燃料を処理し、約六トンのプルトニウムを取り出す。しかし、プルトニウムを燃料とするプルサーマルを実施しても、プルサーマルにおけるMOX燃料においてプルトニウムの混合割合、いわゆる富化度は約四パーセントから九パーセントに過ぎず、仮に国内十七の原子力発電所でプルサーマルを実施したとしても年間最大五トン程度しか消費しない。MOX燃料を全炉心に装荷できる大間原子力発電所が稼働しても使用量は一・一トン増えるに過ぎない。
現在でも数十年は使用できる量を保有しており、再処理を行っても余剰が発生するのみである。更にプルトニウムを回収する必要性はあるのか。
六 六ヶ所再処理工場は二〇一一年三月十一日の東北地方太平洋沖地震の影響により外部電源を喪失、非常用ディーゼル発電機二機で冷却水循環ポンプ等に給電したが、十四日二十三時四十分、ディーゼル発電機一基に不具合が生じたため停止して外部電源を使用、十五日二時三十三分に給電が復旧し、残る一基も外部電源に切り替えた。また、十三日には使用済核燃料の貯蔵プールの水約六百リットルが溢れていたことなどが報じられている。
1 高レベル放射性廃棄物を大量に貯蔵する六ヶ所再処理工場の耐震性、更に同敷地内に建設されている海外から返還された高レベル放射性廃棄物ガラス固化体の貯蔵施設の耐震性も大きな注目を集めている。六ヶ所再処理工場や返還廃棄物貯蔵施設の耐震安全審査で考慮された地震はどのような規模か。それぞれの施設について、詳細を示されたい。
2 平成十八年九月に新「耐震指針」を原子力安全委員会が決定した。それによれば、「耐震設計上重要な施設は、敷地周辺の地質・地質構造並びに地震活動性等の地震学及び地震工学的見地から施設の供用期間中に極めてまれではあるが発生する可能性があり、施設に大きな影響を与えるおそれがあると想定することが適切な地震動による地震力に対して、止める、冷やす、閉じ込めるという安全のための重要な機能が損なわれることがないように設計されなければならない」とされた。そして「これまでマグニチュード六・五の直下地震を想定して耐震設計を行っていたが、これを改め、震源と活断層を関連付けることが困難な内陸地殻内の地震について、その観測記録などから応答スペクトルを設定することにより、地震動を設定」するとされている。これに伴い、発電用原子炉施設等に関する耐震安全性の確認(バックチェック)が実施された。
六ヶ所再処理工場の耐震バックチェックでは、基準地震動がどのように見直され、再評価されたのか。詳細を示されたい。
3 六ヶ所再処理工場では、同工場で製造されたガラス固化体、また、海外から返還された高レベル放射性廃棄物ガラス固化体は、何体貯蔵されているのか。
4 六ヶ所再処理工場での高レベル放射性廃液等の貯蔵量は、いくらか。貯蔵されている高レベル放射性廃液は、どのような容量のタンクに、どのような量が貯蔵されているのか。また、高レベル放射性廃液の貯蔵タンクの耐震安全はどのように確保されているのか。
5 高レベル放射性廃液等の貯蔵タンクの冷却機構はどのようになっているのか。電源喪失のような事故時、どのような対応が考慮されているのか。
6 六ヶ所再処理工場の安全審査では、敷地に影響を与える地震、活断層を調査することとされているが、東北地方太平洋沖地震を引き起こした断層及び地震動についての評価はしていたのか。また、今回の地震では六ヶ所村の震度は四であった。この程度で前述のトラブル、事故が発生したことをどのように評価するのか。
7 東北地方太平洋沖地震では、三陸沿岸各地で十五メートル以上の津波が観測されている。六ヶ所再処理工場や返還廃棄物貯蔵施設の耐震安全審査で津波はどの程度を想定しているのか。
8 六ヶ所再処理工場の安全審査において、福島第一原子力発電所のような全交流電源喪失事故は審査されているのか。また、長期化する場合の対策は検討されているのか。対策がある場合、それはどのようなものか、詳細を示されたい。対策がないとすれば、それはどのような理由で対策が立てられてないのか。
七 放射性廃棄物対策は原子力発電推進のために、避けることのできない重要な課題である。しかし、残念ながら高レベル放射性廃棄物の最終処分場候補地が未だに一か所もない。
1 高レベル放射性廃棄物最終処分場の公募について、国民的理解を得ていると政府は考えているか。
2 政府として原子力発電について責任をもって推進する姿勢とは、放射性廃棄物の処理・処分への具体的対応、最終処分地を準備してから取り組むことであると考える。政府の見解を示されたい。
