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日本版スチュワードシップ・コードに関する質問主意書
参議院 第186回 第181号お答えすることは困難 ×1趣旨が明らかではない ×1承知していない ×1
質問本文
先般、金融庁の「日本版スチュワードシップ・コードに関する有識者検討会」により、「「責任ある機関投資家」の諸原則 日本版スチュワードシップ・コード 投資と対話を通じて企業の持続的成長を促すために」(以下「日本版コード」という。)が策定・公表されたところである。これに伴い金融庁は、六月十日現在で日本版コードの受入れを表明した機関投資家のリスト(以下「リスト」という。)を発表している。この日本版コードを踏まえ、以下質問する。
一 日本版コードの受入れを表明した機関投資家は、日本版コードを遵守しない形での資産運用を行うことができるか。
二 日本版コードは、平成二十五年六月に閣議決定された「日本再興戦略」によって検討が進められたものであり、本年六月の「日本再興戦略」の改訂について(素案)でも言及されている。このような重要政策課題であるから、政府及び政府機関が日本版コードを遵守することは当然であるとの考えがあるが、政府の見解を示されたい。また、上場株式の時価千億円以上を保有する政府機関を挙げ、日本版コードの受入れ状況をそれぞれ明らかにされたい。加えて、右の政府機関が日本版コードの受入れを行わない場合は、政府自らが重要政策課題を反故にしているとの意見もあるが、これに対する政府の見解を明らかにされたい。
三 日本銀行、預金保険機構及び銀行等保有株式取得機構(以下「日本銀行等」という。)が保有する、金融機関株式の簿価と現時点の時価を明らかにされたい。
四 リストによれば、日本銀行から運用を委託されている三菱UFJ信託銀行株式会社は日本版コードの受入れを表明している。このことから、日本銀行自身も日本版コードを受け入れたことになるとの考えもあるが、政府の見解を明らかにされたい。なお、仮に日本銀行自身が日本版コードを受け入れない場合は、運用の委託について、日本版コードを受け入れない他の金融機関に変更すべきとの考えもあるが、併せて政府の見解を明らかにされたい。
五 日本銀行は、「議決権行使の指針」(以下「指針」という。)を定めており、「受託者は、(中略)議決権行使の判断基準にかかるガイドラインを定め、本行の承認を得るものとする。これを変更する場合も、同様とする。」としている。三菱UFJ信託銀行株式会社は日本版コードの受入れを表明しているため、「議決権行使の判断基準にかかるガイドライン」(以下「ガイドライン」という。)の変更が必要となり、これにより同社は指針に従い、変更したガイドラインの日本銀行による承認を得ることが必要になると考える。この点について、日本銀行は、同社によるガイドライン変更を承認したのか、明らかにされたい。
ガイドラインの変更が必要ないとされる場合あるいはガイドラインが変更されるにもかかわらず日本銀行による承認が必要ないとされる場合は、その理由を付すとともに、必要ないと判断した主体がどこかを併せて明らかにされたい。
六 預金保険機構及び銀行等保有株式取得機構から運用を委託されている金融機関がリストに含まれている場合、預金保険機構及び銀行等保有株式取得機構自身も日本版コードを受け入れたことになるとの考えもあるが、政府の見解を明らかにされたい。なお、仮に預金保険機構及び銀行等保有株式取得機構自身が日本版コードを受け入れない場合は、運用の委託について、日本版コードを受け入れない他の金融機関に変更すべきとの考えもあるが、併せて政府の見解を明らかにされたい。
七 預金保険機構については、同機構の「理事長談話(旧日本長期信用銀行及び旧日本債権信用銀行から買取った株式の当機構への一部移管について)」及び「株主議決権行使の基本的な考え方」並びに金融庁の「資本増強行に対するフォローアップに係る行政上の措置についての考え方の明確化について」に、銀行等保有株式取得機構については、「銀行等保有株式取得機構の議決権行使の基本的考え方」に、日本銀行の指針と同様に、ガイドラインに関する承認及び変更の規則がそれぞれ含まれているか。上述の規則が含まれており、かつ預金保険機構及び銀行等保有株式取得機構から運用を委託している金融機関がリストに含まれている場合、預金保険機構及び銀行等保有株式取得機構は、受託金融機関によるガイドライン変更を承認したのか、明らかにされたい。
