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ネットオークションにおけるアイヌ民族の戸籍簿の売買に関する質問主意書

参議院 第219回 第75号お答えすることは困難 ×2趣旨が明らかではない ×2

提出者
参議院
提出日
2025年12月16日
内閣転送 2025年12月17日
答弁書受領日
2025年12月26日
提出から10日
答弁の項目数
4
質問 1,328字/答弁 1,753字

質問本文

全国的な戸籍として一八七二年から編製された壬申戸籍には犯罪歴や身分が記載された。また、地域によっては、新平民、元非人などの賤称も記載された。こうした記載が就職や結婚に際して悪用されるなどの差別につながったため、法務省は一九六八年に回収と厳重保管を通達し、壬申戸籍は閲覧禁止となった。北海道立文書館などでは、旧土人戸籍や給与地は非公開となっている。

二〇二五年十二月、アイヌ民族の戸籍簿と称するものがネットオークションで売買されていたと報道された。過去にもネットオークションで壬申戸籍の売買が行われたが、出品者の特定や回収、再発防止は制度化されていない。これは、アイヌ民族への差別を助長し、人権を毀損するだけにとどまらず、「全国部落調査」復刻版出版事件や「部落探訪」削除裁判にもつながる問題である。差別されない権利の保障と個人情報保護の観点から、戸籍法(昭和二十二年法律第二百二十四号)や特定電気通信による情報の流通によって発生する権利侵害等への対処に関する法律(平成十三年法律第百三十七号。以下「情報流通プラットフォーム対処法」という。)の問題点の解消を踏まえた新たな制度の検討が求められる。

以上を踏まえて、以下質問する。

一 前記報道によれば、アイヌ民族の戸籍簿は、表紙に「旧土人戸籍写 豊栄尋常小学校」と書かれており、「同校の児童とみられる個人名と両親の名前、性別、生年月日」等が記されていた。差別を助長する戸籍簿がネットオークションで売買されていたことを政府は把握していたか示されたい。把握していた場合、どのように対応したか示されたい。把握していない場合や対応していない場合、今後対応する予定があるか示されたい。

二 戸籍法は、「偽りその他不正の手段」により戸籍謄本等の交付を受けた場合等を罰則の対象としているが、これ以外の入手手段については罰則の対象としていない。ネットオークションにおける戸籍簿の売買は、「偽りその他不正な手段」に該当するか示されたい。また、出品者の特定及び戸籍簿の回収を速やかに行い、規制の対象とすることを検討すべきと考えるが、政府の見解を示されたい。

三 二〇二五年四月一日に施行された情報流通プラットフォーム対処法は、インターネット上の誹謗中傷や権利侵害への対応を強化するための法律であり、大規模プラットフォーム事業者に対して、削除対応の迅速化及び運用状況の透明化に係る義務を定め、これらの義務に違反した場合の罰則を定めている。

総務省は情報流通プラットフォーム対処法に規定する大規模特定電気通信役務提供者に「LINEヤフー株式会社」を指定している。しかし、壬申戸籍やアイヌ民族の戸籍簿が売買された「Yahoo!オークション」は、LINEヤフー株式会社が提供するサービスである。厳重保管となっている戸籍簿の売買が行われ続ける状況に鑑み、政府は、「Yahoo!オークション」を提供するLINEヤフー株式会社に対して勧告等の措置を講ずるべきと考えるが、見解を示されたい。

四 ネットオークションでこれまでに売買された壬申戸籍やアイヌ民族の戸籍簿について、政府はどのように回収を行い、再発防止に努めるか示されたい。

右質問する。

参議院の原文・経過

政府答弁書

一について

お尋ねの「アイヌ民族の戸籍簿」及び「差別を助長する戸籍簿」の意味するところが必ずしも明らかではないが、御指摘の「アイヌ民族の戸籍簿と称するものがネットオークションで売買されていた」との報道があったことについては承知しており、現在、関係省庁において事実関係の把握に努めているところである。

