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ガス事業の地震対策に関する質問
参議院 第132回 第18号検討してまいりたい ×2
質問本文
ガス事業の地震対策に関する質問主意書
内陸直下型地震の恐ろしさをまざまざと見せつけた阪神・淡路大震災は、戦後最悪の大惨事となった。交通網は完全に寸断され、水道・電気・ガス等ライフラインは全てにわたって崩壊し、都市機能は完全に麻痺してしまった。東海地震や大都市直下型地震の危険性も指摘されており、都市防災の根本的な見直しが迫られている。
ガスについては地震発生から約三か月後の四月十一日に、家屋の焼失・倒壊等により復旧が不能な需要家約十五万三千戸及び瓦礫の推積による道路封鎖等のため現時点において導管復旧が困難な一部の需要家を除き復旧が完了している。しかしながら、その間需要家は甚大な被害を被ったといわれている。
そこで、ガス事業の地震対策に関して、以下の諸点について質問する。
一、今回の阪神・淡路大震災では、地震発生から六時間後に八十六万戸に対するガスの供給が停止されたと報じられている。ガス供給停止に当たっての考え方としては、二次災害を完全に防止するためにはガス供給の停止が最も確実な方法であるが、一度供給を停止すると復旧に時間を要し需要家に迷惑がかかるという面もある。ガス業界では一般的にいかなる判断基準の下に供給停止が行われていると政府は承知しているか伺いたい。
また、政府は二次災害発生の有無についてどう判断されているか伺いたい。
二、ガスの供給停止が行われた場合、その早期復旧を図るためには、供給区域を細分化し、被害を受けた地域に対してのみガスの供給を停止するような対策を講じることが有効であると思われる。そのためには、導管網を分割できる緊急措置ブロックシステムの積極的な導入が重要であると認識しているが、政府の見解を伺いたい。
三、平成五年一月十五日に発生した釧路沖地震を教訓として、資源エネルギー庁にガス地震対策調査会が設置され、同年十二月八日に同調査会が報告書を取りまとめている。この調査会報告の指摘を受けて、本年二月二十八日に資源エネルギー庁公益事業部長名で、「ガス工作物の技術上の基準を定める告示第八十六条の二の運用について」の通達が出されている。
それによれば、導管については「埋設される導管に関する耐震設計指針」に基づき設計されなければならないとされている。今回の地震では中圧導管、低圧導管に被害があったといわれているが、この指針に照らしてどうであったのか。また、この指針の見直しの必要性についてどう考えているのか、政府の見解を伺いたい。
四、資源エネルギー庁では今回の地震を踏まえ、ガス地震対策検討会を設置し、今後のガス事業の地震対策について検討しているようであるが、その検討項目、検討体制及び検討スケジュールについて伺いたい。
なお、「代替熱源の提供等生活支援対策のあり方」についても検討項目として取り上げられていると思料するが、どのような方向で検討が進められているのか説明されたい。
五、阪神・淡路大震災の影響でガスの供給が停止した区域では、復旧に長期間を要したため、業務用分野だけでなく一般家庭でもLPガスへの転換が相次いだといわれている。LPガスボンベは移動式であるため、都市ガスに比べて災害時における緊急的対応が可能であり、迅速な供給燃料として評価されている。
そこで、LPガスの災害時における有用性にかんがみ、公的施設に対してはLPガスを安定的供給燃料として位置付けを図るとともに、併せて、ガスコンロ等ガス燃焼機器の保有を促進する等LPガスを地震の非常時におけるライフ・スポットとして役立てるべきではないかと考えるがどうか。
また、LPガス関係団体を災害対策基本法第二条第五号に規定する指定公共機関として指定し、災害発生時における応急措置が一層的確になされるよう検討すべきではないかと思料するが、政府の見解を示されたい。
右質問する。
政府答弁書
一について
ガス事業者においては、二次災害防止の観点から、地震の規模、ガス漏えい件数等の被害状況、さらには供給停止措置を講じた場合の復旧に要する期間等を考慮した総合的な判断により、必要に応じて供給停止措置を講じるものと認識している。
