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国の医療機関における人体の臓器・組織の冷凍保存に関する質問主意書

衆議院 第140回 第20号

提出者
衆議院
提出日
1997年5月9日
内閣転送 1997年5月12日
答弁書受領日
1997年7月29日
提出から81日
答弁の項目数
2
質問 1,256字/答弁 3,779字

質問本文

今般、二つの臓器移植法案が国会において審議に及んでいるが、人体の臓器・組織の摘出及び保存の現状については情報が充分に公開されているとは言えない。

平成五年十一月、関西医大で女性患者から腎臓が摘出される際に、「心臓弁の提供があるかもしれない」との連絡を受けて奈良県立医大チームが呼ばれ、「腎臓以外にも摘出の可能性あり」との連絡で国立循環器病センターのチームが呼ばれる等々、本人は勿論、家族にも無断で血管を摘出していた。これらの行為は、法的にも倫理的にも極めて重大な問題である。

厚生省が本年三月二八日発表した内容によると、大阪の国立循環器病センターには、今現在、心臓弁.血管・皮膚・膵臓ランゲルハンス氏島などの組織が合計二七件冷凍保存され、そのうち四件は家族・本人の承諾もなく勝手に摘出保存されているとのことである。移植医療が進むにつれ、発生する密室医療の中で臓器・組織を安易に医療資源として扱うことは、最も救命を必要とする重症患者、死亡した患者とその家族の人格に対する蔑視を含んだ人権侵害行為である。

このような行為が、行われていることは大きな問題であり、まずは現状を明らかにすることが肝要である。国立病院・大学病院等国の医療機関における人体の臓器・組織の摘出及び保存の現状等について、以下質問する。

一 今日、皮膚や血管など人体の組織の冷凍保存は、第三次救急医療機関においては広く行われているところである。臓器の場合も、学会発表等がなされていることからも分かるように、研究のための保存は行われているのが現状である。

1 全国の国立病院・大学病院等国の医療機関において、現在冷凍保存されている人体組織の全実態を調査し明らかにせよ。

�@ 現在冷凍保存されている組織には何があるか。それぞれの数・量は全体でどれだけか。

�A 冷凍保存されている組織の種類、数・量の詳細を、各医療機関ごとに明らかにせよ。

2 全国の国立病院・大学病院等国の医療機関において、現在冷凍保存されている臓器の全実態を調査し明らかにせよ。

�@ 現在冷凍保存されている臓器には何があるか。それぞれの数・量は全体でどれだけか。

�A 冷凍保存されている臓器の種類、数・量の詳細を、各医療機関ごとに明らかにせよ。

二 保存されている臓器・組織が、どの様なネットワークや手続きに基づき摘出・保存されているのか調査し、明らかにすることが必要である。

1 全国の国立病院・大学病院等国の医療機関において、現在冷凍保存されている人体組織はどの様なネットワークや手続きに基づき摘出・保存されているのか。全ての詳細を明らかにせよ。

2 全国の国立病院・大学病院等国の医療機関において、現在冷凍保存されている臓器はどの様なネットワークや手続きに基づき摘出・保存されているのか。全ての詳細を明らかにせよ。

三 これらの臓器・組織の冷凍保存は、現在の法体系の下で、それぞれ如何なる法的根拠の下に行われているのか。該当する法文等を示して説明されたい。

右質問する。

衆議院の原文・経過

政府答弁書

一及び二について

厚生省が、同省が実施した「平成八年医療施設調査」において開設者が国とされている医療機関を所管する国の行政機関(その所管する医療機関が診療室等のみであるものを除く。)に対して、本年六月一日現在のその所管する医療機関(以下「国の医療機関」という。)における人体の臓器のうち腎臓、心臓、肺、肝臓、膵臓、脾臓及び小腸並びに人体の組織のうち血管、心臓弁、皮膚、膵臓ランゲルハンス氏島、骨、軟骨及び筋膜の冷凍保存の状況について照会したところ、これらの国の医療機関のうち、臓器を冷凍保存しているものはなく、組織については血管、心臓弁、皮膚、膵臓ランゲルハンス氏島又は骨を冷凍保存しているものが三十八機関あった。これらの国の医療機関において冷凍保存されている組織の件数(一件は、組織の種類ごとにそれぞれ一回の摘出術によって摘出されたものを意味する。以下同じ。)は合計六百二件であり、その個数は合計八百七十個であった。

