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自衛隊ヘリによる米軍ヘリパッド工事現場への重機類等空輸搬入に関する質問主意書
衆議院 第192回 第4号お答えすることは困難 ×2趣旨が明らかではない ×1
質問本文
沖縄県東村高江周辺では、防衛省・沖縄防衛局、沖縄県警や警視庁機動隊などの国家権力を総動員して、米軍ヘリパッド建設工事が暴力的に強行されている。
米軍ヘリパッド建設工事は、憲法前文で保障された東村高江区や国頭村安波区の住民らの平和的生存権、憲法第十三条に定める個人の尊重、生命・自由・幸福追求権を侵害し、豊かな自然生態系や環境を破壊するものである。
沖縄防衛局による米軍ヘリパッド建設工事に関し、地域住民らが設置した工事監視用テントを何らの法的手続きを経ないで強制撤去したり、警察法や道路交通法などに基づかない過剰な交通規制、違法検問並びに工事強行に反対する住民らを不当拘束する等の強権的な振る舞いがなされている。また、何らの法的根拠も示さず、「沖縄タイムス」及び「琉球新報」の新聞記者を違法拘束するなど憲法が保障する報道・取材の自由を明確に侵害する規制も日常的に行なわれている。
かかる状況の中で去る九月十三日、自衛隊の大型輸送ヘリが工事用重機類を空輸搬入した。米軍基地建設工事に自衛隊ヘリを投入し、重機類等の資機材を空輸搬入するのは初めてのことだと思われる。まさに、東村高江周辺における米軍ヘリパッド工事をめぐっては、国家権力による異常かつ無法状態が続いている。
翁長雄志沖縄県知事も去る九月十二日に沖縄防衛局に対し、米軍ヘリパッド建設工事にあたって自衛隊ヘリを投入しないよう求めたことを明らかにした上で、「にもかかわらず十分な説明もないまま強行した政府の姿勢は、信頼関係を大きく損ねるもので、容認できない」と強く批判している。
以下、質問する。
一 政府は、米軍ヘリパッド建設工事現場への自衛隊ヘリを使用した重機類等の空輸搬入が自衛隊法第六章で定める「自衛隊の行動」に準拠するものと考えるのか、根拠となる条文を具体的に示した上で見解を明らかにされたい。
二 稲田朋美防衛大臣は、今回の米軍ヘリパッド工事現場への自衛隊ヘリによる重機類等の空輸搬入の法的根拠について、防衛省設置法第四条第一項第十九号だと説明している。しかし、防衛省設置法は、いわゆる「組織法」であり、自衛隊ヘリを投入する根拠にはなり得ない。
稲田防衛大臣が法的根拠とする防衛省設置法第四条第一項第十九号は、条約に基づき外国軍隊が使用する施設及び区域の決定、取得及び提供等に関する防衛省が所掌する「事務」の一つに過ぎない。同法第五条に定めるとおり、自衛隊の「任務」や「行動」及び「権限等」は、別途自衛隊法に定めなければならないと解釈する。
�@ 政府は、防衛省設置法第四条第一項第十九号のいかなる解釈をもって、米軍施設建設現場への自衛隊ヘリ投入を合法とするのか、根拠を明確に説明されたい。
�A 米軍施設建設工事やそれに付随する輸送等は、自衛隊の「任務」に該当するか否か、明確に政府の見解を示されたい。なお、「任務」に該当するのであれば、自衛隊法上の根拠条文を示されたい。
三 過去に、米軍施設建設工事にともなう資機材等の搬入に自衛隊の装備(ヘリや車両、艦船、重機等をいう)が用いられた事例はあるか。あれば、その全てについて日付、使用された装備名、工事対象となった施設名、使用にあたっての法的根拠、運搬された資機材の種類及び数量等を示した上で、自衛隊投入の判断に至った理由を明らかにされたい。
四 岡部俊哉陸上幕僚長は、去る九月十五日の記者会見で米軍ヘリパッド工事現場への陸上自衛隊輸送ヘリによる空輸支援が、防衛大臣の命令発出に基づいて行なわれたことを明らかにしている。かかる命令は、いつ発出されたのか、命令の内容と併せて明らかにされたい。
五 岡部陸幕長は、右記者会見において、陸上自衛隊輸送ヘリによって空輸した重機類が「四トンクラスのダンプトラック二台、四トンのユニック、クレーン付のトラック二台、四トンのキャリアダンプ二台の合計六台」であると明らかにしている。また、「カモフでは重量オーバーだと聞いている」「民間のヘリコプターに関してはカモフしか承知していない。それ以上のものはないと認識している」等とも発言している。
