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防衛庁の秘密保全体制の現状に関する質問主意書
衆議院 第151回 第14号お答えすることは困難 ×2承知していない ×1
質問本文
「衆議院議員金田誠一君提出防衛庁の秘密保全体制に関する質問に対する答弁書」(平成十二年十一月十七日答弁、以下「答弁書」という。)の不明な点につき以下質問する。
一 秘密保全に関する規則について
防衛庁においては「秘密保全に関する内訓」と題する規則が存在するはずであるが、答弁書の別表には掲載されていない。その理由を明らかにされたい。
二 秘密の取り扱い場所について
1 答弁書によると「秘密保全に関する訓令」(昭和三十三年防衛庁訓令第百二号)第二十条に基づいて立入を禁止された場所以外でも「秘密の知識又は文書、図画若しくは物件」が取り扱われる場合があるとのことであるが、これに関し以下の点を明らかにされたい。
�@ 本来、秘密(「自衛隊法」第五十九条で定める「秘密」。以下同じ。)を取り扱うのであれば、関係者以外の立入を禁止することがその保全上当然行われるべき措置である。そうした措置が取られることなく、秘密が取り扱われている現状に関して政府の見解を明らかにされたい。
�A 現在防衛庁・自衛隊において、関係者以外の立ち入りが禁止されていない場所で秘密が取り扱われている理由について明らかにされたい。
�B 現在、防衛庁本庁において関係者以外の立ち入りが禁止されていないにもかかわらず日常的に秘密が取り扱われている区域について明らかにされたい。
2 答弁書によると「現在、防衛庁本庁において、部外者の立入りが可能な場所において、秘密の知識又は文書、図画若しくは物件が取り扱われる場合はある」とされている。
このような実態は、秘密保全体制としてはずさんの一言に尽きる。部外者の立入り可能な場所での秘密の取り扱いを直ちに取り止めるべきと考えるが、政府の見解はどうか。
三 秘密の非公知性について
答弁書によると一般に知られないことをもって非公知性は失われないとの見解を示している。
そこで、昨年発生した海自三佐による秘密漏洩事件のように、一般には知られたわけではないが、外国の情報機関に内容が知られた場合は非公知性は失われたと見るのか、政府の見解を明らかにされたい。
四 外部への秘密の委託について
1 答弁書によると「秘密の文書、図画又は物件の製作等を政府機関に委託するときの保全措置を定めた規則については、制定していない」とのことであるが、その理由を明らかにされたい。
2 答弁書によると「生物兵器への対処に関する懇談会開催運営要綱」第七にいう「秘密」を同懇談会委員が他に漏らした場合の制裁措置は定めていないとのことである。
昨年発生した海自三佐による秘密漏洩事件のように、刑事罰による制裁があるにもかかわらず自衛官が秘密を漏洩した事実がある。そこで同懇談会で扱われる「秘密」が制裁措置なしに保全され得るのか、その根拠を明らかにされたい。
五 「取扱い上の注意を要する文書等」の取扱いについて
答弁書によると「取扱い上の注意を要する文書等の取扱いについて(通達)」(昭和五十六年三月二日防防調一第九百四十八号)で定める「取扱い上の注意を要する文書等」の取扱いについて、「その送達、貸出し又は閲覧を記録することとされていない」とある。
しかしながら、「注意文書等の取扱いに関する達」(昭和四十八年防衛研修所達第九号)第八条、「取扱上の注意を要する文書等の取扱いについて(通達)」(平成九年一月二十日情本総第九号)六、「取扱上の注意を要する文書等の取扱いについて(通達)」(昭和五十六年三月十七日陸幕調一第七十四号)二は、防衛庁職員以外の者に閲覧等をさせる場合に所要の記録をすることを定めている。
そこで以下の点を明らかにされたい。
1 「その送達、貸出し又は閲覧を記録することとされていない」としているのは、内部部局に関してのみではないのか。
2 仮に内部部局のみ、そうした記録をしていないとすると、管理体制がずさんの一言に尽きるが、政府の見解はどうか。
3 内部部局においても直ちに「取扱い上の注意を要する文書等」の閲覧、貸出について記録を取るような体制にすべきと考えるが、政府の見解はどうか。
六 「取扱い上の注意を要する文書等」の秘密性について