今回の阪神・淡路大震災における約八十六万戸の供給停止措置についても、かかる観点から講じられたものであったと認識している。
二について
地震による被害の著しい地区に限定して導管網を分割する緊急措置ブロックは、供給停止区域の極小化に大きく資するものであり、平成五年一月に発生した釧路沖地震の際にもその効果が確認されたところである。それまでもガス事業者は独自に緊急措置ブロックの導入を進めてきたところであるが、この釧路沖地震を契機に、資源エネルギー庁において、学識経験者等からなる「ガス地震対策調査会」を開催し、意見聴取を行った結果も踏まえ、政府としても、ガス事業者に対して、事業者ごとの緊急対応能力等を勘案の上、適切な規模の緊急措置ブロックの形成を図るように要請してきたところである。今回の阪神・淡路大震災における大阪ガス株式会社の供給停止措置も、この緊急措置ブロックによって講じられたものである。
なお、今回の阪神・淡路大震災を契機に、資源エネルギー庁において、本年四月以降「ガス地震対策検討会」を開催し、今回の阪神・淡路大震災に際しての都市ガスの被害状況について調査・分析を行うとともに、緊急措置ブロックのより望ましい形成の在り方について意見聴取を行うこととしており、政府としては、その結果を踏まえつつ、追加的な措置の必要性等について検討してまいりたい。
三について
「ガス工作物の技術上の基準の細目を定める告示第八十六条の二の運用について」(平成七年二月二十八日七資公部第七十五号)において規定する「埋設される導管の耐震性に関する指針」(以下「耐震設計指針」という。)は、前述の「ガス地震対策調査会」において意見聴取を行った結果も踏まえ、埋設される導管の耐震性の向上を図っていくことを目的としたものである。
なお、前述の「ガス地震対策検討会」において、今回の阪神・淡路大震災に際しての導管の被害状況について調査・分析を行うとともに、耐震設計指針の見直しの必要性について意見聴取を行うこととしており、政府としては、その結果を踏まえつつ、追加的な措置の必要性等について検討してまいりたい。
四について
ガス事業に係る地震対策については、既に、前述の「ガス地震対策調査会」において意見聴取を行った結果も踏まえ、技術基準の見直し等その具体化が図られてきたところである。
なお、前述の「ガス地震対策検討会」において、今回の阪神・淡路大震災が大都市を襲った直下型の地震であることを踏まえ、国民生活に不可欠な都市ガスに係る地震時の影響を最小限のものとすることを目的として、前述の「ガス地震対策調査会」において意見聴取した事項の検証及び新たな知見の有無について、今後一年を目途に意見聴取を行うこととしている。
具体的に意見聴取を行うことを予定している主な項目は次のとおりである。
1 耐震性の高いガス設備、供給システムの在り方
2 地震発生時の初動体制の在り方
3 復旧体制・方法の在り方
4 代替熱源の提供等生活支援対策の在り方
5 需要家、報道機関等への情報提供の在り方
なお、「代替熱源の提供等生活支援の在り方」においては、供給停止期間が長期化することを想定した生活支援の在り方について意見聴取を行うこととしている。
五について
LPガスは、緊急時対応に優れたエネルギーとして、今回の阪神・淡路大震災に際しても被災LPガス消費者への速やかな復旧のみならず、被災都市ガス消費者の需要に応じ、代替熱源としての役割を果たしたところである。
代替熱源の提供等生活支援対策については、前述の「ガス地震対策検討会」において、意見聴取を行うこととしているが、公共的施設においていずれの燃料を使用するかについては、施設の設置者が、地域の実状に即した検討も踏まえ自ら選択すべきものであると考えている。
また、政府は必要に応じて災害対策基本法第二条第五号に規定する指定公共機関の見直しを行っているところであるが、御指摘のLPガス関係団体の業務内容、事業規模等を勘案すると、同機関に指定する必要はないものと考えている。
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