3 放射性廃棄物の処分に当たっては、高レベル放射性廃棄物や放射性物質が人体、環境に与える影響について、正確な情報を迅速に国民に伝える必要があると考える。政府の見解を示されたい。
八 政府には、地球温暖化対策への有効な手段として原子力発電所の運転・建設計画の推進という目標がある一方、核燃料サイクルの要である六ヶ所再処理工場の竣工、高速増殖炉の開発、さらに高レベル放射性廃棄物最終処分場の見通しが立たない状況がある。
1 現在は再処理ができておらず、放射性廃棄物がどんどん積み上がっている状態であり、使用済燃料貯蔵プールの容量にも限界がある。これ以上の排出量の増加は抑えるべきである。まずは最終処分までの道筋を立ててから新たな原子力発電所を建設すべきと考えるが如何か。
2 福島第一原子力発電所の事故によって、原子力発電所の安全性を抜本的に再検討することが求められており、原子力発電所の安全への国民的不信の増大に鑑みれば、現在建設中、安全審査中、計画中の全ての原子力発電所について、現在のままでの計画遂行は難しいと考える。政府として電気事業者に対して今回の地震による被害を踏まえ、再度、安全審査等を行うことを勧告するべきと考える。政府の見解如何。
九 国に提出されている六ヶ所再処理工場の再処理事業指定申請書には、放射性廃棄物の環境への推定年間放出量が記載されており、福島第一原子力発電所の事故により飛散が懸念されているヨウ素131を気体で大気中に放出する量は百七十億ベクレル、液体で太平洋中に放流する量は千七百億ベクレル、セシウム137は同じく十一億ベクレル、百六十億ベクレルであり、プルトニウム241は液体で太平洋中に八百億ベクレル、プルトニウム240は同じく三十億ベクレル放流するとしている。
1 福島第一原子力発電所の水素爆発から放射性物質の飛散が確認されており、浄水場や農作物、牛乳、牛肉からも基準を上回る放射性物質が検出されている。また、高濃度の放射性物質を含んだ汚染水も漏れており、魚介類からも高濃度の放射性物質が検出されている。さらに四月四日からは放射性廃液一万千五百トンの太平洋への放流を開始した。このような状況の中で、更に継続的に使用済核燃料の再処理のために放射性物質を放出することは不適切と考えるが如何か。
2 放射性物質クリプトン85の年間放出量は三十三京ベクレルにもなる。クリプトン85については低温にて活性炭などに吸着させる方法が東海再処理工場などでも開発され、回収作業が一部行われている。他の放射性物質についてもフィルターを通すこと等により回収され、放出が低減されるのに、なぜ六ヶ所再処理工場では回収せず、大気中、太平洋中に放出、放流するのか。
十 使用済核燃料の再処理については、電気事業者としては、既に電気料金に上乗せして徴収している費用があるため、撤退はできない事情があるだろう。また、政府においても核燃料サイクルを政策転換すれば電気事業者から再処理工場建設費の損害賠償請求が起こり、続けざるを得ない状況ではないか。
現在、東京電力は先の事故により、多大な賠償をしなければならない。電気事業者は前述の法律により二〇〇五年から使用済核燃料再処理費用を国民からの電気料金に上乗せして徴収し、財団法人原子力環境整備促進・資金管理センターで管理、運用をしている。使用済核燃料再処理等積立金は六年間で二兆四千四百十六億円が積み上げられた。まずは、これを福島第一原子力発電所事故により被災された方々への賠償に充て、更には現在、稼働中の原子力発電所の耐震補強、津波対策に充てるべきである。これまで徴収された方も納得ができる支出ではないか。この度に限り目的と違った積立金の運用が可能となるように法律の改正を行うべきと考えるが、政府の見解を示されたい。
さらに、政府は原子力損害賠償法の例外規定を初めて適用し、被害者の損害を国も賠償する方向で検討に入ったと報道されている。この状況で核燃料サイクルの政策を転換しても電気事業者からの損害賠償請求はあり得ないのではないか。
未来の子どもに負の遺産を残してはならない。「子曰く、学べば則ち固ろうならず、過ちては則ち改むるに憚ること勿れ」。未曾有の大災害である。日本が新たな一歩を踏み出すために、過去から抜け出すことが必要であると考えるが、政府の見解を示されたい。
右質問する。
政府答弁書
一の1について