組織の冷凍保存を行っている国の医療機関を所管する国の行政機関及び国の医療機関の名称は、別表第一のとおりであり、冷凍保存されている組織の種類、数及び量(一件当たりの個数並びに部位及び大きさとする。)並びに摘出及び冷凍保存に係るネットワーク又は手続の詳細は、別表第一において示す別表第二から別表第三十九までのとおりである。

三について

一及び二についてで述べた国の医療機関における血管、心臓弁等の人体の組織の冷凍保存に関しては、これを行うことに根拠を与える特段の法令の規定はないが、通常本人又は遺族の承諾を得た上で医療上の行為として行われているものと承知している。なお、刑法(明治四十年法律第四十五号)第百九十条(死体損壊等)に規定する犯罪等との関係については、医療的見地、社会的見地等から同法第三十五条に規定する正当業務行為と認められる場合には、同条により違法性が阻却されるものと考える。

別表第一

別表第二(防衛医科大学校病院)

1 ネットワークの概要

東京近郊の重症熱傷治療施設の関係者を構成員とし、重症熱傷患者の救命のために同種凍結皮膚を必要に応じ供給できる体制を作るための任意の団体

2 一般的な実施手順

皮膚提供者の主治医が皮膚の提供の可能性を判断し、東京スキンバンクネットワークの事務局に連絡をする。主治医若しくは東京スキンバンクネットワークのコーディネーターが、皮膚提供者の遺族に摘出及び冷凍保存に関する説明をした上で、皮膚の提供についての承諾を書面により得る。東京スキンバンクネットワークの構成員である医師が採皮を行い、搬送し、冷凍保存する。

別表第三(北海道大学医学部附属病院)

別表第四(旭川医科大学医学部附属病院

別表第五(弘前大学医学部附属病院)

別表第六(東北大学医学部附属病院)

別表第七(秋田大学医学部附属病院)

別表第八(千葉大学医学部附属病院)

別表第九(東京大学医学部附属病院)

(注)胸部同種組織凍結保存連絡会(代表者 前東京大学胸部外科教授)

1 ネットワークの概要

関東圏内の医療施設の関係者を構成員とし、心臓弁の摘出及び冷凍保存並びに心臓弁の移植に関する協力及び啓発活動を行う任意の団体

2 一般的な実施手順

心臓弁提供者の主治医又は胸部同種組織凍結保存連絡会の構成員である心臓血管外科(胸部外科)医師が、心臓弁の提供の可能性を判断し、心臓弁提供者の遺族に摘出及び冷凍保存に関する説明をした上で、心臓弁の提供についての承諾を書面により得る。胸部同種組織凍結保存連絡会の構成員である心臓血管外科(胸部外科)医師が、当該心臓弁の摘出を行い、心臓弁の冷凍保存を担当する施設に搬送し、当該施設の胸部外科担当医師が、当該心臓弁を冷凍保存する。

別表第十(金沢大学医学部附属病院)

別表第十一(福井医科大学医学部附属病院)

別表第十二(山梨医科大学医学部附属病院)

別表第十三(岐阜大学医学部附属病院)

別表第十四(名古屋大学医学部附属病院)

(注)愛知バイオスキンバンク(代表者 名古屋大学医学部口腔外科学講座教授)

1 ネットワークの概要

名古屋近郊の医療施設の関係者を構成員とし、培養表皮及び培養口腔粘膜の作製及び冷凍保存並びにその供給を行う任意の団体

2 一般的な実施手順

皮膚提供者の担当医師が、皮膚の提供の可能性を判断し、患者本人に採皮及び冷凍保存に関する説明をした上で、皮膚の提供についての承諾を書面により得る。当該担当医師が皮膚の採皮を行い、名古屋大学医学部口腔外科に搬送する。名古屋大学医学部口腔外科学講座内の皮膚培養担当者が、採皮された皮膚により作製した培養表皮又は培養口腔粘膜を冷凍保存する。

別表第十五(神戸大学医学部附属病院)

(注)兵庫骨移植研究会(代表者 神戸大学医学部教授)

1 ネットワークの概要

兵庫県内の整形外科医師を構成員とし、骨の摘出及び冷凍保存を行う任意の団体

2 一般的な実施手順

骨提供者の主治医が、骨の提供の可能性を判断し、兵庫骨移植研究会の事務局に連絡を行う。当該主治医が、当該骨提供者に摘出及び冷凍保存に関する説明をした上で、骨の提供についての承諾を書面により得る。骨提供者の主治医が骨の摘出を行い、兵庫骨移植研究会の構成員である医師が搬送し、冷凍保存する。

