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局地的な大雨及び集中豪雨による災害対策に関する質問主意書

参議院 第189回 第89号お答えすることは困難 ×1

提出者
参議院
提出日
2015年3月31日
内閣転送 2015年4月6日
答弁書受領日
2015年4月10日
提出から10日
答弁の項目数
6
質問 2,333字/答弁 2,181字

質問本文

近年、雨の降り方が変化したことにより、局地的な大雨や集中豪雨の発生回数が増加している。平成二十六年八月豪雨においては、広島市で発生した大規模な土砂崩れにより七十人以上の貴重な人命が失われるなど、全国各地で甚大な人的・物的被害が発生した。局地的な大雨や集中豪雨による災害の発生は今後も懸念されるところであるが、このような悼ましい災害の発生を未然に防ぎ、国民の生命・財産を守るためにも早急な対策が求められる。そこで、局地的な大雨及び集中豪雨による災害対策に関して、以下質問する。

一 近年、短時間のうちに記録的な降雨量をもたらす大雨が全国各地で観測されている。

例えば、平成二十五年台風第二十六号においては、東京都大島町で二十四時間雨量八百二十四ミリという記録的な大雨が観測され、土砂災害が発生し、四十人近くの方々が犠牲になった。平成二十六年八月豪雨においても、広島市では、わずか三時間近くの集中豪雨による土砂災害で七十人以上が犠牲となった。気象庁は、このような大雨が発生する事態について、どのように現状を把握し、その原因を分析しているのか明らかにされたい。

二 災害による被害を最小限のものとするためには、事前の備えが必要である。局地的な大雨や集中豪雨の場合は、いつ、どこで、どの程度の雨が見込まれるかについて、できるだけ正確な予報が重要であると考える。

気象庁は、平成二十六年八月七日より高解像度降水ナウキャストの運用を開始しているが、平成二十六年八月に発生した広島市の集中豪雨は予測できなかったとする報道もある。

そこで、政府として、局地的な大雨や集中豪雨を予報するに当たって、どのような観測体制を整備し、どの程度の精度まで予報ができるようになっているのか、明らかにされたい。

また、今後、予測精度を向上させるために、何に重点を置いて取り組んでいくつもりか、政府の見解を示されたい。

三 局地的な大雨や集中豪雨、台風などによる災害に対応するためには、大雨に関する事前の情報を正確に把握し、住民に伝達し、避難してもらうことが重要である。避難勧告、避難指示等は市町村長の判断に任されているが、広島市では避難勧告を発するに当たって五項目もの判断基準を有していたことが、平成二十六年八月豪雨による土砂災害が発生した際に判断が遅れた一因と指摘する報道もある。

政府は、「土砂災害など重大な自然災害に対する主な被害防止対策」(平成二十六年九月五日平成二十六年(二〇一四年)八月豪雨非常災害対策本部決定)を公表しており、その中で、「深夜を含めた災害リスク情報の的確な提供」として、同年四月に内閣府が改定・公表した「避難勧告等の判断・伝達マニュアル作成ガイドライン」(以下「ガイドライン」という。)の周知徹底と確認を行うとしている。今後は、市町村長がためらわず判断できるよう、避難勧告等の判断基準の簡素化について、国から市町村へ要請するべきと考えるが、政府の見解を明らかにされたい。

また、土砂災害警戒情報など、災害に直結するような防災情報を市町村に積極的に提供すべきと考えるが、現在どのような体制で情報提供を行い、今後、どのように発展させるべきと考えているのか、政府の見解を明らかにされたい。

四 「避難勧告」、「避難指示」については、似たような用語であり、一見すると、どちらが切迫した事態を表しているのか国民が理解しにくい。例えば、「ガイドライン」においては、避難勧告の一段前の措置として「避難準備情報」の発令があるが、高齢者、障害者、乳幼児、その他災害時に特に配慮を要する者については、「立ち退き避難する」とあり、避難勧告と同じ意味合いを持っている。

そこで、避難準備情報、避難勧告及び避難指示の用語に関して、国民が災害の切迫性の度合いを正しく理解し、避難に役立てているかについて把握するために調査を実施したことはあるか。調査を実施したことがあれば、その結果を示されたい。また、調査が行われていないのであれば、調査の必要性について政府の見解を明らかにされたい。

五 安倍総理は、夜間の避難勧告を住民に確実に知らせるため、緊急速報メールの整備を促進する考えを示したと報道されていたが、災害時における情報伝達については、住民に避難場所や災害関連情報が正しく伝わり、実際に避難行動につなげることが何よりも重要であると考える。

そこで、こうした災害時の避難行動に重要な情報の伝達方法について、避難準備情報、避難勧告及び避難指示を災害の切迫性の度合いを段階的に、より的確に伝わる用語に見直していくことも含め、情報の受け手である国民の意見を十分に反映しつつ、国と地方公共団体が連携し、周知を徹底していくべきではないかと考えるが、政府の見解を明らかにされたい。

六 道路の冠水や家屋の床上・床下浸水、土砂崩れ等の局地的な大雨や集中豪雨によって被害が発生しやすい場所の特定を行い、それぞれの箇所に応じた防災対策を行うことは重要である。

しかし、広島市における土砂災害では、被災箇所において、土砂災害警戒区域等の指定や砂防ダムの整備が進んでいなかったとされている。

政府は、事前防災・減災の観点から国土強靱化を推進していくとしていることから、災害から国民を守るためにこれまで以上に十分な予算措置が必要になると考えるが、土砂災害対策に関係する予算補助などは社会資本整備総合交付金等により一括交付されるため、その内訳が不明確となっている。土砂災害対策や気象観測網の整備などの局地的な大雨や集中豪雨に係る防災関係予算について、現在の予算規模に対する認識と今後の方針について示されたい。

