KurageKurage 質問主意書アシスト

ことばで探す › 衆議院 第114回

次期支援戦闘機(FSX)に関する質問主意書

衆議院 第114回 第17号

提出者
衆議院
提出日
1989年4月12日
内閣転送 1989年4月15日
答弁書受領日
1989年5月9日
提出から27日
答弁の項目数
12
質問 2,006字/答弁 1,992字

質問本文

衆議院議長 原 健三郎 殿

次期支援戦闘機(FSX)に関する質問主意書

次期支援戦闘機(FSX)の共同開発をめぐる今日の日米協議は、技術摩擦という新たな争点を浮きぼりにしたが、政府はその日米協議が最終結着をみないまま、FSXの基本設計費の六十三年度予算の執行を見切り発進させることとなったことは残念である。そして中断した日米協議は現在、再開の見通しも不明となっている。このような経過をみるとき、今日、防衛と経済、そして技術が一体としてリンクしていると考えるものである。

従って、次の事項について質問する。

一 交換公文について

1 問題は、一九八八年十一月に日米双方で交わされた政府間合意「交換公文」のあいまいさを指摘されているのではないのか。

2 交換公文の見直しはないと理解してよいのか。

3 もし交換公文の見直しはないということであれば、新たな政府間の取決めが必要となるのか。

4 了解覚書について、米国では議会に公開されているにもかかわらず我が国においては非公開となっている。情報公開原則に基づき日米間のFSXの取決めである了解覚書と細目等についてオープンにすべきではないのか。

二 FSXの内容について

1 FSXの開発に要する総費用・所要期間及び年度別予算の額はどう計画されているか。

2 FSXは単価五一億五、〇〇〇万円で一三〇機生産されると伝えられるが、その通りであるか。その生産計画を年度別に明らかにされたい。

3 FSXのコンピューター・プログラムにインプットされる「仮想敵機」「仮想敵ミサイル」のデータの入手はFSXの役割りを果たす上で大事なことと思うが、その「仮想敵国」の情報は我が国独自で収集できるか。

4 FSXの目標はどういう様に設定しているのか。どこまでの性能のものをつくるのか。対アメリカ、対ソ連と比較して、また、日本の従来のものに比べての戦闘能力、攻撃力などの比較はどうか。

5 日米の高度技術と膨大な国家予算がそそぎ込まれるこのFSX共同研究計画の目的は、我が国の国防政策上どのような位置づけとなるか。

6 また、FSXは専守防衛の枠内であるといえるのか答弁されたい。

三 日米の争点について

1 米側の修正条件は、�@米のF16の技術ソフト情報の民間転用における歯止め、�A新技術の対米技術移転の保障措置、�B生産段階でのワークシェアの具体的な見直し、ということであると理解してよいのか。

2 日米の争点であった生産段階の米側分担率について、松永駐米大使が「三五 ― 四五%を考慮して対応する」との書簡を出す妥協案で日米両国が合意しようとした時、ブッシュ大統領は、「日本側の一点のくもりもない保障」。つまり「四〇%」の数字を政府間合意の正式文書に明記することを求めたといわれているが、協議過程においてそのような事実があったのかどうか明確にされたい。

3 FSXの生産分担を米国がもつ場合、その生産機を国際紛争地域の第三国に輸出できるよう、米国が合意の取決めを我が国に求める場合、どのように対応するのか。

4 プレストウイッツ前商務省審議官が、「国家安全保障会議(NSC)に、FSX問題で商務省、通商代表部が加わったことは米国はこれまで分離されてきた経済と安全保障が結び付いたということだ」と述べていることでも明らかなように、ブッシュ政権は「経済と安全保障の一体化」という政策転換をしたといわれている。政府はこの点、どう分析し認識しているか。また今回の対応について、今後の対応について考え方を新しくする必要はないか。

四 技術戦略問題について

1 米側は軍事と産業経済界が一体となってこうした問題を浮上させてきた。いわゆる「産業競争力戦略」というカード、そしてハイテクにおける「軍事競争力戦略」という二枚のカードによる対応であると思うが、日本政府の認識はこの点どう考えているのか、示されたい。

2 米国と欧州各国の間では、汎用高度技術の対外流出などを規制する『産業安全保障協定』が結ばれているが、日本との間だけには結ばれていないといわれる。

フランス企業がフェアチャイルド社を買収しても文句をいわない米国が、日本企業による買収を拒絶するのはそのためか。FSXの問題は、この「協定」とも関係するのではないか。

3 この『産業安全保障協定』を日本が結んでいないことが、「信頼できない国」としてバッシングされているという一部の指摘があるが、その通りか。

4 我が国が「スパイ防止法の制定をせよ」という強硬論まで出てきたが、そのつもりは当然ないと理解してよいのか。

5 ココムにおける西側から東側への技術移転、SDIにおける技術交流、そして今回のFSX問題などすべてハイテク技術摩擦に関わることと思うが、我が国における対外的技術移転対応の基本原則及び政策を示されたい。

