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活断層対策等に関する質問

参議院 第132回 第16号お答えすることは困難 ×1検討してまいりたい ×1

提出者
参議院
提出日
1995年5月1日
内閣転送 1995年5月10日
答弁書受領日
1995年5月23日
提出から22日
答弁の項目数
10
質問 2,340字/答弁 1,551字

質問本文

活断層対策等に関する質問主意書

本年一月十七日早朝に発生した阪神・淡路大震災は、五千五百名を超える死者・行方不明者を出し、家屋や高速道路の高架橋の倒壊、電気・ガス・水道等のライフラインの寸断など戦後最大の被害を生じ、大都市直下型地震の恐ろしさを見せつけた。今回の大震災は、震源地である淡路島の活断層による典型的な内陸直下型地震であり、このことから活断層の存在が一躍、国民の注目を集めた。我が国は、約二千ともいわれる活断層を有する活断層列島であるとともに、世界有数の地震多発国である。今後さらに活断層に対する調査研究を推進するとともに、その防災対策が重要かつ必要と考える。

以下、活断層に関する次の諸点について質問する。

一 活断層の分布状況等について

1 「活断層」の定義について説明されたい。また、活断層の存在が確認されている数は、千五百とも二千ともいわれているが、現在どの程度確認がなされているのか。

2 最近、旧江戸川下に新たな活断層が確認されているが、阪神・淡路大震災の発生後、確認された活断層はどのくらいあるのか。また、それはいかなる所で確認されているのか。

3 活断層の活動歴調査によって要注意の活断層がわかるとされているが、活断層の活動歴調査は、現在どの程度なされているのか。また、活動歴調査の結果、要注意の活断層として、今回の大震災の震源となった「有馬-高槻-六甲断層帯」を初め、「中央構造線」、「阿寺断層」、「伊那谷断層帯」、「糸魚川-静岡構造線」、「富士川断層帯」、「国府津-松田断層帯」 、「柳ケ瀬-鈴鹿断層帯」、「駿河トラフ」、「西関東断層帯」、「信濃川断層帯」、「秋田-庄内断層帯」の十二か所を指摘している学者がいるが、政府としての判断はどうか。

二 施設建築物等の建設に際する活断層対策について

1 活断層を避けて建設することが求められている施設構造物には、現在、どのようなものがあるのか。

2 阪神・淡路大震災において、活断層上やこれに沿って建設された建築物をみると、耐震設計がなされたものでも損壊している部分が見受けられる。米国のカリフォルニア州の活断層法では、建築物を建てようとする際の断層調査の義務化や活断層から両側十五メートルは居住用建築物を建てられないなどの規制を定めているという。また、ニュージーランドの建築基準は、活断層地帯の建築物について破壊されにくい耐震設計にすることの義務化が図られているという。我が国でも神奈川県横須賀市において、デベロッパーによる民間住宅建設時に活断層を避けて建築することの指導を行っている。

土地が狭く、かつ、活断層列島といわれる我が国では、活断層地帯の建築規制は困難といえるが、これらの事例をかんがみると、少なくとも災害時には避難所ともなる小中学校、被災負傷者を受け入れる病院、日常において不特定多数の者の出入りがある施設建築物には規制が必要であると考えるが、政府の見解はどうか。

3 一般国民からみると、せっかく苦労して手に入れた住宅が活断層上にあることがわかった場合、不安を抱えながら住むことになる。生活者保護の観点からも当該地域の活断層情報を公開する施策が求められる。

兵庫県でも今回の大震災を教訓に活断層図を作成し、関係市町村や企業などに情報公開をしていく方針という。これを一歩進めて、全国の各地方自治体が当該地域の活断層図を作成し、地域住民に公開する必要があると考えるが、政府の見解はどうか。

また、活断層に対する住民自らの防衛策に当該自治体が積極的に相談に乗り、かつ、補助を含めた支援体制を創設すべきであると考えるが、政府の見解はどうか。

三 阪神高速道路公団の大阪湾深部基盤構造の探査等について

1 今回の大震災では、阪神高速道路三号神戸線の高架橋が六百三十五メートルにもわたって横倒しになる被害を受けた。神戸大学の現地調査によると、神戸市から宝塚市にかけて九断層が動いたことが確認されたという。三号神戸線の近くの芦屋断層もそのひとつに入っている。ところで、阪神高速道路公団が昭和六十一年に大阪湾の深部基盤構造を探査した際、大規模な活断層を発見したと報道されている。しかも、探査にあたった技術者たちはその危険性を指摘していたという。どのような調査方法により、どのような事実が明らかになったのか説明されたい。

2 三号神戸線等の高速道路がかなりの被害を受けている事実からすると、補強などの事業を行ったということは認めがたいが、この探査結果を受けて具体的にどのような対策を実施したのか示されたい。