1 答弁書によると「『取扱い上の注意を要する文書等』のうち自衛隊法第五十九条に規定する『秘密』に該当しないもの」との表現が繰り返されているが、このことは逆に「取扱い上の注意を要する文書等」の中には自衛隊法第五十九条に規定する「秘密」に該当するものが含まれている文書等が存在することがうかがえる。
そこで以下の点を明らかにされたい。
�@ 「取扱い上の注意を要する文書等」の中には、自衛隊法第五十九条に規定する「秘密」に該当するものを含み、かつ「秘密保全に関する訓令」(以下「訓令」という。)第二条で定める「秘密」には指定されていないものが存在するのか。
�A �@に該当するものについてその件数及び点数を明らかにされたい。
2 答弁書では、訓令第五条各号(「極秘」、「秘密」、「秘」)のいずれにか該当するものに対して、秘密の指定をつかさどる職員が、訓令第五条各号のいずれかの秘密区分に指定しなかった場合、当該職員は自衛隊法第四十六条第一項各号のいずれかに該当し、懲戒処分の対象となることを明らかにしている。
そこで、前記1の�@に該当する文書等が仮に存在する場合、当該秘密の指定をつかさどる職員は自衛隊法第四十六条第一項各号のいずれかに該当するという理屈となるはずだが、政府の見解はどうか。
七 自衛隊法第五十九条(守秘義務)と捜査当局への協力について
答弁書によると捜査当局への協力の過程で「秘密を明らかにできるか否かは、これを明らかにすることによって得られるべき公益と、守秘義務によって守られるべき公益とを個別具体的に比較衡量して決せられるもの」としている。
そこで以下の点を明らかにされたい。
1 「比較衡量して決せられる」とあるが、それを決定する主体は誰か明らかにされたい。
2 訓令第五条(一)で定める「機密」とは、「秘密の保全が最高度に必要であつて、その漏えいが国の安全又は利益に重大な損害を与えるおそれのあるもの」であるが、「これを明らかにすることによって得られるべき公益」とは何か政府の見解を明らかにされたい。
3 訓令第五条(二)で定める「極秘」とは、「機密につぐ程度の秘密の保全が必要であつて、その漏えいが国の安全又は利益に損害をあたえるもの」であるが、「これを明らかにすることによって得られるべき公益」とは何か政府の見解を明らかにされたい。
4 訓令第五条(三)で定める「秘」とは、「極秘につぐ程度の秘密の保全が必要であつて、関係職員以外の者に知らせてはならないもの」であるが、「これを明らかにすることによって得られるべき公益」とは何か政府の見解を明らかにされたい。
八 日本電気株式会社において平成二年に発覚した秘密漏えい事案について
同秘密漏えい事案については、「契約企業における秘密保全の更なる徹底について(通達)」(平成十年防防調第五千二百九十九号)で認めるところである。
そこで漏えいした秘密は「自衛隊法」第五十九条で定める「秘密」に該当するのか明らかにされたい。
九 以下に関わる文書のタイトル・発簡番号・制定年月日を明らかにされたい。なおそれらを明らかにできない場合は、その法令上の根拠をそれぞれ明らかにされたい。
1 訓令第二十九条第二項の「事務次官の定めるところ」。
2 訓令第三十条第六項の「官房長等(内部部局にあつては、官房長)の定めるところ」。
十 秘密指定解除文書の公開について
答弁書によると秘密指定を解除された文書の公開について「引き続き検討してまいりたい」としているが、この点に関し以下の点を明らかにされたい。
1 この問題に関する現在の責任者の官職と氏名を明らかにされたい。
2 この問題に関してこれまで検討してきた実績を明らかにされたい。
右質問する。
政府答弁書
一について
御指摘の内訓は、昭和三十三年に全部改正されて現行の「秘密保全に関する訓令」(昭和三十三年防衛庁訓令第百二号。以下「訓令」という。)となったため、先の答弁書(平成十二年十一月十七日内閣衆質一五〇第一〇号)の別表に掲載しなかったものである。
二の1の�@及び�A並びに2について
防衛庁においては、訓令第二十条の規定に基づき立入りを禁止された場所(以下「立入禁止場所」という。)以外の場所である事務室、会議室等においても、事務を執り行うに際して秘密の知識又は文書、図画若しくは物件を日常的に取り扱う必要があるが、その場合には、関係職員以外の者の入室を制限し、退席を求め、あるいは、関係職員以外の者が入室したときはその取扱いを中断する等関係職員以外の者に秘密を知られることのないよう措置することとしており、秘密の保全上問題があるとは考えていない。
