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福島沖地震発生時並びにチリ地震による津波警報及び注意報発令時における中井防災担当大臣の危機管理に関する質問主意書
参議院 第174回 第54号お答えすることは困難 ×1趣旨が明らかではない ×1
質問本文
本年三月十四日に発生した福島沖地震において、福島県楢葉町では震度五弱を観測するとともに、同県内各地では、ガラスのひび割れ、天井や屋根の一部破損などの被害が相次ぎ、列車の遅れや高速道路の通行止めなど交通機関にも大きな影響が出た。県では地震発生と同時に特別警戒態勢をとり、県警本部も災害警備対策室を設置し対応にあたった。
また、本年二月二十七日にはチリでマグニチュード八・八の強い地震が発生した。これを受け、政府は同日午後七時に官邸に情報連絡室を設置して情報収集強化を図り、気象庁は青森県から宮城県の沿岸に「大津波警報」、それ以外の太平洋沿岸などに「津波警報」を発令し、市町村は避難指示を出すなど注意喚起を行っていた。
さらに、津波の到来が予想されていた翌二月二十八日は、午前八時三十分に官邸対策室が設置されるとともに、午前中、総理公邸には菅副総理兼財務大臣、松野、松井両内閣官房副長官、伊藤内閣危機管理監、平野内閣官房長官、仙谷国家戦略担当大臣、古川内閣府副大臣らが参集し対応を協議していたとされている。
しかしながら、三月十四日の福島沖地震発生時並びに二月二十八日の津波警報及び注意報発令時における中井防災担当大臣の当該事態に対する認識は希薄であったと考えざるを得ない。
右の点を踏まえ、以下質問する。
一 中井防災担当大臣は本年三月二十九日の参議院災害対策特別委員会(以下単に「委員会」という。)において、三月十四日に福島沖で発生した地震に関して秘書官から第一報を受けた時間について、「一分後か二分後かは分かりませんが、大体そんな時間、直ちであったと考えております」と答弁しているが、一般的に、地震発生から二分後に被災地の被害状況等は確認出来うるものであるのか。地震発生後の余震や家屋倒壊、火災発生、崖崩れ等による人的・物的被害は、地震発生から若干の時間を経過した後に起きる可能性は否定できないと考えるが、見解如何。
二 委員会において、中井防災担当大臣は前述の第一報以降、「秘書官も連絡をしてこなかった」と答弁している。通常、被災地からは第一報に続き、第二報、第三報と被害状況が首相官邸に設置された情報連絡室に伝達されると考えるが、秘書官や内閣府は如何なる判断基準をもって、第二報以降を中井防災担当大臣に連絡しなかったのか。また、本当に連絡をしなかったのか。この間の通話の内容とともに明らかにされたい。
三 委員会において、中井防災担当大臣は秘書官からの第一報について、「何も被害が出ていないということ、また別に震度五でありますから招集が掛かるということでもないという確認を受け」と答弁しているが、震度五弱が観測されたという事実に対する政府の認識はどのようなものか。
四 委員会において、中井防災担当大臣は青森の原発視察に触れて、「私ども防災が原子力安全委員会を担当している」と述べた。三月十四日の福島沖地震で震度五弱を観測した福島県楢葉町では福島第二原発が運転中であり、また、その北部では福島第一原発が運転中である。中井防災担当大臣はそのことを認識していたか。
五 委員会において、中井防災担当大臣は「私もあっちこっち行きますし、時にはSP、秘書官、御遠慮いただくときもあります」と述べている。しかしながら、SPを帰して、それからプライベートで外に食事に行ったり映画に行ったことはないか質したところ、中井防災担当大臣は「宿舎に戻りましてコンビニへ、すぐそばにコンビニがございます、物を買いに行ったことが何回かございます。それ以外は余り記憶がありません」と答弁した。この二つの答弁には矛盾があると考えるが、見解如何。
また、本年三月三十一日の党首討論において、中井防災担当大臣の三月十四日の警護官を同行させなかった行動について不適切であるとするわが党の谷垣総裁の指摘に対し、鳩山内閣総理大臣はその事実を認めるとともに、「二度とこのようなことがないよう注意した」と述べた。この総理発言に照らした場合、委員会における中井防災担当大臣の答弁は虚偽であると思わざるを得ないが、見解如何。
六 二月二十七日のチリ地震による翌二月二十八日の津波警報及び注意報発令に際して、午前八時三十分に官邸対策室が設置されたが、中井防災担当大臣は委員会において、宿舎で待機していた旨の答弁を行った。そこで、内閣府の防災担当政務三役の二月二十八日の登庁時間は、それぞれ何時何分であったか明らかにされたい。