二の前段について

戸籍法(昭和二十二年法律第二百二十四号)第百三十五条は、「偽りその他不正の手段」により、戸籍謄本等の交付を受けた者等に対する罰則を定めたものであるところ、お尋ねの「ネットオークションにおける戸籍簿の売買」については、その意味するところが必ずしも明らかではなく、また、犯罪の成否は、捜査機関により収集された証拠に基づき個々に判断されるべき事柄であることから、同条に定める「偽りその他不正の手段」に該当するかとのお尋ねについてお答えすることは困難である。

二の後段及び四について

戸籍簿のうち御指摘の「壬申戸籍」は、明治四年に制定された戸籍法(明治四年太政官布告第百七十号)に基づき作成された戸籍簿であり、身分の記載もあるなど、厳重に管理すべきものであることから、令和元年五月二十三日の参議院法務委員会において、政府参考人が「いかなる者に対しても閲覧をさせないこと、またさらに、保存期間を経過したものは廃棄処分とした後、法務局又は市町村において厳重に包装、封印した上保管」していると述べた上で、「壬申戸籍がネットオークションに出品されるなどしていることが判明した場合には、法務省におきましては、出品者等に対して壬申戸籍の性質等について丁寧に説明をして、事情を御理解をしていただいた上で、回収に応じていただけるようお願いをしているところ・・・これまでの事案では、繰り返し丁寧に説明することによりまして出品者等に回収に応じていただいて」いると答弁しているとおりであり、今後もこうした取組を継続していきたいと考えている。

戸籍簿のうち明治十九年に御指摘の「壬申戸籍」から様式が変更されて以降のものについては、一般に流通した事例が確認されておらず、お尋ねの「規制の対象とすること」については検討していない。

また、御指摘の「アイヌ民族の戸籍簿」の意味するところが明らかではないため、「出品者の特定及び戸籍簿の回収を速やかに行い、規制の対象とすることを検討すべきと考えるが、政府の見解を示されたい」及び「政府はどのように回収を行い、再発防止に努めるか」とのお尋ねについてお答えすることは困難である。

三について

特定電気通信による情報の流通によって発生する権利侵害等への対処に関する法律(平成十三年法律第百三十七号。以下「法」という。)において、法第二条第十四号に規定する大規模特定電気通信役務提供者は、その提供する大規模特定電気通信役務(法第二十条第一項に規定する大規模特定電気通信役務をいう。以下同じ。)を利用して行われる特定電気通信による情報の流通に関し、法第五章に規定する義務を負い、法第三十条の規定により、法第二十二条、第二十四条、第二十五条、第二十六条第一項若しくは第三項、第二十七条又は第二十八条の規定に違反していると認められるときは、総務大臣による勧告及び命令の対象となる。ここでいう大規模特定電気通信役務について、法第二十条第一項第三号は「当該特定電気通信役務が、その利用に係る特定電気通信による情報の流通によって権利の侵害が発生するおそれの少ない特定電気通信役務として総務省令で定めるもの以外のものであること」と定めており、特定電気通信による情報の流通によって発生する権利侵害等への対処に関する法律施行規則(令和四年総務省令第三十九号)第八条第六項第一号において、法第二十条第一項第三号の総務省令で定めるものとして、「不特定の利用者間の交流を主たる目的としたものでないもの」と規定しているところ、御指摘の「Yahoo!オークション」は、「不特定の利用者間の交流を主たる目的としたものでないもの」に該当するため、現時点において、大規模特定電気通信役務に該当せず、法第五章の規定は適用されないことから、法第三十条の規定による総務大臣による勧告及び命令の対象とはならないものと考えている。

参議院の原文

この答弁書に出てくる定型句

お答えすることは困難 ×2趣旨が明らかではない ×2

語の一致で数えたものです。答弁の評価ではありません。同じ型の答弁が過去にどれだけあるかは、型を押すと出ます。

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