日本原燃株式会社(以下「日本原燃」という。)からは、日本原燃の再処理事業所再処理施設(以下「六ヶ所再処理工場」という。)の竣工時期を延期したのは、高レベル廃液ガラス固化建屋ガラス溶融炉(以下「ガラス溶融炉」という。)に係る技術的課題等へ対応するために工程に遅れが生じたためと聞いている。
また、延期期間については、高レベル放射性液体廃棄物(以下「高レベル廃液」という。)のガラス固化を確実に行うために必要なガラス溶融炉への温度計の追加設置等の設備改善や、低模擬廃液等を用いた事前確認試験の実施、実廃液を用いた最終確認試験の実施等、竣工に必要な作業に要する期間を考慮して、二年間に決定したものと聞いている。
一の2について
日本原燃からは、平成元年の当初計画の発表後、耐震性、飛来物に対する防護性及び核拡散抵抗性の強化に必要な設備の追加等により、建設費が増え、建設期間が延びたと聞いている。
二の1について
一般の需要に応ずる電気の供給に係る料金に算入されている、使用済燃料の再処理等を適正に実施するための費用の額は、平成二十三年四月末時点で、キロワットアワー当たり、北海道電力株式会社が十四銭、東北電力株式会社が十四銭、東京電力株式会社(以下「東京電力」という。)が二十三銭、中部電力株式会社が十六銭、北陸電力株式会社が十二銭、関西電力株式会社が三十一銭、中国電力株式会社が十三銭、四国電力株式会社が三十三銭、九州電力株式会社が二十五銭となっている。
使用済燃料の再処理等に要する費用の総額が増加した場合、これにどう対応するかは、一義的には各一般電気事業者の判断に委ねられる。各一般電気事業者が、一般の需要に応ずる電気の供給に係る料金の値上げを行う場合には、経済産業大臣の認可が必要であり、認可申請がなされた場合には、経済産業省において、料金が能率的な経営の下における適正な原価を踏まえたものになっているか等の観点から審査を行っていくこととなる。
二の2について
原子力発電における使用済燃料の再処理等のための積立金の積立て及び管理に関する法律(平成十七年法律第四十八号。以下「再処理等積立金法」という。)第三条第一項に規定する積立金(以下「再処理等積立金」という。)については、これを積み立てる義務を負う特定実用発電用原子炉設置者(再処理等積立金法第二条第六項に規定する特定実用発電用原子炉設置者をいう。以下同じ。)が、使用済燃料の発生等に応じて平成十七年度から平成九十六年度までの間に積み立てる一方、積み立てた金額から、使用済燃料の再処理等に要する費用を、平成九十六年度まで日本原燃に支払うこととなっている。
また、再処理等積立金の管理については、再処理等積立金法第十条の規定により経済産業大臣の指定を受けた公益財団法人原子力環境整備促進・資金管理センターが行い、同大臣が必要な監督を行うこととされている。
二の3について
特定放射性廃棄物の最終処分に関する法律等の一部を改正する法律(平成十九年法律第八十四号)により、原子力発電環境整備機構(以下「NUMO」という。)が行う最終処分の対象となる特定放射性廃棄物に第二種特定放射性廃棄物が追加されたことに伴い、日本原燃が、使用済燃料の再処理等に伴い生じた第二種特定放射性廃棄物の最終処分に必要な費用を、NUMOに納付することとなったためである。なお、日本原燃は、再処理等積立金法第四条の規定に基づく届出において、平成九十六年度まで使用済燃料の再処理等を実施する計画としている。また、最終処分に必要な費用を算定するに当たっては、最終処分施設の閉鎖後三百年間、モニタリング等の措置を実施することを前提としている。
二の4について
独立行政法人日本原子力研究開発機構(以下「原子力機構」という。)東海研究開発センター核燃料サイクル工学研究所再処理施設(以下「東海再処理施設」という。)の分離精製工場等における、御指摘の年度ごとの「使用済核燃料再処理に係る研究開発費等」については、「東海再処理施設総事業費」として、原子力機構のホームページに掲載されている。また、六ヶ所再処理工場は使用済燃料の再処理のための商業用施設であり、六ヶ所再処理工場において研究開発は実施されていない。
二の5について
平成二十一年度に創設された使用済燃料再処理事業高度化補助金の創設以来の予算額及び決算額は、同年度が十六・〇億円及び十五・二億円、平成二十二年度が十八・〇億円及び十五・五億円である。また、同補助金は、全て日本原燃に交付している。その他のお尋ねについては、詳細な調査等が必要となるため、お答えすることは困難である。
