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大韓航空機事件の真相究明の過程で明らかになった諸問題に関する第三回質問
参議院 第142回 第20号
質問本文
大韓航空機事件の真相究明の過程で明らかになった諸問題に関する第三回質問主意書
私は本年三月十三日に提出した「大韓航空機事件の真相究明の過程で明らかになった諸問題に関する質問主意書」及び同年五月十四日に提出した「大韓航空機事件の真相究明の過程で明らかになった諸問題に関する再質問主意書」(以下においては「本件再質問書」という)において橋本内閣の責任ある答弁を求めたが、これに対する答弁書は事実上の「答弁もれ」及び「答弁拒否」にあたる不誠実な答弁であるので、ここにやむなく第三回目の質問をする。
一、米国が、国連創設から現在(一九九七年会計年度末またはこれにかわる直近の日付現在)まで国連(ICAO等、主な関係機関を含む)に対して有する累積未払い分担金その他未払い債務の残高の内訳と金額を機関別に明らかにされたい。
二、一九八三年九月一日当時、自衛隊稚内基地内への立ち入り許可権限を有していた部隊の長について(1)所属部隊(2)階級(3)氏名を明らかにされたい。また一般論として当時、米軍人は同基地内への立ち入りに際し、右の者(その者から権限の委譲を受けた者を含む)の立ち入り許可を必要とされていたのか否かを明らかにされたい。
三、航空法を除く日本の国内法について、米軍将兵が、日本国の領土、領空、領海内において、米軍の組織の一員として公務上行う行為を規制する法令があれば、全て明らかにされたい。
四、一九九三年ICAO報告書について
1 ICAOは、その全ての報告書において大韓航空〇〇七便事件に関する米国の責任に関し、不当にも一切言及せず、米国の利益を擁護しているのに対し、米国は、ICAOに対する一九八七年度分担金約七二〇万米ドルについては約三万米ドルしか支払わず、一九九五年度分担金約一二一六方米ドルにいたっては一セントも支払っていないが、その理由を政府はどのように考えているのか。
2 日本国はICAOから一九九三年ICAO報告書(CIWP9781)の日本語版の交付も受けられないだけでなく、私が本件再質問書において具体的に指摘したように、報告書の内容自体が極めていかがわしいものであるにもかかわらず、一九九二年度約四五九万米ドル、一九九三年度約五一二万米ドルを支払うなど、毎年度の分担金を毎年度内に支払完了した理由を明らかにされたい。
3 日本国は一九九三年ICAO報告書の作成のために、毎年の分担金とは別に、特別に四万米ドルもの資金を提供しながら、ICAOに対し右報告書の日本語版の交付を請求しないという理解に苦しむ「不作為」に関係した当時の外務省及び運輸省の担当課長について(1)職名(2)氏名(3)その後、現在に至る職歴を明らかにされたい。
4 大韓航空機〇〇七便事件直後の同事件の真相究明を政府に要求した国会決議に関し、政府において誠意を持って執行する責任を負う外務省、運輸省、防衛庁の担当課長について、その(1)職名(2)氏名(3)その後、現在に至る職歴を各々明らかにされたい。
5 橋本内閣の基本的認識として、一九八三年九月一日、大韓航空〇〇七便に日本国政府が交付した旅券を適法に所持して搭乗していた日本国民たる「乗客」の安全と利益を、日本国政府は可能なあらゆる手段を尽くして保護する責任を有していたと考えるか否かを明らかにされたい。
6 橋本内閣は、右一九八三年九月の国会決議に関し、いつ、誰の責任で、政府の調査結果を国会に対し報告する予定であるのかを明らかにされたい。
右質問する。
政府答弁書
一について
米国が有する累積未払い分担金等は、別表のとおりである。
二について
当時、御指摘の自衛隊稚内基地(航空自衛隊稚内分屯基地)においては、稚内分屯基地司令が、米軍人を含め、同基地への出入りを許可していた。当時の稚内分屯基地司令は、村田邦治一等空佐であり、同一等空佐は、当時第十八警戒群に所属していた。
三について
一般国際法上、駐留を認められた外国軍隊には特別の取決めがない限り接受国の法令は適用されず、このことは、我が国に駐留するアメリカ合衆国軍隊(組織としての軍隊並びに公務遂行中の個々の構成員及び軍属。以下「米軍」という。)についても、同様である。