3 阪神高速道路の復旧工事にあたり、今回の経験を教訓に今後、どのような対処をしていくつもりなのか具体的に説明されたい。

四 特定観測地域等における活断層の実態調査と地域防災計画への反映について

地方自治体が作成する地域防災計画は、災害時の応急対策、予防対策など広範な分野にわたって基本的な考え方が盛り込まれている「災害時の憲法」とも言えるものである。しかしながら、地震に絞った細かな震災対策を設けている自治体は少ないという。今回の大震災を契機に地域防災計画を見直す自治体が多いが、兵庫県や京都府などは活断層調査を行い、その調査結果を地域防災計画に反映させていくとしている。

国は現在、防災基本計画の見直し作業を進めているが、活断層調査を見直しの項目に入れるとともに、地域防災計画に反映させるよう指導を行うべきである。さらに、国として少なくとも「特定観測地域」及び「観測強化地域」について、詳細な実態調査を行い、その観測の強化を図る必要があると考えるが、これらの点についてどう考えるか。

右質問する。

参議院の原文・経過

政府答弁書

一の1について

活断層の定義については様々な説があるが、例えば、通商産業省工業技術院地質調査所においては、「おおむね第四紀の後期に反復して活動した内因性の断層」を活断層と定義している。

現在確認されている活断層の数については、国の諸機関、大学等の調査結果を踏まえれば、活断層である可能性があるものも含め、約二千である。

一の2について

阪神・淡路大震災の発生後に新たに存在が確認された活断層はない。

なお、旧江戸川下の活断層は、平成四年度に通商産業省工業技術院地質調査所が行った調査により確認されたものである。

一の3について

活断層の活動歴については、これまで国の諸機関、大学等により、少なくとも五十数箇所においてトレンチ調査(活断層の通過している場所に調査溝を掘り、その断面及び平面の観察を通じて過去に起こった活断層の活動を解析する調査をいう。以下同じ。)が実施されている。

御指摘の十二活断層群のうち六活断層群については、部分的にトレンチ調査が行われている。それらの活断層群の地震発生危険度の評価については、さらに調査・研究が必要であり、現段階において政府としての判断を示すことは困難である。

二の1について

発電用原子炉施設等の原子力施設及びダムについては、活断層等の存在を考慮して設計することとされている。

二の2について

阪神・淡路大震災による建築物の被害は、地質条件のほか、当該建築物の位置、建築時期、規模、構造等によって多種多様であるので、建築物の被害の原因及びその対策について検討しているところである。

二の3について

各地方公共団体が、国の諸機関、大学等が行った活断層に関する調査の結果を参考とし、所在が確認できる活断層については必要に応じ地図により広く地域住民に周知を行い、あわせて、被害想定を行い、住民の防災意識の高揚、防災訓練への参加の促進等の措置を講ずることは、防災対策の推進に資するものであると考えている。

また、各地方公共団体においては、地震被害の軽減を図るため、従来から住民に対する相談窓口の設置等各種の震災対策を進めているところであるが、政府としても、引き続き、これらに対する指導、支援等を行ってまいりたい。

三の1について

阪神高速道路公団が平成元年に実施した大阪湾地質構造調査の調査方法は、マルチチャンネル反射法(水中において、圧搾空気を用いたエアガンにより波動を生じさせ、反射波を受信・解析することにより地層の概要を把握する調査)であり、これにより、大阪湾海底の基盤の深度等が明らかとなり、断層運動の結果生じたものと思われる基盤の隆起が発見された。

三の2について

同調査は、大阪湾の地質構造に関する基礎的なデータを入手することを目的として実施されたものである。

三の3について

阪神高速道路の復旧工事については、現行の耐震設計基準に加え、橋脚の柔軟性及びねばりの向上等により橋梁全体として今回の地震と同規模の地震にも耐えられる構造とすることを目標として策定した仕様を平成七年二月二十七日付けで建設省が通達したところであり、阪神高速道路公団はこれに基づいて復旧工事を実施することとしている。

四について

現在、中央防災会議では、防災基本計画の見直し作業を進めているが、新たな防災基本計画においては、活断層に関する調査を含め、地震に関する研究及び観測を重要事項と位置付けて記載することとしている。また、活断層に関する調査結果を地域防災計画に反映させるよう指導してまいりたい。

国としては、これまでも特定観測地域、観測強化地域等において活断層に関する調査を行ってきたところであるが、今後、さらに詳細な調査を行うとともに、活断層における観測の強化に努めてまいりたい。

参議院の原文

この答弁書に出てくる定型句

お答えすることは困難 ×1検討してまいりたい ×1

語の一致で数えたものです。答弁の評価ではありません。同じ型の答弁が過去にどれだけあるかは、型を押すと出ます。

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