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全ての労働者の均等・均衡処遇の実現に関する質問主意書

参議院 第189回 第261号

提出者
参議院
提出日
2015年8月27日
内閣転送 2015年8月31日
答弁書受領日
2015年9月4日
提出から8日
答弁の項目数
7
質問 1,364字/答弁 2,356字

質問本文

一 法定最低賃金の遵守と理解普及の推進について

1 平成二十年の最低賃金法改正で、最低賃金の決定基準や罰金の上限額、派遣労働者への適用等が見直され、地域別最低賃金について生活保護との逆転現象の解消の道筋が見えてきた。更なる実効性の確保の観点から監督行政の強化を行うべきと考えるが、政府の見解を明らかにされたい。併せて現在までの取組、その自己評価及び今後の施策の方向性を示されたい。

2 職種・職務や職責・役割等の「仕事基準」による公平性・納得性・透明性が担保される公正な賃金決定システムの確立に向けた取組として、業種別賃金のミニマム基準である特定最低賃金を広めるとともに特定最低賃金の発展に向けた制度の理解を促進させるべきと考えるが、政府の見解を明らかにされたい。併せて現在までの取組、その自己評価及び今後の施策の方向性を示されたい。

二 派遣・請負労働者の雇用安定・労働条件向上について

1 「製造請負優良適正事業者認定制度」は、優良・適正な請負事業者を認定・公表することで製造請負事業の適正化と雇用管理改善の推進や製造請負業界の市場競争の健全化を実現し、労働者の福祉向上及び発注者の製造業務の長期的な質的改善を目指す制度であり、その一層の推進・普及を図るべきと考えるが、政府の見解を明らかにされたい。併せて現在までの取組、その自己評価及び今後の施策の方向性を示されたい。

2 技術・技能、職業能力開発等を考慮した請負料金が設定されるべく請負事業者・委託事業者の支援・監督指導を強化するとともに、公的な能力認定制度の整備や優良な派遣元事業主の育成につながる施策に積極的に取り組むべきと考えるが、政府の見解を明らかにされたい。併せて現在までの取組、その自己評価及び今後の施策の方向性を示されたい。

3 「キャリア形成促進助成金」や「派遣・請負労働者等のキャリア形成を支援するための手引」等の更なる活用・普及を図るべきと考えるが、政府の見解を明らかにされたい。併せて現在までの取組、その自己評価及び今後の施策の方向性を示されたい。

4 受け入れた派遣・請負労働者に自社の研修を受講させる等、派遣・請負労働者の能力開発やキャリア形成に資する施策を行う受入先企業に対して、国が何らかの支援を行うのも一案と考えるが、政府の見解を明らかにされたい。併せて現在までの取組、その自己評価及び今後の施策の方向性を示されたい。

三 労働者派遣に関する基本的な考え方について

労働者派遣について、制度の基本的な考え方である「派遣先における常用代替防止」を堅持しつつ、受入職場では派遣労働者を「ともに働くパートナー」として相互に認め合い、労使協議等における権利保護の取組が推進されるべきである。これらを満たすために労働者派遣制度については、法律制定当初の考え方である「専門業務に対する常用雇用派遣(ただし、常用雇用は無期雇用に限る)」に限っての運用が重要で、派遣労働の在り方を検討するに当たっては、まず派遣労働の類型化を実態に即して行い、それぞれの課題について明確に把握するとともに、社会的なコンセンサスを形成することが必要と考えるが、政府の見解を明らかにされたい。併せて現在までの取組、その自己評価及び今後の施策の方向性を示されたい。

右質問する。

参議院の原文・経過

政府答弁書

一の1について

御指摘については、政府としては、最低賃金の実効性の確保は重要であると考えている。このため、毎年度、賃金水準が低いなど最低賃金法(昭和三十四年法律第百三十七号)違反の可能性があると考えられる使用者を対象として、最低賃金の履行確保を主眼とする監督指導を実施してきたところである。

この取組により、最低賃金の実効性は着実に確保されているものと考えており、今後とも、その実効性の確保に取り組んでまいりたい。

一の2について

御指摘については、政府としては、最低賃金法の一部を改正する法律(平成十九年法律第百二十九号)による改正の趣旨も踏まえて、特定最低賃金の円滑な運用を行うことが重要であると考えており、最低賃金審議会において公労使で議論を行い、その理解が促進された結果、平成二十七年三月末時点において、二百三十五件の特定最低賃金が設定されている。

