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「在外ネット投票でしか投票できない有権者」の存在に関する質問主意書

参議院 第210回 第37号

提出者
参議院
提出日
2022年11月10日
内閣転送 2022年11月16日
答弁書受領日
2022年11月22日
提出から12日
答弁の項目数
2
質問 798字/答弁 1,056字

質問本文

現在、世界には日本政府が在外公館を設置してない国が二〇二二年一月時点で四十二か国ある(外務省の発表情報)。当然これらの国では在外公館投票は不可能であり、わざわざ他国の在外公館に行くか、郵便投票しか選択肢がない。

さらに、日本郵便のウェブサイトによると、世界二百四十か国中八十四か国が十一月二日現在、日本からの発送に関して航空便及びEMSが不可となっている。これらの国においては当然郵便投票もできない。この両方に該当する、すなわち滞在国での在外公館投票も郵便投票も不可能な国が二十三か国ある。

一 これら二十三か国に住む有権者には、理論上滞在国において在外投票をする方法が存在しない。この事実を政府は認識しているか。

二 在外公館未設置国並びに航空便及びEMSの発送が不可となっている国における在外投票について、政府は投票の実情をどの程度把握しているか。把握している情報を説明されたい。

また、実情を把握していない場合には把握の努力を行うべきではないか。政府の見解を伺う。

三 これらの在外投票する方法が存在しない、または在外投票をすることが事実上困難なケースが存在する問題について、政府はどのように解決するつもりなのか。

四 このようなケースについて、在外ネット投票を導入すれば、根本的な解決策となり得ると考えるが、政府の認識を伺う。

五 第二百十回国会において審議されている在外国民審査の違憲状態を解消する法改正案(最高裁判所裁判官国民審査法の一部を改正する法律案)を政府内で検討する過程で、ネット投票の導入が国民審査における違憲状態の解消につながるだけではなく、このような投票困難事例への救済策となり得るという視点での検討、すなわち違憲状態解消の「選択肢としてのネット投票導入」の検討はなされたのか。されたのならばその内容を、されなかったのならばその理由を具体的に説明されたい。

右質問する。

参議院の原文・経過

政府答弁書

一から三までについて

在外選挙人名簿に登録されている選挙人は、公職選挙法(昭和二十五年法律第百号)第四十九条の二第一項第一号に規定する在外公館等における在外投票(以下「在外公館投票」という。)、同項第二号に規定する郵便等による在外投票及び日本国内における投票を行うことができるとされている。

在外公館投票を実施する在外公館がなく、かつ、日本からの国際スピード郵便を含む全ての航空便の引受停止の措置を講じている国が令和四年十一月二日時点において二十三箇国あること及び当該国の一部に在外選挙人名簿に登録されている選挙人が存在することは承知しているが、当該選挙人の投票機会を確保するため、第二十六回参議院議員通常選挙の管理執行について、「在外郵便等投票のための投票用紙の発送について」(令和四年六月二日付け総務省自治行政局選挙部管理課事務連絡)において、「EMSや航空便の利用による投票用紙の発送ができない場合等には、あらかじめ在外選挙人へ説明の上、国際宅配便を利用することも差し支えない」と各選挙管理委員会に対して周知しているところである。また、外務省のホームページでは、在外選挙人名簿に登録されている選挙人の居住国や居住地域に限らず、在外公館投票を実施しているどの在外公館でも投票することができることにつき周知しているところである。

四及び五について

お尋ねの在外選挙におけるインターネット投票は、在外選挙人名簿に登録されている選挙人の利便性を高めることができるものと考えており、総務省に設置された「投票環境の向上方策等に関する研究会」の平成三十年八月の報告書において、一定の対応方策を講ずることにより、実現に向けた技術面・運用面の大きな課題は解決できること等が示され、同省において検討を進めているところであるが、その導入に向けては、個人番号カードの国外での継続利用を前提とした本人確認、二重投票の防止、投票の秘密の確保、セキュリティ対策等の論点について確実に対応する必要があり、また、各党各会派における議論も踏まえる必要があると考えており、政府としては、着実に検討を進めているところである。

一方、令和四年五月二十五日最高裁判所大法廷判決は、在外邦人に対して「次回の国民審査において審査権を行使させないことは違法である」と判示しており、在外邦人の最高裁判所裁判官国民審査における審査権行使の機会を保障する措置を早急に講ずる必要があるため、御指摘の法律案においては、インターネット投票は採用しなかったところである。

参議院の原文

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