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会社最低資本金制度に関する質問主意書

衆議院 第134回 第3号

提出者
衆議院
提出日
1995年10月3日
内閣転送 1995年10月9日
答弁書受領日
1995年11月10日
提出から38日
答弁の項目数
7
質問 1,622字/答弁 1,255字

質問本文

最低資本金制度の導入を含む「商法等の一部改正」が、平成二年六月に衆参両院で議決され、平成三年四月一日に施行された。最低資本金の導入については、税制等の手当を含めて五年間の猶予が設けられた。当初、この五年間の猶予期間は、中小会社にとって、増資・組織変更等の準備には比較的余裕があると思われていた。しかるに、経済社会はバブルの崩壊と共に不況が続き、現在も景気回復の兆しが見えない「ナベ底不況」である。中小会社は、わずかな内部留保、或いは経営者等の手持資金をもって増資等に備える心算ではあったが、長引く景気低迷によりその余力も乏しくなり、来年(平成八年)三月末日に至るも会社存続のための手続き(登記)が不可能となっている企業が相当数あるものと予想されている。

私の調査によれば、現在における未達成会社の実数は以下の通りである。

読売新聞(一九九五年七月三一日発売)

株式会社総数

一三四万社

一千万円未満

五七万社

有限会社総数

一七八万社

三百万円未満

七五万社

合 計

三一二万社

一三二万社

商事法務(一九九五年七月二五日発表)帝国データバンク資料

株式会社

一千万未満

五九八七九八

未達成会社

二〇三八二五社

有限会社

三百万未満

二四五五二一

未達成会社

七一八四〇社

東京税理士政治連盟(一九九五年七月二〇日発表)

株式会社

一千万未満

未達成会社

六九パーセント

有限会社

三百万未満

未達成会社

六四パーセント

社団法人 東京法人会連合会(一九九五年七月二四日発表)

社団法人練馬西法人会が本年二月実施のアンケートによる。

未達成法人を対象としたアンケート。

三一六五社に実施したが回答数は一〇九三社(三四・五パーセント)

個人事業へ変更するは「未定」「不明」とあわせて、株式、有限とも五パーセントである。一

方で未回答が、二〇七二社(六五・五パーセント)もある。

週間「経営財務」(一九九五年四月三日発表)東京商工会議所データ

増資など何らかの対応策をとった

二二・八パーセント

近々対応策をとる予定

五三・五パーセント

対応策をとっていない理由

資金不足

三五・九パーセント

猶予期間がある

五三・五パーセント

速報税理(一九九五年七月二一日発表)

最低資本金制度達成会社

三〇乃至四〇パーセント

日本経済新聞(一九九五年七月一三日発表)五月末帝国データ調査

株式会社

一千万未満

三四・〇パーセント

有限会社

三百万未満

二九・三パーセント

一 この最低資本金をクリアできない場合、次のような問題があるが、どう考えるか。

�@ 通常の営業活動が不可能になるか、これを回避するには組織変更が必須となる。

�A 組織変更は、反対株主に株式の買取請求権が生じる。

�B 組織変更は、諸官庁の諸許可が要件の会社にとって業務が中断又は許認可が引き継がれない場合もある。

�C みなし配当の課税が行われ、株主・出資者は過重な資金負担を強いられる。

�D 株式会社から有限会社への組織変更には、債務超過会社の登記は受け付けない。

�E 債務超過会社が組織変更を行うとすれば、原則として含み益のある土地の評価益を計上しなければならず、土地重課税制度の適用を受けることになる。

�F 商号の排他力がなくなる。

二 株式会社は一千万円、有限会社は三百万円を最低資本金とし、平成八年三月三十一日までにこの最低資本金の組織変更がなされない場合は、職権により会社解散となる。しかしながら、前述の情勢下にある今日、平成八年三月三十一日の猶予期間の終了をもって職権による解散という強行手段を取らず、経済社会の実態を踏まえ、猶予期間の延長、或いは法務大臣の官報による公告の日の延長を図るなどして、これが最低資本金の組織変更をできる限り達成してもらうことが必要と思われる。よって、猶予期間延長の法改正、又は法務大臣公告日の延長をする用意はないか。

右質問する。

衆議院の原文・経過

政府答弁書

一の�@について

商法等の一部を改正する法律(平成二年法律第六十四号)により改正された商法(明治三十二年法律第四十八号)及び有限会社法(昭和十三年法律第七十四号)によれば、株式会社又は有限会社の最低資本金の額は、それぞれ千万円又は三百万円とされているところであるが、この最低資本金に達しない株式会社又は有限会社は、他の種類の会社に組織変更をすることにより、会社として営業活動を継続することができる。

一の�Aについて

株式会社が有限会社に組織変更をするには、従来、総株主の一致による株主総会の決議が必要とされていたが、前記改正後の有限会社法においては、組織変更を容易にするため、特別の多数による株主総会の決議で足りることとされた。また、最低資本金制度の導入に伴う経過措置として、会社の存続を図るため、特に、株式会社が同様の決議により合名会社又は合資会社に組織変更をすることが認められたところである。これらの場合には、組織変更に反対する株主に株式の買取請求権が認められているが、この株式の買取請求権は、組織変更に反対する株主を保護するために欠くことができないものである。

一の�Bについて

会社が他の種類の会社に組織変更をしても、その会社の法人格の同一性は失われない。

一の�Cについて

株式会社が組織変更をする場合を含め、利益等の資本組入れ等がなければ、みなし配当課税は生じない。なお、株式会社が平成八年三月三十一日までの間に最低資本金の額に達するまでの利益等の資本組入れをしても、みなし配当については、所得税を課さないこととされているところである。

一の�D及び一の�Eについて

債務超過の状態にある株式会社は、有限会社に組織変更をすることはできないが、債務超過のままであっても、合名会社又は合資会社に組織変更をすることができる。なお、土地の評価換えをして帳簿価格を増額した場合には、土地の譲渡益に対する適正な課税を確保する観点から、土地の譲渡等がある場合の特別税率制度を適用することとしているものである。

一の�Fについて

最低資本金に達しない株式会社又は有限会社は、他の種類の会社に組織変更をすることにより、その商号について、商法第十九条の保護を受けることができる。

二について

最低資本金制度は、株式会社の株主又は有限会社の社員が有限責任とされていることから、会社の債権者を保護する等のため、これらの会社としてふさわしい財産的基盤を確保することを目的として導入されたものである。また、その制度の導入に当たっては、制度の円滑な実施を図るため、導入時に現に存する株式会社及び有限会社について、制度の適用を五年間猶予するとともに、合名会社又は合資会社への組織変更を特別に認めることとしている上、猶予期間の満了後解散したものとみなされた場合においてもその後三年間は会社を継続することができることとするなど、相当の手当てがされているところである。したがって、猶予期間の延長等をすることは適当ではないと考えている。

衆議院の原文

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