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クラスター弾の廃棄に関する質問主意書

参議院 第170回 第111号

提出者
参議院
提出日
2008年11月28日
内閣転送 2008年12月3日
答弁書受領日
2008年12月9日
提出から11日
答弁の項目数
5
質問 1,516字/答弁 841字

質問本文

対人・対戦車用の空対地爆弾であるクラスター弾は、集束爆弾とも呼ばれるように、数個から二千個位の小さな爆弾を入れた親爆弾を目標の上空で爆発させて子爆弾を広範囲にばらまき、それらが地表に到達すると一斉に爆発するように設計されている兵器である。目標の近くに一般市民がいれば、当然に、無差別に殺傷し、また、目標に命中しなかった子弾の数十%は不発のまま地上や木の枝に残り、放置された結果、戦闘行為の終了後にも一般市民を殺傷する兵器であるが故に、政府はすでに自衛隊が保有するクラスター弾の廃棄方針を決定している。

ところが、去る十月十九日、航空自衛隊百里基地で行われた航空観閲式において、F15、F2戦闘機の説明の横に、クラスター弾を戦闘機に搭載可能な兵器として一般市民らに公開、展示したと報じられている。防衛省はすでに、来年度概算要求において、クラスター弾の処分方法にかかる調査と、精密誘導能力を有する代替装備品の整備に合計七十五億円を計上しているにもかかわらず、航空自衛隊が、こうした政府の方針に反した展示を企画、実施することは文民統制をないがしろにする行為と言わざるを得ない。

そこで、以下のとおり質問する。

一 本年五月十九日から三十日まで、アイルランド政府の主催による、オスロ・プロセスの一環としてクラスター弾に関する外交会議、いわゆるダブリン会議で「クラスター弾に関する条約案」が採択され、日本政府も同意した。この結果、自衛隊が保有するすべてのクラスター弾が廃棄の対象となり、政府も条約の趣旨に従って廃棄する方針を示している。

しかし、防衛省はこれまで、海岸線の広い日本の防衛には必要としてクラスター弾廃棄には反対の意向を示し、特に本年五月の前記条約案同意の際にも田母神俊雄航空幕僚長(当時)は廃棄には強く反対したと言われているが、その通りか。

二 田母神俊雄航空幕僚長(当時)は、二〇〇七年五月二十五日の定例記者会見で、クラスター弾について、「島国を守るのに大変有効。被害を受けるのは日本国民。占領されることと、どちらがいいか考えた時、防衛手段を持っておくべきだ」と発言したとされる。この発言に対して、「クラスター爆弾の被害を受けるのが日本国民」であるとの指摘があって、再び会見が行われ、「先程の発言が誤解を与えた。国民の頭上に爆弾を落とすことはない」とした上で、「占領される被害よりも不発弾の被害は非常に小さい。国を守れずに人権弾圧などが敵性国によって行われれば、大変な被害が出る。防衛手段は持っているべきだ」との認識を、再度、示したと報じられている。これは事実であるか、事実であるとすれば政府もこうした認識を有しているか、それとも異なる認識であるかを明らかにされたい。また、異なる認識であるというのであれば、右田母神発言のどの点が、どのように異なるのか、明らかにされたい。

三 政府は、クラスター弾を廃棄するという方針を決定したのであれば、この周知徹底はどのようにしているか。特に、防衛省にはどのような指示をしているか。また、どのようにして具体的に廃棄を行っていく予定であるか、明らかにされたい。

四 前記航空観閲式において、F15、F2戦闘機の説明に、クラスター爆弾を搭載可能な兵器として展示したのは何故か。政府の方針が防衛省、特に航空自衛隊には徹底していなかったのではないか。

五 クラスター弾は、要するに、作っては壊すことで税金の無駄使いの典型ではないかと思われる。これまで、クラスター弾の所持、製造にはいくらの費用をかけているか、また、完全廃棄にはいくらの費用を予定しているか、それぞれ明らかにされたい。

右質問する。

参議院の原文・経過

政府答弁書

一について

政府としては、本年五月のダブリン会議への参加に当たり、クラスター弾の有する機能は我が国の防衛上必要なものと認識している一方、不発弾等による人道上の懸念に実効的に対処することが必要であるとの観点から、人道面と安全保障面のバランスのとれた国際約束が作成されることが重要であると考えていたところであり、田母神俊雄航空幕僚長(当時)も含め、防衛省としても同様の考えである。

二について

政府としては、平成十九年五月当時、着上陸侵攻を防ぐためにはクラスター弾が必要であり、また、仮にクラスター弾を使用するような事態になった場合には、国民の安全確保に十分留意するとともに、使用後に不発弾等の危険物が生じた場合は、これを適切に除去及び処理を行う旨を示していたところであり、当時の田母神俊雄航空幕僚長(当時)の発言は、こうした政府の考え方を踏まえたものと考えている。

三について

政府としては、クラスター弾に関する条約について、本年十二月三日に署名を行い、締結に向けた準備を行っているところであり、締結した場合には、同条約が定めるクラスター弾の廃棄義務について、防衛省を含め適切に対処してまいりたい。また、防衛省においては、自衛隊が保有するクラスター弾の廃棄に係る具体的な方法等について、平成二十一年度から実施予定のクラスター弾の処分に係る調査等(以下「調査」という。)において検討することとしている。

四について

本年十月十九日の航空観閲式においては、自衛隊に対する来場者の認識と理解を深めることを目的として戦闘機等の展示を行ったところであり、クラスター弾については、航空観閲式の当日において、我が国として使用可能な武器であったことから、F―一五戦闘機及びF―二戦闘機に搭載可能な武器の一部として展示を行ったものである。

五について

自衛隊が保有するクラスター弾の調達に要した金額は、約二百七十六億円である。また、その廃棄に係る費用については、調査の結果を踏まえて算出する予定である。

参議院の原文

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