二の6について
お尋ねについては、例えば、我が国独自のマイクロ波脱硝技術により得られたウラン・プルトニウム混合酸化物(以下「MOX」という。)粉末が、海外より導入した粉末混合プロセスを用いたMOX燃料の製造に適用できることが明らかになったことが挙げられる。これらの成果については、既に日本原燃が建設を進めているMOX燃料加工施設の設計に反映されている。
二の7について
原子力発電に係るコストについては、平成十六年一月に総合資源エネルギー調査会電気事業分科会コスト等検討小委員会が、発電に直接要する経費の見積りを行っており、運転年数四十年、設備利用率八十パーセント、将来価値から現在価値への割引率三パーセントの場合には、一キロワットアワー当たり五・三円と試算しているが、東京電力株式会社福島第一原子力発電所(以下「福島第一原子力発電所」という。)における事故の検証、今後のエネルギー政策の在り方の議論等を踏まえ、今後、その算定方法を検討していく必要がある。
三の1について
核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律(昭和三十二年法律第百六十六号。以下「原子炉等規制法」という。)第六十二条の三の規定により、使用済燃料の再処理の事業に関する規則(昭和四十六年総理府令第十号)第十九条の十六各号に定める事故故障等が発生したとして再処理事業者からなされた報告(以下「法令報告」という。)のうち、昭和五十三年十月以前のものの発生日、事業所名及び事象内容は次のとおりである。
昭和五十二年十月十四日 東海再処理施設 再処理建設所分析所において、グローブボックスのグローブが破損し、作業員二名の作業衣が汚染された。
昭和五十三年八月二十四日 東海再処理施設 分離精製工場に設置されているガンマ線モニタが発報し、酸回収蒸発缶の加熱配管溶接部に腐食孔が発生していることが確認された。
昭和五十三年十一月から平成二十一年十月までの間の法令報告の内容については、原子力安全年報又は原子力安全白書に記載されており、これらは、原子力安全委員会のホームページに掲載されている。平成二十二年以降の法令報告は、平成二十三年四月末時点で一件であり、その内容については、平成二十二年第五十回原子力安全委員会臨時会議配布資料に記載されており、これは、同委員会のホームページに掲載されている。
法令報告以外の事象については、再処理事業者のホームページに掲載されている。
三の2について
政府としては、再処理事業者は、事故故障等の発生の都度、責任を持って原因の調査、対策の実施、類似事象の再発防止等を行い、再処理施設のより安全な運転に努めなければならないものと考えている。
四の1について
再処理施設におけるガラス固化体の製造過程において発生した事故等に関する法令報告の内容については、原子力安全白書に記載されており、これは、原子力安全委員会のホームページに掲載されている。
また、技術的な問題点としては、例えばガラス溶融炉におけるガラスの流下性の低下について、ガラス溶融炉内の温度状態を把握するために設置された炉内の温度計の位置が適切ではなかったため、炉内の温度状態に変化が生じた際にその変化に適した電力調整が適切に行われなかったこと等が挙げられる。
四の2について
原子力機構からは、動力炉・核燃料開発事業団(当時。以下「旧動燃」という。)は、我が国の電気事業者のほか、ドイツのカールスルーエ工学研究所及び石川島播磨重工業株式会社(当時)から技術協力を得たと聞いている。
四の3について
東海再処理施設のガラス固化技術開発施設における、御指摘の年度ごとの「ガラス固化体製造施設における研究開発費等」については、「ガラス固化技術開発に係る費用」として、原子力機構のホームページに掲載されている。また、六ヶ所再処理工場は使用済燃料の再処理のための商業用施設であり、六ヶ所再処理工場の高レベル廃液ガラス固化建屋において研究開発は実施されていない。
四の4及び5について
御指摘の意見書については、保存期間が経過し保存されていないため、事実関係の確認は困難であるが、日本原燃からは、旧動燃が開発を進めてきた液体供給式直接通電型セラミックメルタ法について、システムが単純で保守が容易であり、かつ、寿命が長いなどの特徴を有すること、この技術を実規模プラントに適用しても安全性・信頼性が十分に確保できる見通しが得られたこと、旧動燃からの技術支援・協力が期待できることなどから、これを採用したと聞いている。なお、フランスのアレバ社の再処理施設で用いられている高周波加熱法を採用した場合とのコスト比較は行っていないと聞いている。
