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アベノミクスの失政と中小企業の信用保証に関する質問主意書

参議院 第188回 第10号お答えすることは困難 ×1承知していない ×1

提出者
参議院
提出日
2014年12月24日
内閣転送 2014年12月26日
答弁書受領日
2015年1月9日
提出から16日
答弁の項目数
9
質問 1,829字/答弁 1,835字

質問本文

アベノミクスによる経済効果は中小企業には及んでおらず、消費税増税、円安などによって、むしろ中小企業の経営はますます厳しくなってきている。

先の政府答弁書(内閣参質一八七第九九号)でも、平成二十五年三月末で中小企業金融円滑化法が失効したため、金融庁の指導にもかかわらず、平成二十五年度は岩手、宮城、秋田、山形、福島、栃木、三重、富山各県において、金融機関が信用保証協会(以下「保証協会」という。)に代位弁済請求するケースが増加したとされている。また、代位弁済した保証協会から強引な取立てをされているとの苦情が寄せられている。同様のケースが平成二十六年度にはもっと増えると予想している。

そこで、以下質問する。

一 保証協会が代位弁済した後、債務者に求償する場合のマニュアルやガイドライン、指針といったものを金融庁で作成すべきではないか。

二 中小企業庁が平成十八年度以降、保証協会に対して経営者本人以外の第三者を保証人として求めること(以下「第三者連帯保証」という。)を禁止した理由を示されたい。

三 罪刑法定主義により、犯罪については遡及して処罰することは許されないが、民事的な処理については許される。現に、金融機能の再生のための緊急措置に関する法律第七十五条は、預金保険機構が買い取った不良債権について、時効を二年間停止させることとし、時効を実質二年延長している。これらの例も踏まえ、平成十八年度以前の第三者連帯保証に対しても何らかの規制をするべきではないか。

四 前記三に関連して、第三者連帯保証人の所有する自宅や給与を差し押さえることも規制されるべきではないか。

五 平成十八年度に第三者連帯保証を禁止した一方で、第三者の物上保証を禁止しなかったのは、連帯保証は、連帯保証人が無限責任を負うのに対して、物上保証は、物上保証人が有限責任を負うとの理由であると思料するが、その理解でよいか。

六 実際に第三者の物上保証で一番多く担保が設定されるのは物上保証人の自宅ではないか。そうであれば、物上保証でも物上保証人が生活を破綻させられるという点では同じと考える。第三者の物上保証についても、第三者の生活の拠点となるべき自宅等の資産については除外するべきだと考えるが、いかがか。

七 一例として、息子の会社のために、二十年前に、親が自宅に根抵当権を設定し、その枠がまだ残っていたところに、最近になって息子の会社が同じ銀行から保証協会の信用保証が付いた無担保融資を受け、その返済ができなくなって、保証協会が銀行に代位弁済した際、保証協会が銀行から根抵当権の一部の譲渡を受け、無担保融資を担保融資に切りかえ、保証協会は、銀行から譲り受けた根抵当権に基づいて親の自宅を競売にかけたケースを承知している。親は、当該無担保融資について、全く知らされていないし、また、保証協会が銀行から根抵当権の一部の譲渡を受けることを全く了解していなかった。この例のように、保証協会が、第三者の生活を破壊し、生存権を奪うまで物上保証を拡大し、第三者が実際に住んでいる家を競売にかけるというのは、行き過ぎではないか。このようなことが起こらぬよう、対策を講ずべきことも含め、政府の見解を明らかにされたい。

八 前記七に関し、他にも保証協会が十年以上前の第三者の物上保証について、競売申立てをしているケースを承知している。物上保証が長期的に継続するというのは、昨今の変化の激しい経済情勢においては問題があり、政府は何らかの対策を講じるべきではないか、政府の見解を明らかにされたい。

九 身元保証の期間を三年としているのは、それ以上長期になると、被保証人の生活や心情に変化が生じ、そのような状況の変化まで保証するというのは身元保証人の負担が大きくなるからとの趣旨ではないか。

十 前記九に関して、金融機関に対する物上保証も、物上保証人が主契約者のために私財を失う可能性がある過重な負担を引き受けるという点で、身元保証と共通している。保証時から何年も経過し、債務者企業の経営状態や経済事情は変化しているのに、いつまでも保証を継続させるのは、身元保証人が期限の規制により保護されているのに比して、物上保証人にとって酷であり、均衡を欠くのではないか。