二の1の�Bについて
現在、防衛庁本庁においては、立入禁止場所以外の場所で秘密の知識又は文書、図画若しくは物件を取り扱うことが日常的に行われているため、お尋ねの区域を特定することは困難である。
三について
御指摘の場合については、一般に知られたわけではないため、非公知性が失われたとは考えていない。
四の1について
政府機関の職員については、国家公務員法(昭和二十二年法律第百二十号)第百条等の規定に基づき秘密を守る義務が課せられているため、秘密の文書、図画又は物件の製作等を政府機関に委託するときの保全措置を定めた規則については、制定していない。
四の2について
防衛庁においては、生物兵器への対処に関する懇談会の第一回目の会合において、同懇談会の委員に「生物兵器への対処に関する懇談会開催運営要綱」の内容を確認させていることから、同要綱第七にいう「秘密」は保全され得るものと考えている。
五について
防衛庁本庁内部部局においてのみ「取扱い上の注意を要する文書等の取扱いについて(通達)」(昭和五十六年三月二日防防調一第九百四十八号)に定める「取扱い上の注意を要する文書等」の送達、貸出し又は閲覧を記録することとしていないわけではない。
なお、防衛研究所、陸上幕僚監部及び情報本部においては、右通達を踏まえて、各機関の実情に即して御指摘のような措置を定めているものである。
六の1について
「取扱い上の注意を要する文書等」の中には、自衛隊法(昭和二十九年法律第百六十五号)第五十九条に規定する「秘密」に該当するものの、訓令第二条第一項に規定する「秘密」に該当しないものがあるが、その件数等については把握していない。
六の2について
自衛隊法第五十九条に規定する「秘密」は、訓令第二条第一項に規定する「秘密」の指定の有無にかかわらず、非公知性と秘匿の必要性の二つの要素を具備する事実をいうところ、訓令第五条第三号に規定する「関係職員以外の者に知らせてはならないもの」に該当しなくとも、例えば、関係職員でなくとも防衛庁職員であれば知らせても差し支えなく、かつ、依然として非公知性と秘匿の必要性を有するものもあり、六の1についてで述べたものが存在するからといって、訓令において秘密の指定を行うこととされている職員が直ちに自衛隊法第四十六条第一項各号のいずれかに該当することとはならないと考える。
七の1について
第一次的には防衛庁において比較衡量して決定する。
七の2から4までについて
御指摘の秘密を明らかにすることによって得られるべき公益とは、適正な刑事司法の実現である。
八について
御指摘の秘密は、非公知性と秘匿の必要性の二つの要素を具備する事実であった。
九の1について
お尋ねの「事務次官の定め」の名称、発簡番号及び制定年月日については、これを明らかにすると他国との信頼関係が損なわれるおそれがあるので、答弁を差し控えたい。
九の2について
お尋ねの「官房長等(内部部局にあつては、官房長)の定め」の名称、発簡番号及び制定年月日については、別表のとおりである。
十について
防衛庁において秘密区分の指定を解除した文書の公開については、当該文書の秘密区分の指定の解除の事務を所管する各部署において個別に検討中であり、現時点では、その実績等についてお答えすることは困難である。
別 表
名称
発簡番号
制定年月日
防衛施設庁における秘密保全に関する訓令
昭和三十八年
防衛施設庁訓令第三十七号
昭和三十八年十一月十四日
秘密保全に関する達
昭和四十三年十二月十一日
技術研究本部達第五号
昭和四十三年十二月十一日
秘密保全に関する達
昭和四十三年十二月二十三日
海上自衛隊達第七十六号
昭和四十三年十二月二十三日
統合幕僚会議事務局秘密保全に関する達
昭和五十五年九月二十二日
統合幕僚会議事務局達第三号
昭和五十五年九月二十二日
秘密保全に関する達
昭和五十七年一月五日
航空自衛隊達第一号
昭和五十七年一月五日
情報本部秘密保全に関する達
平成九年一月二十日
情報本部達第五号
平成九年一月二十日
秘密保全に関する達
平成十三年一月六日
契約本部達第三十二号
平成十三年一月六日
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