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コーラン廃棄事件(富山県)に関する質問主意書
衆議院 第151回 第94号承知していない ×1検討してまいりたい ×1
質問本文
事件の概要
五月二十一日、富山県小杉町白石の中古車販売店「ゴンダル・コーポレーション」の周辺に破られたイスラム教の聖典コーランが散乱しているのが来訪者によって発見された。廃棄されたコーランはアラビア語で書かれ、パキスタンの公用語であるウルドゥ語の訳がついていた。
この問題に対して、パキスタン人を中心とするイスラム教徒らの抗議行動が開始され、翌日富山県警小杉署前で約三百人が集まり集会を開いたが、その後、イスラム教徒たちは富山県警本部に移動し、代表者が事件の早期解決を訴えた。五月二十五日には東京・代々木上原のイスラムモスクにおいて緊急集会が行われ、外務省に対しても要請行動が行われた。
イスラム教徒にとって、コーランは「命よりも大切なもの」とされている。この事件は多くのイスラム教徒の心を傷つけ、日本に対して誤った印象を与える契機になる可能性もある。対応を誤ると、我が国は人種差別・外国人差別を行う国家であるとの印象を持たれ、在留邦人の安全にも影響を与える。一方、この問題をきっかけにして、イスラム社会との相互理解を図り、将来の共存を考える上での良い契機にもなり得ると考えられる。
この点に関し、政府は具体的にどのような見解を持ち、対策を立てようとしているのか。近い将来、「イスラム教徒との共存」が日本社会においても一般的な状況になることを前提として、以下質問する。
一 外務大臣の対応
六月一日の外務委員会において、この事件に対する政府の対応について外務大臣に質問したが、必要な対応をしたいという返答であった。それは何を意味しているのか。具体的にどのような声明、対策を考えているのか、政府の見解を伺いたい。
二 外務省の対応
イスラム教徒の代表者が外務省に対し要請を行ったとのことだが、具体的にはどのような要請を受け、どのように対応したのか、説明を頂きたい。
三 我が国におけるイスラム社会およびイスラム文化への対応
1 日本社会との摩擦
現在世界人口の約二十%を占めるイスラム教徒は、高い出生率も影響し、三十年後には世界人口の三分の一にまで増えると予測されている。我が国は将来労働力が不足することもあり、外国人労働者として中東、さらにアジア地域から多くのイスラム教徒が来訪し、隣人として共に生活する事態が予想されている。政府はこの事態をどのように把握しているのか。具体的な説明を頂きたい。
2 摩擦を軽減するための対応
今回の事件はイスラム教に対する理解不足が根幹にあると思われるが、今後、国民のイスラム社会への理解を深めるために政府としてどのような対策や教育を考えているのか。具体的な説明を頂きたい。
3 対話の促進
本年一月、河野外務大臣がペルシャ湾岸諸国を訪問中に「文明間の対話」の重要性を強調したと報道されている。具体的にはどのような提言を行ったのか詳細に示されたい。
右質問する。
政府答弁書
一について
民族及び宗教の多様性を尊重することは大切であると考えており、平成十三年五月二十五日付けで「我が国政府としては、あらゆる国の国民の宗教的感情を尊重することは基本的な重要性を有するものと考える。富山県におけるコーランの破損事件において、イスラム教を信仰する人々の感情が大きく傷つけられたことは誠に残念なことであり、深い同情の念を有するものである。本件については、現在、警察当局によって法律に基づいて厳正に捜査が行われていると承知しており、早期に解決されることを期待する。」との外務報道官談話を発表したところである。
政府としては、今後ともイスラム世界との人的交流、各種セミナーの開催等を積極的に行い、イスラム教及びイスラム社会に対する理解の増進に努めていく考えである。
二について
平成十三年五月二十五日、ライス・シッディキ在日パキスタン人協会会長外八名が外務省を訪問し、富山県におけるコーランの破損事件は我が国及び世界のイスラム教徒の宗教的感情を損なうものであり、我が国が本件の真剣な捜査、再発の防止、犯人の発見と厳重な処罰等を行うことにより、信教の自由と尊厳を認める国としてイメージを回復してもらいたい旨の申入れを行った。
これを受けて、外務省においては当該申入れの内容を警察当局に速やかに伝えるとともに、同日付けで一についてで述べた外務報道官談話を発表したところである。
三の1について
我が国に在留するイスラム教徒の人数については、把握していない。
なお、全人口の五十パーセント以上がイスラム教徒である国の国籍を有する外国人登録者の総数は、平成二年末の一万五千百四十二人から平成十二年末の五万三千九百九十人へと大幅に増加しており、今後、これらの国々との交流が一層活発化すれば、その数は更に増加すると考えられる。
三の2について
民族及び宗教の多様性を尊重することは大切であると考えており、世界人口の約五分の一という多数の信徒を擁するイスラム教及びイスラム社会についての理解を深めることが重要であると考えている。こうした観点から、平成十二年三月、外務省内にイスラム研究の有識者等で組織するイスラム研究会を設置し、同年十二月までの間に行われた七回の議論の成果を取りまとめた報告書(以下「研究会報告」という。)を外務省のホームページ上で公開している。研究会報告においては、イスラム研究の拡充と政策への反映、研究者及び若年層を中心とするイスラム諸国との人的交流等今後の政策の在り方について提言等が行われており、研究会報告によって、国民のイスラム教及びイスラム社会に対する理解が増進され、今後の我が国とイスラム世界との関係が更に強化されることが期待されている。さらに、研究会報告の提言も踏まえ、イスラム世界との対話を促進するため、イスラム世界との人的交流、各種セミナーの開催等を積極的に行っていく考えである。これらの成果を広く国民に発信していくため、将来単独のホームページを開設する可能性についても検討しているところである。
また、学校教育においては、児童生徒に世界の様々な文化を理解させることが重要であり、児童生徒の発達段階に応じた適切な指導を行うこととしている。
三の3について
研究会報告では、国際連合において平成十三年が「文明間の対話年」とされていることも念頭に置きつつ、イスラム世界との対話を促進するよう提言されている。河野前外務大臣は、当該提言を踏まえ、同年一月に湾岸諸国を訪問した際、これまでの政治、経済等の分野における協力を深化させるとともに、「湾岸諸国との重層的な関係に向けた新構想」として、人的交流や学術交流を通じたイスラム世界との文明対話の促進、水資源の不足が共通の問題になっている湾岸諸国に対する水資源開発の支援及びアジア全体の政治経済の問題等を含む幅広い政策対話の促進の三分野を柱に、積極的な協力の具体化を図っていきたい旨を提案した。
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件名と質問本文の冒頭の意味が近いものを、前もって計算しておいた表から近い順に8件並べました(multilingual-e5-large)。同じ言葉を使っていなくても出ます。論点が少しずれていることもあります。