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東村高江周辺のヘリパッド建設予定地近くでの大規模伐採と許可手続き等に関する質問主意書
衆議院 第192回 第30号お答えすることは困難 ×1個別の事案 ×1
質問本文
沖縄県内の地元紙によれば、去る平成二十八年八月五日、沖縄森林管理署は、沖縄防衛局が沖縄森林管理署との事前協議を行わないまま立木を伐採した事案について、「伐採の影響は軽微だ。事後で協議が成立した」との見解を示し、三日に出していた立木伐採の中止指示を撤回したことを明らかにしたとのことである。しかし、沖縄森林管理署のこのような見解と対応については県民や識者から批判や疑問が相次いで示されている。
また、その後の地元紙の相次ぐ報道によれば、沖縄防衛局はN1地区の二つのヘリパッド予定地や、N1地区と通称N1裏の間からH地区を結ぶトラック通行用の運搬道路用地等において、またしても大規模な伐採を繰り返しており、違法性が問題視されているのにもかかわらず、事前協議の範囲内であり、手続き上の問題は何らないと強弁し、一方沖縄森林管理署は現地調査や確認の請求に対して積極的に対応せず、むしろ放置しているかのような対応を示しているとのことである。これらを踏まえて、以下お尋ねする。
一 沖縄森林管理署は去る八月五日に現場を確認調査の上で「伐採の影響は軽微」であり、「誤伐であり、悪質性はない」としているが、その際、どのような調査を行ったのか、また軽微や悪質性の基準とはどのような基準なのか、そしてその根拠となる法令や規定は何か、さらに悪質性の判断に当たってどのような理由に基づいてそのようなことを斟酌したのかをそれぞれ明らかにされたい。
二 沖縄防衛局の指示ミスが原因であるならば、ミスを犯した職員に対してどのような処分を行ったのか明らかにされたい。
三 沖縄森林管理署の対応を見ると、伐採の影響が軽微であれば、現状の回復や保全措置等貴重な生態系や環境の回復や保全に努める必要性はないと考えているかのように受け止められるが、森林管理者としてそのような対応や措置が適正であるかについて政府の見解を答えられたい。
四 事後協議がこのように簡単に成立するのであれば、森林管理署への事前協議制度は法的に全く意味を成さないし、森林管理署の存在価値そのものも自ら否定することになるものと思われるが政府の見解を答えられたい。
五 沖縄県内の地元紙が九月二十四日付で報道した「あぜ道でおびただしい数の樹木がまたしても大規模に伐採された」ことについては、九月一日に沖縄防衛局が沖縄森林管理署に事前協議書を提出し、同署が十二日に同意しているとのことであるが、伐採の規模や場所が申請を超え同意書の内容以上に行われていることが指摘されており、識者や市民団体が早急な現場調査・確認とその間の工事中止を求めていることについて政府はどのように対処する考えか明らかにされたい。
六 質問五に関連して、沖縄防衛局は沖縄森林管理署への事前協議の範囲を大幅に超えて大規模な伐採を行ったことに対して「伐採範囲について現地で示し、沖縄森林管理署の確認を受け、伐採に関する同意を得た範囲内で実施している」と説明しているが、今回の伐採の範囲は本当に沖縄森林管理署が確認・同意をした範囲内であるかということに関する事実関係について政府の承知するところを明らかにされたい。
七 質問五及び六に関連して、沖縄防衛局は「伐採範囲はあくまでも標準的な範囲を示したものであり、工事用道路の全ての部分において四メートルに限定したものではない。森林管理署から道路幅三メートル、伐採範囲四メートルで許可を受けているという捉え方は誤りだ」としている。また、沖縄森林管理署も口裏を合わせて「あくまでも標準範囲で目安の数値だ」としているが、両者の馴れ合いの説明は明らかに質問六の説明と真逆なものであり、到底納得できない。まして事前協議や同意制度等の法的許認可の在り方からして到底理解できない。このような暴論が許されるならば、およそ許認可制度はなくても良いし、政府は何でもできることになると思われるが、政府の見解を答えられたい。
八 質問七に関連して、沖縄森林管理署は、九月二十九日に行った現地調査の際に「工事用道路の場合、道幅や伐採幅の明確な基準はない。現地確認で伐採幅を判断した」と説明しているが、それでは沖縄森林管理署が判断した現地確認とは、質問六で述べた「伐採前に沖縄防衛局と沖縄森林管理署が行った確認」を指すのか、それとも「九月二十九日の現地調査」のいずれかについて政府の承知するところを明らかにした上で、森林管理者が承認を行うに当たって「道幅や伐採幅の明確な基準を持っていない」ことが適正と思われるかについて政府の見解を答えられたい。
九 質問五〜八に関連して、政府が強引に進めているこのような大規模な伐採と工事は大きな自然破壊であり、ヤンバルの貴重な生物相と生態系に壊滅的な影響を与えるものと思われるが政府の見解を答えられたい。
十 質問九に関連して、政府が東村高江周辺で強引に進めているヘリパッド建設工事は、二〇〇七年及び二〇一六年に防衛省が沖縄県に自ら提出した「環境影響評価図書」でかろうじて示された最低限の「自然に配慮する対策」も守ろうとせず、むしろことごとく踏みにじる行為に他ならないが政府の見解を答えられたい。
