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高江ヘリパッド工事における土砂崩落事故に関する質問主意書

参議院 第183回 第40号趣旨が明らかではない ×1

提出者
参議院
提出日
2013年2月25日
内閣転送 2013年2月27日
答弁書受領日
2013年3月5日
提出から8日
答弁の項目数
4
質問 2,362字/答弁 1,524字

質問本文

沖縄防衛局が、沖縄県国頭郡東村高江で施工中の「北部(H二十三)着陸帯移設工事」の工事現場(N-四・一地区)で、本年一月上旬、土砂崩落事故が発生した。この事故は、直径七十五メートルのヘリパッドの一部である「無障害物帯」の法面が崩落したもので、大量の赤土が、県民の水瓶である福地ダム上流の谷に流出している。

この土砂崩落事故について、次のとおり質問する。

一 二月二十日、今回の事故について、沖縄防衛局長から説明を聴取したところ、「八メートル×十五メートル程度の範囲で表層が崩れたが、発生場所は、施工エリアではなく、その周辺だ。」とのことであった。

しかし、ヘリパッドは、直径四十五メートルの「接地帯」と、その外側の幅十五メートルの「無障害物帯」からなり、直径七十五メートルの大きさである。今回の事故は、「接地帯」の外周にある土砂流出防止柵の一部が崩壊し、そこから「無障害物帯」の土砂が大きく崩落したのであり、ヘリパッド予定地内部で発生した事故である。また、崩落個所付近では、本年度、またそれ以前から、様々な工事が行われてきており、決して「施工エリアの周辺」ではない。

また、「八メートル×十五メートル程度の範囲」というのなら、土砂崩落は、「無障害物帯」の中で収まっていることになる。しかし、現場では、かなり下の谷まで赤土が流出しており、沖縄防衛局の説明は事実に反している。

今回の土砂崩落事故の状況、また、事故後に講じた措置等について、政府の承知するところを明らかにされたい。

二 工事図面によると、崩落現場は、かなりの急斜面であるが、ヘリパッドの「無障害物帯」とするため、立木を全面伐採した箇所であった。やんばる地方では、各所の林道工事を見るまでもなく、斜面の立木を伐採した場合、再三、土砂崩落事故が発生している。今回の土砂崩落事故も、急斜面の立木を全面伐採したことによって発生したことは明らかである。事故発生当時、現地では大した雨量が観測されていないにもかかわらず、土砂崩落事故が発生したことは極めて深刻な事態である。沖縄防衛局は、今回の土砂崩落事故の原因をどう認識しているのか。

三 沖縄防衛局は、今回の工事にあたって、沖縄県の赤土等流出防止条例に基づき、県に「事業行為通知書」を提出している。これに対し、県は、審査後、防衛局に「確認済通知書」を返送したが、そこには、「赤土等流出防止施設基準及び同施設管理基準の遵守を徹底してください。」等の「留意事項」がつけられていた。

赤土等流出防止条例施行規則の「別表(第四条関係)」の「第二管理基準」では、降雨の恐れがある時及び降雨時には見回り点検を実施して別紙二「見回り点検表」に記録すること、さらに災害により施設が破損したときは、別紙三「非常時の措置報告」により知事に報告することと定めている。そして、この別紙三では、「破損時の状況、原因等」、「講じた応急措置の概要」、「措置の結果」等を記載し、「見回り点検表の写し」及び「その他関係資料」を添付することとされている。

また、そもそも赤土等流出防止条例では、県は赤土等流出防止対策状況の報告を求めることができると定められている。

ところが、沖縄防衛局は、これらの「見回り点検表」や「非常時の措置報告」等を含め、今回の土砂崩落事故に関する報告書をいっさい沖縄県に提出していないが、その理由は何故か。早急に提出するよう指示すべきと考えるが、政府の見解を明らかにされたい。

四 地元住民らの要請により、二月中旬、沖縄県と東村がそれぞれ現地立入調査を行った。しかし、その際、沖縄防衛局は、沖縄県と東村に対して、「米軍の許可が得られない」として、現地での写真撮影を禁止した。また、沖縄県が要求している事故直後の現場写真についても、同理由で提供を拒否している。沖縄県は、赤土等流出防止条例に基づき、立入調査等を行う権限を有しており、崩落事故の原因の究明、今後の赤土等流出防止策の検討のためにも、事故直後の現場写真の分析や、応急措置状況の写真撮影は必要不可欠である。

そもそも、平成八年十二月二日の施設及び区域への立入許可手続についての合同委員会合意において、国会議員や地方議会議員、地方公共団体職員の「公的な立入」に際しては、「合衆国軍隊は、(略)すべての妥当な考慮を払う。」とされている。また、報道関係者の同行も申請により可能なはずである。

沖縄防衛局が、県に対して、事故直後の現場写真、応急措置状況の写真を直ちに提供するよう指示すべきと考えるが、政府の見解を示されたい。また、今後の「公的な立入」に際しては、写真の撮影を認めると同時に、報道関係者、また、地元住民代表らの同行についても認めるべきと考えるが、政府の見解を示されたい。

