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改正農薬取締法の施行並びにその方法に関する質問主意書

参議院 第196回 第201号お答えすることは困難 ×1

提出者
参議院
提出日
2018年7月19日
内閣転送 2018年7月20日
答弁書受領日
2018年7月27日
提出から8日
答弁の項目数
5
質問 1,982字/答弁 932字

質問本文

本年六月八日、農薬取締法の一部を改正する法律が成立し、同法による改正後の農薬取締法(以下「改正農薬取締法」という。)の目的として、「農薬の安全性その他の品質及びその安全かつ適正な使用の確保」が明記された。また、国際的動向等を踏まえ、定期的に安全性等の再評価を行う制度も導入されることとなった。

他方、我が国の耕地面積当たりの農薬使用量は、他のOECD諸国よりも圧倒的に多く、多量の農薬が使用されているのが現状である。

農薬の安全性に関する国際的動向は、農薬の使用削減も視野に入れてさらに踏み込んだものとなっている。たとえば、国際的な化学物質管理のための戦略アプローチ(SAICM)の世界行動計画には「もっとも有害性の低い農薬の調達を優先させ、過剰または不適切な化学物質(農薬)の使用を避けるための最適な手法を用いるべき」、「害虫管理について効果的で化学物質を使用しない代替方法と同様に、よりリスクの低い農薬の開発と使用及び、高度に有害な農薬の代替を推進すべき」とあり、過剰な農薬の使用を避け、農薬を使用しない代替方法を推進することが求められている。

EU農薬指令は、予防原則に基づき、農薬使用が人の健康及び環境に及ぼす危険性及び影響力を減少させることを基本理念に掲げ、IPM及び農薬に依存しない方法の利用を促進することによって、農薬使用を最小限化するための枠組みを整備している。

改正農薬取締法において農薬の適正な使用を確保しても、農薬の使用量を削減することにつながらなければ、人の健康や生態系の安全性は確保できないため、農薬の使用削減は、改正農薬取締法の今後の運用の中で確実に折り込まれていくことが重要である。

以上に鑑み、以下質問する。

一 改正農薬取締法は、現行の製剤による再登録制度に代えて、同一の有効成分を含む農薬について一括して十五年ごとに安全性等の再評価を行う制度を導入し、かつ登録の有効期間の定めをなくしている。このような制度改正が農薬の安全性の確保の障害とならないようにする必要がある。同法の運用において、農薬の安全性をどのように担保していくのか、具体策を説明されたい。

二 改正農薬取締法では、農薬の有効成分の安全性等についての試験が行われることになっている。しかし、実際に販売される製品には、複数の有効成分を含むものがあるほか、有効成分以外の成分が標的ではない生物に対して害を及ぼす場合もある。また、使用者が複数の農薬を混合して使用することもあり、予期せぬ影響が生じることもあると考えられるほか、補助剤の成分や補助剤と有効成分の複合影響があることも研究により指摘されている。以上から、環境、健康、家畜等へ与える影響について製剤レベルでの安全性の確保も必須である。製剤としての安全性並びに補助剤との複合影響及び有効成分との複合影響を考慮することについて、省令に規定することも含め、どのように運用していく考えか説明されたい。

三 現行の農薬取締法では、農薬は「人畜及び水産動植物に害を及ぼすおそれがないことが明らかなもの」(第二条)とされているが、改正農薬取締法では、「人畜及び生活環境動植物(中略)に害を及ぼすおそれがないことが明らかなもの」(第三条)となっている。具体的には、どのような生活環境動植物への影響を考慮する考えか。

四 EUでは、EU農薬指令第九条に基づき農薬の空中散布が禁止されているが、日本では有人・無人ヘリコプター又はドローンを利用した農薬の空中散布が頻繁に行われている。農薬の空中散布は、農薬が広く大気中に拡散し、農作物がある田畑だけではなく、周辺の土壌や表層水にも及び、近隣の生態系全体が汚染され、広範囲に悪影響が及ぶことが懸念される。近年では、積載能力の小さいドローンでの散布のために希釈濃度を用法よりも高めた農薬の散布が行われる場合もある。我が国は農地面積が小さく、農地が住宅地や学校、保育施設に隣接する場合もあることから、改正農薬取締法の目的に照らせば、空中散布は原則禁止とするべきではないか。

五 環境省が行っている、化学物質の人へのばく露量モニタリング調査では、農薬も調査対象とされているが、使用量が増加しているネオニコチノイド系農薬についても二〇一二年報告書掲載分から調査がなされている。しかし、同調査で測定されているのは代謝物6-クロロニコチン酸のみであり、同代謝物では現在もっとも使用量の多いジノテフランのばく露量を測ることはできない。他のネオニコチノイド系農薬も6-クロロニコチン酸だけでばく露量がわかるとは到底いえない。ばく露の実態により即したモニタリング調査のために、全てのネオニコチノイド原体に加え、適切な代謝物を分析対象として追加するべきであるが、今後の方針について説明されたい。

右質問する。

参議院の原文・経過

政府答弁書

一について

農薬取締法の一部を改正する法律(平成三十年法律第五十三号)による改正後の農薬取締法(昭和二十三年法律第八十二号。以下「法」という。)においては、農林水産大臣は、定期的に、最新の科学的知見に基づく再評価を行うことに加えて、農薬製造者から報告を求めること等により、農薬の安全性に関する科学的知見の収集、整理及び分析を行い、農作物、人畜又は動植物等に害を及ぼすおそれがあると認める場合には、迅速かつ適切に、登録の内容の変更又は取消しを行うことで、農薬の安全性を確保することとしている。

二について

農薬の登録の審査においては、有効成分のみでなく、その他の成分も含む農薬製剤としての安全性について審査を行っている。複数の農薬を混合して使用する場合の複合的な影響については、農薬の組合せが無数に存在するため、人畜及び動植物に与える影響を網羅的に考慮することは困難であるが、農薬の登録の審査においては、食品に残留して複数の農薬が同時に摂取される場合の人の健康への影響についても、考慮している。

三について

生活環境動植物への影響については、農薬の登録等に当たって、法第四条第一項第八号に掲げる場合に該当するかどうかについて審査を行うこととされており、同号に掲げる場合に該当するかどうかの基準については、中央環境審議会及び農業資材審議会の意見を聴いて定めることとされている。

四について

有人航空機及び無人航空機を用いて農薬を散布する場合の農薬の飛散防止措置については、農林水産省において、「農林水産航空事業実施ガイドライン」(平成十六年四月二十日付け十六消安第四百八十四号農林水産省消費・安全局長通知)及び「空中散布における無人航空機利用技術指導指針」(平成二十七年十二月三日付け二十七消安第四千五百四十五号農林水産省消費・安全局長通知)を発出し、風向及び風速を考慮し、適切な飛行高度を維持して農薬を散布すること等について、農薬使用者に対する指導を行うことにより、農薬の安全かつ適正な使用の確保を図っているところである。

五について

「化学物質の人へのばく露量モニタリング調査」については、毎年度、専門家の意見を聴取した上で、分析対象物質を選定することとしている。

参議院の原文

この答弁書に出てくる定型句

お答えすることは困難 ×1

語の一致で数えたものです。答弁の評価ではありません。同じ型の答弁が過去にどれだけあるかは、型を押すと出ます。

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