ことばで探す › 参議院 第221回
ホルムズ海峡の封鎖等の影響により事業活動を縮小した事業主を迅速に支援するための雇用調整助成金の要件見直し等に関する質問主意書
参議院 第221回 第53号お答えすることは困難 ×1趣旨が明らかではない ×3仮定の質問 ×1
質問本文
中東情勢の緊迫化及びホルムズ海峡の封鎖に伴い、原油、ナフサその他石油由来原材料の供給制約が生じ、石油化学製品等を製造する工場において操業停止・減産等の事業活動の縮小が相次いでいると報じられている。今回の原因は、景気後退等による需要減少ではなく、原材料の入手困難等による供給制約である。
厚生労働省ウェブサイトは、雇用調整助成金について、「原材料の入手困難や価格高騰等に伴い、事業活動を縮小し、休業等を余儀なくされた場合、要件を満たせば支給対象になります。」と説明している。また、「景気の変動、産業構造の変化その他の経済上の理由により、事業活動の縮小を余儀なくされた事業主が、一時的な雇用調整(休業、教育訓練または出向)を実施することによって、従業員の雇用を維持した場合」に助成するとし、その要件として、「売上高又は生産量などの事業活動を示す指標について、その最近三か月間の月平均値が前年同期に比べて十%以上減少していること。」(以下「当該要件」という。)等を満たす必要がある。
しかし、今回のように原材料の入手困難等によって突発的に事業活動の縮小が発生した場合、一定期間を経なければ当該要件を満たせない。このため、厚生労働省が支給対象となり得るとしている事案でも、事業活動の縮小直後の最も厳しい時期に迅速な支給を受けられないおそれがある。また、今後、国際情勢の悪化その他の要因に伴う原材料供給の途絶により、更なる事業活動の縮小が発生する可能性は否定できない。
以上を踏まえて、以下質問する。
一 雇用調整助成金について、輸入の停滞等に伴う原材料の入手困難等によって事業活動の縮小を余儀なくされた場合でも、当該要件を満たさなければ、原則として支給対象にならないと理解してよいか示されたい。
二 今回のホルムズ海峡をめぐる情勢悪化のように、需要減少ではなく供給制約によって事業活動の縮小が生じる場合、現行の雇用調整助成金の要件では「従業員の雇用を維持した場合」に十分な助成ができていないと考えるが、政府の認識を示されたい。
三 原材料の入手困難等によって事業活動の縮小を余儀なくされた場合、当該要件によって雇用調整助成金を迅速に支給できない。「原材料の供給制約により事業活動の継続が困難となっている場合」にも支給できるよう要件を見直す考えはあるか、政府の認識を示されたい。
四 ホルムズ海峡の封鎖によって、一部の事業者において原材料の入手困難等が生じている現状を踏まえ、原材料の供給制約、輸入の停滞その他サプライチェーン上の支障が、取引先との契約書、納入遅延通知、輸入停止通知その他客観的資料により確認できる場合には、当該要件を満たすことなく、迅速に雇用調整助成金を支給可能とする運用又は制度改正を行う考えはあるか、政府の認識を示されたい。
五 我が国経済が海外からの原材料及び燃料供給に依存している現状を踏まえ、雇用調整助成金について、景気後退等による需要減少だけでなく、原材料の入手困難等による供給制約を原因とした事態にも対応できる制度へ見直す必要があると考えるが、政府の認識を示されたい。
六 ホルムズ海峡の封鎖その他国際情勢の悪化に伴う原材料の入手困難等により、今後、雇用調整助成金の申請件数及び支給額が大幅に増加する可能性について、政府の認識を示されたい。
七 前記六の事態が生じた場合、雇用調整助成金に係る財源が不足する可能性について、政府の認識を示されたい。
八 雇用調整助成金について、供給制約を原因とする事態への対応として支給要件を緩和する場合、雇用保険二事業に係る積立金の積増し、一般会計からの繰入れその他必要な財源措置を講ずる必要があると考えるが、政府の認識を示されたい。
九 新型コロナウイルス感染症拡大時、雇用調整助成金の特例措置及び財源措置のために法改正等が実施されたことを踏まえ、今回のような大規模な供給制約を原因とする事態への対応に当たっても、新たな特別措置法の制定又は雇用保険法(昭和四十九年法律第百十六号)等の改正が必要と考えるが、政府の認識を示されたい。
右質問する。
政府答弁書
一について
お尋ねのとおりである。
二について
