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アメリカ合衆国のイラク攻撃と使用する兵器に関する質問主意書

参議院 第156回 第18号承知していない ×4

提出者
参議院
提出日
2003年4月2日
内閣転送 2003年4月7日
答弁書受領日
2003年5月9日
提出から37日
答弁の項目数
10
質問 1,526字/答弁 1,360字

質問本文

三月二十日、アメリカ合衆国(以下「米国」という。)は、国連決議も無く、拙速な攻撃に反対する多数の国があるにもかかわらず、イギリス軍とともにイラク攻撃を開始した。査察を継続するなり、現地に特使を派遣して直接フセイン大統領と対話をするなり、ほかにも方法はあったはずであるが、米国は最大限の努力を怠り攻撃を始めたとしか思えない。この戦争で最も被害を受けるのは無辜の市民である。

そこで、以下質問する。

一 米国はなるべく民間の犠牲者を出さない方針を表明しているにもかかわらず、残虐性が高かったり、広範に人命・健康に大きな被害をもたらす兵器を戦場で使用している。

1 米軍が使用している劣化ウラン弾から発せられる放射能のイラク国民への被害をどのように認識しているのか。世界で唯一の被爆国で放射能の恐ろしさを知っている日本として、劣化ウラン弾の使用を認めるのか。認めるのであればその根拠を示されたい。

2 米軍が使用しているクラスター爆弾は、一つの爆弾から多数の小爆弾が飛び散り、そのうちの何割かが不発弾となり、地雷のように機能するとされている。一体何割の小爆弾が不発弾となるのか。

3 クラスター爆弾の不発の小爆弾と地雷とは機能としてどのような違いがあるのか。

4 国際的な地雷廃絶の流れの中で、批判をかわすために、米軍がクラスター爆弾を事実上の対人地雷として使用している可能性も指摘されているが、「対人地雷禁止条約」に参加している政府としてこれを認めてよいのか。なぜ米国にクラスター爆弾の使用をやめるよう要請しないのか。

5 小泉親司議員の「クラスター爆弾に関する質問主意書」に対する平成十五年三月七日の答弁書「一の3の①について」の中で、特定通常兵器使用禁止制限条約の「締約国会合及び爆発性戦争残存物に関する政府専門家グループ会合において、爆発性戦争残存物が引き起こす人道的問題に早急に取り組まなければならない旨主張した。」としているが、もし、日本政府が米軍によるクラスター爆弾の使用を是認するのであれば、この答弁と矛盾するのではないか。

6 なぜ日本は米国に、「対人地雷禁止条約」へ参加するよう様々な方法で働き掛けを行わないのか。

二 米国は冷戦後唯一の超大国として、強大な軍事力を背景に、自分たちで考える「正義」を基準に物事の善悪を判断しようとしている。また、その際、統一的で一貫した基準を適用するのではなく、物事を自国に都合よく解釈し、そうした価値観を他国に押し付けている。その一方で、国際協調が必要な場面で米国が協調しないために進捗しない話合いが国際会議の場面で多々見られる。

1 その最たる例が、包括的核実験禁止条約(CTBT)の批准拒否である。条約発効要件国である米国が参加しなければ、国際的な核兵器の削減の流れは止まってしまうが、日本政府は米国のこうした決定を認めるのか。

2 大量破壊兵器を一番多く保有している国はどこか。その国では大量破壊兵器の破棄は進んでいるのか。進んでいないとすれば、日本政府はなぜ破棄するよう勧告しないのか。

3 イラクの大量破壊兵器開発の阻止がイラク攻撃の大義名分だとしたら、なぜ、現在までに核保有を行った国、あるいは行おうとした国に対して米国は攻撃を行わなかったのか。また、その際日本が執った態度と、今回のイラクへの攻撃支持は矛盾しているのではないか。

4 米国が国際社会に協調しないその他の例として、京都議定書への不参加が挙げられる。このように、米国は、国際的な問題に協力する姿勢を見せないことが多い一方、今回のイラク攻撃では他国に協力を求めているが、このような身勝手な態度をどのように考えるか。

右質問する。

参議院の原文・経過

政府答弁書

一の1について

政府としては、今回のアメリカ合衆国(以下「米国」という。)のイラク共和国に対する軍事行動において劣化ウラン弾が実際に使用されたか否かについて承知していない。なお、劣化ウラン弾の影響については、国際機関等による調査が行われており、例えば、国際連合環境計画や世界保健機関がコソボで行った調査の報告においては、劣化ウラン弾の人体及び環境に対する影響はほとんどない旨の結論であったと承知しているが、国際的に確定的な結論が出されているとは承知していない。いずれにせよ、劣化ウラン弾は、「過度に傷害を与え又は無差別に効果を及ぼすことがあると認められる通常兵器の使用の禁止又は制限に関する条約」(昭和五十八年条約第十二号。以下「特定通常兵器使用禁止制限条約」という。)の規制の対象ではなく、その使用を禁止する他の国際法規もない。

一の2について

政府としては、米国の軍隊が保有するクラスター爆弾の子爆弾が不発となる割合について承知していない。

一の3について

クラスター爆弾と地雷は使用目的及び使用方法を異にすること、また、クラスター爆弾には様々なものがあり、その不発の子爆弾の状態も様々であると考えられることから、一概に両者を同列に論ずることは適当ではない。

一の4について

クラスター爆弾は、「対人地雷の使用、貯蔵、生産及び移譲の禁止並びに廃棄に関する条約」(平成十年条約第十五号。以下「対人地雷禁止条約」という。)の規制の対象ではなく、その使用を禁止する他の国際法規もない。米国は、従来より、クラスター爆弾の投下に当たっては、その特性にかんがみ、注意深く目標を選定し、民間人が巻き添えになることを防ぐよう努めてきたものと承知している。

一の5について

平成十四年十二月の特定通常兵器使用禁止制限条約の締約国会合及び爆発性戦争残存物に関する政府専門家グループ会合において、御指摘のように爆発性戦争残存物が引き起こす人道的問題に早急に取り組まなければならない旨主張したのは、現在、特定通常兵器使用禁止制限条約の枠組みにおいて行われている爆発性戦争残存物の危険を減じるための紛争終了後の一般的な対応措置についての文書の交渉及び子爆弾を含む特定弾薬の設計を改良するために取り得る予防的措置に関する研究に政府としても積極的に参加していきたいとの趣旨からである。

一の6について

政府としては、米国に対し、様々な機会に対人地雷禁止条約の締結を求める働きかけを行っている。

二の1について

政府としては、包括的核実験禁止条約の早期発効に向け、米国を含む同条約未締結の国に対して同条約の早期締結に向けた働きかけを行っている。

二の2について

政府として、他国による兵器の保有の詳細について把握しているわけではないが、米国及びロシア連邦は、大量破壊兵器である核兵器や化学兵器を他国と比較して多数保有しているところ、近年、核兵器を削減し、化学兵器の廃棄を進めていると承知している。

二の3について

政府としては、米国が特定の国に対して武力行使を行わなかった理由について承知していない。

二の4について

政府としては、様々な国際問題について我が国を含む世界の国々と緊密に協議し、協力していくことが米国の基本的な姿勢であると考えている。

参議院の原文

この答弁書に出てくる定型句

承知していない ×4

語の一致で数えたものです。答弁の評価ではありません。同じ型の答弁が過去にどれだけあるかは、型を押すと出ます。

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