Kurage 質問主意書アシスト

ことばで探す › 衆議院 第140回

地震の予知及び調査・観測・管理体制に関する質問主意書

衆議院 第140回 第27号お答えすることは困難 ×1

提出者
衆議院
提出日
1997年6月2日
内閣転送 1997年6月4日
答弁書受領日
1997年7月1日
提出から29日
答弁の項目数
7
質問 1,444字/答弁 2,577字

質問本文

阪神・淡路大震災から二年四か月が過ぎ、以来、さまざまな防災対策や被害者救済策、耐震研究、地震予知などが論議されてきた。今年に入ってから、三月初めの伊豆東方沖での群発地震、三月十六日、愛知県東部で震度五、鹿児島県北西部にいたっては、震度五の地震が三月二十六日、四月三日、震度六弱が五月十二日に起こった。震度六を記録したのは、阪神・淡路大震災以来のことである。日本列島が地震の活動期に入ったのではないかとの見方もあり、地震防災の基盤となる調査・観測のさらなる推進や地震予知に対する国の姿勢を改めて問い直すことが肝要である。

当質問主意書では、地震防災対策特別措置法に基づき発足した「地震調査研究推進本部」の体制について、並びに、大規模地震対策特別措置法の見直し等に関して以下の質問をする。

一 地震調査研究推進本部について

1 地震調査研究推進本部の意義は、各省庁等の観測データを一元化することにあるが、一元化したデータをコントロールし、有機的かつ効率的に使用していく司令塔の体制は万全なのか。集められる膨大な観測データをどこの機関の誰が、どこで、処理・管理のうえ、分析・評価をするのか。司令塔たるべき責任体制の在り方を明らかにするべきだ。

2 観測体制については、例えば科学技術庁、気象庁、国土地理院等でそれぞれ地震計の設置を進めているが、観測体制とその実施機関の目的と役割分担がどのように体系づけられて機能しているのかを示してほしい。

3 旧来の地震予知推進本部は「地震を予知する」ことを研究・調査してきたが、地震調査研究推進本部では地震予知に対し明確なスタンスが示されていない。これは「現段階での直前予知は困難」であるとの意思表示なのか。「予知はできるのか」という国民が最も関心のあるこの問題に明確な回答をいただきたい。

二 大規模地震対策特別措置法(以下、大震法)について

1 大震法は東海地震を想定して制定されたが、地震の予知研究が進むなかで、東海地震の予知が困難ではないかとの見方が多くの権威ある学者からなされるようになった。国としては予知の可能性を確実にすべく、さらなる予知研究の推進が必要であるが、東海地震の予知可能性の現状について、改めて明らかにしていただきたい。

2 大震法の問題点は、この法律が「東海地震が予知可能である」ことを前提にしていることだ。しかし、前述のとおり、東海地震の予知自体が危ぶまれている。「予知可能」を前提としてきた大震法の見直しについて検討することが必要ではないか。

3 住民への「警戒宣言」の問題について、東海地震の前兆現象の多様性、複雑性を考えると、地震が起こるか、起こらないかという白か黒かだけの判定で十分といえるのか。その中間の注意報的、灰色的な情報も導入するなど、判定基準の在り方を検討する必要があるのではないか。また、住民が現実にこの中間的な「注意報的情報」を受け入れられるのかどうかについて各方面にわたる影響度も含め調査することや、さらには「警戒宣言」を発令したときの社会的・経済的な影響を分析することが必要だ。これらについてどのような試みがなされてきたのか明示されたい。

三 新しい予知研究について

最近、新しい地震予知法として、VAN法や電波による予知法などが注目されている。これらの民間レベルでの予知研究に対して、国としてはどのような姿勢で取り組んでいくのか、新たな地震予知法についての基本的考え方を明示されたい。

右質問する。

衆議院の原文・経過

政府答弁書

一の1について

地震に関する調査研究を推進するために総理府に設置された地震調査研究推進本部(以下「推進本部」という。)は、推進本部に設置されている地震調査委員会において、政府として一元的に、地震に関する観測、測量、調査又は研究を行う関係行政機関、大学等の調査結果等を収集し、整理し、及び分析し、並びにこれに基づき総合的な評価を行っている。また、推進本部は、地震調査委員会が行った評価に基づき広報を行っている。

地震調査委員会は、毎月定例的に及び被害地震の発生などの機会をとらえて臨時に開催し、気象庁、国土地理院、国立試験研究機関等の関係行政機関、大学等が提供する調査結果等を分析し、これに基づき総合的な評価を行うなどの活動を行っている。評価結果については、推進本部は、地震調査委員会開催後、速やかに公表を行っている。

なお、推進本部としては、平成九年六月十六日に推進本部政策委員会により決定された「地震に関する基盤的調査観測等の計画について」を踏まえ、調査観測結果の収集、処理、提供等の流通がより円滑に実施されるよう、引き続き、調査観測結果の流通体制について検討を進めていくこととしている。

一の2について

地震に関する調査研究に関し、地震観測については、震度情報の提供、津波予報等の防災を目的とした気象庁による地震観測、地震予知等に関する研究を目的とした国立大学による微小地震観測、防災科学技術に関する基礎的な研究を目的とした防災科学技術研究所による微小地震観測及び防災科学技術に関する基礎的な調査を目的とした防災科学技術研究所による地震動の観測を中心に実施されている。

地殻変動観測については、測量による地殻活動の観測を目的とした国土地理院による汎地球測位システム地殻変動観測を中心に実施されている。

活断層調査については、地質の調査を目的とした地質調査所による活断層調査、水路の測量を目的とした海上保安庁による海域における活断層調査及び地方公共団体の防災対策の充実等を目的とした地方公共団体による活断層調査を中心に実施されている。