ガイドラインの変更が必要ないとされる場合あるいはガイドラインが変更されるにもかかわらず預金保険機構及び銀行等保有株式取得機構による承認が必要ないとされる場合は、その理由を付すとともに、必要ないと判断した主体がどこかを併せて明らかにされたい。
八 日本銀行等の保有する株式について、平成二十五年一月から平成二十六年十二月末に決算期を迎えた企業の議決権の行使において、①賛成、②反対(議題の一部反対を含む)、③白紙委任及び棄権、④不行使、のそれぞれの割合について示されたい。特に、取締役選任の議題において、社外取締役が一人以上就任している企業と社外取締役が存在しない企業との、反対(一部反対を含む)の議決権行使の比率を明らかにされたい。
九 日本銀行等が金融機関の持ち合い株式を取得し、日本版コードにのっとって議決権を行使しない場合は、金融機関と企業との株式持ち合い関係の維持に対して日本銀行等が助力することになりかねないとの考えもあるが、政府の見解を明らかにされたい。
右質問する。
政府答弁書
一について
日本版スチュワードシップ・コード(以下「日本版コード」という。)は、いわゆるコンプライ・オア・エクスプレイン(原則を実施するか、実施しない場合には、その理由を説明するか)の手法を採用している。すなわち、日本版コードの原則の中に、自らの個別事情に照らして実施することが適切でないと考える原則があれば、それを実施しない理由を十分に説明することにより、一部の原則を実施しないことも想定している。ただし、機関投資家が当該説明を行う際には、実施しない原則に係る自らの対応について、顧客・受益者の理解が十分に得られるよう工夫すべきであるとしている。
二について
日本版コードは、その趣旨に賛同しこれを受け入れる用意がある機関投資家に対して、その旨を公表することとともに、日本版コードを踏まえて行動することを期待するものである。したがって、日本版コードを受け入れるか否かについては、各機関投資家が自らの置かれた状況等を踏まえ、適切に判断することが重要であると考えている。
また、お尋ねの「上場株式の時価千億円以上を保有する政府機関を挙げ、日本版コードの受入れ状況をそれぞれ明らか」にすることについては、「政府機関」とは具体的に何を指すのかが必ずしも明らかではないことなどから、お答えすることは困難である。
なお、平成二十六年五月三十日までに日本版コードの受入れを表明した機関投資家には、独立行政法人としては、年金積立金管理運用独立行政法人が含まれているほか、いわゆる公務員年金としては、国家公務員共済組合連合会など六の公務員年金が含まれている。
三について
日本銀行が保有する株式の平成二十六年三月末時点における簿価総額及び時価総額は、それぞれ、簿価総額が約一兆三千五百十五億円及び時価総額が約二兆二千八百八十四億円であると承知している。なお、当座勘定取引の相手方である金融機関が発行する株式は、買入れ対象としていないと承知している。
預金保険機構が保有する金融機関(銀行法(昭和五十六年法律第五十九号)第二条第一項に規定する銀行及び同条第十三項に規定する銀行持株会社をいう。以下三についてにおいて同じ。)の上場株式の同月末時点における簿価総額及び時価総額は、それぞれ、簿価総額が約五千八百三十四億円及び時価総額が約二千二百四十七億円であると承知している。
銀行等保有株式取得機構(以下「株式取得機構」という。)が保有する金融機関の株式の同月末時点における簿価総額及び時価総額は、それぞれ、簿価総額が約二千三百七十九億円及び時価総額が約二千五百二十三億円であると承知している。
四及び六について
日本銀行、預金保険機構及び株式取得機構(以下「日本銀行等」という。)から運用を委託されている金融機関が日本版コードの受入れを表明しているからといって、日本銀行等が日本版コードを受け入れたことにはならないと考えている。
また、日本版コードは、その受入れを表明した機関投資家の行動について記載したものであり、受入れを表明しない主体の行動については記載しておらず、日本銀行等自身が日本版コードの受入れを表明しない場合に、「運用の委託について、日本版コードを受け入れない他の金融機関に変更すべき」とは考えていない。
五及び七について
一般に、日本版コードの受入れを表明した機関投資家が、既に議決権行使の判断基準に係るガイドライン等を定めている場合、当該ガイドライン等を変更する必要があるか否かについては、当該ガイドライン等の内容等を踏まえ、当該機関投資家が適切に判断すべきものであり、一律に、当該ガイドライン等を変更する必要があるとは考えていない。
