ことばで探す › 衆議院 第171回
第二次世界大戦の不発弾処理に関する質問主意書
衆議院 第171回 第86号お答えすることは困難 ×3
質問本文
去る一月十四日午前八時二十分ごろ、沖縄県糸満市小波蔵の糸満市発注水道工事で、水道管埋設のため二十五歳の男性作業員がパワーショベルで地面を掘削中、突然爆発が起こる事故が発生した。当該作業員は顔面に重傷を負い、また、約五十メートル離れた特別養護老人ホーム「沖縄偕生園」の窓ガラス約百枚が爆発の衝撃波で割れ、入所者のお年寄りが足に軽傷を負うなどした。沖縄県警は、係る爆発は沖縄戦で使われた米国製二百五十キロ爆弾の不発弾によるものと断定している。
政府によると、一九七二年の沖縄本土復帰以降、二〇〇八年末まで、不発弾による人身事故は十六件起き、六人が死亡、五十六人が負傷している。戦後六十三年が経過した今なお、沖縄では戦争の負の遺産によって第二次世界大戦や沖縄戦とは直接には何の関係もない人々が苦しめられているのである。
こうした事態にもかかわらず、不発弾の磁気探査や処理にかかる費用は国が全額を負担せず、自治体への補助にとどまっているほか、被害者への補償は過去一度もなされていないなど、不発弾探査、処理、補償を巡っては国の理不尽な対応や制度上の矛盾がある。
以下、質問する。
一 第二次大戦で使用された不発弾について、国は一九五三年までは探査を国の直轄事業として位置づけ、本土復帰前だった沖縄を除く各都道府県に委託して実施していたという。それは事実か。一九四五年八月以降、国として不発弾探査をいつからいつまで、どのような形で実施したのか、処理にかかった費用を明らかにした上で、事実関係を詳細に示されたい。
二 都道府県に委託した国の不発弾探査は一九五三年で終了し、以後は自衛隊に委託されたというが事実か。事実であれば、なぜ都道府県への委託をやめたのか、理由を明らかにされたい。また、一九五三年以降、自衛隊はいつまで不発弾探査をしたのか、さらにその期間中、自衛隊が発見し、処理した不発弾は何発、重量でどれほどあるのか。年度別に明らかにした上で、自衛隊による不発弾探査が中止された理由を示されたい。
三 現在、不発弾探査の実施は事業発注者の判断に任せられている。こうした措置はいつから始まったのか、またその根拠となる法律があるのであれば明らかにされたい。その根拠となる法律がないのであれば、何を根拠に自治体など事業発注者の判断に任せているのか。どうしてこれまで法律が整備されなかったのか、政府の見解を明らかにされたい。
四 一九四五年八月から二〇〇八年十二月まで、都道府県別の不発弾発見数と、処理件数、総重量、処理にかかった費用総額を明らかにした上で、係る不発弾処理に対する政府の見解を示されたい。
五 沖縄県の不発弾探査に国の補助(地方交付税措置を含む)がなされたのは、本土復帰の一九七二年ではなく、その三年後の一九七五年からだという。それは事実か。事実であれば、なぜ沖縄では三年間も国の補助が手当てされなかったのか、理由を明らかにされたい。
六 都道府県や市町村が実施する不発弾の探査は、事業によって国の補助率が変わる。例えば都市公園整備では五割、下水道は三分の二、道路は八〜九割といった具合である。同じ不発弾探査なのに、なぜ事業種別によって補助率が変わるのか。政府は、補助対象の事業種とそれぞれの補助率を明らかにした上で、このように補助率が異なる理由を明らかにされたい。
七 市町村の不発弾探査に対する補助は、内閣府や農林水産省の事業に伴うものであれば十割補助だが、国土交通省は事業種によって補助率が変わる。事業によって所管官庁が違うためだと考えるが、まさしく縦割り行政の弊害ではないか。そもそも同じ不発弾処理に係る事業であるにもかかわらず、なぜ所管官庁が違えば補助率が変わるのか。政府は、事実関係と各事業種別の補助割合の根拠となる法律をそれぞれ明らかにした上で、現行の不発弾処理制度を改革し、省庁横断的に一元化する意図はあるのか、見解を示されたい。
右質問する。
政府答弁書
一及び二について
経済産業省において確認できた範囲では、通商産業省(当時)は、昭和二十七年度から昭和三十二年度までの間に、爆薬処理費として合計一億三千七百五十四万七千円の予算を計上し、都道府県(当時)に委託して、旧日本陸海軍が終戦時に遺棄した陸上の爆薬等の爆発物件を処理している。
防衛省において確認できた範囲では、自衛隊は、昭和三十三年から発見された不発弾等の処理を開始しているが、復帰後の沖縄県を除き、不発弾等の探査及び発掘を行ったことはない。
