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沖縄県における交通方法変更等に関する質問

参議院 第80回 第9号

提出者
参議院
提出日
1977年3月5日
内閣転送 1977年3月9日
答弁書受領日
1977年3月25日
提出から20日
答弁の項目数
6
質問 1,260字/答弁 1,436字

質問本文

沖繩県における交通方法変更等に関する質問主意書

沖繩県における現行の交通方法は、国際的にもほとんどの国々と同様であり、しかも戦後三十年間余にわたつて行われて来ており、今では沖繩県民の生活に定着している。しかるに、道路交通に関する条約第九条第一項(一国内一交通方法の実施)に基づき、昭和五十三年七月末を目途に、現行の交通方法が変更されることになつた。しかし、交通変更の実施については不安要素が多く県民生活の混乱は必至である。したがつて実施時期についてはこれらの不安要素の解決が前提であり、また県民の合意がなければ、延期をすべきものと考える。ところで県民生活に混乱を招かないようにするためには、国による慎重かつ適切な対策が必要である。

そこで、以下の諸点について質問する。

一 前述の通り、交通方法の変更は国の条約上の義務履行としてなされるものである。したがつて、それに伴う沖繩県の対応組織の設置・運営に要する諸経費を含めた一切の費用は、県民の負担とならぬよう、全額国庫負担とすべきことは当然と考えるが、それについての政府がとる財政措置を示されたい。

二 沖繩県は、現在でも他都道府県に比べ、道路整備が遅れているが、交通方法変更を機会に、また交通方法変更を成功に導くためにも、道路の整備促進・交通安全施設の整備充実・交通安全教育の普及徹底等、交通環境を早急に改善する必要がある。それについての政府の諸施策を示されたい。

三 沖繩県における交通事情の抜本的な改善を図るため、大量公共交通機関の整備を含めて、沖繩県における総合的な交通体系の整備をいそぐ必要があるが、現在検討されている計画の内容等を示されたい。

四 一に述べたと同様の理由により、交通方法の変更に伴つて生ずる損失、たとえば、

(1) 交通混乱により発生する時間的ロスに伴う経済的損失

(2) 代替バス購入費並びに伴う改造費

(3) 代替タクシー購入費並びに新規購入車の購入資金特別融資

(4) 前照灯付替費

(5) 交通変更に伴う商店街の営業損失

(6) 自動車教習所が負担する変更に伴う諸費用

(7) 野立広告その他の設備の変更に要する費用

などは、国で補償すべきものと考えるが、政府の見解を示されたい。

また、交通変更に伴つて発生する有形無形の損失で補償の対象にならないものについても、何等かの政策的配慮が必要であると考えるが、これに対する政府の見解を示されたい。

五 沖繩県民の生命、財産を守り、安全円滑に交通方法変更を実施するためには、大規模な広報・教育が不可欠である。それについての政府の施策を示されたい。

六 沖繩県における交通方法の変更については、関係する行政機関が多機関にわたつており、政府は昭和四十八年に総理府総務長官を本部長とする沖繩県交通方法変更対策本部を設置し、各省庁の施策の総合調整にあたつているが、その機能を十分に果すためには、沖繩に現地機関を設置し、現地の窓口機関とする必要がある。これについての政府の見解を伺いたい。

右質問する。

参議院の原文・経過

政府答弁書

一 について

沖繩県交通方法変更については、昭和五十年六月二十四日閣議決定「沖繩県における交通方法変更の実施時期について」に基づき、昭和五十三年七月末を目途に準備を進めることとしており、交通方法変更のために必要な交通安全施設等の変更事業、県民等に対する広報及び安全教育等に要する経費について、全額国において措置することとしている。

二について

道路整備の促進については、昭和四十七年の本土復帰以来、整備水準の引上げに努めてきたところであり、昭和五十二年度においては、特に県道、市町村道、街路について大幅に整備の促進を図ることとしている。

交通安全施設等の整備については、昭和五十一年度に発足した第二次交通安全施設等整備事業五箇年計画に基づき、計画的な整備に努めていきたい。

交通安全教育については、交通方法の変更に備えて一段とその充実を図る必要があり、このため、歩行者、自動車運転者等に対する正しい交通方法の一層の徹底を図ることとしており、特に児童、生徒等に対する安全教育については、学校の教員を対象とした指導資料の作成や講習会の実施により、その充実を期することとしている。

三について

本島については、中量輸送機関に関して那覇市、沖繩県及び沖繩開発庁が、沖繩自動車道に関して日本道路公団が各々所要の調査を行つている。

離島については、各島の有する特性、観光を含めた離島振興開発に伴う将来の各島間の交通需要の動向に対処するため、交通機関の特性に相応した輸送量分担、ネットワークの在り方等について、沖繩開発庁において現在調査を行つているところである。

四について

交通方法の変更は、日常の生活様式そのものの改変であり、県民個々にはそれぞれの立場で利害得失のあることは言うまでもなく、このために経済的不利益を被つたと称するそのすべてについて救済策を講ずる訳にはゆかないと考えられるが、沖繩県の交通方法の変更は、復帰処理の一環であること等の事情を考慮して、必要なものについては適切な措置をとつていきたいと考えている。

昭和五十二年度においては、営業用バスの代替及び車両の前照灯の付替えに要する経費について所要の補助及び財政融資を行うこととしている。

五について

沖繩県民が新しい交通方法に自信を持ち、変更に安心して対応し、事故や混乱を防止するためには、できるだけ早い時期から広報、教育を徹底して実施する必要がある。

このため、政府においては沖繩県及び市町村の関係機関、団体と十分協議しながら、民間の指導者の協力も得て、幼児・老人・身体障害者、学校在学者、歩行者・自動車運転者等それぞれの対象に即したきめ細かい広報、教育の展開に努めていきたい。

六について

沖繩県の交通方法の変更については、関係省庁間の緊密な連絡を確保し、その円滑な実施の推進を期するため、総理府に沖繩県交通方法変更対策本部を置き、各省庁の施策及び事務の調整を図つている。

現地におけるより具体的な問題の検討、施策の推進のためには、沖繩総合事務局、沖繩県、県警察、県教育庁等の代表をもつて構成する連絡会議を設けることとし、中央との連絡を密にするため、この会議に総理府の担当官を参加させることといたしたい。

現地において提起された問題のうち、所管省庁の明確でないもの、関係省庁間の調整を要するもの、その他現地の連絡会議で扱い得ないものについては、交通方法変更対策本部においてその処理方策を検討することといたしたい。

参議院の原文

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