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匿名・流動型犯罪グループに関する質問主意書

参議院 第219回 第4号お答えすることは困難 ×2趣旨が明らかではない ×7仮定の質問 ×1

提出者
参議院
提出日
2025年10月21日
内閣転送 2025年10月27日
答弁書受領日
2025年10月31日
提出から10日
答弁の項目数
6
質問 2,203字/答弁 2,143字

質問本文

匿名・流動型犯罪グループは、詐欺、強盗・窃盗等の各種犯罪によって得た収益を吸い上げる中核部分は匿名化され、SNSを通じてメンバー同士が緩やかに結び付くなどの特徴を有する。SNS上で高額な報酬を示唆して犯罪の実行者を募集し、応募してきた者に犯罪を実行させるなど、その実行者を言わば使い捨てにしている実態がみられる。これらの犯罪をめぐる情勢は極めて深刻な状況にあり、治安上の脅威となっている。そのため、匿名・流動型犯罪グループを撲滅することが肝要である。

以上を踏まえて、以下質問する。

一 匿名・流動型犯罪グループが関与する犯罪への対策として、政府は、法改正や警察組織の体制整備等を行っていると承知している。その一方で、匿名・流動型犯罪グループが関与する犯罪は増加しており、被害は拡大し続けている。現状、匿名・流動型犯罪グループが関与する犯罪への対策が被害の拡大に追いついていないと考えるが、政府の見解を示されたい。

二 匿名・流動型犯罪グループが関与する悪質ホストクラブ問題への対応として、第二百十七回国会において「風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律の一部を改正する法律(令和七年法律第四十五号)」が成立し、一部を除き施行された。しかし、悪質ホストクラブ問題の被害は期待されたほど減っておらず、街頭で売春の客待ち等を行ういわゆる「立ちんぼ」は増えていると認識している。現在の悪質ホストクラブ問題に係る被害状況について政府の認識を示されたい。あわせて、政府の対策及びその効果を示されたい。

三 悪質ホストクラブ問題に関しては、匿名・流動型犯罪グループと密接な関係にあるエージェントが、海外における売春をあっせんする事案が発生しており、そうした事案の撲滅が喫緊の課題となっている。こうしたエージェントに係る具体的な情報が写真などと共に被害者や関係者から提供されたにもかかわらず、特段進展がないまま二年近くが経過しようとしている事案もある。慎重な捜査が肝要であることは承知しているが、命懸けで情報提供した被害者等に何度も警察署に足を運ばせるなど、情報提供者に過度に依存した捜査が行われているといった疑念を招きかねない。こうしたエージェントの迅速かつ確実な検挙に向けて主体的かつ積極的に捜査等を行っているのか、政府の取組状況を示されたい。また、海外における売春あっせん事案に関し、警察等の活動による具体的な成果を示されたい。

四 海外での売春をあっせんする組織を始めとする犯罪組織への捜査に時間を掛けるほど、犯罪組織に捜査を察知され、組織を一旦畳み別組織を立ち上げるなどのいわゆる「検挙逃れ」につながるリスクが高まる。このような検挙逃れを許すことは絶対にあってはならないと考えるが、政府の見解を示されたい。加えて、犯罪組織に係る確度の高い情報提供があるにもかかわらず、警察が積極的に捜査をせず、犯罪組織に検挙逃れを許すことが常態化すれば、警察に情報提供した被害者や内部告発者が、今後、情報提供しなくなる可能性もあると考えるが、政府の認識を示されたい。また、以上の指摘を踏まえて、犯罪組織に対する今後の捜査の考え方や方針を示されたい。

五 政府が匿名・流動型犯罪グループに対する各種取組を行っていることは承知しているが、匿名・流動型犯罪グループの撲滅に向けた具体的な数値目標や撲滅に至るまでの年限を含むロードマップなどは示されていない。匿名・流動型犯罪グループが引き起こす各種犯罪に対する具体的な数値目標や匿名・流動型犯罪グループ撲滅に向けたロードマップ、今後の方向性等を具体的に示すべきと考えるが、政府の見解を示されたい。

六 匿名・流動型犯罪グループは、フィリピン、カンボジア、ミャンマー、ラオス等、東南アジアを中心に海外拠点を設け、日本人に対する詐欺などを行っている。また、海外拠点で犯罪が行われることで、現地の治安が悪化し、日本及び日本人の印象を悪くしていると考える。海外拠点の取締りのために政府が行っている各国の捜査機関との協力を始めとする取組及びその成果を示されたい。加えて、フィリピンを始めとする海外における日本人による犯罪数の推移等について政府の認識を示されたい。

七 匿名・流動型犯罪グループによる犯罪を撲滅するためには、使い捨てにされている末端の実行者を検挙するだけでは不十分であり、首謀者や指示役の検挙、海外拠点の取締り、悪用されている通信手段に係る対策といった匿名・流動型犯罪グループそのものの解体につながる取組、抜本的な対策が必要と考える。匿名・流動型犯罪グループを解体・撲滅するため、政府は今後どのような対策を講ずる予定か、具体的に示されたい。

八 匿名・流動型犯罪グループに対抗するためには、既存の枠組みにとらわれない警察の捜査体制の構築が重要であると考える。警察庁・警視庁は令和七年十月、匿名・流動型犯罪グループ対策に係る新組織を設置したが、新組織に配置する人材とその規模、新組織に期待される成果を示されたい。また、新組織については、海外の体制や機関を参考に体制を構築することが重要であると考えるが、海外の組織体制を調査・研究しているか示されたい。海外の組織体制を調査・研究している場合、調査・研究の対象、新組織の参考とした機関等について具体的に示されたい。