この外のお尋ねの事項については、現時点において資料を確認することができず、お答えすることは困難である。
三について
不発弾等の探査の経緯については、現時点において資料を確認することができず、お答えすることは困難であるが、その実施の必要性の有無については、それぞれの工事等を実施する者が、当該工事等の地域性、特性等を踏まえて判断してきたところである。ただし、沖縄県については、昭和四十九年五月十三日に、沖縄開発庁沖縄総合事務局(当時)、沖縄県等で構成する沖縄不発弾等対策協議会による「埋没不発弾等の事前探査要領(暫定)」において、公共事業の安全かつ円滑な推進を図るため、当分の間の公共事業の実施に当たり行う不発弾等の探査について定めている。
四について
経済産業省において確認できた範囲では、通商産業省(当時)は、一及び二についてでお答えした予算を計上し、昭和二十九年度から昭和三十二年度までの間に、合計約九百六十一トンの陸上の爆薬等の爆発物件を処理している。
自衛隊は、昭和三十三年度から平成十九年度までの間に、全国で十二万二千二百四件の不発弾等を処理し、その総量は約五千七百五十八トンである。このうち、沖縄県では、復帰から平成十九年度までの間に、二万九千五百六十七件の不発弾等を処理し、その総量は約千五百六十五トンである。
警察庁において把握している平成十九年及び平成二十年の不発弾等の発見・届出を受けた都道府県別の件数及び不発弾等の数については、次のとおりである。
北海道 三十五件 百二十五個
青森県 十五件 十六個
岩手県 十三件 百三十三個
宮城県 二十九件 三百三十七個
秋田県 七件 百三十個
山形県 十一件 十三個
福島県 十九件 二十九個
東京都 百三十二件 千六百八十一個
茨城県 三十四件 七百二十六個
栃木県 十三件 四十二個
群馬県 二十三件 八十七個
埼玉県 三十九件 百四十三個
千葉県 七十一件 五百六十六個
神奈川県 九十七件 三百六十九個
新潟県 四十四件 百二十六個
山梨県 二十七件 三十二個
長野県 三十一件 五十個
静岡県 十二件 七十四個
富山県 九件 十一個
石川県 十二件 二十一個
福井県 六件 八個
岐阜県 十四件 十五個
愛知県 百十一件 四百三個
三重県 二十一件 二十七個
滋賀県 十二件 十八個
京都府 二十三件 五十五個
大阪府 五十件 四百六十二個
兵庫県 四十二件 二百三個
奈良県 六件 七個
和歌山県 五件 九個
鳥取県 一件 一個
島根県 九件 十三個
岡山県 三十一件 四十一個
広島県 三十九件 百五十四個
山口県 二十三件 九十三個
徳島県 十二件 百五十七個
香川県 十二件 十七個
愛媛県 十三件 二十個
高知県 二十二件 二百三十一個
福岡県 五十九件 千百一個
佐賀県 十一件 四十一個
長崎県 三十七件 百四個
熊本県 十五件 三十五個
大分県 二十七件 二百九十六個
宮崎県 十一件 四十一個
鹿児島県 三十八件 五十四個
沖縄県 千三百三十九件 二万二千七百六十四個
この外のお尋ねの事項については、現時点において確認することができず、お答えすることは困難である。
五について
沖縄県における不発弾等の処理については、地上に放置された不発弾等を先行処理していた。このため、政府としては、沖縄県に対し、復帰の翌年度の昭和四十八年度から、不発弾等の保安管理に要する施設の確保や、自衛隊が行う不発弾等の処理のうち、信管除去及び海中投棄準備作業に要する用地の確保に係る経費について交付金を交付し、さらに、昭和五十年度から、地中に埋没している不発弾等の探査及び発掘等に係る経費についても交付金を交付している。これに併せて、特別交付税により所要の措置を講じているところである。
六及び七について
国庫補助による公共事業等の実施の際に行われる不発弾等の探査については、公共事業等の一部として又はその実施の前段階に実施されているものであり、御指摘の不発弾等の探査を含む当該事業における国の補助率については、沖縄振興特別措置法(平成十四年法律第十四号)等に基づくそれぞれの補助制度等の趣旨及び目的にかんがみ定めているものである。このため、国庫補助による公共事業等における不発弾等の探査のみについて、同一の補助率を一元的に定めることは現時点では困難と考えている。
似た質問主意書
件名と質問本文の冒頭の意味が近いものを、前もって計算しておいた表から近い順に8件並べました(multilingual-e5-large)。同じ言葉を使っていなくても出ます。論点が少しずれていることもあります。