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高レベル放射性廃棄物の最終処分場の建設計画に関する質問主意書
参議院 第221回 第64号お答えすることは困難 ×3趣旨が明らかではない ×2
質問本文
一 高レベル放射性廃棄物の最終処分場(以下「処分場」という。)の調査、建設工事等に要する期間について、政府はこれまで三十年程度としてきたが、これは目安であり地区によって異なると説明している。
1 同説明によれば、調査、建設工事等に要する期間は、三十年を上回ることがあり得ると理解するが、その認識でよいか示されたい。
2 三十年を上回ることがあり得る場合、二〇四五年四月二十五日に六ヶ所村の高レベル放射性廃棄物貯蔵管理センターから処分場に搬出できないこともあり得ると考えるが、その認識でよいか示されたい。政府がその認識である場合、青森県及び六ヶ所村に説明すべきと考えるが、政府の見解と対応を示されたい。
二 二〇〇〇年五月に特定放射性廃棄物の最終処分に関する法律(平成十二年法律第百十七号、以下「法」という。)が成立した。同年十月に特定放射性廃棄物の最終処分に関する計画(以下「最終処分計画」という。)が閣議決定され、二〇〇二年十二月から、概要調査地区の公募を開始している。二〇〇八年に閣議決定された最終処分計画によれば、「文献調査を実施した後、概要調査を実施し、平成二十年代中頃を目途に精密調査地区を選定し、平成四十年前後を目途に最終処分施設建設地を選定する」とされている。また、「最終処分施設建設地において(略)最終処分施設を建設し、平成四十年代後半を目途に最終処分を開始する」とされている。政府は、公募及び計画策定に当たって、文献調査に二年程度、概要調査に四年程度、精密調査に十四年程度、建設工事に十年程度要するとし、処分場の開始までに三十年程度要すると公表している。
1 概要調査地区内で行うべき調査は法第二条第十項及び特定放射性廃棄物の最終処分に関する法律施行令(平成十二年政令第四百六十二号、以下「施行令」という。)第四条、精密調査地区内で行うべき調査は法第二条第十一項及び施行令第五条、最終処分施設として設置すべき施設等は法第二条第十四項及び施行令第六条にそれぞれ規定されている。
政府が処分場の開始に要する期間としてきた三十年程度は、法に規定された調査等に要する年数であり、単なる目安ではないと考える。政府が三十年程度と説明してきた根拠を示されたい。
2 前記の各調査のほかに、場所によっては用地買収、港湾建設、工事用道路確保、農地等開発許可手続、各段階における知事・市町村長等との合意手続、安全審査手続、地下三百メートル以深にトンネルを通すための二百から三百キロメートルの工事等が必要になると考える。そのため、高レベル放射性廃棄物貯蔵管理センターからの搬出は、二〇四五年四月二十五日には開始できないと考える。政府が搬出を開始できると考える場合、例示した各手続等に要する期間をどのように見込んでいるか示されたい。
3 法第四条第一項には、「経済産業大臣は(略)五年ごとに、十年を一期とする」最終処分計画を定め、「これを公表しなければならない」と規定されている。しかし、二〇〇八年以降、最終処分計画は閣議決定されていない。早期に閣議決定すべきと考えるが、二〇〇八年以降に閣議決定していない理由及び今後の閣議決定に向けた政府の認識と対応を示されたい。
4 政府として処分場の開始時期を決定する手続は、最終処分計画を閣議決定することと考えるが、政府の認識を示されたい。また、それ以外の手続がある場合、どのような手続によるか示されたい。
三 二〇二六年五月二十七日に開催された「高レベル放射性廃棄物の二〇四五年四月二十五日搬出期限の約束を守らせるヒアリング集会」において、経済産業省担当職員は、文献調査地区を十箇所程度まで増やし、その中から最終処分施設建設予定地を選定したいと説明した。文献調査地区を十箇所程度確保する時期を示されたい。
四 現時点で二〇四五年まで十九年しか残されていないが、文献調査地区を十箇所確保するには更に時間を要すると考える。調査、建設工事に三十年程度必要である場合、処分場の開始時期を見通すことは不可能で、二〇四五年四月二十五日までに処分場を開始できる可能性はないと考えるが、政府の見解を示されたい。また、政府はこの現状を青森県に説明すべきと考えるが政府の見解と対応を示されたい。
右質問する。
政府答弁書
一の1について