�@ 岡部陸幕長が言及した右六台の重機類それぞれについて、正式名称及び型式、車両重量、最大積載量を明らかにされたい。
�A 岡部陸幕長が言及した「カモフ」の型式及び最大吊り下げ重量を明らかにされたい。
�B 政府が、岡部陸幕長のいう「カモフ」以上の最大吊り下げ能力のあるヘリコプターを保有する民間ヘリ会社が国内にはなく、陸上自衛隊輸送ヘリを用いざるを得ない、との判断に至った経緯を明らかにされたい。
六 以上を踏まえ、自衛隊ヘリによる米軍ヘリパッド工事現場への重機類等搬入の合法性及び妥当性について、政府の見解を明らかにされたい。
右質問する。
政府答弁書
一、二及び六について
北部訓練場のヘリコプター着陸帯の移設工事については、当該工事に反対する人々によって、国の所有地である進入路等における車両の駐車、テント等の設置等の妨害行為が行われ、陸路による資機材の運搬が困難となっていたことから、安全かつ円滑に工事を実施するため、ヘリコプターによる資機材の運搬を実施することとし、これに当たって、一部の機材については、その重量の制約上、民間事業者のヘリコプターによる運搬が困難であることから、自衛隊のヘリコプターにより当該機材を運搬したところである。これは、防衛省設置法(昭和二十九年法律第百六十四号)第四条第一項第十九号に規定する所掌事務の遂行に必要なものとして防衛大臣の命令により実施したものである。国民の権利義務に関わらない事実行為であって、強制力の行使を伴うようなものではない行為については、自衛隊も、同法を根拠にこれを行うことができると解しているところである。
三について
お尋ねの「米軍施設建設工事にともなう資機材等の搬入」の具体的な範囲が必ずしも明らかではなく、また、膨大な作業を要することから、網羅的にお答えすることは困難であるが、過去に防衛省設置法第四条第一項第十九号に規定する所掌事務として実施する工事において、必要な機材の運搬に自衛隊のヘリコプターを使用した事例はないものと承知している。
四について
お尋ねの「防衛大臣の命令」については、平成二十八年九月十二日に発出されたものであり、中央即応集団司令官に対し、沖縄防衛局が行う北部訓練場のヘリコプター着陸帯の移設工事に必要な資機材の空輸について所要の協力を実施することを命じるとともに、自衛艦隊司令官等に対し、中央即応集団司令官が協力を実施する空輸について所要の支援を実施することを命じたものである。
五について
お尋ねの「正式名称」の意味するところが必ずしも明らかではないが、お尋ねの六台の�@機械名称、�A型式、�B重量及び�C最大積載量は次のとおりである。
�@ダンプトラック �AKK−MK二一A �B四千キログラム �C三千八百キログラム
�@ダンプトラック �AKK−MK二一A �B三千九百五十キログラム �C三千八百五十キログラム
�@トラック(クレーン装置付き) �ATKG−FC九JKAP �B五千二百五十キログラム �C二千五百五十キログラム
�@トラック(クレーン装置付き) �ATKG−FC九JKAP �B五千二百十キログラム �C二千六百キログラム
�@不整地運搬車 �AC五〇R−三C �B五千二百九十キログラム �C三千八百キログラム
�@不整地運搬車 �AC五〇R−三C �B五千二百九十キログラム �C三千八百キログラム
また、お尋ねの「カモフ」の型式はKa−三二A一一BCであり、最大つり上げ重量は五トンである。
防衛省において、資機材の運搬が可能な民間事業者のヘリコプターを探したところ、当該「カモフ」のつり上げ能力が最大であったが、資機材を運搬する際の外気温によるつり上げ能力の低下等を考慮すると安全につり上げることができる重量の上限は三・五トン程度であると、当該ヘリコプターを所有する民間事業者が判断したことから、重量の制約上、先に述べた六台については、自衛隊のヘリコプターにより運搬せざるを得ないとの判断に至ったものである。
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