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陪審制度についての質問主意書
衆議院 第114回 第33号お答えすることは困難 ×1
質問本文
衆議院議長 田村 元 殿
陪審制度についての質問主意書
裁判は須く公正を期すべく、その爲には、その制度と精神そのものが、その基礎を國民に置かねばならない。
即ち、近代民主々義國家にあっては、いはゆる三權の總てが、その基本を主權者たる國民の信に求めてゐる。これあってこそ始めて、三權は神に代って國民を統治することが許される。いはゆる三權の分立といふも、國民の前には謙虚に且つ開かれたものであらねばならず、國民の良識こそが、それら三權の主人である。
故に、裁判もひとり特定の專門家のものであってはならず、ここにいはゆる陪審制度の必要性と可能性がある。
ついてはアメリカ始め先進各國が、既に實施し實効を擧げてゐる此の制度を、我國にあっても、勇斷を以って採用すべきであるとの論を述べて、政府の見解を質す。
一 陪審法が久しく休止して制度が實存しない理由と經過及び見解を問ふ。
二 最高裁が先般アメリカ等における陪審制度の實状を調査したその成果を問ふ。
三 今日、我國の國民教育の水準は世界に冠たるものであり、充分に陪審制度を生かし得る國民的基礎があると信ずる。如何。
四 世に何事も專門家は專門の事に於て優れてゐることは勿論であるが、反面專門家なるが故の死角をもち、その故に誤ることをなしとしない。この事は裁判においても例外ではない。見解如何。
五 今後陪審制度についての研究をさるる用意ありや。
そのための研究調査の機關を設けるなど、實際的作業をさるる用意なきや。
六 昭和三年から實施された陪審裁判の實状はどうであったか。日本民族の特殊性から事實の認定が出來ないとか、素質に問題ありとの批判等が續出してゐたとか、具體的に答えられたい。
右質問する。
政府答弁書
一及び三から六までについて
刑事事件における陪審制度は、陪審法(大正十二年法律第五十号)により昭和三年十月一日から実施されたが、陪審法の停止に関する法律(昭和十八年法律第八十八号)により、昭和十八年四月一日以降停止されたまま現在に至っている。昭和三年十月一日から昭和十八年三月三十一日までの間、陪審の評議に付された事件の数は、合計四百八十四件であって、その結果の内訳は、有罪三百七十八件、無罪八十一件、公訴棄却一件、陪審更新二十四件である。
陪審法の施行が停止されたのは、陪審の評議に付される事件が逐年減少し、昭和十三年以降は毎年四件ないし一件にすぎないという状態にあったこと及び陪審制度を維持することが当時の状況下において困難であると認められるに至ったことによる。
現在も陪審法の施行が停止されたままでいるのは、現行の裁判制度が適正かつ円滑に運営され、これを国民が支持していることによると考える。
我が国において陪審制度を再び実施するかどうかについては、国民の教育水準等を考慮に入れても、なお検討すべき種々の問題があり、今後とも関係当局において慎重に基礎的な研究を続けていく必要があるものと考える。
二について
御質問は、最高裁判所の調査に係る事項であり、政府として答弁する立場にない。
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件名と質問本文の冒頭の意味が近いものを、前もって計算しておいた表から近い順に8件並べました(multilingual-e5-large)。同じ言葉を使っていなくても出ます。論点が少しずれていることもあります。