七 報道によれば、二月二十八日午前中、総理公邸には菅副総理兼財務大臣、松野、松井両内閣官房副長官、伊藤内閣危機管理監、平野内閣官房長官、仙谷国家戦略担当大臣、古川内閣府副大臣らが参集して対応を協議していたとされる。中井防災担当大臣は担当大臣として登庁すべきであったと考えるが、如何なる理由で宿舎で待機していたのか。
また、中井防災担当大臣の「宿舎待機」という判断について、政府は適切であったと認識しているのか。
八 二月二十八日、平野内閣官房長官は何時に登庁したのか。また、同日午前中に何回会議が開催され、その出席者は誰であったのか。
九 平野内閣官房長官は中井防災担当大臣に対して登庁を指示したか。また、指示しなかったのであれば、その理由を明らかにされたい。
十 中井防災担当大臣は二月二十八日午前中は宿舎で待機し、同日午後から官邸に入っている。それに関して、委員会において、緊急事態における対応マニュアルに書いていないとの説明がなされた。マニュアルに規定されていないため登庁しなかったというのは、杓子定規の対応であり、不適切であると思わざるを得ないが、見解如何。
また、二月二十八日午前から総理公邸に参集していたメンバーは、マニュアルで規定されているメンバーであったのか。
右質問する。
政府答弁書
一及び二について
一般的に、地震発生直後に被害状況を把握するのは困難であり、また、人的・物的被害が地震発生直後に起きるとは限らないと考えているが、平成二十二年三月十四日に発生した福島県沖を震源とする地震については、重大な人的・物的被害の報告がなかったことから、中井内閣府特命担当大臣(防災)(以下「大臣」という。)に対し、第一報後の被害状況の報告は行っていない。
三について
一般的に、震度五弱の地震によって重大な人的・物的被害が生じる可能性は低いと考えられるが、関係省庁は情報収集活動を効果的かつ迅速に実施することとしている。
四について
原子力安全委員会は、原子力施設の設置等に係る安全審査等を行っており、その運転状況を常時把握する立場にないことから、原子力安全委員会に関する事務を担当する大臣として、東京電力株式会社福島第一原子力発電所及び福島第二原子力発電所の運転状況について常時把握してはいない。
五について
御指摘の「二つの答弁」は矛盾するものではないと考えている。また、「委員会における中井防災担当大臣の答弁は虚偽である」とのお尋ねについては、趣旨が必ずしも明らかではないため、お答えすることは困難である。
なお、具体的な警護の内容に関するお尋ねについては、今後の警察活動に支障を来すおそれがあるため、お答えすることは差し控えたい。
六について
大臣、大島内閣府副大臣及び泉内閣府大臣政務官の内閣総理大臣官邸への登庁時刻は、それぞれ平成二十二年二月二十八日十二時十五分頃、同日十一時五分頃及び同日十四時五十三分頃である。
七及び十について
大臣は、内閣総理大臣官邸への登庁前より緊急参集チーム等と随時連絡を取り、津波の状況及び政府の対処状況について報告を受けた上で、津波の到達による被害の発生に備えて適切な体制をとる必要があると判断し、六についてでお答えした時刻に内閣総理大臣官邸に登庁したものであり、適切に対応したものと考えている。
また、お尋ねの「マニュアルで規定されているメンバー」が何を指すのか明らかではないが、平成二十二年二月二十八日午前中に内閣総理大臣公邸に閣僚が参集したのは、津波への対応を協議するためではない。
八について
平野内閣官房長官の内閣総理大臣官邸への登庁時刻は、平成二十二年二月二十八日九時頃である。
お尋ねの「会議」が何を指すのか明らかではないが、チリ中部沿岸を震源とする地震による津波で、我が国に到達する津波の高さが一メートルから三メートル程度となる可能性がある旨報告があったことを受け、内閣危機管理監は関係省庁等の局長等を参集させ、緊急参集チームの協議を同日九時三分から継続的に開催したところである。同協議に参加した局長等は、内閣危機管理監、内閣官房副長官補(三名)、内閣総務官、内閣広報官、内閣情報官、内閣官房内閣審議官(内閣官房副長官補付)、内閣府政策統括官(防災担当)、警察庁警備局長、消防庁次長、外務省領事局海外邦人安全課長、厚生労働省大臣官房技術総括審議官、水産庁漁港漁場整備部長、原子力安全・保安院長、国土交通省河川局長、気象庁次長、海上保安庁総務部参事官、防衛省運用企画局長である。
九について
チリ中部沿岸を震源とする地震による津波については、緊急参集チームの協議において、津波の状況について情報の収集・分析を行った結果、関係閣僚協議を開催する状況に至らなかったため、平野内閣官房長官は、大臣に参集の要請は行わなかった。
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