そのほか、地球磁気の常時観測を目的とした気象庁による地磁気永年変化精密観測、磁気測量及び重力測量を目的とした国土地理院による地球磁気及び重力の観測、地震予知等に関する研究を目的とした国立大学による地下水、地球磁気及び重力の観測等が実施されている。

推進本部は、これらの関係行政機関、大学等の調査結果等を収集し、整理し、及び分析し、並びにこれに基づく総合的な評価を行っている。

一の3について

推進本部としては、東海地震を除き、現在の科学技術の水準では一般的に直前の地震予知は困難であるとの認識の下、地震調査委員会において、地震予知に関する調査研究の成果を含め、地震に関する調査結果等の収集、整理及び分析並びに総合的な評価を行っている。

二の1について

駿河湾から四国沖までの区域では、これまでマグニチュード八程度の大規模な地震(以下「大地震」という。)が六百年余りにわたり百年から百五十年程度の間隔で繰り返し発生しているが、当該区域のうち駿河湾西岸の区域では、百四十年余りにわたり大地震が発生しておらず、また、現在においても地殻のひずみの蓄積が進行している状況にあることから、近い将来に東海地震が発生する可能性が高いと考えられている。このような状況に対処するため、気象庁は、昭和十九年に発生した東南海地震の例から見て東海地震の発生の数日から数時間前にかけて異常な地殻の変動等の現象が現れる可能性が高いことにかんがみ、気象庁等関係機関が大規模地震対策特別措置法(昭和五十三年法律第七十三号。以下「大震法」という。)第三条第一項の規定に基づき指定された東海地震に係る地震防災対策強化地域及びその周辺において実施している地象、地動等の観測及び研究並びに地震に関する土地及び水域の測量の成果を収集し、地殻の変動等の現象を二十四時間体制で監視しているところである。このような体制の下で、気象庁長官が異常な地殻の変動等の現象が現れた場合に東海地震が発生するおそれがあると認めることは可能である。

二の2について

大震法においては、地震防災対策強化地域に係る大規模な地震が発生するおそれがあると認めた気象庁長官から気象業務法(昭和二十七年法律第百六十五号)第十一条の二第一項の規定に基づく地震予知情報の報告を受け、内閣総理大臣が警戒宣言を発した場合には、指定行政機関の長、地方公共団体の長、指定公共機関、地震防災応急計画を作成した者等が法令又はあらかじめ作成した計画の定めるところにより、地震防災応急対策を実施すること等が定められている。二の1についてで述べたように、東海地震については発生するおそれがあると認めることが可能であり、大震法に定められた措置が講ぜられた上で地震が発生した場合には、被害を著しく軽減することができると考えられることから、大規模な地震による災害から国民の生命、身体及び財産を保護するため、大震法においてこのような特別の措置を定めておくことが必要である。

二の3について

現在の科学技術の水準においては、東海地震について、異常な地殻の変動等の現象が現れた場合に大規模な地震が発生するおそれがあると認めることは可能であるが、御指摘の中間の注意報的、灰色的な情報を提供するために必要となる地震発生の切迫性の程度まで把握することは不可能である。したがって、これまでのところ、御指摘の調査も行っていない。

警戒宣言が発せられたときの社会的・経済的影響については、国、地方公共団体等において、避難の勧告、交通の規制を行った場合等の影響の検討がなされており、現行の地震防災基本計画の作成に際しても、中央防災会議において、学識経験のある者等から任命された専門委員からなる委員会を設置し、その社会的・経済的影響を含めた検討を行ったところである。

三について

地電流や電波を利用した地震予知のための研究は、関係行政機関、国立大学等において実施されているところである。これらの研究は、地震に関する基礎的な知見の蓄積という観点から重要な課題であり、今後とも、これらの研究を含め、地震に関する調査研究を推進していくこととしている。

衆議院の原文

この答弁書に出てくる定型句

お答えすることは困難 ×1

語の一致で数えたものです。答弁の評価ではありません。同じ型の答弁が過去にどれだけあるかは、型を押すと出ます。

似た質問主意書

件名と質問本文の冒頭の意味が近いものを、前もって計算しておいた表から近い順に8件並べました(multilingual-e5-large)。同じ言葉を使っていなくても出ます。論点が少しずれていることもあります。

提出 2025年6月11日 櫻井 周(立憲民主党・無所属) 答弁 2025年6月20日
提出 2012年4月12日 丹羽 秀樹(自由民主党・無所属の会) 答弁 2012年4月20日
衆議院 第180回 第187号お答えすることは困難 ×1
提出 1995年5月10日 荒木 清寛 答弁 1995年6月13日
参議院 第132回 第18号検討してまいりたい ×2
提出 2005年6月13日 樽井良和(民主党・無所属クラブ) 答弁 2005年6月28日
衆議院 第162回 第82号承知していない ×2
提出 2005年3月28日 若井康彦(民主党・無所属クラブ) 答弁 2005年4月5日
衆議院 第162回 第42号
提出 1978年10月20日 藤原 房雄 答弁 1978年11月7日
参議院 第85回 第6号検討してまいりたい ×1
提出 1983年7月22日 林百郎 外二名 答弁 1983年9月2日
衆議院 第99回 第8号
提出 2011年8月10日 木村 太郎(自由民主党・無所属の会) 答弁 2011年8月19日
衆議院 第177回 第389号検討してまいりたい ×1

件名の語が重なる質問主意書

提出 2018年1月25日 逢坂 誠二(立憲民主党・市民クラブ) 答弁 2018年2月2日
衆議院 第196回 第27号
提出 2014年10月20日 浜田 和幸 答弁 2014年10月28日
参議院 第187回 第31号趣旨が明らかではない ×1

この論点で次の質問を書くなら

アシストで並べる