十一 質問九及び十に関連して、一九九九年、琉球大学や広島大学の専門家で構成される琉球列島動植物分布調査チームが国や沖縄県に提出した「ヘリパッド建設予定地の見直しに関する要望書」において、「ヘリパッド建設予定地一帯は生物学的に非常に重要な地域である」から「世界的な財産である」とし、「騒音を発するヘリの離発着によりヤンバルホオヒゲコウモリやノグチゲラなど音や鳴き声で交信する動物の生息や繁殖が妨げられ消滅する」から「ヘリパッド建設はヤンバルの貴重な生物相と生態系に重大な影響を与える」と警告しているが、専門家によるこのような警告に対して政府の承知するところを明らかにした上で、専門家からの警告に対する政府の見解を答えられたい。
右質問する。
政府答弁書
一について
お尋ねの調査は、平成二十八年八月三日に沖縄森林管理署が、沖縄防衛局から事前協議なしに立木を伐採したとの説明を受けて行ったものであり、当該調査においては、当該立木の伐採について、同局が既存の道路を工事用道路として利用する上で支障となる立木を必要最小限の範囲で伐採したものであること及び森林の保全に支障を及ぼしておらず、仮に事前協議がなされていれば承認をしていた状況であったことを確認したところである。
森林の保全に支障を及ぼすかどうかについては、国有林野の個別具体的な状況に基づき判断しており、お尋ねの基準について一概にお答えすることは困難である。また、同署としては、同局から、事前協議なしに行われた立木の伐採については、同局が別の場所における立木の伐採の協議により本件伐採に係る協議も行ったものと誤認したこと等によるものであり、所要の再発防止策を講ずることとしているとの説明を受け、本件伐採は悪質性がないものと判断したところである。
二について
本件は、別の場所における立木の伐採の協議により本件伐採に係る協議も行ったものと誤認したこと等によるものであり、沖縄防衛局の職員に対する処分は行っていないが、同局においては、その後、再発防止策を講じたところであり、政府としては、今後、このようなことが起こらないように十分に注意してまいりたい。
三について
沖縄防衛局が立木を伐採した区域は、保安林その他の法令上立木の伐採の制限がある区域に該当していないことから、専ら、立木の伐採が必要最小限の範囲であったかどうか、また、森林の保全に支障を及ぼすことがないかどうかとの観点から確認を行い、支障がないと判断したものであり、適正な対応であったと考えている。
四について
沖縄森林管理署は、沖縄防衛局が事前協議なしに立木を伐採したことを受けて、直ちに立木の伐採を中止させた上で、現地確認を行い、同局に対し、てん末書を提出させ、再発防止策を講じさせていることから、適切に対応したものと認識している。
五から七までについて
北部訓練場の国有林野については、日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約第六条に基づく施設及び区域並びに日本国における合衆国軍隊の地位に関する協定(昭和三十五年条約第七号)第二条1(a)の規定に基づき在日米軍の使用に供するために、沖縄防衛局長が沖縄森林管理署長から使用承認を受けているところであり、当該使用承認の条件の一つとして、同局長は、立木を伐採しようとするときは、その内容等について同署長と協議の上、処理するものとされているところである。御指摘の伐採については、平成二十八年九月一日付けで沖縄防衛局が立木伐採に関する協議書を沖縄森林管理署に提出し、同月六日、同署が同局立会いの下、協議書を基に現地調査を行い、現地において伐採範囲及び伐採木を特定した上で、同月十二日付けで同局に対し立木伐採に同意する旨の回答を行っている。
また、同月二十九日には、同署が現地において、同月六日に特定した範囲を超える伐採が行われていないことを確認しており、適切に手続がとられているものと考えている。
八について
お尋ねの「現地確認」については、平成二十八年九月六日に沖縄森林管理署が、沖縄防衛局からの事前協議を受けて伐採前に行った現地調査を指すものである。森林管理署等が使用承認を行った国有林野における立木の伐採に係る同意については、事業の内容等により必要となる伐採の範囲が異なることから、あらかじめ御指摘の「道幅や伐採幅」について一律に基準を定めることは困難であり、事前協議の際に提出された図面等による確認に加え、現地調査によって伐採の範囲が必要最小限のものとなっているかどうか等を確認することが適切であると考えている。
九から十一までについて
御指摘の「ヘリパッド建設予定地の見直しに関する要望書」が提出されたことは承知している。
北部訓練場ヘリコプター着陸帯移設事業は、沖縄県環境影響評価条例(平成十二年沖縄県条例第七十七号)の適用対象事業ではなく、同事業に係る環境影響評価については、法的に義務付けられているものではないが、防衛省としては、自然環境の保全にできる限り配慮するとの観点から、これを自主的に実施した上で同事業を進めているところであり、北部訓練場のヘリコプター着陸帯の移設工事や同着陸帯の運用に伴う環境への影響については、事後調査において確認し、必要に応じて環境保全措置を講ずるなど、適切に対応してまいりたい。
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