五の1について
お尋ねの「六ヶ所再処理工場の二〇一〇、二〇一一、二〇一二年度の使用済核燃料の受け入れ、貯蔵計画」については、日本原燃が、六ヶ所再処理工場の竣工延期に伴い公表した「再処理施設の使用計画」の中に記載されており、これは日本原燃のホームページに掲載されている。また、「各原子力発電所貯蔵プール等の貯蔵量」については、電気事業連合会が編集した「原子力・エネルギー図面集二〇一一」の中に記載されており、これは電気事業連合会のホームページに掲載されている。
五の2について
使用済燃料の貯蔵については、平成十一年に原子炉等規制法を改正し、原子力発電所外での貯蔵が可能となるよう法整備を行うなど、政府として必要な取組を行ってきている。
また、電気事業者としても、現在、青森県むつ市において、東京電力及び日本原子力発電株式会社の出資により設立されたリサイクル燃料貯蔵株式会社が貯蔵施設を建設中であるほか、各原子力発電所内における貯蔵施設の共用化、使用済燃料貯蔵プールの貯蔵能力の拡大等の取組を進めていると承知している。
五の3について
核燃料サイクルについては、「原子力政策大綱」(平成十七年十月十一日原子力委員会決定)の策定過程において、佐藤栄佐久福島県知事(当時)の意見等も踏まえ、原子力委員会において議論を行い、安全性、技術的成立性、経済性、エネルギー安定供給、環境適合性、核不拡散性、海外の動向、政策変更に伴う課題、社会的受容性、選択肢の確保の十項目の視点から評価した結果、「使用済燃料を再処理し、回収されるプルトニウム、ウラン等を有効利用することを基本的方針とする。」との結論を得ている。
五の4について
使用済燃料の再処理に伴い発生する低レベル放射性廃棄物は一様ではなく、それぞれについて処分方法が異なることから、その体積を地層処分される高レベル放射性廃棄物の体積と単純に比較することは適切ではないが、いずれにせよ、国内外における処理技術の開発状況を踏まえ、再処理に伴って発生する低レベル放射性廃棄物の一層の低減を図ってまいりたい。
また、六ヶ所再処理工場からの放射性物質の放出量と原子力発電所からの放射性物質の放出量については、考慮する核種の違いなどから、単純に比較することは適切ではないと考えている。なお、六ヶ所再処理工場から放出すること等による一般公衆における実効線量については、六ヶ所再処理工場の事業の指定に係る安全審査(以下単に「安全審査」という。)において、法令の定める限度を超えないことはもとより、合理的に達成できる限り低いものであることを確認し、安全上問題ないと判断している。
五の5について
使用済燃料の再処理によるウラン資源の利用効率については、原子力政策大綱において、「再処理する場合には、ウランやプルトニウムを回収して軽水炉で利用することにより、一~二割のウラン資源節約効果が得られ、さらに、高速増殖炉サイクルが実用化すれば、ウラン資源の利用効率が格段に高まり、現在把握されている利用可能なウラン資源だけでも数百年間にわたって原子力エネルギーを利用し続けることが可能となる。」とされている。
五の6について
電気事業連合会からは、六ヶ所再処理工場が稼働した際には、年間四トン強のプルトニウムの回収が見込まれ、他方、電気事業者は平成二十七年度までに十六基から十八基の原子炉でプルサーマルの実施を目指しており、これにより年間五・五トンから六・五トンのプルトニウムの利用が見込まれると聞いている。したがって、再処理を行っても余剰は発生しないものと考えられる。
六の1及び2について
六ヶ所再処理工場の耐震安全性については、安全審査において、平成十八年の改訂前の「発電用原子炉施設に関する耐震設計審査指針」(昭和五十六年七月二十日原子力安全委員会決定。以下「旧耐震指針」という。)等を踏まえ、基準地震動として最大三百七十五ガルの地震動に耐えられる設計となっていることを確認している。
また、日本原燃の再処理事業所廃棄物管理施設(以下「高レベル放射性廃棄物貯蔵管理センター」という。)の耐震安全性については、高レベル放射性廃棄物貯蔵管理センターの事業の許可の過程において、旧耐震指針等を踏まえ、基準地震動として二百三十ガルの地震動に耐えられる設計となっていることを確認している。
