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観光施策の見直しに関する質問主意書
参議院 第177回 第149号
質問本文
訪日観光客の拡大については、政府の新成長戦略の柱とされ、その方向性については公明党としても認識を共有する点も少なくない。しかし昨二〇一〇年、我が国への外国人旅行者数は八百六十一万人にとどまり、観光立国推進基本法に基づき策定された観光立国推進基本計画に掲げる二〇一〇年の年間目標一千万人は結局未達成に終わっている。
さらに本年三月十一日、未曾有の東日本大震災が東北・関東地方を突如襲い、訪日観光をめぐる環境は一変した。自粛ムード一色の観光業界はかつてない深刻な打撃を受けている。
にもかかわらず、民主党政権は「訪日外国人三千万人プログラム」を掲げたまま立ち尽くしている。海外メディアから大震災と原発事故の映像と解説が繰り返し報道され、あたかも日本全体が「危険な列島」として発信され続けているが、政府としてこうした緊急事態に対応する観光立国戦略が打ち出せていない。
そもそも現政権には机上の目標のみあって、平成二十三年度観光庁予算では新規事業がほとんどみられないなど、目標達成のための戦略と具体的な施策に乏しい。
そこで、特段に注力すべき震災後の観光施策について、以下質問する。
一 訪日旅行者目標の見直しについて
政府は「訪日外国人三千万人プログラム」において、「二〇一三年千五百万人」「二〇一六年二千万人」「二〇一九年二千五百万人」の年間目標を明らかにしている。
1 本年一月、観光庁は訪日旅行者を本年中に二百四十万人増やし年間千百万人とする目標を打ち出した。もっとも昨年並みの二十七パーセント増を実現したとしても、この千百万人という数字には達しない。まして、大震災を受けた現時点では、観光庁として千百万人という目標の見直しは避けられないと考えるが、同目標を撤回するのか、見解を示されたい。
2 大震災と福島原発事故の被災で在日外国人さえ避難帰国が続出するなか、昨年並みの八百六十万人の維持すら困難ではないかとの危惧が広がっている。特に千百万人の訪日を期待してきた関係者においては、集客急減の影響により深刻な経営危機を招くおそれが強い。現に一部は経営危機の事態に陥っている。
少なくとも政府として、こうした集客急減に対応して平成二十三年度観光庁予算上の施策の変更もしくは緊急対策を実行しテコ入れを図る必要があると考えるが、政府の見解を示されたい。
3 「二〇一一年の年間目標千百万人」以降も、「訪日外国人三千万人プログラム」は、二〇一三年までの二年間に四百万人、二〇一六年までの三年間に五百万人、二〇一九年までの三年間に五百万人と、訪日旅行者の一本調子の急増を掲げている。しかし、二〇一一年の年間目標千百万人の達成さえあやぶまれるなか、「訪日外国人三千万人プログラム」の大幅な見直しは避けられないと考えるが、政府の見解を示されたい。
二 観光庁予算の事業仕分けについて
1 政府は昨年十一月、平成二十三年度観光庁概算要求のすべての「新規事業」を対象に事業仕分けを行い、「廃止」や予算の「半減」「縮減」「計上見送り」「抜本的な事業見直し」などの結論を出したと言われている。同事業仕分けによって、概算要求時点から変更もしくは廃止された新規事業名とその事業内容を明らかにされたい。
2 1の事業仕分けの結果、政府は平成二十三年度観光庁予算を対前年度比二十パーセントも減額した。特に「訪日旅行促進事業(ビジット・ジャパン事業)」など海外向け予算を三割(対前年度比)も削減し、観光を核とした地域の再生をはかるための「観光地域づくりプラットフォーム支援事業」は半減(同)してしまった。
これらの事業は大震災後の諸外国における「危険な日本」イメージを払拭するのに最も必要な施策であり、前年度と同等の予算額を確保すべきと考える。また同時に「危険な日本」イメージを払拭するためのより一層の強化策を講ずべきと思うが、政府の見解を示されたい。
右質問する。
政府答弁書
一について
平成二十三年三月十一日に発生した東北地方太平洋沖地震及びこれに伴う東京電力株式会社福島第一原子力発電所の事故の影響により、少なくとも同年については、当初の目標人数の達成は難しいと考えている。
現在のところは、落ち込んでいる訪日需要の回復を図ることが急務であり、そのため、安全・安心な日本というイメージの早期回復を図るための取組等が不可欠であると考えており、訪日旅行に関する正確な情報発信を効果的に行っていくため、訪日旅行促進事業の予算を活用し外国の報道機関や旅行会社の招請等を実施することとしている。
こうした取組を通じて、一刻も早い訪日需要の回復を図り、政府の成長戦略の重要な柱の一つである「訪日外国人三千万人プログラム」の着実な推進が図られるよう取り組んでまいりたい。
二の1について
平成二十三年度予算の概算要求に計上された事業を対象にした事業仕分けの評価結果を踏まえ、同年度の観光庁予算に盛り込まれなかった新規事業名とその事業内容は、それぞれ次のとおりである。なお、当該結果を踏まえ事業内容等が変更された新規事業はない。
着地型旅行商品流通促進支援事業 各地域ならではの観光資源を活用したいわゆる着地型旅行商品の普及を図るため、商品の情報流通における課題を抽出するとともに、情報流通モデルの策定及び検証を行う。
ユニバーサルツーリズムネットワーク構築支援事業 地域における移動制約者等の受入れを円滑にするため、必要となる情報の共有化を促進しつつ、ユニバーサル観光の受入れを実践する地域グループのネットワーク化を図る。
スポーツ観光支援事業 海外からのスポーツ観光客の飛躍的増加と国内スポーツ観光旅行の促進を図るため、各地域が主体的に企画立案したスポーツ観光プランを公募し、秀逸なものについて観光庁として共催支援を行うとともに、成功事例を取りまとめて示す。
二の2について
御指摘の「諸外国における「危険な日本」イメージ」が払拭されるよう、訪日旅行促進事業に係る予算を活用した取組を含め、政府全体で日本の状況に関する正確な情報発信を強化してまいりたい。
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