この取組により、特定最低賃金制度の着実な施行が行われているものと考えており、政府としては、今後とも、最低賃金審議会で円滑に議論が進められるよう努めてまいりたい。

二の1について

御指摘の「製造請負優良適正事業者認定制度」については、政府としては、製造業の請負事業主及び発注者における請負事業の適正化の促進及び請負労働者の雇用管理の改善を図ることが重要であると考えている。このため、同制度により、平成二十六年度末時点において、四十六の事業主を製造請負優良適正事業者に認定しているところである。

これらの取組により、製造業の請負事業の適正化は着実に進んでいるものと考えており、今後とも、同制度の普及に努めてまいりたい。

二の2について

御指摘の「請負料金」については、政府としては、請負事業主と発注者との個々の契約で決められるべきものと考えている。

また、御指摘の「公的な能力認定制度の整備」については、政府としては、労働者の有する技能の程度を検定し、公証するための制度が重要であると考えている。このため、これまでも職業能力開発促進法(昭和四十四年法律第六十四号)に基づき、技能検定制度を実施してきたところである。

この取組により平成二十六年度末時点において延べ約五百七十四万人が合格している。

さらに、御指摘の「優良な派遣元事業主の育成」については、政府としては、派遣労働者及び派遣先による派遣元事業主の選択等を通じた優良な派遣元事業主の育成は重要であると考えている。このため、優良な派遣元事業主を認定するための制度として、優良派遣事業者認定制度を実施しており、平成二十六年度末時点において、八十五の事業主を認定している。

これらの取組により、労働市場において活用される実践的な職業能力評価制度の構築及び優良な派遣元事業主の育成は着実に進んでいるものと考えており、今後とも、これらの取組を推進してまいりたい。

二の3について

御指摘の「キャリア形成促進助成金」及び「派遣・請負労働者等のキャリア形成を支援するための手引」については、政府としては、その活用及び普及を図ることが重要であると考えている。このため、これまで、「キャリア形成促進助成金」については、企業のニーズ等に応じた助成内容及び要件の見直し、業界団体等を通じた広報等に取り組むとともに、「派遣・請負労働者等のキャリア形成を支援するための手引」については、厚生労働省のホームページへの掲載、業界団体等を通じた広報等に取り組んできたところである。

これらの取組により、労働者のキャリア形成の促進に一定の効果を上げてきたものと考えており、今後とも、「キャリア形成促進助成金」及び「派遣・請負労働者等のキャリア形成を支援するための手引」の活用及び促進に努めてまいりたい。

二の4について

御指摘については、政府としては、派遣労働者や請負契約により就業する労働者に対するものを含め、企業の人材育成と労働者のキャリア形成の促進を支援することが重要であると考えている。このため、これまでも企業が行う職業訓練への支援等を行うとともに、派遣労働者については、労働者派遣の特殊性に鑑み、派遣先が講ずべき措置に関する指針(平成十一年労働省告示第百三十八号)において、派遣先は、派遣労働者の教育訓練及び能力開発について、可能な限り協力するほか、必要に応じた教育訓練に係る便宜を図るよう努めなければならないこととしているところである。

これらの取組により、労働者のキャリア形成の促進に一定の効果を上げてきたものと考えており、今後とも、派遣労働者や請負契約に基づき就業する労働者を含めた、労働者の職業能力開発の支援に努めてまいりたい。

三について

御指摘の「労働者派遣制度」については、政府としては、派遣先に常用雇用される労働者の派遣労働者による代替(以下「常用代替」という。)を防止すること及び派遣労働者の保護が重要であると考えている。このため、労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律(昭和六十年法律第八十八号)を必要に応じ改正するとともに、厚生労働省において、同法に基づく指導、助言、勧告等を行っているところであり、これらの取組により、常用代替の防止及び派遣労働者の保護は着実に進んでいるものと考えている。現在、引き続き常用代替を防止するとともに、派遣労働者のより一層の雇用の安定、保護等を図るため、「労働者派遣制度の改正について」(平成二十六年一月二十九日労働政策審議会建議)を踏まえ、労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律等の一部を改正する法律案を第百八十九回国会に提出しているところであり、今後とも、労働者派遣事業の適正な運営の確保に取り組んでまいりたい。

参議院の原文

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