右質問する。

衆議院の原文・経過

政府答弁書

一の1及び2並びに三の1及び2について

次期支援戦闘機(以下「FS ― X」という。)の共同開発計画に関するクラリフィケーションのための日米間の話合いは、量産段階における米側作業分担、日米間の技術交流等について行われたものであるが、これは、日本国とアメリカ合衆国との間の相互防衛援助協定(昭和二十九年条約第六号)に基づくFS ― Xシステムの共同開発に関する交換公文(以下「交換公文」という。)及び交換公文の実施のための当局間の細目取極の内容を修正するものではない。また、右話合いの過程におけるやり取りの詳細については、外交上のやり取りでもあり、申し上げることは差し控えたい。

一の3について

FS ― Xの共同開発について新たな政府間の取極は必要ないと認識している。

一の4について

交換公文の実施のための当局間の細目取極については、日米政府間で公表しないこととされており、文書そのものについては公表できない。

二の1について

防衛庁の検討においては、FS ― Xの開発経費は、一定の前提の下に、昭和六十年度価格で約一千六百五十億円と見積もっており、また、開発期間は、昭和六十三年度から平成八年度までの九年間を予定している。年度別予算額については、昭和六十三年度歳出予算額で約二十二億円及び平成元年度歳出予算額で約百二十億円が計上されているが、平成二年度以降については、今後の問題であり、申し述べる段階にない。

二の2について

御指摘のFS ― Xの単価等については、現在、その量産化が決まっていないこと等から、申し述べる段階にない。

二の3について

FS ― Xの開発等に当たり、種々の資料の入手が必要であることは当然であり、可能な範囲で、その収集に努めてまいりたい。

なお、我が国が特定の国を仮想敵と考えていないことについては、累次申し上げているとおりである。

二の4から6までについて

我が国の防空については、「防衛計画の大綱」にあるとおり、十三個飛行隊の戦闘機部隊をもってこれに当たることとし、その中で、支援戦闘機部隊三個飛行隊は、着上陸侵攻阻止及び対地支援の任務も果たし得るものとして整備してきている。

FS ― Xは、現有の支援戦闘機(F ― 1)が千九百九十年代後半から逐次減勢していくので、これを補充し、支援戦闘機部隊を維持するために必要なものである。このFS ― Xについても、将来における技術的水準の動向等に対応して、こうした任務を遂行し得る性能のものが必要であると考えているが、この整備を進めるに当たっては、専守防衛等の基本的防衛政策に従うことは言うまでもない。

また、FS ― Xの共同開発は、日米の優れた技術を結集して装備品の効果的な開発を可能にするものであり、より健全な日米の防衛協力関係を進展させることができるという観点からも重要と考えている。

なお、FS ― Xとその他の戦闘機の性能等の一般的な比較は、別紙のとおりである。

三の3について

御質問は、FS ― Xの量産化が決まっていない段階における仮定のものであるから、具体的に申し述べることは差し控えたい。

三の4及び四の1について

FS ― X共同開発計画については、米国内で議会を中心として、�@日本は、同共同開発から得られた技術を民間航空機製造に転用して、米国航空機産業に対抗しようとしている、�A日米貿易不均衡の現状にかんがみ、日本はF ― 16を購入することにより、その不均衡を是正すべきである等の議論があることは承知している。

政府としては、同計画が予定どおり、円滑に実施されるよう米行政府の適切な対応を期待している。

また、政府としては今後とも日米間の問題に対しては静かな対話と地道な努力を通じて解決していく所存である。

四の2について

御指摘のような個別企業の活動に係る事項については、政府として答える立場にない。

FS ― X共同開発計画において御指摘のような内容の協定が問題になったことはない。

四の3について

政府としては、御指摘のような認識は有していない。

四の4について

この種立法については、表現の自由などの基本的人権にかかわる問題もあり、国民の十分な理解を得ることが望ましいものであって、今後、各般の観点から慎重に検討されるべきものと考える。

四の5について

対外的技術移転については、関連法令等に従って対処している。なお、武器技術の提供については、武器輸出三原則及び昭和五十一年二月二十七日の武器輸出に関する政府方針に準じて、また対米武器技術供与については、対米武器技術供与取極に従って対処している。

別紙

FS ― Xとその他の戦闘機の性能等の一般的な比較

(注)1.ジェーン年鑑(1988〜89)等による。

2.FS ― Xの性能等は、開発の段階で変わり得る。

衆議院の原文

似た質問主意書

件名と質問本文の冒頭の意味が近いものを、前もって計算しておいた表から近い順に8件並べました(multilingual-e5-large)。同じ言葉を使っていなくても出ます。論点が少しずれていることもあります。

提出 1985年6月25日 黒柳 明 答弁 1985年7月9日
参議院 第102回 第58号
提出 1985年6月24日 秦 豊 答弁 1985年7月9日
参議院 第102回 第49号
提出 1984年7月10日 秦 豊 答弁 1984年7月31日
参議院 第101回 第35号
提出 1986年3月24日 秦 豊 答弁 1986年4月8日
参議院 第104回 第25号
提出 2012年7月12日 山谷 えり子 答弁 2012年7月24日
参議院 第180回 第192号
提出 1985年4月13日 秦 豊 答弁 1985年5月8日
参議院 第102回 第30号
提出 1989年5月8日 井上一成 答弁 1989年5月16日
衆議院 第114回 第20号

この論点で次の質問を書くなら

アシストで並べる