雇用調整助成金の支給手続については、「雇用関係助成金支給要領」(平成二十五年五月十六日付け職発〇五一六第一九号・能発〇五一六第〇四号・雇児発〇五一六第〇九号厚生労働省職業安定局長、職業能力開発局長及び雇用均等・児童家庭局長連名通知別添一)において示しているとおり、「事業所の所在地を管轄する都道府県労働局」において、事業主が提出した「雇用調整助成金休業等実施計画(変更)届」等を審査し、支給決定を行うこととしているところである。
その上で、お尋ねの「十分な助成ができていない」の意味するところが必ずしも明らかではないが、厚生労働省の集計によれば、御指摘の「今回のホルムズ海峡をめぐる情勢」に伴い、事業主から、令和八年三月三十日から同年六月九日までの約二箇月間で、二百六十四件の「雇用調整助成金休業等実施計画(変更)届」の提出があり、都道府県労働局において、順次、審査を行い、同日現在で、七件の支給決定を行っているところであり、雇用調整助成金の支給が必要な事業主において、適切に活用されているものと考えている。
三について
御指摘の「迅速に支給できない」の意味するところが必ずしも明らかではないが、御指摘の「当該要件」については、「雇用関係助成金支給要領」において、「生産量(額)、販売量(額)又は売上高等事業活動を示す指標・・・の最近三か月間の月平均値が前年同期・・・に比べ十パーセント以上減少している事業所の事業主」と示しているところ、当該「最近三か月間の月平均値」に関しては、御指摘のような「原材料の入手困難等によって事業活動の縮小を余儀なくされた場合」も含め、令和八年六月四日の衆議院予算委員会において、高市内閣総理大臣が「直近一か月の生産量などが大きく落ち込んだことにより、直近一か月ですぐに生産量要件を満たして雇用調整助成金の対象となる場合はございます」と答弁しているとおりであり、必ずしも三箇月間、御指摘の「事業活動の縮小」が継続していることを求めているものではなく、お尋ねのように「要件を見直す」ことは考えていない。
四について
雇用調整助成金の支給に当たっては、その適正な支給の観点から、二について及び三についてで述べたとおり、事業主が「雇用調整助成金休業等実施計画(変更)届」を提出することや、「生産量(額)、販売量(額)又は売上高等事業活動を示す指標・・・の最近三か月間の月平均値が前年同期・・・に比べ十パーセント以上減少している」こと等が確認できることなどが必要であると考えており、御指摘のような「原材料の供給制約、輸入の停滞その他サプライチェーン上の支障」が「取引先との契約書、納入遅延通知、輸入停止通知その他客観的資料により確認できる」ことのみをもって、「当該要件を満たすことなく」支給することは適当ではないと考えている。いずれにせよ、御指摘のような「原材料の入手困難等が生じている」場合であっても、「当該要件」等を満たす場合には、「雇用調整助成金を支給可能とする運用」としているところであり、お尋ねのように「制度改正を行う」ことは考えていない。
五について
雇用調整助成金については、御指摘の「原材料の入手困難等による供給制約を原因とした事態」においても、適切に「対応できる制度」であると考えており、当該制度を見直す予定はない。
六及び七について
お尋ねの「大幅に増加する可能性」及び「不足する可能性」については、仮定の質問であることからお答えすることは差し控えたいが、いずれにせよ、引き続き、事業主から雇用調整助成金の申請があれば、適切に対応してまいりたい。
八について
御指摘のような「支給要件」の「緩和」について、現時点では検討を行っていないため、それを前提としたお尋ねについてお答えすることは困難である。
九について
御指摘の「今回のような大規模な供給制約を原因とする事態」の意味するところが必ずしも明らかではないが、いずれにせよ、雇用調整助成金については、「供給制約を原因とする事態」にも対応しているものであるところ、令和八年六月一日の参議院決算委員会において、上野厚生労働大臣が「コロナ禍での雇用調整助成金の特例措置は、国が事業者や国民に対し強い休業要請を行った際の異例の対応でありますので、今般の状況とは性質的にも大分異なるものではないかと考えておりますが、また、現時点では雇用調整助成金の活用を具体的に検討する段階に至っている事業者は少なく、要件緩和など特例措置を行う状況にはないと考えておりますけれども、引き続き状況については十分注視していきます」と答弁しているとおりであり、現時点で、お尋ねのように「新たな特別措置法の制定又は雇用保険法(昭和四十九年法律第百十六号)等の改正が必要」とは考えていない。
この答弁書に出てくる定型句
お答えすることは困難 ×1趣旨が明らかではない ×3仮定の質問 ×1
語の一致で数えたものです。答弁の評価ではありません。同じ型の答弁が過去にどれだけあるかは、型を押すと出ます。