特定放射性廃棄物の最終処分に関する法律(平成十二年法律第百十七号。以下「最終処分法」という。)第二条第十二項に規定する最終処分施設建設地(以下「最終処分施設建設地」という。)の選定に向けた調査及び同条第十四項に規定する最終処分施設(以下「最終処分施設」という。)の建設に必要な期間として政府がお示ししている御指摘の「三十年程度」は、最終処分法第三十四条等の規定に基づき、特定放射性廃棄物の最終処分の実施主体とされている原子力発電環境整備機構(以下「機構」という。)が、総合エネルギー調査会原子力部会(当時)において平成十一年三月二十三日に取りまとめられた「総合エネルギー調査会原子力部会中間報告─高レベル放射性廃棄物処分事業の制度化のあり方─」における「処分スケジュール」に基づき、諸外国の状況なども参考にしつつ、あくまで目安として示している期間を根拠としたものであるため、これに基づいて、お尋ねの「調査、建設工事等」に実際に必要となる期間が「三十年を上回ることがあり得る」か否かについて、断定的にお答えすることは困難である。
一の2及び四の前段について
お尋ねの「二〇四五年四月二十五日に六ヶ所村の高レベル放射性廃棄物貯蔵管理センターから処分場に搬出できないこともあり得ると考える」及び「二〇四五年四月二十五日までに処分場を開始できる可能性はないと考える」については、これまで北海道寿都郡寿都町及び古宇郡神恵内村、佐賀県東松浦郡玄海町並びに東京都小笠原村において、機構が、最終処分法第六条第一項の規定に基づく文献調査(以下「文献調査」という。)を開始しており、このうち北海道寿都郡寿都町及び古宇郡神恵内村については、特定放射性廃棄物の最終処分に関する法律施行規則(平成十二年通商産業省令第百五十一号)第六条第一項の規定に基づき、機構が、文献調査の報告書を令和六年十一月に公表するとともに、最終処分法第二条第十項に規定する概要調査地区の選定に向け、同規則第九条第一項の規定に基づく説明会の開催等の手続を進めているところ、政府としては、可能な限り早期の特定放射性廃棄物の最終処分の実現に向け取り組むこととしている。
二の1について
一の1についてで述べたとおり、最終処分施設建設地の選定に向けた調査及び最終処分施設の建設に必要な期間として政府がお示ししているお尋ねの「三十年程度」は、最終処分法第三十四条等の規定に基づき、特定放射性廃棄物の最終処分の実施主体とされている機構が、総合エネルギー調査会原子力部会(当時)において平成十一年三月二十三日に取りまとめられた「総合エネルギー調査会原子力部会中間報告―高レベル放射性廃棄物処分事業の制度化のあり方―」における「処分スケジュール」に基づき、諸外国の状況なども参考にしつつ、あくまで目安として示している期間を根拠としている。
二の2について
最終処分施設建設地の選定に向けた調査及び最終処分施設の建設に必要な期間は、政府としては、三十年間程度と示しているが、実際に必要となる手続、工事等及びそれらの期間については、技術の進展や、個々の調査地点における安全審査、地域の合意形成の在り方などの状況に応じて変わり得るものであると認識しており、お尋ねについて一概にお答えすることは困難である。
二の3について
お尋ねの「二〇〇八年以降に閣議決定していない理由」については、平成二十三年三月十一日に発生した東北地方太平洋沖地震及びこれに伴う東京電力株式会社福島第一原子力発電所の事故の発生を受け、地層処分の技術的信頼性の再評価を含めた、特定放射性廃棄物の最終処分に関する政策の見直しなどを行ってきたためであり、当該見直しを踏まえ、最終処分法第三条第五項の規定に基づき、同条第一項に規定する特定放射性廃棄物の最終処分に関する基本方針の改定を行っている。お尋ねの「今後の閣議決定」については、当該基本方針に即して、適切な時期に御指摘の「最終処分計画」を改定することを検討している。
二の4について
お尋ねの「処分場の開始時期を決定する手続」の具体的に意味するところが必ずしも明らかではないが、最終処分法第四条第二項第二号及び第四項の規定に基づき、経済産業大臣が、閣議決定を経て、御指摘の「最終処分計画」において、特定放射性廃棄物の最終処分を行う時期を定めることとされている。
三について
政府としては、最終処分施設建設地の選定に当たり、諸外国が五箇所から十箇所程度の地域において調査等を実施していることを踏まえ、我が国においても複数の地域における文献調査が必要であると考えているが、個々の文献調査を開始する時期については、地域の合意形成の在り方などの状況に応じて変わり得るものであると認識しており、お尋ねについて一概にお答えすることは困難である。
四の後段について
お尋ねの「この現状」の具体的に意味するところが必ずしも明らかではないが、可能な限り早期の特定放射性廃棄物の最終処分の実現に向けた、最終処分施設建設地の選定に係る政府の取組については、令和八年二月二十五日に開催された「第二回青森県原子力・エネルギー対策県民会議」等において、青森県に対し、説明してきている。