右質問する。

参議院の原文・経過

政府答弁書

一、七及び八について

お尋ねについては、令和七年四月二十二日の犯罪対策閣僚会議で決定した「国民を詐欺から守るための総合対策二・〇」(以下「総合対策」という。)において、「対策が進むにつれ、犯人側は、それに応じて手口を巧妙に変化させている」とされているところ、政府としては、総合対策に基づき、「地方公共団体、民間事業者、外国当局や国際機関等国際社会とも連携・協力」しながら、「各種サービスやインフラの不正利用を防止するための取組」や「変化する欺罔の手口の国民への迅速かつ実効的な広報・注意喚起」等の各種施策を強力に推進しているところであり、「手口の変化に応じて機敏に対策をアップデート」してまいりたい。また、一連の施策の一つとして、御指摘の「匿名・流動型犯罪グループ」の「解体・撲滅」のため、同年十月に組織犯罪又はサイバー犯罪への対策に精通した約四十人の職員を配置した匿名・流動型犯罪グループ情報分析室を警察庁長官官房企画課に設置したほか、同月に組織犯罪対策に精通した捜査員を中心に約二百四十人の職員を配置した匿名・流動型犯罪グループ対策本部が警視庁に設置されたところである。さらに、お尋ねの「海外の組織体制」の「調査・研究」については、その具体的に意味するところが必ずしも明らかではないが、警察においては、平素から関係国の捜査当局と緊密に意見交換及び情報交換を行っており、捜査当局の体制等についての必要な情報収集に努めているところである。

二について

お尋ねの「被害状況」及び「政府の対策」の「効果」の具体的に意味するところが必ずしも明らかではないが、政府としては、御指摘の「悪質ホストクラブ問題」について、引き続き深刻な問題であると認識しており、被害の防止のための広報啓発を実施するとともに、善良の風俗の保持等の観点から、いわゆる「ホストクラブ」の実態把握に努めているほか、悪質な違法行為については風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律(昭和二十三年法律第百二十二号)違反で検挙するなど、関係法令に基づき適切に対処しているところである。また、これらの対策の効果については、様々な観点から総合的に評価されるものであり、一概にお答えすることは困難である。

三について

御指摘の「エージェント」並びにお尋ねの「捜査等」及び「具体的な成果」の具体的に意味するところが必ずしも明らかではないが、お尋ねのような事案について、職業安定法(昭和二十二年法律第百四十一号)第六十三条第二号の罪で検挙するなど、これまでも取締りを行ってきたところであり、引き続き、法令に違反する行為が認められれば、法と証拠に基づき厳正に対処することとしている。

四について

御指摘の「検挙逃れ」については、その具体的に意味するところが必ずしも明らかではないが、御指摘の「犯罪組織」による犯罪であるか否かにかかわらず、刑罰法令に触れる行為を認めた場合には、法と証拠に基づき厳正に対処することとしている。また、御指摘の「犯罪組織に係る確度の高い情報提供があるにもかかわらず、警察が積極的に捜査をせず、犯罪組織に検挙逃れを許すことが常態化」した場合の「情報提供」が行われなくなる「可能性」については、仮定の質問であることからお答えすることは差し控えたいが、いずれにせよ、引き続き、首謀者の検挙を始めとした犯罪組織の壊滅に向けた取組を推進してまいりたい。

五について

御指摘の「匿名・流動型犯罪グループ撲滅に向けたロードマップ」の具体的に意味するところが必ずしも明らかではないが、御指摘の「匿名・流動型犯罪グループが引き起こす各種犯罪に対する具体的な数値目標」については、例えば、国家公安委員会及び警察庁が実施した政策評価である「令和六年度実績評価書」(令和七年八月公表)において、「匿名・流動型犯罪グループの主な資金獲得犯罪である特殊詐欺」に係る「認知件数及び被害総額」、「検挙件数及び検挙人員」及び「中枢被疑者の検挙人員」を指標として「達成目標」を設定し取組の評価を行っており、これらの評価も踏まえ、「今後の取組の重点」を示しているところである。

六について

前段のお尋ねについては、お尋ねの「その成果」の具体的に意味するところが必ずしも明らかではないが、警察においては、関係国との二国間協議を実施するとともに、犯罪対策に関する国際会議に積極的に参画しているほか、外務省とも連携しながら、現地の捜査当局との協力・連携を強化し、特殊詐欺等の海外拠点の摘発に向けた捜査を推進しており、例えば、令和七年二月から八月までの間において、タイ、カンボジア、フィリピン及びマレーシアから送還された特殊詐欺に係る日本人の被疑者四十一人を我が国警察当局において検挙している。

後段のお尋ねについては、お尋ねの「フィリピンを始めとする海外における日本人による犯罪数の推移等」の具体的に指し示す範囲が必ずしも明らかではないため、網羅的にお答えすることは困難であるが、在外公館が邦人援護を通じて把握した国外における日本人による犯罪の認知件数は、令和三年においては百四十四件、令和四年においては百十六件、令和五年においては二百七十三件であった。

参議院の原文

この答弁書に出てくる定型句

お答えすることは困難 ×2趣旨が明らかではない ×7仮定の質問 ×1

語の一致で数えたものです。答弁の評価ではありません。同じ型の答弁が過去にどれだけあるかは、型を押すと出ます。

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