右質問する。

参議院の原文・経過

政府答弁書

一について

昭和五十一年から平成二十六年までの期間における一時間降水量が五十ミリメートル以上の降雨の年間の発生回数は増加傾向にあり、その原因としては、地球温暖化に伴う大気中の水蒸気量の増加が寄与している可能性があるが、両者の関係については、更なる観測データの蓄積や気候の変化に関連する研究の進展を踏まえた評価が必要であると認識している。

二について

気象庁においては、雨雲を把握するための気象ドップラーレーダーを全国二十か所に、上空の風を把握するためのウィンドプロファイラーを全国三十三か所に、地上の気象状況を把握するための地域気象観測システム(アメダス)を全国約千三百か所に、それぞれ整備するとともに、我が国周辺を含む広範囲にわたる雲の状況を把握するための気象衛星を整備しているほか、国土交通省が整備したレーダーのデータや地方公共団体等が保有する全国約九千三百か所の雨量計のデータを収集する体制を整備しているところであり、現状では、観測された降水域の移動については予測可能となっているが、局地的な大雨や集中豪雨をもたらす新たに発生する積乱雲による降水域を予測することは困難である。

また、局地的な大雨や集中豪雨の予測精度を向上させるため、同庁においては、平成二十七年中に運用の開始を予定している「静止地球環境観測衛星」による観測の間隔の短縮及び分解能の改善並びに気象レーダーによる観測の高度化により、気象状況を把握する技術を向上させる取組とともに、このような技術の向上により得られる観測データを基にスーパーコンピュータを用いて気象状況を分析し、及び予測する技術を向上させる取組を進めている。

三について

お尋ねの「避難勧告等の判断基準」については、平成二十六年八月に広島市で発生した土砂災害を受け、同年九月四日に、内閣府政策統括官(防災担当)付参事官(調査・企画担当)及び消防庁国民保護・防災部防災課長(以下「参事官等」という。)から、都道府県消防防災主管部長に対し、「避難勧告等の判断・伝達マニュアル作成ガイドライン(案)」(平成二十六年四月内閣府(防災担当))(以下「ガイドライン」という。)に基づき、避難勧告等の判断基準の再点検をすること等を市町村に依頼するよう通知したところである。ガイドラインにおいては、「土砂災害警戒情報の発表をもって避難勧告の判断基準とすることを基本とする」こと及び「基本的に夜間であっても、躊躇することなく避難勧告等は発令する」ことが明記されている。

また、お尋ねの「情報提供」については、現在、土砂災害警戒情報、大雨警報等について、都道府県から、ファックス、電話等により市町村へ通知されるとともに、気象庁からインターネットを活用して市町村へ提供しているところであるが、平成二十六年の土砂災害警戒区域等における土砂災害防止対策の推進に関する法律(平成十二年法律第五十七号)の改正により、土砂災害警戒情報について、都道府県知事が市町村の長に通知するとともに一般に周知させるため必要な措置を講ずることが義務付けられたところであり、引き続き、情報伝達体制の充実に努めてまいりたい。

さらに、特に気象状況が切迫した局面においては、市町村に対し、当該地域を管轄する気象台等から、その状況を直接電話で伝える取組を進めており、引き続き、確実な実施に努めてまいりたい。

四について

平成二十二年十一月に内閣府が実施した「避難勧告・避難指示に関する住民向けアンケート調査」によれば、避難準備情報、避難勧告及び避難指示の違いについて、「よく知っていた」が五・一パーセント、「ある程度は知っていた」が五十三・〇パーセント、「はじめて知った」が四十一・九パーセントであった。

五について

お尋ねについては、「災害時の避難に関する専門調査会報告」(平成二十四年三月中央防災会議「災害時の避難に関する専門調査会」)において、「市町村が住民などに安全確保行動を促すための手段として「避難準備情報」、「避難勧告」及び「避難指示」があるが、これらの違いが明確に認識されていない。」という課題に対応して、「市町村は、住民などが自ら適切な安全確保行動を判断できるように、「避難準備情報」、「避難勧告」、「避難指示」の違いについて、自らの明確な理解の下、住民などに対して周知・徹底することが必要である。」とされており、平成二十四年五月九日に、中央防災会議会長(内閣総理大臣)から都道府県防災会議会長に対し、市町村防災会議にこのことを含めた同報告の内容に留意されたい旨を周知するよう依頼を行っているところである。

また、ガイドラインにおいては、避難勧告等が発令された場合に、そのときの状況に応じて住民等が採るべき避難行動及び避難勧告等を住民等に伝達する手段について、それぞれの具体例を明記しているところであり、平成二十六年四月八日に、参事官等から都道府県消防防災主管部長に対し、ガイドラインを市町村に周知するよう依頼しているところである。

六について

政府としては、災害から国民の生命、身体及び財産を守るため、お尋ねの「局地的な大雨や集中豪雨に係る防災関係予算」を含め、防災対策の推進に必要となる予算を確保してきているところであり、引き続き、その確保に努めてまいりたい。

参議院の原文

この答弁書に出てくる定型句

お答えすることは困難 ×1

語の一致で数えたものです。答弁の評価ではありません。同じ型の答弁が過去にどれだけあるかは、型を押すと出ます。

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