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塩業政策に関する質問主意書

参議院 第5回 第86号

提出者
参議院
提出日
1949年5月10日
内閣転送 1949年5月13日
答弁書受領日
1949年5月18日
提出から8日
答弁の項目数
0
質問 928字/答弁 1,924字

質問本文

一、政府は今年度においても全面的に外塩依存政策をとつているが、その根拠を明示せよ。

二、今や為替レートの設定により国内塩の生産費と外塩との差はきわめて僅少になり、更に国内塩業に対し抜本的方策を講ずるならば国内塩による事は益々有利となると思うが政府の所見如何。

三、昭和二十三年十二月十七日附(内閣参甲第二〇九号)の答弁書第二項において、我が製塩業の熱源問題に関し「熱源の充分な見透がつかぬ部門には新設改良のための資金資材の配分も充分に参らない。かかる全国民経済的な理由が製塩業の新設改良抑制の理由であります。」と答えているが、この製塩業に対する熱源の供給を少なくしているのは、政府自らである。従つて製塩業の近代化を妨げているのは政府である。従つて又国内塩業をつぶすものは政府である。この点については如何に考えるか。

四、石炭、特に低位炭の生産過剰が伝えられている今日、この点から見るも、塩業に対する熱源供給を制限する事は何等その法理的理由がないと考えるが如何。

又従つて従来の政府の見解に照らすならば、ここに新設改良のために資金資材を割当てるべき理由が発生したものと考えられるが、政府の所見如何。

五、専売法改正による生産の制限によつて生ずる犠牲者に対する補償は専業製塩に対してのみ支給されるのか、又は自給製塩に対しても与えられるものであるか、又残存企業の立直りに対し資金資材の面において如何なる政策を行うのであるか。

六、塩業整備委員会答申書第三項の一にある資金資材の許す限り暫時製塩設備を整備改良すべしとの答申を如何に実施する考えであるか。

七、塩業整備委員会は、業者代表の意見を専ら聴取しているが、何故に労働者側の意見を聴取しなかつたか、又今後においては如何なる考えをもつているか。

八、配炭の制限をうけている塩業としては今後亜炭、格外炭の使用も止むなしと考えるものであるが、亜炭、格外炭を現に使用している産業と、その消費量並にその生産量(本年度計画)を発表せられたし。

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参議院の原文・経過

政府答弁書

第一問答弁

政府と致しましては、少くともわが国民の生存上必要な最少限度の塩は、これを国内にて確保したいと考え、常に関係方面との折衝にも努力を続けて参りました。ことに近時強調されて参りました日本経済自立化の線に沿う意味におきましても、安定した常時塩供給源として、或る程度の製塩設備はこれを確保する要があるのであります。

しかし乍ら御承知のような現下の石炭事情によりまして、直ちに現在の設備を高度に操業させるだけの配炭をすることは困難な事情にありますので、復興五ケ年計画の線に沿い、これに織り込んだ配炭を逐次確保して、生産をあげて行きたいと考えております。

右に述べましたような方針に基ずいて政府は逐次国内製塩の復興に努力しておりまして外塩依存政策というよりもむしろ国内生産の塩需要に対する不足分だけを貴重な外資により已むなく輸入に仰いでいる次第であります。塩に対する需要面は、人口増加及びソーダ等の生産計画増加によりまして昨年度一四五万屯から本年度一六五万屯に増加しておりますが、これに対し輸入は昨年度実蹟一二三万屯のところ本年度も一二五万屯とほぼ同程度でありその外塩依存度は七八%から七四%に低下しております。

第二問答弁

御説の通り為替レートの決定により、外塩の輸入価格は屯当り六、八〇〇円程度となり、現在の国内塩購入価格九、七四五円との差は三、〇〇〇円程度となりまして、この点国内製塩には当初三三〇円レート見込に比し相当有利な条件となり、政府といたしましても、この面から国内塩業に対する方策を積極的に推進したいと考えております。しかし同時に、為替レートの設定は、国際価格への接近であり激烈な国際競争えの第一歩でありますから、円安にてなお上述の差があること、さらに現行の九、七四五円を本年も続けることは無理があることなどを考えると、他の産業と同様国内塩業においても企業合理化に努力しなければならぬと痛感いたします。

又、国内塩業といたしましては、塩価格の差におきましては、従来より有利になつて参りましたが、配炭面においては、前に述べた通りの事情で、急激な増産は困難でありますから、復興五ケ年計画に沿い、一歩一歩と増産への道を進んで行きたいと考えております。

第三問、第四問答弁

第三問、第四問に対しましては、当時熱源は需要に対して著しく不足し、従つて塩業に対しても存分に割当がなかつたのでありますが最近熱源の大宗をなす石炭の需給状況が可成り緩和されたため塩業に対しても低級のものではありますが相当額の配炭をみるようになりましたので、各方面と折衝の結果、遊休設備の転活用等による改造等に関しましてはある程度期待できるようになつたのであります。従つて設備の新設改良について了解のえられたものに対しては、政府としてもできるだけ資金資材の割当斡旋に努めたいと考えています。

第五問答弁

塩の需給調製上必要がありますときは、製造数量を制限することがありますが、その場合同地域において取扱を差別することはなく、又製造制限を行つてもそれが専業製塩であると否とを問わず、補償金を交付することは考えておりません。なお製造制限は需給調節のための一時的のものであるので残存企業の立直りという問題は特別に考慮してはいないのであります。

第六問答弁

御指摘の同報告書要綱第三項、第一号に謳はれた設備の整備、改良は是非共実現の必要がある事項でありまして、政府としてはできるだけ資材資金の確保に努めると共に確保し得たものは又なるたけ重点的に効果的に使用するよう努力しています。

ただ資金については従来の復金融資が望めなくなつたため、所要資金は市中銀行に頼らざるを得なくなり、この方面においてなお一層の努力を払いたいと考えています。

第七問答弁

整備委員会の活動は企業整備という企業面の合理化方策に重点をおいたもので、従つて最も利害の深い業者の意見を聴取し報告書が作成されたのであるが、その実行案の具体的な実施に当つては、勿論関係労働者の利害に影響することが多いので、労働者側の意見をも参酌する積りであつたところ、整備案の眼目をなす調整金の支出については諸般の事情により遺憾ながら実行に至らずして今日に至つている現状であります。なお整備委員会は報告書を提出し一応任務を了したので最近廃止になつています。

第八問答弁

亜炭については二十四年度から指定生産資材割当規則の適用を除外され自由販売となりました。

格外炭その他の特殊炭については計画生産の建前になつていないが年間概ね一二〇万屯程度が予想され殆んど全産業に向けられており特に製塩業には引取可能な全量を割当てる方針であります。

参議院の原文

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