十一 海外主要国において、身元保証と物上保証についての規制の均衡はどのようになっているか。政府の把握しているところを明らかにされたい。

右質問する。

参議院の原文・経過

政府答弁書

一について

金融庁及び中小企業庁が定めている「信用保証協会向けの総合的な監督指針」においては、金融庁が定めている「中小・地域金融機関向けの総合的な監督指針」等において示された銀行等の監督上の留意点のうち、信用保証協会にも当てはまるものについては、これを適宜参照する旨記載している。

「中小・地域金融機関向けの総合的な監督指針」等に延滞債権の回収(担保処分及び個人保証の履行請求によるものを含む。)等の際の留意点が定められており、信用保証協会による代位弁済後の求償権の行使による債権の回収については、これを参照することとしている。

二について

中小企業者が債務者となる金銭消費貸借契約において、当該中小企業者の経営に関与していない第三者が、個人的関係等により、やむを得ず保証人となり、かつ、その後の当該中小企業者の経営状況の悪化などによる当該債務の不履行の結果、保証人となった当該第三者が重い負担を強いられることが社会的に大きな問題とされていたことから、各地の信用保証協会では、平成十八年度以降に信用保証が申し込まれた案件について、経営者本人以外の第三者を保証人として求めることは、原則として行われていない。

三及び四について

二についてで述べたとおり、各地の信用保証協会では、平成十八年度以降に信用保証が申し込まれた案件について、経営者本人以外の第三者を保証人として求めることは、原則として行われていないが、既に成立している金銭消費貸借契約において債務者の信用力を補完するために設定された保証人に対して、当該契約後に、保証人としての債務の履行が免責されることは、政府としては適当ではないと認識している。

五について

物上保証については、平成十八年当時、二についてで述べた経営者本人以外の第三者を保証人として求めることとは異なり、社会的に大きな問題とされていない状況であった上、中小企業者の資金調達の円滑化の観点から、中小企業者の金銭消費貸借契約において債務者の信用力を補完するために必要な場合があり、各地の信用保証協会では、従来どおりの取扱いが行われてきたものと認識している。

六及び七について

お尋ねの物上保証として供される財産の種類については、各地の信用保証協会において必ずしも記録がないことなどから、お答えすることは困難である。

また、五についてで述べたように、中小企業者の金銭消費貸借契約において債務者の信用力を補完するために物上保証として不動産を担保に供することは、中小企業者の資金調達の円滑化の観点から行われているものと認識している。各地の信用保証協会では、既に代位弁済を行った債権について、中小企業信用保険法(昭和二十五年法律第二百六十四号)第七条における「中小企業者に代わつて弁済をした場合には、その求償に努めなければならない」との規定に従って、求償権の行使による物上保証人を含む債務者からの債権の回収を適切に実施しているものと認識している。

八について

既に成立している金銭消費貸借契約において債務者の信用力を補完するために設定された物上保証人に対して、当該契約後に、物上保証人としての債務の履行が免責されることは、政府としては適当ではないと認識している。

九について

身元保証ニ関スル法律(昭和八年法律第四十二号)第一条本文において期間の定めのない身元保証契約はその成立の日から三年間に限り効力を有することとされているのは、その効力の期間が無制限であることにより身元保証人が過度な責任を負うことを防止する趣旨であると理解している。

十について

身元保証ニ関スル法律第一条本文によれば、身元保証とは、被用者の行為によって使用者が受ける損害の賠償を保証することである。これに対して、物上保証とは、他人の債務のために自己の所有する財産を担保に供することであり、その責任は担保に供した財産の範囲に限られるものであることから、両者の概念は異なる。

なお、物上保証のうち、根抵当権については、元本確定期日を定めなかった場合における元本の確定請求についての規定が設けられているなど、その責任の範囲を限定することができることとされている。

十一について

海外主要国におけるお尋ねの「身元保証と物上保証についての規制の均衡」に関しては、必ずしも十分に把握していないが、例えば、フランス及びドイツにおいては、身元保証については特別な法制度は存在しないものと承知している。

参議院の原文

この答弁書に出てくる定型句

お答えすることは困難 ×1承知していない ×1

語の一致で数えたものです。答弁の評価ではありません。同じ型の答弁が過去にどれだけあるかは、型を押すと出ます。

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