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沖縄の米軍基地内の未契約者所有者の土地に対する強制使用に関する質問主意書
衆議院 第102回 第19号
質問本文
衆議院議長 坂田道太 殿
沖縄の米軍基地内の未契約者所有の土地に対する強制使用に関する質問主意書
一九八四年十一月三十日、那覇防衛施設局長は、「日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約第六条に基づく施設及び区域並びに日本国における合衆国軍隊の地位に関する協定の実施に伴う土地等の使用等に関する特別措置法」(以下「米軍用地収用特措法」という。)に基づく手続を開始した。
この「米軍用地収用特措法」の発動は、過去において米軍が沖縄県民の土地を「銃剣とブルドーザー」で次々と強制接収してきた行為と何ら変わりないものであると同時に、一九七七年五月十四日、「公用地等暫定使用法」の期限切れに伴う四日間の不法占拠という暴挙とともに、永遠に糾弾されるべきものである。
さらに「米軍用地収用特措法」は、恒久平和主義を定めた憲法の前文及び第九条に違反することは明白であり、財産権の保障を定めた憲法第二十九条にも違反するものである。
従つて、今回の「米軍用地収用特措法」の発動を、政府として即刻撤回されることを強く要求し、次の事項について質問する。
一 政府は、一九七二年の沖縄復帰時より今回の「米軍用地収用特措法」の発動を含めて、実に四度目の在沖米軍基地内の未契約者に対する「強制使用」の措置を講じてきたが、そのそれぞれについての根拠法、軍事施設ごとの件数、所有者数、面積及び使用期間を明らかにされたい。
二 一九八四年十一月三十日の「米軍用地収用特措法」に基づく意見照会手続の開始以来、現在まで三ヵ月余が経過しているにもかかわらず、政府は、対象土地の使用期間を明示していない。
そもそも国民の貴重な財産を「強制使用」しようとする立場にある者が、その使用期間を明示しないとは言語道断といわなければならない。一九八〇年十二月五日付の私の質問主意書に対する政府答弁書(内閣衆質九三第一九号)においては、意見照会手続より一ヵ月も経過していないにもかかわらず「五年を超えない範囲内でその使用期間を定めることを予定している」と明言しているのである。
今回、「米軍用地収用特措法」により使用しようとしている土地の使用期間を米軍施設ごとに明確に答弁されたい。
三 一九五二年に施行された「米軍用地収用特措法」を現在までに適用した例はあるか。
あるとすればその施設名、件数、所有者数、面積、使用期間及び裁決年月日をそれぞれ明らかにされたい。
四 今回、「米軍用地収用特措法」を適用しようとする対象土地のうち、地籍が確定していない土地はあるか。
あるとすればその土地が所在する施設名、件数、所有者数及び面積を明らかにされたい。
なお、このような地籍の確定していない土地は、「米軍用地収用特措法」や「土地収用法」が作成を義務付けている土地の調書や図面を作成することは不可能であり、政府が問答無用式にひとりよがりでこれらの土地の調書や図面を作成したとしても、法的には何の意味も持たない無効なものであると考えるが、政府の見解を明らかにされたい。
五 「米軍用地収用特措法」第三条に定められた「適正且つ合理的」の要件とは、単なる「基地の必要性」や「安保条約に基づく基地提供義務」と同義語では決してないはずである。
つまり、「日米安保条約」や「地位協定」で土地等を提供しているからといえども、それが即「適正且つ合理的」な要件を満たすものではないと考えるが、政府の見解はどうか。
六 例えば、「地位協定」第三条の米軍施設管理権によつて米軍の管理下にありながら、現実には自衛隊が使用している基地については「適正且つ合理的」の要件を欠くものであり、そのような土地に対して「米軍用地収用特措法」を適用することは不可能であると考えるが、政府の見解はどうか。
七 同様に「地位協定」第二条第四項(a)に基づく一時使用権によつて自衛隊が使用している土地については、「米軍用地収用特措法」を適用することは不可能であると考えるが、政府の見解はどうか。
八 同様にいわゆる黙認耕作地を米軍の用に供することが、「適正且つ合理的」の要件を満たしているとは考えられないが、政府の見解はどうか。
九 同様に米軍基地内のゴルフ場は、「適正且つ合理的」の要件を満たしているとはこれまた到底考えられないが、政府の見解はどうか。