しかしながら、このことは、米軍がその活動に際し、我が国法令を無視してよいことを意味するものではなく、外国軍隊が接受国の法令を尊重しなくてはならないことは当該軍隊を派遣している国の一般国際法上の義務であると考えられる。日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約第六条に基づく施設及び区域並びに日本国における合衆国軍隊の地位に関する協定(昭和三十五年条約第七号)第十六条が、米軍の構成員及び軍属による日本国の法令の尊重義務を定めているのも、かかる考えに基づくものである。
四の1について
お尋ねの点について、米側に照会したところ、千九百八十七年については、予算の成立が遅れて六週間の暫定予算から支払いが行われたため、分担金のうち一部分しか当該年内に支払いができなかったものであり、また、千九百九十五年については、予算の成立が大幅に遅れたために当該年内に支払いができなかったものであるが、いずれの年の分担金についても、その後支払いは終わっているとのことである。
四の2について
各締約国の国際民間航空機関(以下「ICAO」という。)の分担金の支払いについては、ICAO財政規則(千九百九十六年Doc7515/9)第六条5において、ICAO事務局からの分担金支払通知書の受領から三十日が経過した日又は当該会計年の一月一日のいずれか遅い方の日から全額について支払義務が発生すること及び当該会計年の次の会計年の一月一日現在において当該支払いが未了である場合には、一年間の滞納とみなされることが規定されている。
我が国としては、同規定に従い支払いをしているところである。
四の3及び4について
平成五年五月二十八日付けの最終報告書の日本語による交付をICAOに対し請求しなかった理由については、大韓航空機事件の真相究明の過程で明らかになった諸問題に関する再質問に対する答弁書(平成十年五月二十九日内閣参質一四二第一二号。以下「答弁書」という。)の五の1についてで述べたとおりである。また、御指摘の真相究明については、昭和五十八年九月十三日に採択された衆議院及び参議院本会議における大韓航空機撃墜事件に関する決議を受け、答弁書の五の2についてで述べたとおり、政府としては、一貫してICAOを通じての真相究明を促進すべく努めてきたところである。このような政府の対応は何ら批判されるものではないと考えている。
大韓航空機事件に関する対応については、外務省におけるICAOに関する事務を所掌している担当部局が、省内の関係部局及び関係省庁と連絡し、協議した上で、政府としての対応を決定してきた。外務省におけるICAO担当部局は、本事件発生後、昭和五十九年六月三十日までは国際連合局専門機関課、同年七月一日から平成五年七月三十一日までは同局社会協力課、同年八月一日以降は外務省の機構改革に伴い経済局国際経済第二課である。なお、お尋ねの当時の担当課長に関しては、政府としては本件に対する対応については前述のように考えているところであり、また、それぞれ組織の一員としてその業務を担当していたものであることにもかんがみ、その氏名等を答弁することは適当でないと考えている。
四の5について
海外における邦人の保護については、外務省設置法(昭和二十六年法律第二百八十三号)第四条第九号に「海外における邦人の生命、身体及び財産の保護に関すること」が外務省の所掌事務と規定され、この所掌事務を遂行するため、同法第五条第七号及び第八号に「海外における邦人の生命、身体及び財産を保護するために外国官憲と交渉」することや「日本人の海外渡航及び移住に関しあつせん、保護その他必要な措置をとること」が外務省の権限として規定されている。これらに基づき、政府としては、海外における邦人の保護に最大限努めている。
四の6について
御指摘の調査結果については、答弁書の五の3についてで述べたとおりであり、政府としての調査結果を国会に対し報告する予定はない。
別表 米国の国際連合及び主な関連機関に対する未払い金額
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件名と質問本文の冒頭の意味が近いものを、前もって計算しておいた表から近い順に8件並べました(multilingual-e5-large)。同じ言葉を使っていなくても出ます。論点が少しずれていることもあります。