五 今回、土砂崩落事故が発生したN-四・一地区のヘリパッド工事は、千百七十一平方メートルの森林伐採が行われ、そのために土砂崩落事故が発生した。しかし、今後、工事が予定されているH地区では、四千五百三十九平方メートルもの伐採が行われ、さらにG地区では、一・五キロメートルもの進入路も造成されるので、さらに大規模な森林伐採が不可避である。

これら五か所のヘリパッド造成予定地でも、やはりかなりの急斜面が含まれており、このままでは、再度の土砂崩落事故の発生が危惧される。

今後の土砂崩落事故再発を防止するためにも、今回の事故の原因を究明し、ヘリパッドの位置の選定、工法の選択についての再検討が必要である。そのため、赤土等流出防止条例を所管する沖縄県や専門家、地元住民等を交えて検討の場を設けられないか。それまでの期間は、ヘリパッド工事を一時中止すべきと考えるが、政府の見解を明らかにされたい。

右質問する。

参議院の原文・経過

政府答弁書

一について

本年度施工された「北部(H二十三)着陸帯移設工事」(以下「H二十三工事」という。)においては、着陸帯及び無障害物帯の一部(以下「着陸帯等」という。)の土地の造成工事が行われたところであるが、沖縄防衛局は、無障害物帯のうち当該造成工事を行った箇所とは異なる箇所において、斜面の表層の土砂が幅約八メートル、長さ約十五メートルにわたり崩落していることを、本年一月十二日に確認し、同日のうちに、更なる土砂の崩落及び崩落した土砂の滑落を防ぐため、こうした箇所を応急的にシートで覆う措置を施した上で、同年二月二十三日までに、土砂の崩落を防止するための板柵を設置するとともに崩落箇所を復旧し、復旧した斜面及び崩落した土砂の表面には、崩落の防止等のため、植物の生育を阻害しないシートの敷設や在来種の播種を行ったところである。

二及び五について

無障害物帯については、「北部(H十九)着陸帯移設工事」として平成二十二年度に樹木の伐採が行われたが、今般の土砂の崩落箇所には当該伐採前の時点においても樹木は存在していなかったことから、沖縄防衛局としては、崩落の原因について、降雨等の影響による局所的なものと認識している。

政府としては、今般の土砂の崩落を踏まえ、北部訓練場ヘリコプター着陸帯移設事業に係る今後の工事の実施に当たっては、土砂の崩落を未然に防止する措置を必要に応じ検討することとしており、お尋ねのようなヘリパッドの位置の選定及び工法の選択についての再検討を行う考えはない。

三について

無障害物帯には、沖縄県赤土等流出防止条例(平成六年沖縄県条例第三十六号。以下「県条例」という。)の適用対象であるH二十三工事の施工中に着陸帯等から赤土等が流出することを防止するため、県条例第五条に規定する赤土等流出防止施設(以下「防止施設」という。)が設置されており、今般の土砂の崩落によりその一部が損壊したところであるが、崩落が発生した時点で、着陸帯等において砕石舗装等による表土保全が実施され、防止施設の設置及び管理を継続する必要が認められない状況となっていたことから、沖縄県赤土等流出防止条例施行規則(平成七年沖縄県規則第六十四号)別表の第二の七の規定による報告の際に添付することとされている御指摘の「見回り点検表」の写しを含め、同表の第二の七の規定に基づく書類の提出を行っていないところであり、こうした対応が県条例等の規定に照らして問題なかったことについては、沖縄県に確認し、理解が得られているものである。

なお、沖縄防衛局としては、同県に対して、本年二月一日に同局庁舎において、同月十三日には崩落現場において、それぞれ崩落の状況及び復旧方法を説明しているところである。

四について

沖縄防衛局は、沖縄県に対し、斜面の崩落前及び崩落後、応急措置状況等の現場写真を、本年二月二十五日に提供したところである。

御指摘の「地元住民代表ら」の意味するところが必ずしも明らかではないが、在日米軍の施設及び区域への公的な立入りについては、立入者に同行しようとする報道関係者によるものを含め、日米合同委員会における平成八年十二月二日の施設及び区域への立入許可手続についての合意に定められている所要の手続に従って実施されている。この手続においては、米軍は、地域社会と友好関係を維持する必要性を認識し、立入りが、軍の運用を妨げることなく、部隊防護を危うくすることなく、かつ施設及び区域の運営を妨げることなく行われる限りにおいて、立入申請に対して全ての妥当な考慮を払うこととされており、御指摘の写真撮影の可否についても、具体的な事案ごとに判断されているものと認識している。

参議院の原文

この答弁書に出てくる定型句

趣旨が明らかではない ×1

語の一致で数えたものです。答弁の評価ではありません。同じ型の答弁が過去にどれだけあるかは、型を押すと出ます。

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