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医師等医療従事者の働き方に関する質問主意書
参議院 第196回 第59号検討してまいりたい ×1
質問本文
医師等医療従事者の医療機関における長時間労働が社会問題として顕在化している。こうした長時間労働による疲労が蓄積された状態で患者に提供される診療、調剤、看護、検査などの医療行為は、ヒューマンエラーを誘発し、重大な医療ミスにつながることが知られている。疲労が原因である医療におけるヒューマンエラーの発生について、患者の立場からも大いに懸念するところであるので、以下質問する。
一 厚生労働省に設置された「医師の働き方改革に関する検討会」が取りまとめた「医師の労働時間短縮に向けた緊急的な取組」には、タスク・シフティングなどによる医師の負担軽減などが盛り込まれた。しかし、同取りまとめに掲げられた取組は、被用者である医師の健康を守るための環境改善という観点のみが強調され、ヒューマンエラーを誘発する長時間労働を是正するという観点が欠如しているのではないか。
二 ヒューマンエラーの原因となる医療従事者の「疲労」を管理する観点を医療従事者の労働時間短縮に向けた取組に取り入れていくことについて政府の見解を明らかにされたい。
三 「疲労はミスを誘発する」といわれており、悲惨な事故を経験している航空業界にあっては、疲労を管理し、疲労状態で業務に従事することによるヒューマンエラーを未然に防ぐ努力がなされていると聞く。これに比して医療機関においては、医療従事者本人の主観的な判断に疲労管理を委ねているのが現状であると承知している。患者をヒューマンエラーが原因である医療事故から守るという観点からいえば、医療を提供している医療機関の設置者や管理者が、自身の提供する医療の質について責任をもつべきであると考える。医療機関の設置者や管理者には、雇用している医療従事者の勤務時間管理や疲労管理を厳格に義務付けるべきであり、医療法などを改正し医療機関の設置要件に「医療従事者の勤務時間管理や疲労管理」を加えるべきと考えるが、政府の見解を明らかにされたい。
四 目の前にいる患者のために努力を惜しまない医療従事者の在り方は決して責められるべきものではないが、疲労を我慢して努力をした結果として、患者を危険にさらしてしまうようなことがあるとすれば、それは患者のみならず医療従事者にとっても悲劇でしかない。政府は、航空業界においては、運航乗務員の疲労管理に向けた対策を進めつつあり、医療機関においても、患者本位の観点から医療従事者の疲労対策を議論するべき段階にあるのではないかと考えるが、政府の見解を明らかにされたい。
五 医療機関における医療従事者の長時間労働の背景には、長時間労働とならないよう十分な数の医療従事者を雇用すると人件費が嵩み、金銭的な負担が大きくなり過ぎるがゆえに、残業代を支払ってでも少数精鋭の医療従事者で診療していくしかないという医療機関の厳しい経営事情があると聞く。経済・経営的な理由で医療従事者を雇用できないというような医療機関があるとするならば、そうした経営環境は是正されなければならない。昨今の診療報酬改定は、プラス改定と吹聴はしているものの、実質的にはほとんど増えていないような小数点レベルのプラス改定である。プラス改定の中身については、当然にメリハリが必要であるが、医療機関が医療従事者を雇用するために十分なプラス改定を行う必要があるのではないか。政府の見解を明らかにされたい。
右質問する。
政府答弁書
一について
厚生労働省に設置された「医師の働き方改革に関する検討会」(以下「検討会」という。)において取りまとめられた、御指摘の「医師の労働時間短縮に向けた緊急的な取組」(以下「緊急的取組」という。)には、検討会における疲労等に関する有識者からのヒアリング等も踏まえ、医師の労働時間短縮に向けた取組として、医療機関において、当直明けの勤務負担の緩和、勤務間インターバルの設定など医療機関等の特性を踏まえた取組を積極的に検討し、導入するよう努める等の内容が盛り込まれているところである。緊急的取組に盛り込まれた取組は、医師の疲労の軽減にも資するものであると考えており、「ヒューマンエラーを誘発する長時間労働を是正するという観点が欠如している」との御指摘は当たらない。
二から四までについて
医療機関における医療の安全の確保のためには、医療従事者が自ら健康管理を行い、また、医療機関においても、医療従事者の健康状態を把握し、リスク管理を行うことが重要であると考えている。
厚生労働省に設置された「医療安全対策検討会議」が平成十四年四月に取りまとめた「医療安全推進総合対策」においても「安全に医療を提供するためには、医療従事者が自らの健康や生活を管理することが必要であり、自分の体調を常に把握し、健康の自己管理を行わなければならない。管理者としては、このような職員の意識の醸成を図るとともに、職員が健康を保持しつつ業務に当たることができるよう、職場環境の整備を行うことが必要である」との提言がなされているところであり、当該提言については、同省から各都道府県等を通じて医療機関、医療関係団体等へ周知しているところである。
また、医療法(昭和二十三年法律第二百五号)では、病院又は診療所の管理者は、当該病院又は診療所に勤務する医療従事者の勤務環境の改善その他の医療従事者の確保に資する措置を講ずるよう努めなければならないこと等が定められているとともに、労働安全衛生法(昭和四十七年法律第五十七号)では、事業者に対し、長時間労働により疲労の蓄積が認められる労働者に対する医師による面接指導等の実施が義務付けられているところである。
さらに、医師については、検討会において、平成三十年度末を目途とするその最終報告の取りまとめに向け、労働時間の短縮策等について検討しており、検討会が平成三十年二月に取りまとめた「中間的な論点整理」においても、「患者に安全かつ質の確保された医療を提供するために、医師が疲弊しないことが必要なのではないか」、「米国の研修医に対する労働時間規制は、医療安全の観点から導入されたことも参考にしてはどうか」といった意見を踏まえた検討が必要ではないかとされているところである。検討会の議論も踏まえつつ、引き続き、医療安全の確保の観点からも、医療従事者の勤務環境の改善に向けた検討を進めてまいりたい。
五について
診療報酬の改定率については、物価、賃金等の動向、医療機関の経営状況、医療保険財政の状況等を総合的に勘案して、予算編成過程において決定しており、今後とも、適切に対応してまいりたい。
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件名と質問本文の冒頭の意味が近いものを、前もって計算しておいた表から近い順に8件並べました(multilingual-e5-large)。同じ言葉を使っていなくても出ます。論点が少しずれていることもあります。