預金保険機構が保有する旧日本長期信用銀行及び旧日本債券信用銀行から買い取った株式の議決権の行使については、預金保険機構の「理事長談話(旧日本長期信用銀行及び旧日本債券信用銀行から買取った株式の当機構への一部移管について)」(平成十七年三月二日)の中でその方針が示され、当該株式の管理の受託者が、預金保険機構と協議の上合意した議決権行使の判断基準に係るガイドラインに基づき、議決権を行使しているものと聞いている。また、預金保険機構が保有する公的資本増強を行った金融機関等の株式の議決権の行使については、「資本増強行に対するフォローアップに係る行政上の措置についての考え方の明確化について」(平成十三年六月十一日金融庁公表)及び「株主議決権行使の基本的な考え方」(平成二十年十二月二十二日預金保険機構理事会決定)に基づき、預金保険機構が議決権を行使しているものと聞いている。
株式取得機構が保有する株式の議決権の行使については、株式取得機構の「銀行等保有株式取得機構の議決権行使の基本的考え方」(平成十四年三月八日銀行等保有株式取得機構理事会決定)の中でその方針が示され、当該株式の管理の受託者が、株式取得機構の承認を得て策定した議決権行使の判断基準に係るガイドラインに基づき、議決権を行使しているものと聞いている。
また、日本版コードの公表日(平成二十六年二月二十六日)以降平成二十六年六月二十日現在までの間において、日本銀行は、三菱UFJ信託銀行株式会社による「ガイドライン変更」を承認した事実はなく、「ガイドライン変更」を行う必要性については、三菱UFJ信託銀行株式会社において検討されていると聞いている。
預金保険機構が保有する株式の管理の受託者は、日本版コードの受入れを表明しているが、日本版コードの公表日(平成二十六年二月二十六日)以降平成二十六年六月二十日現在までの間において、預金保険機構は、当該株式の管理の受託者による「ガイドライン変更」に係る協議を受けた事実はなく、「ガイドライン変更」を行う必要性については、当該株式の管理の受託者において検討されていると聞いている。
株式取得機構が保有する株式の管理の受託者は、日本版コードの受入れを表明しているが、日本版コードの公表日(平成二十六年二月二十六日)以降平成二十六年六月二十日現在までの間において、株式取得機構は、当該株式の管理の受託者による「ガイドライン変更」を承認した事実はなく、「ガイドライン変更」を行う必要性については、当該株式の管理の受託者において検討されていると聞いている。
八について
日本銀行が保有する株式の議決権行使の状況について、日本銀行が確認している範囲では、平成二十四年四月から平成二十五年三月までの間に議決権行使の基準日が到来した日本銀行が保有する株式の発行会社の株主総会の全議案のうち、賛成の割合は約八十五・六パーセント、反対又は一部反対の割合は約十四・四パーセントであり、白紙委任、棄権又は不行使はないと聞いている。
預金保険機構が保有する株式の議決権行使の状況について、預金保険機構が確認している範囲では、同年一月から平成二十六年五月までの間に開催された預金保険機構が保有する株式を発行している上場会社の株主総会の全議案のうち、賛成の割合は約八十二・七パーセント、反対又は一部反対の割合は約十七・〇パーセント、不行使の割合は約〇・二パーセントであり、白紙委任又は棄権はないと聞いている。
株式取得機構が保有する株式の議決権行使の状況について、株式取得機構が確認している範囲では、平成二十五年一月から平成二十六年五月までの間に開催された株式取得機構が保有する株式の発行会社の株主総会の全議案のうち、賛成の割合は約八十七・五パーセント、反対又は一部反対の割合は約十二・二パーセント、不行使の割合は約〇・四パーセントであり、白紙委任又は棄権はないと聞いている。
なお、日本銀行等が保有する株式の発行会社の株主総会におけるお尋ねの「取締役選任の議題において、社外取締役が一人以上就任している企業と社外取締役が存在しない企業との、反対(一部反対を含む)の議決権行使の比率」に関しては、日本銀行等において計数として把握していないと聞いている。
九について
日本銀行等についていえば、日本版コードを受け入れるか否かにかかわらず、その保有する株式について、自ら定めた指針等に基づき適切な議決権行使がなされるよう努めることが重要であると考えている。
この答弁書に出てくる定型句
お答えすることは困難 ×1趣旨が明らかではない ×1承知していない ×1
語の一致で数えたものです。答弁の評価ではありません。同じ型の答弁が過去にどれだけあるかは、型を押すと出ます。
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