十 前回の「米軍用地収用特措法」の発動開始は、「強制使用」期限前、およそ一年半前であつたが、今回の再発動開始はおよそ二年半前である。前回に比べて一年早く発動しているがその理由は何か。
十一 現在、いわゆる「一坪反戦地主」は何名おられるか。並びにその方々が所有する土地の施設名、件数及び面積について、明らかにされたい。
十二 「米軍用地収用特措法」を適用しようとしている那覇市所有の土地について、その施設名、件数、面積及び使用期間を明らかにされたい。
一九七六年三月、那覇市議会で議決された「那覇市基本構想」は、「軍事基地を早急に解放させ、その跡地を市民のための平和で豊かな生活の場として活用する」と述べている。同構想を実現する上で、小禄地区並びに牧港住宅地区の米軍用地の返還が不可欠と考えるが、これらの地区の返還見通しはどうか。
十三 沖縄県による「県民選好度調査結果」(昨年末)によると、県民が一番望んでいるのは「基地の返還促進」であり、次いで「新規に基地を提供しないこと」となつている。この結果からも明らかなように、県民のコンセンサスは「軍事基地のない平和な沖縄」を望んでいることは明白である。この県民の痛切な願望に政府はいかにして応えるか、明らかにされたい。
右質問する。
政府答弁書
一及び二について
沖縄の復帰以後、駐留軍の用に供するため、沖縄における公用地等の暫定使用に関する法律(昭和四十六年法律第百三十二号)に基づき昭和四十七年五月十五日以後において使用した土地に係る施設名等は、別表第一のとおりであり、日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約第六条に基づく施設及び区域並びに日本国における合衆国軍隊の地位に関する協定の実施に伴う土地等の使用等に関する特別措置法(昭和二十七年法律第百四十号。以下「駐留軍用地特措法」という。)に基づき昭和五十七年五月十五日以後において使用した土地に係る施設名等は、別表第二のとおりである。
また、今回、駐留軍用地特措法に基づき使用しようとしている土地に係る施設名等は別表第三のとおりで、これらの土地の使用期間は未定である。
三について
駐留軍用地特措法の施行の日以後において、駐留軍用地特措法に基づき使用し、又は収用した土地等に係る施設名等は、一及び二についてにおいて述べたものを除き、別表第四のとおりである。
四について
今回、駐留軍用地特措法に基づき使用しようとする土地で、沖縄県の区域内における位置境界不明地域内の各筆の土地の位置境界の明確化等に関する特別措置法(昭和五十二年法律第四十号)の手続が完了していないものに係る施設名等は、別表第五のとおりである。
また、これらの土地については、位置境界明確化作業を通じ、現地に即して特定できるので、駐留軍用地特措法第四条の使用認定申請書の添付書類である土地等の調書及び図面並びに駐留軍用地特措法第十四条の規定により適用される土地収用法(昭和二十六年法律第二百十九号)第三十六条の土地調書の作成は可能である。
五から九までについて
駐留軍用地特措法第三条にいう「適正且つ合理的であるとき」とは、日米安全保障条約第六条に規定する目的達成のため駐留する米軍が施設及び区域として土地を使用することについて、その必要性が客観的に認められるときである。
十について
今回、駐留軍用地特措法に基づき使用しようとする土地の所有者が、前回と比べて増加したことによるものである。
十一について
嘉手納飛行場に所在する嘉手納町字東野理原三五〇番、三五一番及び三八一番の三筆の土地に係る所有者は、昭和六十年三月二十日現在、千六百九十名と承知しており、これらの土地の面積は、約二千百平方メートルである。
十二について
御質問の那覇市所有の土地は、普天間飛行場に所在する二筆の土地及び那覇港湾施設に所在する十九筆の土地であり、これらの土地の面積は、それぞれ約三千九百平方メートル及び約千五百平方メートルである。これらの土地の使用期間については、一及び二についてにおいて述べたとおりである。
那覇港湾施設については、移設先の選定が困難であり、当該施設のうち貯油施設地区を除き返還の見通しを得るに至つていない。また、牧港住宅地区については、現在、移設工事を実施中であり、工事の完了後、返還される予定である。
十三について
政府としては、従来から、日米安全保障条約の目的の達成と沖縄振興開発計画の推進との調和を図りつつ、日米安全保障協議委員会において了承された施設及び区域の整理統合計画を実施してきているところであり、今後とも、その推進に努めてまいりたい。
右答弁する。
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