ことばで探す › 参議院 第200回
不発弾処理の費用負担に関する質問主意書
参議院 第200回 第42号お答えすることは困難 ×1趣旨が明らかではない ×2
質問本文
平成三十年二月、戦時中に投下されたとみられる不発弾の処理にかかる費用は行政機関が全額負担すべきだとして、費用の一部を支払った土地所有者三人が大阪市と国に約五百七十万円の返還を求めた訴訟の判決が大阪地方裁判所であり、大阪地裁は請求を棄却した。
大阪地裁は不発弾処理の費用について「国民が等しく受忍すべき戦争損害」と指摘し、自治体や国には特定の個人の利益を保護する役割はなく、「費用を負担しなかったのは裁量権の逸脱とは言えない」と判示した。
不発弾処理の費用を巡っては、高崎市や西東京市などが全額を負担しているが、川崎市や神戸市などは土地所有者らに支払いを求めており、自治体によって対応が分かれている。
この訴訟は、被告の国と大阪市が互いに責任を押しつけ合う展開となっていたと承知している。国は、一次的な責任は自治体と都道府県警察にあり、「自衛隊は求めに応じ専門的な作業をしただけ」と主張したのに対し、大阪市は、原因は「国策としての戦争」にあるとし、国に責任があると主張した。なお、両者とも明確には「土地所有者が負担すべきだ」という主張はしていなかったと承知している。
慶應義塾大学の大屋雄裕教授は「国と市に支払いを強制する法的根拠がない以上、この結論になるしかない。裁判で問うには適さない難しい問題だった」と指摘している。この訴訟では、不発弾処理の費用にかかる責任の所在はあいまいなままとなり、不発弾の撤去作業をした国(自衛隊)、関連経費を一部負担した大阪市、約五百七十万円の自己負担をした土地所有者らの三者が負担を分担しあう状況は司法の場で是正されなかった。大屋教授は「不発弾処理負担については、裁判で白黒つけるよりも何が社会的に公正なのか、立法や世論のなかで考えるべきだ」とも指摘している。
右を踏まえて、以下質問する。
一 現在、不発弾処理の費用負担についての国の制度は存在しているのか。存在しているとすればどの法令で定められているのか。
二 政府も、不発弾処理の費用は、「国民が等しく受忍すべき戦争損害」であり、自治体や国には特定の個人の利益を保護する役割はなく、「費用を負担しなかったのは裁量権の逸脱とは言えない」と認識しているのか。
三 過去の不発弾処理において、不適切な処理が行われ、物的、人的被害などが生じた事例を政府は把握しているのか。
四 不発弾処理は、専門的な知識を持った自衛隊員がまさに命がけで行うものと承知している。しかしながら、万が一、事故が生じた場合、周囲の家屋への物的被害や人的被害などが生じることも否定できない。このような観点からは不発弾処理の費用は「国民が等しく受忍すべき戦争損害」にとどまらないというべきであり、土地所有者の負担に帰すという現状は妥当なものとはいえないのではないか。政府の見解如何。
五 大屋教授の指摘するように、土地所有者が不発弾処理の費用負担をするのは、「国と市に支払いを強制する法的根拠がない」ことに尽きるもので、「裁判で白黒つけるよりも何が社会的に公正なのか、立法や世論のなかで考えるべき」ではないのか。政府の見解如何。
六 前記五に関連して、不発弾処理の費用については、政府は公的負担ができるように法制度を見直し、対策指針を策定すべきではないか。政府の見解如何。
右質問する。
政府答弁書
一、二及び四から六までについて
御指摘の「不発弾処理の費用」の意味するところが必ずしも明らかではないが、不発弾等に関する対策については、国又は地方公共団体による費用の負担を義務付ける法律は存在しないところ、戦後処理の一環として国が責任を持つとともに、住民の安全確保の観点から地方公共団体においても責任を持つという考え方に基づき、地方公共団体が必要な経費を負担して実施する不発弾等の探査及び発掘については、政府は、総務省設置法(平成十一年法律第九十一号)附則第二条第一項第七号の規定に基づき、当該事業を行う地方公共団体に対し、当該経費の二分の一以内に相当する額を不発弾等処理交付金として交付している。なお、沖縄県内の地方公共団体が必要な経費を負担して実施する不発弾等の探査及び発掘等については、不発弾等の処理量が極めて多い等の特殊事情に鑑み、政府は、沖縄振興特別措置法(平成十四年法律第十四号)附則第五条の二の規定に基づき、当該事業を行う同県に対し、当該経費の十分の九以内に相当する額を不発弾等処理交付金として交付している。また、これらの交付に併せて、地方交付税法(昭和二十五年法律第二百十一号)第十五条第一項の規定に基づく特別交付税に関する省令(昭和五十一年自治省令第三十五号)第四条第一項第一号の表第三十六号一及び第五条第一項第一号イの表第四号の規定により特別交付税措置を講じているところである。
地方公共団体が実施する不発弾等を処理するための事業であって不発弾等処理交付金を受けて実施するもの以外のものについては、同法第十五条第一項の規定に基づく同令第四条第一項第一号の表第三十六号二及び第五条第一項第一号イの表第四号の規定により特別交付税措置を講じているところである。
今後とも、こうした枠組みに基づき、適切に対応してまいりたい。
三について
お尋ねの「過去の不発弾処理において、不適切な処理が行われ、物的、人的被害などが生じた事例」の意味するところが明らかではないため、お答えすることは困難である。
似た質問主意書
件名と質問本文の冒頭の意味が近いものを、前もって計算しておいた表から近い順に8件並べました(multilingual-e5-large)。同じ言葉を使っていなくても出ます。論点が少しずれていることもあります。