なお、六ヶ所再処理工場については、平成十八年の改訂後の「発電用原子炉施設に関する耐震設計審査指針」(平成十八年九月十九日原子力安全委員会決定。以下「新耐震指針」という。)等を踏まえた、既設の原子力施設の耐震安全性の確認(以下「耐震バックチェック」という。)を行った結果、基準地震動として水平方向で四百五十ガル及び鉛直方向で三百ガルの地震動に耐えられる設計となっていることを確認している。
六の3について
お尋ねの「同工場で製造されたガラス固化体」及び「海外から返還された高レベル放射性廃棄物ガラス固化体」の貯蔵量については、日本原燃が関係自治体に報告している「安全協定に基づく定期報告書」の中に記載されており、これは日本原燃のホームページに掲載されている。
六の4について
日本原燃からは、六ヶ所再処理工場における高レベル廃液等の貯蔵量は、平成二十三年四月末時点で約二百四十立方メートルと聞いている。
また、六ヶ所再処理工場に設置されている高レベル廃液等に係る貯槽は、容量約百二十立方メートルの高レベル濃縮廃液貯槽が二基、容量約二十五立方メートルの高レベル濃縮廃液一時貯槽が二基、容量約七十立方メートルの不溶解残渣廃液貯槽が二基、容量約五立方メートルの不溶解残渣廃液一時貯槽が二基、容量約百二十立方メートルのアルカリ濃縮廃液貯槽が一基、容量約百二十立方メートルの高レベル廃液共用貯槽が一基であると承知している。
なお、日本原燃によれば、それぞれの貯槽に貯蔵されている廃液の量については、日本原燃のノウハウ等に係る事項であるため、回答を差し控えたいとのことであり、政府としても、その量は承知していない。
高レベル廃液貯蔵設備を含め、六ヶ所再処理工場の耐震安全性については、安全審査の過程において、旧耐震指針等を踏まえて確認したほか、耐震バックチェックにおいて改めて確認している。
六の5について
六ヶ所再処理工場の高レベル廃液貯蔵設備に設置された高レベル廃液貯槽は、高レベル廃液の崩壊熱を除去するための冷却設備を二系列有しており、このうち一つの系列が作動していれば、高レベル廃液貯蔵設備の冷却機能が維持できる設計となっている。
また、高レベル廃液貯蔵設備等、六ヶ所再処理工場の安全上重要な施設であって、動力源として電力を必要とするものについては、二回線ある外部電源系統及び分離独立した二つの非常用所内電源系統に接続されており、外部電源が二回線とも喪失した時であっても、非常用所内電源系統の一つが作動すれば電力供給が維持できる設計となっている。
さらに、経済産業省は、平成二十三年五月一日、日本原燃等に対して、津波その他の事象により交流電源を供給する全ての機能、再処理施設の放射性物質の崩壊熱を除去する機能及び水素の発生のおそれがある設備においてその滞留を防止する機能を喪失した場合に、それらを回復することを可能とするための緊急安全対策を講じるよう求めたところである。
六の6について
六ヶ所再処理工場については、平成二十三年三月十一日に発生した東北地方太平洋沖地震を引き起こした断層そのものについて評価を行っているものではないが、旧耐震指針等を踏まえ、文献調査や地震工学的見地等からの検討を行い、青森県東方沖のプレート境界上の地震としてマグニチュード八・二五、震央距離五十キロメートル及び深さ六十キロメートルを想定し、並びに直下地震としてマグニチュード六・五及び震源距離十キロメートルを想定し、評価を行ったものである。
なお、東北地方太平洋沖地震における六ヶ所村の震度は四であり、六ヶ所再処理工場の分離建屋においては最大加速度震幅が約三十七ガルの地震記録が得られており、一部の設備・機器に不具合が生じたものの、安全への影響はなかったものと認識している。
六の7について
旧耐震指針等を踏まえた安全審査においては、六ヶ所再処理工場及び高レベル放射性廃棄物貯蔵管理センターの主要な建物及び構築物を配置する敷地は、標高約五十五メートルに整地造成され、また、海岸からは約五キロメートル離れていることから、津波及び異常潮位により六ヶ所再処理工場及び高レベル放射性廃棄物貯蔵管理センターの安全性が損なわれることはないと判断している。
六の8について
科学技術庁(当時)は、安全審査において、外部電源を二回線から受電しており、一回線が停電時においても、六ヶ所再処理工場の運転に必要な電力量が確保できる設計となっていることを確認するとともに、六ヶ所再処理工場の本体及び使用済燃料受入れ・貯蔵施設において、それぞれ二つの非常用所内電源系統のうち一つにより安全を確保できるといった幾重にも対策がとられていることを確認しており、さらに、仮にこれらの電源が短時間全て喪失したとしても安全であることを確認している。
