ことばで探す › 参議院 第94回
アルミ産業の位置づけに関する質問
参議院 第94回 第16号
質問本文
アルミ産業の位置づけに関する質問主意書
わが国のアルミ産業の置かれている現況は深刻であり、将来展望を含めて楽観できる材料は何一つ見いだせないのが実態であろう。通商産業省は、産業構造審議会のアルミニウム部会に新たな答申を求め、きたる七月頃にはかなり広い範囲にわたる対策を打ち出す方針と聞いている。よつて次の各項について政府側の適切な対応、見解を明示して頂きたい。
一 去る昭和五十三年の答申以来守られている百十万トン体制を単に下方修正するだけでは対策にはなるまい。本問題のポイントは、「戦略産業としての側面を持つアルミ産業の基本的な位置づけ」にあるのではないか。基本的に如何。
二 戦略備蓄や安全保障上の見地からするわが国アルミ生産のミニマムな水準をどの程度と考えるか。
三 輸入地金、開発輸入地金、国産の三部門それぞれに対する検討のうち、まず年間三十万トンを超えたアメリカからの地金輸入については、今後の抑制等について政府として対米交渉ないし協議の考えはあり得ないのか。
四 業界としては、日本アルミニウム連盟をはじめ労組側(全日本アルミニウム産業労働組合協議会)も去る四月アメリカに代表団を送り個別の要請行動を行つたが、今月はワシントンで開かれるIMF世界大会に向けて第二陣を派遣して懸命の工作を続けている。政府としては、どのような手段をつくしているのか。またその反応と予測は如何。
五 アルミ問題についての焦点の一つは、日米間の技術格差ではなくコスト差にある。わが国のアルミ業界が立ち直れるまでの例えば三カ年間に限つて九電力からの送電料金について特定レートを適用することは不可能であろうか。
六 輸入地金への対策として関税割り当て制度の導入についての見解は如何。
七 国産地金の引き取り保証制度の創設は財政の裏づけを含めて可能であるのか。
八 アルミ産業構造改善協会に積み立てられている構造改善資金を、この際アルミ製錬各社に対して交付する措置については検討の余地があり得るか。
九 去る一月末、通商産業省は、約一万五千トンのアルミ地金の在庫品を買上げるなど一種の緊急対策を実行した。今年度の措置として年度分の備蓄買い上げの前倒しは考えられないか。
十 将来の方向として(昭和六十年)、アルミ業界は国産で内需の四〇%をまかない残りの六〇%を輸入と開発輸入で折半する構成比率を希望しているようだが、これについては基本的にどのように受けとめるか。
十一 現在国内で製品化されているアルミ塊の三〇%近くは再生塊であるが、今後不可欠の施策の一つとしてアルミニウム・リサイクリング・システムの一層の徹底改善と再生技術の向上が望まれている。政府としての対策と素案は如何。
右質問する。
政府答弁書
一、二、五から八まで及び十について
1 アルミニウム製錬業について、政府としては次のとおりの対応を行つてきており、これを踏まえ今後とも適切な対応を行つてまいりたい。
(一) 昭和五十二年及び昭和五十三年の産業構造審議会の答申を踏まえ、特定不況産業安定臨時措置法に基づく安定基本計画による設備処理を中心とした構造改善を進めてきている。
(二) 昭和五十四年以降、いわゆる第二次石油危機によるエネルギー・コストの大幅な上昇、開発輸入の進展等の環境変化に伴い、アルミニウム製錬業の今後のあり方等について改めて検討を行う必要が生じたため、昭和五十六年四月二十日、通商産業大臣が、産業構造審議会に「今後の我が国アルミニウム製錬業及びその施策のあり方いかん。」という諮問を行つた。
(三) 同諮問を受けて、現在産業構造審議会において次の点を中心とした検討が行われているところである。
(1) アルミニウム製錬業の我が国経済に果たす役割
(2) アルミニウム製錬業の国内への供給規模及び自立についての考え方
(3) アルミニウム製錬業の構造改善の方向
2 現在産業構造審議会において以上のような広範な検討が行われているところであり、政府としては、同審議会の答申を待つて今後の方策等を検討することとしているが、御指摘の具体的な措置のうちには、困難なものも含まれていると考えている。
三及び四について
1 最近、アメリカ合衆国等からアルミニウム地金の輸入が増大している。
2 このような状況等を背景として、昭和五十六年四月に全日本アルミニウム産業労働組合協議会の代表がアメリカ合衆国のアルミニウム産業関係者に会い、我が国のアルミニウム製錬業の現状説明等を行つたと聞いている。
3 政府としては、アルミニウム地金の輸入動向等を注視しているところである。
九について
1 政府は、アルミニウム地金の国内需要の減少及び在庫の増加に対応して、社団法人軽金属備蓄協会がアルミニウム輸入安定化備蓄制度により昭和五十六年の二月及び三月に合わせて約二万二千トンのアルミニウム地金の備蓄を実施することを承認した。
2 昭和五十六年度における本制度によるアルミニウム地金の備蓄の実施については、内外のアルミニウム地金の需給動向等を踏まえ、今後検討を行つてまいりたい。
十一について
政府としても、アルミニウムの再生利用が資源の有効利用という観点から有意義であると考えており、アルミニウム缶の回収及び再利用について関係団体等の適切な指導を行つてまいりたい。
似た質問主意書
件名と質問本文の冒頭の意味が近いものを、前もって計算しておいた表から近い順に8件並べました(multilingual-e5-large)。同じ言葉を使っていなくても出ます。論点が少しずれていることもあります。