別表第十六(鳥取大学医学部附属病院)

(注)鳥取大学整形外科骨銀行(代表者 鳥取大学医学部整形外科教授)

1 ネットワークの概要

鳥取大学医学部整形外科及びその関係医療機関の医師を構成員とし、骨の冷凍保存並びにその提供を行う任意の団体

2 一般的な実施手順

骨提供者の主治医が骨の提供の可能性を判断し、鳥取大学整形外科骨銀行の担当者に連絡を行う。当該主治医が、当該骨提供者に摘出及び冷凍保存に関する説明をした上で、骨の提供についての承諾を口頭又は書面により得る。骨提供者の主治医が骨の摘出を行い、鳥取大学

整形外科骨銀行の構成員である医師が搬送し、冷凍保存する。

別表第十七(島根医科大学医学部附属病院)

別表第十八(岡山大学医学部附属病院)

別表第十九(山口大学医学部附属病院)

別表第二十(徳島大学医学部附属病院)

別表第二十一(高知医科大学医学部附属病院)

(注)高知医科大学整形外科骨銀行ネットワーク(代表者 高知医科大学整形外科教授)

1 ネットワークの概要

高知医科大学整形外科の同門会会員を構成員とし、骨の提供、摘出、搬送及び冷凍保存に関わる任意の団体

2 一般的な実施手順

骨提供者の主治医が骨の提供の可能性を判断し、高知医科大学医学部附属病院整形外科骨銀行担当者(整形外科長)に連絡を行う。当該主治医が、当該骨提供者に摘出及び冷凍保存に関する説明をした上で、骨の提供についての承諾を口頭により得るとともに、骨の摘出を行う。同病院骨銀行担当者(整形外科長)が搬送し、冷凍保存を行う。

別表第二十二(九州大学医学部附属病院)

別表第二十三(長崎大学医学部附属病院)

別表第二十四(熊本大学医学部附属病院)

別表第二十五(大分医科大学医学部附属病院)

別表第二十六(国立札幌病院)

別表第二十七(国立函館病院)

別表第二十八(国立病院東京災害医療センター)

別表第二十九(国立相模原病院)

別表第三十(国立名古屋病院)

別表第三十一(国立大阪南病院)

別表第三十二(国立三朝温泉病院)

別表第三十三(国立病院九州医療センター)

別表第三十四(国立循環器病センター)

(注一)組織凍結保存ネットワーク(代表者 特に定められていない)

1 ネットワークの概要

近畿圏内の医療施設の関係者を構成員とし、組織の摘出及び組織の保存並びに組織の移植に関する啓発活動を行う任意の団体

2 一般的な実施手順

組織提供者の主治医が組織の提供の可能性を判断し、組織凍結保存ネットワークのコーディネーター又は組織凍結保存ネットワークの構成員である医師に連絡を行う。コーディネーター又は当該主治医が、当該組織提供者の遺族に摘出及び冷凍保存に関する説明をした上で、組織の提供についての承諾を書面により得るとともに、組織凍結保存ネットワークの構成員である医師に連絡する。連絡を受けた医師が、組織の摘出を行い、搬送し、冷凍保存する。

(注二)近畿スキンバンク(代表者 大阪府立千里救命救急センター長)

1 ネットワークの概要

近畿圏内の医療施設の関係者を構成員とし、同種皮膚移植並びに同種皮膚移植に関する研究及び啓発活動を行う任意の団体であり、日本熱傷学会近畿地方会の行う事業として運営されている団体

2 一般的な実施手順

皮膚提供者の主治医が皮膚の提供の可能性を判断し、近畿スキンバンク事務局に連絡を行う。当該主治医が、当該皮膚提供者の遺族に対して摘出及び冷凍保存に関する説明をした上で、皮膚の提供についての承諾を書面により得るとともに、皮膚の摘出を行う。皮膚提供者の主治医が、皮膚の冷凍保存を担当する施設に搬送し、冷凍保存を担当する施設において冷凍保存を行う。

別表第三十五(美唄労災病院)

別表第三十六(燕労災病院)

別表第三十七(中部労災病院)

別表第三十八(大阪労災病院)

別表第三十九(長崎労災病院)

衆議院の原文

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件名と質問本文の冒頭の意味が近いものを、前もって計算しておいた表から近い順に8件並べました(multilingual-e5-large)。同じ言葉を使っていなくても出ます。論点が少しずれていることもあります。

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