また、六の5についてでお答えしたとおり、経済産業省は、平成二十三年五月一日、日本原燃等に対して、津波その他の事象により交流電源を供給する全ての機能、再処理施設の放射性物質の崩壊熱を除去する機能及び水素の発生のおそれがある設備においてその滞留を防止する機能を喪失した場合に、それらを回復することを可能とするための緊急安全対策を講じるよう求めたところである。
七の1について
平成二十一年十月に政府が実施した「原子力に関する特別世論調査」においては、「原子力発電に伴い「高レベル放射性廃棄物」と呼ばれる廃棄物が発生する」ことについて、五十三・七パーセントが認知していると回答し、「高レベル放射性廃棄物の処分地を、私たちの世代が責任をもって、速やかに選定するべき」かについて、八十二・二パーセントが「そう思う」(「そう思う」及び「どちらかといえばそう思う」の合計)と回答しており、国民の一定の理解を得ていると考えている。
七の2について
放射性廃棄物の処理・処分は、原子力発電を利用する上で必須の課題であり、原子炉等規制法等の関連法令に基づき、放射性廃棄物の種類や放射能レベル等に応じて適切に行われることとなっている。このうち、高レベル放射性廃棄物の最終処分については、我が国では昭和五十年代から地層処分の研究を行ってきており、平成十二年には特定放射性廃棄物の最終処分に関する法律(平成十二年法律第百十七号)が成立し、地層処分の制度的枠組みが整備され、処分実施主体としてNUMOが設立された。平成十四年には、処分地選定のための最初の調査段階である文献調査について、NUMOが全国の市町村を対象に公募を開始している。政府としては、今後とも処分地選定に向けた取組を進めてまいりたい。
七の3について
政府としても、正確な情報を迅速に国民に伝えることが必要であると考えている。
八の1について
六ヶ所再処理工場は、平成二十四年十月の竣工を目指して着実に取組が進められているところであり、政府としては、この取組に対して必要な支援を実施していく考えである。最終処分については、七の2についてでお答えしたとおり、処分地選定のための最初の調査段階である文献調査について、NUMOが全国の市町村を対象に公募を開始しており、政府としても必要な取組を行ってまいりたい。
八の2について
経済産業省は、福島第一原子力発電所の事故を踏まえ、同様の事故が発生しないようにすることが重要であると認識している。そのため、当面の対応として、電気事業者等に対して、平成二十三年三月三十日に、津波による電源機能等の喪失時においても炉心損傷等を防止し、放射性物質の放出を抑制しつつ原子炉施設の冷却機能を回復することを可能とするための緊急安全対策の実施を指示し、また同年四月九日に、定期検査中等の原子炉についても非常用交流高圧電源母線に接続する非常用発電機を二台動作可能とすることを指示し、さらに同月十五日に、外部電源の信頼性の確保に向け、複数の電源線からの全ての送電回線と各号機との接続、発電所内の電源線の送電鉄塔の強化、電気設備の浸水防止等の対策実施を指示したところである。
今後さらに、東北地方太平洋沖地震によって福島第一原子力発電所で発生した事象について、全体像の把握、分析及び評価を行い、安全基準について見直しを行うなど所要の対策を講じていく必要があると認識している。
九の1及び2について
クリプトン八十五を含む放射性物質を六ヶ所再処理工場から放出すること等による一般公衆における実効線量については、フィルター等により除去可能な放射性物質をできるだけ除去することにより、法令の定める限度を超えないことはもとより、合理的に達成できる限り低いものとなることを、安全審査において確認し、安全上問題ないと判断している。
なお、クリプトン八十五の回収・固定化技術については、原子力機構からは、現時点において具体的な実用化の見通しはないと聞いている。
十について
再処理等積立金は、使用済燃料の再処理等の費用に充てるため、再処理等積立金法の規定に基づき、特定実用発電用原子炉設置者が積み立てているものであり、他の用途に充当することは適切ではないと考えている。
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