Kurage 質問主意書アシスト

ことばで探す › 参議院 第193回

医療従事者の過労と患者安全の観点から講ずるべき医療安全対策に関する質問主意書

参議院 第193回 第135号

提出者
参議院
提出日
2017年6月14日
内閣転送 2017年6月16日
答弁書受領日
2017年6月27日
提出から13日
答弁の項目数
1
質問 1,512字/答弁 652字

質問本文

第百九十三回国会で成立した「医療法等の一部を改正する法律」においては、特定機能病院のガバナンス強化が論点のひとつであったが、これは、医療安全管理の確保を目的とするガバナンス強化であったと記憶するところである。況や医療機関一般に対して、医療法並びに医療法施行規則に基づき、その特性に応じて医療安全管理体制の構築を予定していると承知しているところであるが、構築を予定している医療安全管理体制には、欧米諸国の昨今の状況とは異なり、患者安全の観点からの医療従事者の疲労管理という概念が抜け落ちていると考えられる。医療機関における安全管理とは、つまるところ患者安全の確保であるのはいうまでもないことであるが、我が国における医療安全管理の本質というのは、システムとしての医療機関における安全管理にとどめ置かれ、医療の最終目的であるはずの「患者」という視点が欠落しているのではないかと危惧するところである。医師など医療従事者の疲労が医療過誤に与える影響については、古くはDavid M GABAらが、二〇〇二年十月十七日のNew England Journal of Medicine誌に投稿しているところであり、世界保健機関(WHO)にあっても、WHO患者安全カリキュラムガイドを二〇一一年に公開し、ヒューマンファクターズに起因する医療過誤について解説し、ヒューマンファクターズを管理する方法のひとつとして疲労管理の重要性を訴えている。つまり医療過誤を防止するには、医療従事者の疲労管理は必要不可欠だということを示しているのであり、医療安全を論ずるのであれば、当然に医療従事者の疲労管理の問題は避けては通れぬと考えるものである。

航空業界にあっては、航空機を運航する運航乗務員の乗務時間制限や疲労リスク管理システムなど健康状態の管理を航空会社に厳しく求めていると聞くが、これは、運航の安全性確保のための措置であり、ひいては乗客の安全確保につながる措置であると考えられる。他方、医療の現場においては、医療従事者の疲労管理は、個々の医療従事者の責任と片付け、医療機関全体として、医療サービスを提供する主体である医療従事者の疲労状態の把握や過労防止への配慮が実施されていない。医療機関として医療サービスを患者などに具体的に提供する主体は医療従事者である。然して、この医療従事者をヒューマンファクターズの問題から遠ざけるように顧慮することは、医療機関の管理者の責務であり、同時に医療安全管理上の核心ではないかと考えるものである。

以下、こうした観点から政府の見解を求めるものである。

一 政府が医療機関とその管理者に求めている医療安全管理には、個々の医療従事者の疲労管理や勤務状態管理などは含まれていないとみるがその真否とその根拠について政府の見解如何。

二 政府は、医療従事者の疲労管理、つまり個々の医療従事者が疲労困憊し、専門家として適切な判断ができないかもしれない状態、あるいは、医療過誤を誘発しかねない疲労状態で勤務しないようにすることについては、個々の医療従事者の責任において管理するものと考えているとみるがその真否とその根拠について政府の見解如何。

三 右に示したような疲労管理を単に医療従事者個人にのみ求めるのは、患者の安全から考えるにいささか無責任である。医療サービスを業として提供する医療機関にも組織的な管理を求めるのが妥当と考えるが政府の見解如何。

四 航空業界にあっては、より厳格な勤務制限などが実施されているにもかかわらず、医療業界では進まないのは厚生労働行政の不作為ともとれなくはないが、政府の見解如何。

右質問する。

参議院の原文・経過

政府答弁書

一から四までについて

医療機関における医療の安全の確保のためには、医療従事者が自ら健康管理を行い、また、医療機関においても、医療従事者の健康状態を把握し、リスク管理を行うことが重要であると考えている。

厚生労働省に設置された「医療安全対策検討会議」が平成十四年四月に取りまとめた「医療安全推進総合対策」においても「安全に医療を提供するためには、医療従事者が自らの健康や生活を管理することが必要であり、自分の体調を常に把握し、健康の自己管理を行わなければならない。管理者としては、このような職員の意識の醸成を図るとともに、職員が健康を保持しつつ業務に当たることができるよう、職場環境の整備を行うことが必要である」との提言がなされているところであり、当該提言については、同省から各都道府県等を通じて医療機関等へ周知しているところである。

また、平成二十六年の医療法(昭和二十三年法律第二百五号)の改正を踏まえ、医療機関の管理者に対してPDCAサイクルによる計画的な勤務環境の改善等を求めるとともに、各都道府県における「医療勤務環境改善支援センター」の設置を推進する等、政府としても、医療従事者の勤務環境の改善に取り組んできたところである。

なお、労働安全衛生法(昭和四十七年法律第五十七号)では、事業者に対し、長時間労働により疲労の蓄積が認められる労働者に対する医師による面接指導等の実施を義務付けているところである。

引き続き、医療安全の確保の観点からも、医療従事者の勤務環境の改善に取り組んでまいりたい。

参議院の原文

似た質問主意書

件名と質問本文の冒頭の意味が近いものを、前もって計算しておいた表から近い順に8件並べました(multilingual-e5-large)。同じ言葉を使っていなくても出ます。論点が少しずれていることもあります。

提出 2018年4月2日 川田 龍平 答弁 2018年4月10日
参議院 第196回 第59号検討してまいりたい ×1
提出 2008年6月12日 牧山ひろえ 答弁 2008年6月20日
参議院 第169回 第158号
提出 2010年4月12日 浜田 昌良 答弁 2010年4月20日
参議院 第174回 第57号
提出 2021年6月11日 早稲田 夕季(立憲民主党・無所属) 答弁 2021年6月25日
提出 2019年3月20日 早稲田 夕季(立憲民主党・無所属フォーラム) 答弁 2019年3月29日
衆議院 第198回 第104号趣旨が明らかではない ×2
提出 2017年6月14日 本村 賢太郎(民進党・無所属クラブ) 答弁 2017年6月27日
衆議院 第193回 第437号

件名の語が重なる質問主意書

提出 2007年4月17日 赤嶺 政賢(日本共産党) 答弁 2007年4月27日
提出 2002年7月2日 川田悦子(無所属) 答弁 2002年7月19日
衆議院 第154回 第119号お答えすることは困難 ×2

この論点で次の質問を書くなら

アシストで並べる