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日本の金融制度に関する質問主意書
衆議院 第136回 第14号
質問本文
一 金融機関が抱える不良債権のディスクロージャーに関し、
�@ 平成四年十二月に発表された金融制度調査会・金融機関のディスクロージャーに関する作業部会中間報告「金融機関の資産の健全性に関する情報開示について」においては、各金融機関が抱える不良債権の総額についての開示が必要であることを論じ、具体的な開示基準等についても記述している。不良債権のディスクロージャーについては、金融制度調査会を諮問機関に置く大蔵省の意図が反映されていると考えられるが、この点に関する見解、また不良債権の開示のあり方に対する考え方を明らかにされたい。
�A 現在、金融機関が抱える不良債権のディスクロージャーは、全国銀行協会連合会による統一開示基準に基づき実施されており、いわゆる業界の自主基準に基づいている。金融システムの安定化が喫緊の課題とされ、また住専処理への一般財政資金の投入を含む法案が提出されている状況下では、不良債権のディスクロージャーの必要性・重要性は以前にも増して高まっていると言える。金融行政の透明性を高め、市場規律を生かしていくためにも、ディスクロージャーを法的規制によって義務付けることは有力な対応策と考えられるが、この点につき、現時点で実施されていない理由及び今後の実施可能性等に対する考え方を明らかにされたい。
�B 現在、地方銀行・第二地方銀行、協同組織金融機関については、都市銀行と同一水準での不良債権のディスクロージャーが実施されていない。またノンバンクが抱える不良債権については、実態の概要すら明確でないのが現状である。全ての金融機関に対して同一水準の不良債権のディスクロージャーが必要ではないか。また今後、ディスクロージャーを法的規制によって義務付ける際には、これらの金融機関をも対象に含むべきであると考えられるが、これらの点につき見解を明らかにされたい。
二 我が国の銀行法をはじめとする金融関係業法においては、会計帳簿等における虚偽の記載、あるいは行政への虚偽の報告を行った場合の罰則は、五十万円以下の罰金であり、法人等に対しても同様である。また、ディスクロージャーに関連する罰則は、取締役等につき百万円以下の過料であり、信用金庫・信用組合については公告義務がないことから罰則規定はない。商法において、貸借対照表等の不実記載等に対する罰則は取締役等につき百万円以下の過料、証券取引法において、重要な事項に係る虚偽の有価証券報告書提出に対する罰則は、三年以下の懲役若しくは三百万円以下の罰金又は併科、法人に対しては三億円以下の罰金となっている。このような金融機関による虚偽の報告等に対する現行の罰則規定に関し、特に法人への罰金が低く、犯罪抑止の効力に欠けるとする意見がある。また、例えば米国の連邦刑法においては、虚偽記載に対する罰則は、百万ドル以下の罰金若しくは三十年以下の懲役又は併科となっており、我が国の刑罰が著しく軽いとの指摘もある。今後ますます重要視されるであろう金融犯罪への対応をも考慮に入れて、罰則を強化すべきであるとする見解があるが、これらの点につき、どのように認識しているか。
三 昨年三月の政府の規制緩和推進計画に基づき、我が国の金融・資本市場を巡る諸規制も徐々に撤廃あるいは緩和の方向にある。グローバル・スタンダードに合致した、更なる金融・資本市場の整備が求められるが、それとともに、いわゆるデノミを実施することにより先進国通貨の通用力をそろえることが、特にアジア地域での円の国際化に効果的であるとする意見がある。デノミの実施、円の国際化、及び両者の因果関係等に関する政府の見解を明らかにされたい。
右質問する。
政府答弁書
一の�@について
金融機関の不良債権のディスクロージャーについては、これまで金融制度調査会において御審議いただき、その範囲、実施主体、実施時期等について数度にわたり具体的な提言をいただいており、大蔵省としてはこれらの提言に沿ってその拡充に努めてきたところである。
大蔵省としては、不良債権のディスクロージャーは金融機関経営の透明性を高め、市場規律により経営の自己規正を促すものであり、不良債権の早期処理を促す上でも大きな意義を有すると考えている。また、預金者の自己責任原則の確立のための基盤としても重要であると認識している。
大蔵省としては、できる限り早期にすべての不良債権(破綻先債権、延滞債権及び金利減免等債権)の開示が実施され、市場規律の十分な発揮と自己責任原則の徹底を基本とした透明性の高い金融システムが構築されるよう努めてまいりたいと考えている。
一の�Aについて
昨年五月に取りまとめられた金融制度調査会の金融機関のディスクロージャーに関する作業部会による報告「金融機関の資産の健全性に関する情報開示範囲の拡大について」においては、金融機関のディスクロージャーは、経営の自己規正を促すという意義を有するものであり、本来各金融機関により自主的に行われるべきものであるとの考え方が示されている。
不良債権のディスクロージャーについては、これを法的に義務付けるというのも一つの考え方であるが、むしろ、これまでの自主的開示という基本的な考え方の下で、各金融機関の積極的な取組を促し、十分な開示を行わない金融機関は市場から評価されないという意味における市場機能を活用することが適当ではないかと考えている。
一の�Bについて
不良債権のディスクロージャーについての各金融機関の実施状況を見ると、既に都市銀行、長期信用銀行及び信託銀行のうち、いわゆる主要二十一行においては、昨年九月期に、平成八年三月期という当初の予定を前倒しして、すべての不良債権の開示が自主的に行われたところであり、また、地方銀行及び第二地方銀行についても、昨年九月期において、破綻先債権に加え、延滞債権や金利減免等債権を自主的に開示している例が見られる。
昨年十二月の金融制度調査会の答申「金融システム安定化のための諸施策」においては、すべての不良債権の開示について、地方銀行及び第二地方銀行についてはできるだけ早期に、また、協同組織金融機関については原則として平成十年三月期までに、それぞれ実施が望まれるとされたところであり、大蔵省としては、各金融機関においてこの答申の趣旨を踏まえた当該開示の実施がなされることを強く期待している。
なお、これはあくまで最低限の目安であり、より多くの金融機関が自主的に開示範囲の拡充に努めることが望ましいと考えている。
また、ノンバンクにおける経営の健全性の確保という観点から、ノンバンク業界に対して、自主的なディスクロージャーの充実に向けて一層の努力がなされるよう促してまいりたい。
二について
御指摘の金融機関による虚偽の報告等に対する現行の罰則規定は、金融機関の経営の健全性及び透明性の確保の必要性、いわゆる金融関係業法における罰則をはじめ刑罰法規全体における均衡等、様々な点を考慮して定められているものであり、当該罰則規定の改正の必要性の有無については、これらの諸点を十分に検討した上で判断する必要があるものと認識している。
三について
デノミは、国民各層にわたり幅広く影響を与えるものであることから、国民の受け止め方、経済・社会環境、実施に伴う技術的困難等を総合的に判断すべき問題であり、実施する考えはない。
他方、円の国際化は、基本的には商慣習、金利動向、為替相場観等に基づく取引者間における取引通貨の選択・決定に依存するものであるが、我が国企業等の為替リスクの管理を容易にすること等から望ましいことと考えている。このため、政府としても、従来から短期金融市場の整備・拡充等、各般の環境整備を通じて円の国際化を推進してきたところである。
なお、デノミは通貨単位の変更にすぎず、デノミの実施と円の国際化との因果関係については一義的にいえるものではないと考えている。
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件名と質問本文の冒頭の意味が近いものを、前もって計算しておいた表から近い順に8件並べました(multilingual-e5-large)。同じ言葉を使っていなくても出ます。論点が少しずれていることもあります。